士別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日
食料・農業・農村基本法の見直しに伴う対応と農業における喫緊の諸課題について
2023年9月13日、士別市議会の一般質問で、大西陽議員が「食料・農業・農村基本法の見直しに伴う対応と農業における喫緊の諸課題について」質問し、市長 渡辺英次、経済部長 鴻野弘志が答弁しました。
- 質問者
- 大西陽 議員
- 答弁者
- 市長 渡辺英次、経済部長 鴻野弘志
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 12番 大西陽
通告のとおり一般質問を行います。いつもそうであるように、今回もそれぞれ重要な案件と私自身は捉えております。議論が深まることを期待して最初の質問に入ります。食料・農業・農村基本法の見直しに伴う対応と農業における喫緊の諸課題についてであります。昨日の北海道新聞に農水省の有識者会議が今月11日に農政の基本方針となる食料・農業・農村基本法を見直す最終的な取りまとめを農水大臣に答申をしたと載っておりました。その上で、食料・農業・農村基本法は、1961年に制定された農業基本法に代わって、1999年に新たに食料・農村を条文に加え制定され、政府として農業政策の方向性と中長期的に取り組むべき方針を定めたものであります。基本法に基づく理念の実現に向けて、具体的な政策の基本的な考え方、その実施に至る道筋を示した食料・農業・農村基本計画の策定を同時に行っており、おおむね5年ごとに見直しをすることになっています。今回の見直しの主な論点は、食料自給率など国の目標設定の在り方、食料危機への対応、食料備蓄の水準と運営の在り方、多様な農業人材の位置づけと施策の具体化、適正な価格形成の仕組みの具体化、環境負荷低減への対応、スマート農業への取組、農村の人口減への対応と農業インフラの維持、そして物流の2024年問題への対応などが挙げられております。農水省は地方での意見交換などを踏まえ、来年の通常国会に食料・農業・農村基本法改正案の提出に向けて進めていく予定としていることから、これらの論点整理が必要であり、特に食料自給率の目標が未達のまま推移をしていることを踏まえて、将来の作物生産の明確な指針を示すとともに、食料安全保障の強化を図る取組など、制度の見直し、施策の拡充など、地方での政策提案が適切に反映されるように、生産者団体、関係する事業者、消費者団体、そして地方自治体が一体となって働きかけていくことが極めて重要なことであります。そこで、本市または全道市長会や所属する各種団体などを通じた食料・農業・農村基本法の見直しに伴う今までの取組経過と今後の対応についてまずお伺いをいたします。次に、水田活用の直接支払交付金の厳格化として、2022年、令和4年ですけれども、から2026年、令和8年の5年間に一度も水張りが行われない農地は、2027年、令和9年以降、交付対象水田としないとの方針が唐突に示されましたが、対象となる農業者に戸惑いと併せて大きな不安をもたらしております。現在、道や北海道中央会、北海道農業会議などで構成する水田活用の直接支払交付金の見直しに係る関係機関連絡会議では、各地域の農業再生協議会との意見交換を通じて、交付金見直しの対応として現行ルールの再徹底と予算確保などを政府に要請していくことを決定しております。さらに、農水省は、水田の畑地化を進める政策として、計画的な畑作物の本作化に取り組む農業者に対して、生産が安定するまで一定期間継続的にいわゆる伴走支援を行う畑地化促進事業を創設しましたが、令和5年度の一次採択の結果では希望に対する採択率が極めて低い状況であります。恐らく本市の採択率は必要額に対して4%を下回ると伺っております。そういう意味では、二次採択に期待をせざるを得ない状況にあることから、6年度以降は作付計画に沿って十分な当初予算の確保が必要であり、本市としても様々な機会を通じて国に強く要請することが必要だと思いますので、このことに対する本市の見解と併せて水田活用の直接支払交付金の見直しに伴う本市の対応について伺います。次に、肥料、燃油等の生産資材の価格高騰に対する対応についてであります。世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、化学肥料原料の国際価格が大幅に上昇し、肥料価格が急騰している現状にあります。ホクレンによると、令和5肥料年度、いわゆる令和5年の6月から6年の5月供給分の肥料価格は、輸入原料である尿素、リン酸、カリの価格はいずれも若干ではありますが値下げとなっております。その分肥料価格に反映されたものの、依然として高水準の状況にあるとしております。国はこの対策として、海外原料に依存している化学肥料の低減や堆肥等の国内資源の活用を進めるための取組を行う農業者に対して、肥料コスト分の一部に対して支援を行うことにより、農業経営に及ぼす影響を緩和する目的で、化学肥料使用量の20%低減を要件とした肥料価格高騰対策事業を実施していますが、肥料の使用量低減は土地条件や作物によって施肥量が異なることから、一律に削減することには限界がありますので、実態に即した継続性のある効果的な助成体系にすることを国や道に求めるべきだと思いますので、本市の見解を伺います。次に、農業経営体の規模拡大が進む中で、農作業の効率化と省力化により、農業経営の安定を図るために機械化が進み、これに係る燃油の高騰で生産コストが増大をしており、経営収支に大きな影響をもたらしております。国は、燃油価格高騰対策として、石油元売り・輸入業者に価格上昇を抑える原資を支給することにより、ガソリンの卸価格の上昇と小売価格の急騰を抑える目的で、燃料油価格激変緩和補助金を創設しています。本年9月にこの緩和措置の期限が切れる予定になっていますが、現在のガソリン価格などの環境を考慮して、一部見直しを行った上、年末まで期限を延長するとされております。しかし、この補助金は、石油元売りや輸入業者に支給をして小売価格高騰を避けるための制度であり、消費者に直接補助金を支給する制度でないために実態が不明確であることから、ガソリン税の減税など、消費者に直接補助金が届く燃油価格高騰対策の抜本的な制度の見直しを国に求める必要があると思いますが、本市の考え方を伺います。次に、酪農・畜産における飼料の価格高騰に対する対応についてです。飼料価格が高騰している主な要因は、中国などで需要が旺盛なことと、ロシアによるウクライナ侵攻による穀物流通量の減少や配合飼料の主な原料であるトウモロコシの国際価格が上昇傾向で推移していることと、中国やロシアの輸出規制、さらに、歴史的な円安などが挙げられております。これを受けて、国や北海道における緊急対策として国産粗飼料の利用拡大に取り組むなどを要件として、補填単価1頭当たり7,200円の支援を行う国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策事業、優良な乳用牛を確保するための経費として、1頭当たり6,800円を支援する酪農生産基盤確保対策事業、配合飼料価格安定制度の加入者で生産コスト削減に取り組むことなどを要件として、補填単価トン当たり8,500円の支援を行う配合飼料の高騰対策などが実施されております。本市においても、新型コロナウイルス感染症対策の重点交付金として、飼料価格高騰対策応援金事業で約4,500万円の予算措置を行っております。輸入飼料が高騰する中、国産飼料を安定的に確保することが食肉、牛乳、乳製品の安定供給につながることから、十分な予算確保により、生産者負担の軽減のために、今後もJA北ひびきと連携しながら、国に対し、継続性のある、より効果的な支援を求めていく必要があると思いますので、この点についても本市の考え方を伺います。最後に、市営大和牧場における雑用水の確保についてですが、昨日の真保議員の質問と若干重なるところがありますが、その点を考慮しながら行いたいと思いながら、少しは重なるかもしれませんので、御容赦いただきたいと思います。昨日の質問にもありましたが、大和牧場は、酪農・畜産農家の労働力負担の軽減や不足する飼料基盤の補完等を図るために、今、大きな役割を果たしております。放牧地にとって雑用水の必要量確保は極めて重要でありますが、当牧場においては絶対量が不足していることから、やむなくタンクローリー車で水を運んでいる状況にあり、事故や輸送コストの問題があって、令和4年度に水源枯渇箇所調査と漏水箇所特定調査を行うための予算措置をしていましたが、この調査結果をまず伺います。また、本年改めて予算措置による水源地調査を実施していますが、通告をしていました現時点の調査状況と今後の見通しについては、昨日の真保議員への答弁で、恐らく6年度の入牧までには水の確保は難しいと思いました。そこで、私からは、大和牧場の課題についても含んで若干考え方を伺いたいと思います。これはそもそも論になるかもしれませんが、指定管理は、その目的のとおり事業が進められるように、設置者である市が施設等の環境を整えた上で指定管理者に事業を委ねると、そういう制度と私は理解をしています。そのことから、給水作業に当たって、指定管理者は必要な人員の確保が厳しく、家畜の安全確認など、他の作業にも支障を来している実態にあることから、水の確保が整うまで、その期間、給水作業は設置者である市が担うべきだと思います。この点についてまず伺います。また、大和牧場が将来ともその役割を果たしていくためには、今の財政状況を考慮して年度別計画を立て、計画に沿って牧場の整備を行う必要があります。計画に必ず反映する事項は、第1に、現在取り組んでいる水の確保であります。第2に、老朽化した草地の順次更新であります。第3に、昨日真保議員も触れておられましたが、家畜の安全確保のために劣化が進んでいる有刺鉄線の変更が挙げられます。これらに対する市の考え方を伺って、この質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 渡辺英次
大西議員の御質問にお答えします。初めに、食料・農業・農村基本法の見直しに伴う取組についてです。食料・農業・農村基本法は、食料の安定供給の確保、農業の有する多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、その基盤としての農村の振興を4つの基本理念として掲げておりますが、制定から20年以上が経過し、総合的な検証と見直しに向けた検証が行われています。現在、ウクライナ情勢に端を発した国際情勢の不安定化や気候変動による異常気象などにより、食料・農業・農村を取り巻く国内外の環境が一層厳しさを増す中、食料や生産資材の供給不安にあって、今回の見直しは食料安全保障の確立の点からも大変重要であると認識をしています。本市農業を巡る情勢については、少子高齢化の進行によって農家戸数の減少や農業従事者の高齢化が進み、農業生産に必要な農村環境の整備やコミュニティーの維持、また、担い手不足による耕作放棄地の発生が懸念される状況です。第4次士別市農業・農村活性化計画では、今後も本市の農業が持続的に発展をしていくために、基本目標を持続可能な生産体制の確立と位置づけるとともに、土づくり、収量アップ、人づくり、農村づくりを4つの柱に据える中で、各関係機関と連携し、担い手や新規参入者の確保、育成をはじめ、生産基盤の整備等を総合的に進めています。これらを踏まえ、食料の安定供給を確保することは国の基本的な責務であることから、主体的な役割や取組に期待するところであり、関係機関が一体となって安定供給に向けた取組が重要と捉えています。また、均衡ある国土の保全や地域における人材確保、農村地域のコミュニティーの維持、農業インフラの機能確保等に向け、取組の方向性が示されることも重要と考えています。このような中、全国市長会において地域の持続的発展と長期的な安定を図るため、食の安全・安心と安定供給の確保を基本に、各種政策について国に強く要請をしてきたところです。今後においても、JA北ひびきをはじめ、各関係機関と連携を密に情報収集に努めるとともに、引き続き国に対して要請を行い、食料・農業・農村の発展と振興の推進に努めてまいります。次に、水田活用の直接支払交付金と畑地化促進事業に対する対応についてです。令和3年12月に国から示された交付対象水田に関する現行ルールの再徹底に伴い、本年度も士別市農業再生協議会を通じて畑地化促進事業や水張りルールの具現化などの説明会、要望調査を実施し、事業の推進を図ったところです。水田活用の直接支払交付金の見直しについては、全道市長会において、詳細なルール設定に当たっては、生産者及び農業関係団体等から現場の課題を十分に把握の上、慎重に検討し、地域農業に影響が生じる場合には必要な対策を実施することを国に要請してきたところです。また、議員からお話のありました関係機関連絡会議におきましても、畑作物などの本作化に向けた支援などについて必要な予算の確保に関し、国に要請をしてきたところです。先日、農林水産省から6年度予算概算要求の概要が公表となり、水田活用の直接支払交付金等の事業については5年度当初予算と同額要求、畑地化促進助成の事業詳細については予算編成過程で検討していくことが示されました。今後においても、国に対して、引き続き地域の課題を検証し、産地の実情を踏まえた必要な対策を講じるとともに、迅速な情報の提供や丁寧な説明を行うことなどを強く要請してまいります。次に、肥料、燃油等の生産資材の価格高騰に対する対応についてです。新型コロナウイルスの影響やウクライナ情勢に端を発した国際情勢の変化、世界的な穀物需要などの不安定化により、燃料、飼料、肥料の価格が高騰し、耕種、酪農・畜産、全ての農業経営に影響が及び、様々な課題を抱えている状況だと認識をしています。このような影響に対処するため、本市においては、光熱動力、肥料、飼料の一部支援により、農林業経営の安定化を図るため、農業物価高騰対策を実施し、国は肥料価格高騰対策を、北海道では化学肥料購入支援金給付事業が実施をされたところです。今後においても国や道において肥料高騰対策を実施する予定となっていますが、議員御指摘のとおり、土壌条件や作物によって施肥量が異なる状況もあることから、市長会をはじめ関係機関と連携を図り、引き続き様々な機会において効果的な助成体系となるよう、国や道に求めてまいります。また、原油価格高騰は、農業者のみならず、各事業者や市民生活においても大きな影響を及ぼしています。このことから、市長会や上川地方総合開発期成会等を通じて、市民生活や各事業者への支援策の充実について国等に要請活動を行ってきたところです。今後におきましても、国の動向や市内の状況をしっかりと注視するとともに、引き続き国に対し安全・安心な市民生活と地域経済回復に向けた支援等を要請してまいります。次に、酪農・畜産における飼料の価格高騰への対応についてです。飼料価格については、新型コロナウイルスや世界的な穀物需要の増加、円安など国際情勢の影響により価格の高騰が長期化しており、酪農・畜産経営に影響を与えている状況です。このような影響に対処するため、国や道において飼料価格の高騰対策が実施をされており、本市においても新型コロナウイルス感染症対策の重点交付金を活用した飼料価格高騰対策応援金事業によって、100万円を上限に飼料購入費の一部を応援金として支給し、酪農・畜産業の振興、安定化を図ってきたところです。今後も、市長会をはじめ、JA北ひびき等の関係機関と連携を図り、引き続き様々な機会において継続性のある効果的な支援を国や道へ求めてまいります。最後に、市営牧野大和牧場の水源地調査の現状と今後の見直しについてです。令和4年度の予算措置の経過については、大和牧場の一部水源地が枯渇傾向にあり、日常の飼養業務に支障を生じていたことから、水源枯渇箇所調査と漏水箇所特定調査を当初予算で措置をしたところです。調査結果については、漏水箇所特定調査では、3か所の漏水箇所を確認し修繕を行いましたが、水源枯渇箇所調査については、調査する水の系統に漏水箇所が確認され、修繕を優先したことにより調査期間の確保ができなくなり延期することとし、5年度に改めて水源地調査として予算を措置したところです。水源地調査の現状と今後の見通しにつきましては、昨日の真保議員への答弁のとおりでありますが、牧場の安定運営に資するため、指定管理者と協議の上、市として最大限速やかに水の確保に努めてまいるとともに、ただいま大西議員から課題として挙げられました指定管理制度を考えたときに、設置者である士別市がしっかりと責任を持って水の確保、あるいは草地の更新、有刺鉄線の修繕、営繕等を取り組むべきではないかという御質問がありました。これにつきましてもJA北ひびきから今回の要望事項に挙がっておりまして、現段階での回答としては先日の要望書には回答を挙げておりませんが、これも現在協議を進めておりまして、大西議員おっしゃるとおり、設置者は士別市でありますので、まずは水の確保について、昨日の答弁でも申し上げましたが、仮に現在ある水道施設、給水施設の稼働が無理であれば、配給についても市のほうでしっかりと責任を持って取り組めるよう協議を進めているところでございます。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
質問 12番 大西陽
市が直接水の確保について対応すると受け取りました。それは指定管理者と十分協議をして、その方向で進めていただきたいと。水の確保は当然急ぐわけですけれども、お聞きすると、有刺鉄線についても、これは相当急ぐのではないかと。劣化して、例えば牛が場外のイタドリ等々、水分を求めていくのではないかという言い方をしていましたけれども、牛が有刺鉄線にちょっと触ると切れてしまうということで、最近牧場で牛の行方不明事件が増加傾向にあるということですから、畜主から大事な家畜を預かっているわけですから、安全管理を徹底するということで、指定管理者と設置者と協議しながら、早急な対応をお願いしたいと思います。この点について確認をさせてください。
答弁 経済部長 鴻野弘志(経済部長は2024年3月まで)
お答えいたします。有刺鉄線に関しましては、実は春先入牧開始する前に、なかなかやはり一遍にやらなきゃならないということで、指定管理団体のほうでも人手が回らないということがございました。そういったことで、春先にまず有刺鉄線の修理といいますか、更新等に関しましては、現在指定管理者から、別な団体、会社でありますけれども、そこへ再委託をして行っているという現状もございます。しかしながら、今御質問にもございましたが、春先に限らず、そのほかにもということのようでございます。私どももその辺りに関しては指定管理者と十分協議をする中で、人手の確保を、今言いましたように再委託ということも含めてこれは今実施をしておりますし、それについてはより充実したものとして牧場の整備に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を願います。以上です。