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士別市議会 令和4年第1回定例会 2022年3月9日

家族介護者等支援体制の構築について

2022年3月9日、士別市議会の大綱質疑で、山居忠彰議員が「家族介護者等支援体制の構築について」質問し、介護保険課長 青木秀敏、学校教育課長 須藤友章、健康福祉部長 田中寿幸が答弁しました。

質問者
山居忠彰 議員
答弁者
介護保険課長 青木秀敏、学校教育課長 須藤友章、健康福祉部長 田中寿幸

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 16番 山居忠彰

最後のテーマはケアラー、家族介護者等支援体制の構築についてであります。まずお尋ねいたしたいのは、厚労省、文科省や全国各地と北海道などの取組の現況と本市の実態についてです。ケアラーとは、介護や看病や療育が必要な家族、あるいは近親者を無償でサポートする人のことを言います。ケア対象は高齢者だけではありません。障害者や難病患者、病児、障害児、さらにアルコールや薬物などの依存症やひきこもりの方までと広範囲にわたります。サポート内容も身の回りの家事や力仕事、外出時の介助、付添い、感情面の支えなどと多岐にわたります。しかし、問題もあります。介護される側だけでなく、介護する立場のケアラーもまた様々な問題を抱えていることが分かってきました。先の希望が見えない介護に対し、不安や疲労から介護者自身が鬱状態や病気になってしまうケースや、介護のために仕事を辞めなくてはならないケース、さらには社会的なつながりが断絶されることで疎外感を覚えたり、孤立が浮き彫りになったりしているものです。2000年に介護保険制度がスタートしたことにより、認知症や病気によって体に不自由のある高齢者でも介護サービスを受けながら安心して暮らしていける仕組みが定着してきました。ところが必要とされる人の誰でもが施設を利用できるわけではなく、自宅で共に暮らす家族がケアをする在宅介護を選ばざるを得ないケースが増えてきているのです。こうした現状と課題を踏まえ、国や全国各地の数多くの自治体が支援が必要なケアラーの早期発見に向けた取組や、適切な支援につなげるための相談の場の確保といった具体的な方策を検討するなど、ケアラー支援に積極的に取り組み始めたのです。2020年3月に埼玉県が全国で初めてケアラー支援に関する条例を制定し、多くの自治体がこれに続きましたが、北海道も現在開会中の定例会に条例案が提出されてございます。家族など身近な人の介護や世話をする人が孤立することなく、社会全体で支えるとの理念を盛り込み、全てのケアラーが健康で心豊かな生活を営み、夢や希望を持って暮らせるよう支援すると定義。道内の市町村や関係団体と連携して行うとしています。市民が豊かにいつまでも安心して暮らせるまちを目指す本市としては、これらの動向を踏まえた現況をどのように認識しているのでしょうか。また本市の実態をいかに把握し、条例化も含めた適宜適切な対応をしようとしているのでしょうか。お答えください。次に、現代の難題として、特にヤングケアラーへの支援体制をどのように構築するかについてお尋ねいたします。ケアラーが最も多い年代は、当然ながら、親の介護が必要になってくる50から60代ですが、その一方でヤングケアラーと呼ばれる18歳未満の学生の増加も指摘されてございます。近年の晩婚、高齢出産が進む中で子供が成人する前に親の介護が必要になるケースや、仕事で忙しい両親に代わって子供が祖父母や兄弟のケアを行うケースが増えています。国が初めて実施した実態調査によると、中学生の17人に1人、高校生の24人に1人がヤングケアラーだと公表されました。驚いたことにクラスに1人から2人はヤングケアラーということになります。世話にかけている時間は平日一日の平均で、中学生が4時間、高校生が3.8時間でした。ただ、中には7時間以上と答えた生徒もいました。若いときから介護に関わることで、介護の大切さを知ることは決して悪いことではありませんが、介護に時間を取られ、過度な負担となって学業に支障を来したり、友達との交流が減ってしまい子供らしい生活が送れないという問題は無視できません。実際にヤングケアラーが不登校になった事例や、介護疲れで引き起こした事件が年々増加傾向にあります。厚生労働省や文部科学省は、ヤングケアラーの支援に向けた福祉、介護、医療、教育の連携プロジェクトチームを立ち上げ、早期把握、相談支援、家事育児支援、介護サービスの提供の4つの支援策をまとめました。本市においても可能な限り早急に実態を掌握し、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなどの相談支援につなげていくべきだと思いますが、社会全体で支えることを目的とし、自治体の責務、関係機関等の役割、基本方針や推進計画の策定、支援条例の制定などについての健康福祉部及び教育委員会のおのおのの御見解をお伺いいたします。最後になりますが、最近になって急増している施設介護から在宅介護へと移る中でのAI活用の今後の展望についてお伺いいたします。今年度は、科学的介護元年と呼ばれています。介護の世界では従来、現場での経験や勘が重視されてきました。年齢を重ね自力だけでは生活が難しくなったとはいえ、人間という尊厳を相手にする特性から、本人の満足や幸せといった気持ちを大事にしてきたことにも関係があります。ただ、ここにきて介護業界は経験や勘頼みから人工知能AIや情報通信技術ICTを駆使し、科学的なデータに基づくケアへと大きくかじを切りつつあるように見えます。厚生労働省の介護のデータベースLIFE、科学的介護情報システムの稼働が大きな契機となりました。具体的には、介護の達人の技をAIで数値化し、拡張現実の空間で誰もが効率的に技を身につけられるシステムの開発をはじめ、AIを活用した高齢者の歩行を解析するアプリの開発で歩く速度やリズムなどを分析して高齢者の転倒を防ぐことができたり、デイサービスの利用者に握力の数値、食べ物の飲み込みなどについて、タブレット端末上で質問して、低栄養状態の人を見つける取組などであります。背景にあるのは、介護費用の膨張と深刻な人手不足であります。2020年度の介護費用の総額は10.7兆円ですが、高齢者人口がほぼピークを迎える40年度には25.8兆円に達すると推計されております。また担い手となる介護職員は、今より69万人も不足すると言われております。そんな中、介護の現場にもロボット技術が応用され、利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ介護機器が登場してきています。厚生労働省と経済産業省はロボット技術を介護分野で利用する重点分野を移乗支援、移動支援、排せつ支援、見守り・コミュニケーション支援、入浴支援、介護業務支援の6分野13項目と決めて、開発と導入に力を入れています。本市においても介護従事者新規就労定着支援事業を拡大することで関係機関と連携し、介護従事者の確保、定着を図るとともに、補助対象に見守り機器やICT導入を加え、市内事業所の介護ロボット導入を促進するとしているところでございます。とはいえ、これらの事業はまだ緒に就いたばかりで不透明でありますが、事業所等の施設介護及びケアラーなどによる在宅介護における人工知能AIや情報通信技術ICT活用の今後の展望についても、考えや構想があればお示しいただきたいと存じます。以上、市民が最も関心を深めている今日的課題について、お尋ねをいたしました。真摯で丁寧で示唆に問う納得いく御答弁を御期待申し上げ、私の大綱質疑を終わります。

答弁 介護保険課長 青木秀敏

まずケアラー支援の部分について、お答えをしたいと思います。ケアラーについての本市の実態についてなんですが、市独自のケアラーに関する調査などは実施していないといったところになりますけれども、介護などが必要な方については、サービス提供の際に担当のケアマネジャーが作成しますサービス計画が必要となります。そういった中で生活環境なども含めて利用者に関わる実態を把握されているといったような状況になっております。また、サービス提供する事業所におきましては、利用時の状況などが把握されているといったような状況になっております。また、介護以外に家族の中で特に問題とか課題があるケースにつきましては、それぞれの機関の担当部署でありますとか、そういった機関に連携しながら対応に当たっているところでありまして、そういった中で、今後も様々なケースに対応できるように関係機関と連携しながら必要なサービス提供ができるように市のほうとしても努めていきたいなと考えております。また、サービス提供に至っていない方でも、民生委員の見守りですとか、地域自治会による福祉パトロールなんかでの見守り、こういったものがされておりますし、サポートを受けて生活している方、こういった方もいるというのも実情としてはあると思います。その一方で、国や道などが調査をしておりまして、危惧されているのが介護のために自分の時間を十分取ることができない。そういった中で心身の健康を損なったり、介護に専念するために離職をするといったことですとか、家族が介護をすることが当たり前という見方がある中で、周囲の理解を得られずに誰にも相談できず社会から孤立していくということが問題点として挙げられているところです。特にヤングケアラー、こちらについては、子供が家族の世話や家族が過度な負担となって勉強に支障を来したりですとか、子供らしい生活が送れていなかったりすることが課題として挙げられております。問題を早期に把握し解決していくためには、学校をはじめとして、各関係機関の連携によりまして支援などにつなげていくことが、とても重要であるのかなと考えております。それから、介護ロボットAIの活用といった部分についてであります。市が行っている介護従事者の確保ですとか定着支援の取組についてなんですが、こういったところについては事業所との意見交換を行う中で進めてきておりまして、各種施策を検討しながら決定しているところです。また、今回新たに介護ロボットなどの取組で拡大しました見守り機器、こういったものですとか、ICTの導入につきましては、国のほうで助成が実施されていたところでありまして、市としてもこういったところの介護従事者の負担軽減となるよう助成の対象に新たに追加をしたということになっております。また、AI・ロボットなどの関連する様々な製品が開発、商品化されることで、介護に従事する職員の負担軽減といったところですとか、業務の効率化が図られるということ。また、在宅で生活する方の中でも、介護保険制度の福祉用具購入ですとか、福祉用具の貸与といった中で新たなそういった品目の追加、こういうものがなされるのかなと思いますけれども、そういった中で家族等の介護する方の負担軽減が図られるということになるかなと思いますが、介護ロボットにつきましては、そういったことで介護者を支援する一方で、その安全性といったところも求められるものでもあります。こういったところについては、国において安全性の検証も実施がされているところです。今後もこうした介護ロボットなどの取組を注視しまして、事業所などとの連携、関係機関と連携する中で介護従事者の確保・定着に関する取組などを進めていきたいなと考えております。私からは以上です。

答弁 学校教育課長 須藤友章(学校教育課長は2024年3月まで)

私からはヤングケアラーの実態調査の実施状況について御答弁申し上げます。本市独自での調査というものは行っておりませんが、令和3年8月に北海道及び北海道教育委員会が調査を実施しております。調査は、札幌市立学校を除いた道内の公立中学校及び公立高校、またその公立中学校、公立高校に通っている中学2年生、高校2年生の生徒、また、さらに北海道が任用しますスクールソーシャルワーカー、それらを対象として調査が行われております。当然ながら公立中学校、公立高校また中学2年生、高校2年生につきましては、本市の学校・生徒も対象となっているところです。調査の方法としましては、回答用のURLが記載された用紙、これが配付されまして、それぞれがインターネット上で回答するものでございます。そのため、本市の生徒の回答数、また回答内容などは把握ができておりません。学校においても同様の方法で回答しておりますが、こちらにつきましては学校に確認したところ、全ての学校でヤングケアラーに該当する子供はいないとの回答をしております。学校段階では、現状においてヤングケアラーの存在というものが確認できていないという状況です。この実態調査では、調査対象者の学年が限定されていることから、次年度以降も北海道のほうで同様の調査をするのかというところを道のほうにも確認をさせていただきました。現段階では、まだ未定であるという回答でありまして、今後、この調査が引き続き行われるかどうかというところは分かっておりません。本市としましては、まずは各学校におきまして児童・生徒の様子、これを教員のほうで注意深く観察しながら、ケアラーの疑いがあるという場合には、関係機関と情報共有をして対応に当たっていきたいと考えております。以上です。

答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)

私からは支援条例制定などに対する考え方について答弁申し上げます。本市でも、今後、少子高齢化、これが進んでいくということが想定される中におきまして、行政のみならず、関係機関、また各事業所、そして市民一人一人がこれらケアラーの課題、これについて、我が事として捉えて支え合っていける、こういった地域づくりを進めていくことが極めて重要であろうという認識をしてございます。したがいまして、まずは北海道の条例、これを基にこれから様々な取組が進められていくことになりますが、本市独自の条例制定につきましては、今後、他市町村の状況なども調査研究する中で、必要性を含めて検討してまいりたいと考えています。以上です。

再質問 16番 山居忠彰

再質問ではないんですけれども、要望ということで。今、確認されていないというのと、全然いないというところはまた別だと思うんです。気づいていないということもあるのかもしれない。やはりできるだけ早く気づいて、やはりそれらの相談に結びつけるということも大事ですし、あと、できればやはり道の条例化を見ながら、また本市でも条例化ができるのかどうか、そういったことも協議、検討していただければと思います。そういったことも要望しながら、今答弁は要りません。要望しながら、以上で終わりたいと思います。

出典:士別市議会 令和4年第1回定例会 2022年3月9日 議事録 PDF(15ページ) 間違いを知らせる