士別市議会 令和4年第1回定例会 2022年3月9日
テーマは水田活用の直接支払交付金の交付見直しについて
2022年3月9日、士別市議会の大綱質疑で、山居忠彰議員が「テーマは水田活用の直接支払交付金の交付見直しについて」質問し、農業振興課長 藤田昌也、経済部長 鴻野弘志が答弁しました。
- 質問者
- 山居忠彰 議員
- 答弁者
- 農業振興課長 藤田昌也、経済部長 鴻野弘志
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 山居忠彰
2番目のテーマは水田活用の直接支払交付金の交付見直しについてであります。まずお尋ねいたしたいのは、農村地域への影響は甚大で生産現場は大混乱だが、実情をどう把握し整理しているかという点であります。猫の目農政とやゆされる日本農政史上で唯一、半世紀以上にわたって定着し、価格調整対策や輸入自由化対策、そして環境保全対策、いわゆるデカップリング対策の代替緩衝材として、農村現場でも血となり肉となり骨となっている生産調整政策、水田フル活用政策の変革に向けた衝撃と驚愕であります。骨が折られ、肉を貪られ、血を吸い尽くされれば、日本農業の景色は一変いたします。その意味では、まさに青天のへきれきでありました。昨年10月31日の衆議院議員総選挙後1か月ほど経過し、農村地域においても、想定外の大雪に驚かされたものの、秋の収穫作業が一段落をして、一息ついていた11月25日と30日、さらなる大きな驚きとも言える政府与党におおむね理解を得ているとして、農林水産省から米の転作助成の柱となる水田活用の直接支払交付金の厳格化と見直し内容が唐突に出てきたからであります。まず、国から本市へはどのように伝達されましたか。そして、その受け止め方はいかなるものでしたか、お伺いいたします。自民党総裁選で岸田首相は安倍・菅両政権での攻めの農業による規制緩和、構造改革一辺倒の新自由主義政策を転換し、規制改革推進会議などの改組と生産現場の声が反映される体制への見直しなどを実に力強く訴えていました。また、衆院選での与党の公約は、3、国の基農林水産業を守り成長産業に。水田フル活用予算、産地交付金を含むは、責任を持って恒久的に確保しますと、農業者はもとより農業団体などをも安堵させるものでした。しかし、所信表明演説での主張はなぜか消極的になり、主張も大きく後退し、自らの農政ビジョンを明確に語ることもなく、僅かに輸出促進やスマート農業に触れた程度で、事実上スルーをしてしまいました。これは、まさに政権与党の公約違反と言わざるを得ませんが、これら一連の流れをどのように感じ取られましたか。お聞きいたします。水田活用の直接支払交付金で、農林水産省は飼料牧草への助成単価の大幅な減額と飼料用米への加算の見直しや今後5年間に一度も水張をしない水田を対象から除くといった方針を示しました。しかしながら、現実の生産現場では転作拡大が続く中で、作物選択が難しくなっている上に、新たな栽培体系の確立にも時間がかかり、簡単に転換できるものでもありません。そもそも土壌条件が厳しく問われるブロックローテーションや田畑輪換はごく一部の例外を除き、机上の空論に等しいものです。何よりも産地が取り組みやすく、実効性のある助成体系と十分な予算の確保こそが必要なはずであります。本市では、すぐにでも必要十分な水張可能な面積と今後5年間かかっても水張不可能な面積をどの程度と見積もっておられますか。また、ブロックローテーションが可能な面積はどのくらいあるとお思いですか。御教示お願いいたします。軸足が定まらない場当たり農政で現場にツケを負わせる不条理な対応は農業者を困惑の崖っぷちに追い詰め、その農業経営を直撃して、破綻や離農を迫るもの以外の何物でもありません。北海道は、この間、昨年12月13日と今年の2月15日に関係機関関連会議を開催して、実態調査等を進め、オール北海道として必要な対応策を取るとしています。金子農林水産大臣は、昨年12月3日の記者会見であくまでも現場の課題を検証しつつ、進めるとしています。本市では、どこの組織が中心になって現場の実情や課題をしっかりと把握、検証、整理するとともに、議論を深めた上で必要な対応策を検討していくことになるのですか。お示しください。次に、JAや土地改良区、近隣自治体との連携運動の現在と今後はどうするのかについて、お伺いいたします。震源地は、やはり財務省の審議会でした。人口減や食の多様化にコロナ禍も加わり、主食用米の中長期的に消費の減退と在庫のダブつき、ひいては減反増加による財政圧迫リスクを問題視したからです。ただ、財政の厳しい面があるのみで、食料自給率や多面的機能、新年度予算でのみどりの食料システム戦略や水田リノベーション事業などには全く触れていないというより、審議会の構成委員に農林水産業が有する価値を語れる人がいないというのが大問題であります。しかし、金子農林水産大臣は見直しの狙いについて、1、主食用米の消費減少が続く中、麦や大豆や野菜、子実用トウモロコシなど、定着性や収益性が高い品目に転換する必要がある。2、需要のある作物の産地づくりに向け、前向きに取り組む生産者をしっかりと支援していきたい。3、転作作物が固定化している水田は畑地化を促すとともに、水稲と転換作物のブロックローテーションを進めるなどと発言をしています。これは、言わばもうかる農業に転換し、戦略的に産地づくりを行い、米と畑作物を交互に作付せよ。それができない農家は農業の現場から立ち去れと言っているようなものなのですが、本市では、何年以内に理想の田園都市に向け、シフトチェンジ可能と推測、または想定なされますか。お聞かせください。道内では、昨年度都道府県で最も多い536億円が支給されました。北ひびき農協でも38億円の影響が出るものと試算して、組合員農家の打撃は計り知れないとされました。士別市議会では、昨年の第4回定例会となる12月議会で、水田活用の直接支払交付金の見直しによる本市農業への影響緩和を求め、地域経済を守り抜く決議を採択いたしました。地域経済の好循環を標榜する渡辺市長も地域経済が大きな打撃を受ける懸念があるとし、12月13日に、急遽剣淵の早坂町長と和寒の奥山町長やJA北ひびきの榎本代表理事組合長、てしおがわ土地改良区の榎本理事長らとともに上京し、農林水産省や国会議員等に真剣に要請してくださいました。緊密な連携を取っての迅速な動きはとてもよかったと思います。しかし、その後どういった検討が積み重ねられてきましたか。また、それらの経過報告を含め、セミナーや大会、集会の開催は予定していますか。さらに農業者への伝達、周知機能の方法を徹底、どのようになさいますか。できる限り詳しくお示しください。実は、私ども農業者も、昨年12月24日に士別市民文化センター大ホールで、北海道農政事務所旭川地域拠点地方参事官室の担当官から概要説明を受けたのですが、報道陣シャットアウトで参加者からの質問にも詳細は分からないとして答弁できず、全くもって意味不明であり、理解不可能な説明会でした。次期の営農計画や設計につながるものでもなく、ただ不安をあおられ、苛立ちと不満が募った会合でありました。実際問題として、復田による米の過剰生産や品質低下、作付急拡大による用水不足や、離農で組合員激減による回避できない農協や土地改良区の賦課金増額、地域の共同施設や設備の管理負担増加、水田の畑地化による農地価格の下落と担保評価額の低下、市の固定資産税収入の減少、地域の農地売買の停滞など、懸念される諸課題に市として、おのおのどのように対応しますか。御見解をお示しください。最後に、士別市農業・農村活性化計画や農業未来都市構想への影響や対処法について、お尋ねいたします。本市の農林畜産業の活性化や持続的発展と総合的な推進を図るため、平成12年度から先進的とも言える農業・農村活性化計画を策定し、今年4月から4年間は第4次計画期間となります。また、令和2年度から8年度の重点プロジェクトとして、農業未来都市創造の取組がなされてございます。本市の農業も戦後の混乱期を経て、国の言うがままに強制供出の食料管理法から民間主導の食料法へ、また高度経済成長の中での農業基本法から国際化の進展が進む中での食料・農業・農村基本法農政に振り回された挙げ句に、経営所得安定対策や米政策改革推進対策及び農地・水・環境保全向上対策のいわゆる農政改革三対策と変遷をしてまいりました。同時に、生産調整という苦渋の選択もしてきました。今般の水田活用の直接支払交付金の見直しは、本市のこれからの農家人口や年齢階層別の基幹的農業従事者数、農家1戸当たりの農地面積、農作業の省力化や機械化など効率性を求めるスマート農業、輸出米促進、耕作放棄地、自然災害や獣害などの面でどのような変化をもたらし、農業・農村活性化計画や農業未来都市構想にどんな影響を与えると思われますか。また、その対処法をどうお考えになられますか。ぜひともお聞かせください。
答弁 農業振興課長 藤田昌也
農村地域への影響は甚大で生産現場は大混乱だが、実情をどう把握し、整理しているかについてお答えいたします。初めに、国から市への伝達はどのようになされたのかについてです。国からは昨年12月24日の閣議決定を経て、令和4年1月13日に北海道農政事務所の主催によります担当者説明会が開催され、見直しの内容が示されたところです。次に、その受け止め方はいかなるものだったのかについてでございます。見直しについては、耕種農家のみならず、畜産農家にも影響があり、今後の営農活動や関連産業、地域経済等にも影響を与えるものと認識をしております。次に、政権与党の公約違反と言わざるを得ないが、これから一連の流れをどのように感じ取っているのかといったことについてです。政党の公約について御意見を申し上げることは差し控えをしたいと考えております。それを踏まえた上で、本市農業の実情を国の農業政策に反映させるべく、取組を進めたいと考えているところでございます。次に、水張可能な面積と今後5年間で水張不可能な面積をどの程度見積もっているのか。また、ブロックローテーションが可能な面積はどのぐらいあると思うのかとの質問についてでございます。現時点では、本交付金の対象となっている水田については水張可能なものとして、認識をしているところでございます。士別市農業再生協議会の現地確認等において、令和4年度改めて確認をしてまいりたいと考えております。また、ブロックローテーションの面積につきましては、機械設備や土地条件を踏まえて農業者の判断により、今後検討されていくものと捉えているところでございます。次に、どの組織が中心となって現場の実情や問題をしっかりと把握、検証、整理するとともに議論を深めた上で必要な対応策を検討していくのかについてです。本交付金は、市とJA北ひびきや事務局を担う士別市農業再生協議会が中心となって、申請等の事務を行っております。今後も同会が中心となり、各関係機関と連携をする中で対応を進めてまいりたいと考えております。次に、JAや土地改良区、近隣自治体などとの連携運動の現在と今後についてお答えいたします。初めに、本市では何年以内に理想の田園都市に向け、シフトチェンジ可能と推測、または想定しているのかについてです。先ほど申し上げたとおり、ブロックローテーションなどに向けて、課題は多くあり、具体的な年数を申し上げることは難しいと考えております。国も地域の課題を検証しながら進めていくとの見解を示していることから、今後、国の動向を注視する中で、関係機関と連携の下進めてまいりたいと考えております。次に、関係団体との要請活動以後、どういった検討が進められてきたのか。また、それらの経過報告を含め、セミナーや大会、集会の開催は予定しているのかについてです。2月4日にJA北ひびきをはじめ、和寒町、剣淵町の担当者と意見交換会を開催したところです。各地域の課題や情報の共有を図り、改めて現地確認等を行うことを確認したところです。今後も各関係機関と連携を図りながら、農業者への説明、周知に努めてまいりますが、コロナ禍でもありますので、集会等は今開催をする考えはないところでございます。次に、農業者への伝達、周知の徹底方法をどのように行うのか、できる限り詳しく示してほしいについてでございます。士別市農業再生協議会では、現時点での国の見直し内容と道の経年牧草における激変緩和策の周知文につきまして、次年度の営農計画の聞き取りを行う書類と併せまして、来週中に発送することとしております。次に、諸課題に市としてどう対応するのか、見解を伺うについてでございます。これらの課題につきましては、士別市のみならず、転作田を有する各自治体でも同様の課題であると認識をしております。今後も近隣自治体やJA北ひびき等各関係機関と連携をし、地域の実情に即した総合的な対策を講じるよう、国・道へ要請してまいりたいと考えております。以上でございます。
答弁 経済部長 鴻野弘志(経済部長は2024年3月まで)
私からは、水田活用の直接支払交付金の見直しが本市のこれからの農業を取り巻く状況にどのような変化をもたらすのか等について、お答え申し上げます。議員お話のとおり、今回のいわゆる水活交付金の見直しは、今後数年での離農や耕作放棄地の発生のほか、農家人口の減少による鳥獣被害防止等の共同取組活動や、農道、水路の管理への影響、さらには円滑な農地流動化や営農活動の維持が困難になるおそれなど、多岐にわたる変化をもたらす懸念があると認識をしてございます。現在策定を進めております第4次士別市農業・農村活性化計画では、本交付金やほかの交付金を活用して、てん菜をはじめとする根菜類や野菜緑肥作付による輪作体系の確立、そして土づくりの推進を掲げており、まち・ひと・しごと創生総合戦略における農業未来都市創造においても、交付金等を活用し、排水性対策向上やスマート農業の推進等を掲げているところでございます。これらを推進していくためには、安定的な営農の継続が大前提であり、生産資材等の管理費用や農業機械等の導入費用などの営農経費を要する中で、本交付金が柱となっておりますことから、見直しによる影響があるものと認識をしてございます。国は今後5年間で水田活用の実態などについて、地域の課題を検証する考えも併せて示していることなどから、国の動向等を注視していくとともに、JA北ひびきをはじめ、各関係機関と連携して、地域の実情に即した総合的な対策を講じるよう国・道へ重ねて要請してまいる所存でございます。以上です。