士別市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月14日
甜菜生産量(枠)の2割程度の引き下げ方針について
2022年6月14日、士別市議会の一般質問で、山居忠彰議員が「甜菜生産量(枠)の2割程度の引き下げ方針について」質問し、市長 渡辺英次が答弁しました。
- 質問者
- 山居忠彰 議員
- 答弁者
- 市長 渡辺英次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 14番 山居忠彰
令和4年士別市議会第2回定例会に当たり、通告に従い一般質問を行いたいと存じます。長引くコロナ禍と、20年ぶりの円安や、急激な物価高に加え、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する、世界的な食料不安を背景に、経済や防衛・外交の両安全保障と並んで、食料安全保障への国民の関心が急速に高まっています。そんな中で今、最も注目を集めている2つの大きな課題について、質問をいたします。1つ目は、てん菜生産量枠の2割程度の引下げ方針についてであります。まず最初に、砂糖の消費が減少する中で、糖価調整制度の維持はどうなるのかという点であります。渡辺市長は、製糖工場が立地する都市の市長であると同時に、北海道てん菜振興自治体連絡協議会の会長であることから、お尋ねいたします。最近、国などが、てん菜生産量の2割程度の引下げ議論を本格化させています。現在の糖価調整制度の下では、交付金対象の原料生産上限枠が、砂糖換算で64万トンと設定され、事実上の生産指標となっています。仮に引下げとなると、業界や産地生産農家にとって、壊滅的な打撃となることから、影響は計り知れません。まず、この動きを率直にどう捉え、受け止めておられますか。御見解をお伺いいたします。また、一筋縄ではいかないのが最大の課題である、砂糖の消費減少です。とはいえ、甘味全体の消費は微減であることから、砂糖の需要が、異性化糖や加糖調製品など、他の甘味に奪われていることが問題です。このままでは、てん菜原料糖が全量流通しない状況や、砂糖業界全体の縮小化が懸念されます。解決のためには、生産者の意欲をそぐ、交付対象数量64万トンの撤廃と、生産された原料糖が円滑に流通できる仕組みの創設が必要です。渡辺市長のお考えをお聞かせください。さらに、砂糖消費量減少のもう一つの問題点として、粗糖輸入量減少による、調整金収支の悪化です。糖価調整制度そのものが揺らぎます。したがって、砂糖の消費が減少する中でも、生産者が安心して生産に取り組める環境にするためには、現行ルールの在り方についての検討とともに、糖価調整制度の安定運営のための国費負担割合の増加が不可欠だと思いますが、渡辺会長の御見識をお示しください。次に、畑作農家の輪作体系や、地域経済への影響はどうなるかという点であります。本市では、畑作農家はもとより水田農家でも、転作にてん菜を組み込んでいる生産者が多く、影響を不安視し、成り行きに戦々恐々、かつ疑心暗鬼となっています。仮に2割程度の生産削減となれば、輪作体系にどんな影響が出るのでしょうか。猶予期間や、転作助成も必要になりますが、何より輪作組合せのバランスが崩れ、農家経営が成り立たなくなるのではないでしょうか。また、地域経済への影響はどうでしょう。種子、肥料、農薬、農機具、担い手を含めた労働力や輸送など、地域経済力の低下をどの程度と試算いたしますか。さらに、本市にとっててん菜は、寒冷地作物として、基幹となる作物であるばかりか、シンボリックな作物でもあります。将来にわたって、持続可能な畑作産品でなければなりません。本市農業の振興を図る上でどのように位置づけすべきだと思いますか。御答弁願います。次に、てん菜振興のリーダーシップと需要の喚起、消費拡大策、及び日本甜菜製糖士別工場の存続はどうなるのかという点であります。今後のてん菜の進行について、渡辺市長は、全道86自治体が加入する、北海道てん菜振興自治体連絡協議会の会長として、さらなる組織拡大や面積の確保・拡大に向けて、加入自治体と連携を図りながら、国・道への提案活動を今まで以上に積極的に行うものと御期待申し上げておりますが、この難局を乗り越えるためには、どういう活動が必須だとお考えになられますか。また、てん菜の製糖工場における雇用の場の確保をはじめ、運送業者や機械設備の保守管理業者など、関連産業への需要を含め、本市経済の発展を図るために、地元企業と連携した取組をどのように進められますか。展望をお示しください。加えて、近年のトレンドとして、消費者の低甘味嗜好などが背景となり、砂糖の消費量についても減少傾向で推移しています。このため、砂糖の需要拡大運動がますます重要になってまいります。現在も、農林水産省内に総合的な情報発信サイトや、アンバサダーの任命を通じて、砂糖の知識普及や、インバウンド需要への対応など、需要拡大を応援する、ありが糖運動や、今年3月で終了した生産者拠出による消費拡大対策、天下糖一プロジェクトで一定の効果を上げたものの、まだまだ不十分であります。今後、本市を含めて全道的な、あるいは全国展開のムーブメントの計画はあるのでしょうか、お教えください。最後に、どうしても気になるのが昭和11年から、我がまちで操業を続ける、歴史と由緒ある日本甜菜製糖士別工場の存続であります。砂糖の消費減少を受け、製糖最大手のDM三井製糖ホールディングスが昨年、北海道糖業本別製糖所での生産を23年3月で終了する方針を示すなど、製糖業界は再編や効率化を急ピッチで進めています。本別町では、北糖の製糖所だけで、まちの工業製造品出荷額の約8割を占め、工場は畑作農家の冬期の雇用の場にもなっております。高橋正夫町長は、周辺産業の裾野が広く、生産終了は税収をはじめ、町産業への影響は計り知れないと肩を落としています。また、お隣の名寄市での国内製紙大手の王子ホールディングスが、王子マテリア名寄工場を閉鎖したのも、まだ記憶に新しいところであります。渡辺市長の責務は重大でありますが、どんなことがあっても、士別工場を守り切るとの決意をお聞かせください。以上、お尋ねをいたしまして、1つ目の大きな質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 渡辺英次
山居議員の御質問にお答えいたします。初めに、砂糖の消費が減少する中で、糖価調整制度の維持についてです。糖価調整制度は、海外から安価な原料糖を輸入する、精製糖会社から調整金を徴収し、これを主な財源とする交付金を国内産糖の生産者や製糖工場等に交付し、砂糖の安定供給を確保する仕組みです。また64万トンとされている産糖量については、同制度の下、生産者に支払われる経営所得安定対策等の畑作物の直接支払交付金の上限として設定されています。本年5月に、砂糖の消費量減に伴う、砂糖の在庫過剰や、輸入糖減少による砂糖調整金収支の赤字拡大等を受け、農林水産省、JAグループ北海道、日本ビート糖業協会の三者による、てん菜生産枠の2割程度の引下げ議論の報道があり、仮に実施されるとすると、本市の農業や地域経済への影響は、非常に大きなものと危惧をしているところです。北海道におけるてん菜は、寒冷地域での輪作体系上欠くことができない基幹的な作物であり、畑作経営の安定化と地域経済の発展において極めて重要な作物です。我が国の食料基地である北海道農業がこれからも持続的に発展をしていくためには、てん菜の安定生産は必要であり、経営所得安定対策等における、畑作物の直接支払交付金の現行水準の維持をはじめ、食品製造メーカー等に対する輸入糖から国内産糖への切替え支援など、国内産糖の消費拡大に向けた、より発展的な仕組みの創造が必要と考えています。今後、北海道てん菜振興自治体連絡協議会の加入自治体と連携を図りながら、国及び北海道等に対し提案活動を行います。次に、畑作農家の輪作体系や地域経済への影響についてです。さきの産糖量の引下げ報道は、生産者の今後の輪作体系も含めた農業経営の判断にも影響があるものと考えていますが、生産資材や労働力、輸送など、地域経済に与える影響の額を試算することは難しいところですが、大変大きなものと考えております。本市におけるてん菜は、輪作体系上欠くことができない作物であり、畑作経営の安定化、さらには、製糖工場の立地により、製糖期間における雇用の場の確保、運送業者や機械設備の保守管理業者など、関連産業への需要を含め、農業のみならず、地域経済の発展において、極めて重要な産業構造の核をなすものと位置づけております。次に、てん菜振興のリーダーシップと需要の喚起、消費拡大、及び日本甜菜製糖士別工場の存続についてです。北海道てん菜振興自治体連絡協議会では、活動充実の一環として、組織拡大を図っており、今般、その成果として、滝川市及び当別町が入会し、88自治体で活動することとなったところです。また本市においては、これまで国内最北の製糖所を有する砂糖のまち士別のPR、産業への理解や地域活性化を図ることを目的に、士別ビートまつりを開催してきており、今後においても、日甜士別製糖所の御協力をいただきながら、砂糖の消費拡大や地域振興を図ってまいります。さらに全国へ目を向けますと、農林水産省では、砂糖スイーツ等に由来する食文化や、需要拡大を応援するため、砂糖に関係する団体等と一体となって、総合的な情報発信サイト「ありが糖運動」~大切な人への「ありがとう」をスイーツでを開設し、砂糖等に関する正しい理解の促進や、需要拡大に資する取組の紹介等を行っているところです。本年4月には、北海道てん菜振興自治体連絡協議会における、砂糖の消費拡大の取組として、ありが糖運動へ参画しており、5月から製糖所を有する8自治体における、SNSを活用したてん菜の生育状況の産地リレーを開始しており、今後砂糖に関する地域イベント等の情報発信を予定しているところです。最後に決意でございますが、民間企業に対しての意見は差し控えるべきことと思いますが、本市製糖工場においては、これまでの歴史や背景を考慮すると、地域の経済発展に大きく寄与してきたものであり、さらには、このたびの山居議員からの御質問にありましたとおり、てん菜の生産農家はもとより、関係する業界にも大きな影響を来すと考えているところで、これまで以上に綿密な連携を図ってまいります。あわせて、市民、国民が安心して暮らしていくためには、食料自給率向上に向けた地域の取組は、さらに重要なものと考えており、食料安全保障の観点からも、国の制度につきましては、しっかりと地域の声を反映していただくよう取り組んでまいります。以上、申し上げて答弁といたします。 (降壇)
再質問 14番 山居忠彰
再質問をいたします。市長は、てん菜振興自治体連絡協議会の会長ということで、昨年の市長当選以来、リモートではなくて対面で会合が行われたりしているものかどうかということと、どういう内容の話がもしあるとしたら、されているのかという点、どういうふうに議論されているかという点と、それともう一つは、実は昨年、第6回目の砂糖祭りといいますかね、やる予定でしたけれどもコロナで中止ということになりました。来年ということになるかもしれませんけれども、さらに今度実施をする計画でいるのかどうかと、その点についてお答えいただきたいと思います。
答弁 市長 渡辺英次
2点の再質問をいただきました。まず協議会に関してなのですが、私が就任して8か月たちましたが、やはりコロナ禍の関係で、対面というのは今までございません。これまでの会議は、書面及びインターネットを通じたものとなっておりますが、現段階では感染がこのままの状況で落ち着いていれば、7月13日に、今年初めての対面での会議を考えておりまして、その際に、山居議員から今御提言のありましたてん菜振興についてを協議することとなっております。それからビートまつりについてですが、現段階では、日甜のほうとまだ調整はしておりませんが、今年度はもちろんできないのですけれども、来年度に向けて、市のほうと協議を進めていきたいと考えております。また形についても、これまでの反省点も含めて、これまでの形がいいのか、あるいはもうちょっと特化したものにして、規模を縮小するとか、そういった課題も出ていたようですので、その辺も含めて、検討してまいりたいと考えております。以上です。