士別市議会 令和3年第4回定例会 2021年12月14日
加齢性難聴者の補聴器購入助成制度について
2021年12月14日、士別市議会の一般質問で、佐藤正議員が「加齢性難聴者の補聴器購入助成制度について」質問し、健康福祉部長 田中寿幸が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤正 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 田中寿幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 8番 佐藤正
次に、加齢性難聴者の補聴器購入助成制度の創設についてお伺いします。難聴は高齢者にとって最も一般的な身体機能の低下の一つです。我が国では、65歳以上で約1,500万人と推計されています。日常生活に支障を来す程度とされる難聴者は、70代男性で5人に1人、女性で10人に1人程度との調査結果が報告されています。高齢化社会を迎え、本市の65歳以上の高齢化率は、今年の8月現在で41.3%、80歳以上は15.7%という数字が出されております。人は誰でも加齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなり、70歳以上の半数に難聴があるとされています。言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、コミュニケーションにも支障が出て、それに何も対処しなければ、高齢者は社会的に孤立することで認知症や鬱病が進行するのではないかと言われております。難聴になったら、なるべく早い補聴器の使用が聞こえの改善にとって大切であります。しかし、補聴器は15万円から30万円ほどと高価で、高齢者には手が届きません。高齢者の多くは年金生活者です。高額な補聴器を購入することは家計に与える影響が大きく、所有が簡単ではありません。一方で、耳が聞こえにくい、聞こえないことが高齢者の社会参加や再雇用などの大きな障害となっており、高齢になっても生活の質を落とさず、心身共に健やかに過ごすことができれば、認知症の予防、健康長寿の延伸、ひいては医療費の抑制にもつながります。補聴器購入の公的補助は、障害者手帳を持つ重度の難聴者に限られています。欧米諸国では医療の問題として補助が行われております。そのため、難聴の人の補聴器保有率は、イギリスは47.6%、フランスは41%、ドイツは36.9%、アメリカは30.2%と比べ、日本は14.4%と非常に低くなっています。本市でも、令和2年第2回定例会で加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度の創設を求める意見書を採択し、国に提出したところです。補聴器購入助成制度などに取り組む自治体が広がっております。国へ公的補助を求めていくと同時に、医師の診断の下に必要な方に補聴器購入助成をする考えはありますか。また、特定健診や健康診断等で高齢者の聴力検査を取り入れてもいいのではないでしょうか。以上お聞きいたしまして、この質問を終わります。 (降壇)
答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)
ただいまの御質問にお答えします。初めに、加齢性難聴者の補聴器購入助成制度の創設についてです。加齢性難聴は、感音性難聴の代表例の一つとされ、内耳だけではなく大脳などの中枢障害を伴うため、聞こえが悪くなるだけでなく、言葉の聞き取りが悪くなるのが特徴とされています。聴力が低下し始める時期やその程度には個人差がありますが、加齢以外に特別な原因がないことから根本的な治療方法がない病気で、認知症の危険因子の一つと言われています。そのため、日常生活での聞こえづらさを解消し、認知症の予防や生活の質を改善するためには、補聴器の使用が有効な手段とされている一方、その効果には個人差もあるとされています。難聴のうち高度または重度で聴覚障害の身体障害者手帳の交付を受けている方が補聴器を購入する場合は、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度があり、基準額の範囲内において原則1割負担により購入することが可能となっています。また、身体障害者手帳の該当になっていない方でも、補聴器相談医からの診療のために補聴器が必要である旨の証明書により補聴器を購入した場合には医療費控除の対象となります。このように国による助成制度が講じられているところでありますが、対象者は極めて限定されていることから、現在、全国市長会において、国に対する施策及び予算に関する提言の中で、軽度・中等度難聴者及び難聴児の補聴器購入について補装具費の支給制度の中で対応するなど必要な措置を講ずることについて障害者福祉施策としての実施を求めているところです。したがいまして、加齢性難聴者の補聴器購入に対する助成制度については、国において制度化されることが望ましいと判断しており、今後も国の動向を注視してまいります。次に、特定健診や健康診断等で高齢者の聴力検査を行うべきではとの御質問についてです。本市では、毎年6月頃から40歳以上の国民健康保険に加入している方を対象とした特定健診と後期高齢者医療制度に加入している方を対象とした健康診査を成人病健診センターや保健福祉センターのほか、あさひサンライズホールや各出張所などを会場に実施しています。特定健診及び健康診査については、日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のためにメタボリックシンドロームに着目した健診を行うものであるため、聴力検査については国が定めた検査項目に入っていないところです。また、日本聴覚医学会が作成した聴覚検査法によれば、聴覚検査は妨害騒音レベルの低い防音室で行うことが求められており、さらに、実施に当たっては臨床検査技師など聴覚測定の理論と実践のしかるべき教育課程を経た方が行うこととされています。したがいまして、聴力検査は国の検査項目に入っていないこと、加えて、防音室や検査技師など検査体制の確保も困難であることなどから、聴覚検査の実施は現時点では難しいと判断しています。聞こえにくさの要因としては、加齢によるもの以外にも何らかの病気に起因することも十分に考えられますことから、高齢者実態調査や地区担当保健師活動などの場面で聞こえに関する相談があった場合には、保健師がお話を伺うとともに、医療機関への受診を勧奨するなど、市民からの相談対応や受診勧奨に努めてまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 8番 佐藤正
再質問をさせてもらいます。残念ながら前向きな答弁はいただけませんでしたけれども、先ほども言いましたけれども、高齢者が増えるということは当然のことながら難聴者が増えるということになります。平均寿命も延びてきておりますし、聴覚は70年、80年と使うとそれだけで衰えてきます。聴覚の問題は、その裏側には言語があります。我々は言語を聞いて、頭の中でその言葉を理解して、言葉から優しい、楽しい、悲しいという情動反応が起きるわけです。こういう脳の高次能力を使って今度は自分の言葉として相手に返すということが行われます。これがコミュニケーションです。高齢になり難聴が進んでいけば、そのコミュニケーションが衰えます。そして、それに何も対処しなければ高齢者は社会的に孤立していきます。ちなみに、道内でも7市町村で補聴器購入の助成を行っています。今年から助成を行った東川町では、聴力レベルが30デシベル以上の人には上限3万円ほどの補助を行っております。北見市では、70歳以上の高齢者で補装具を必要とする人に対して現物支給をしております。また池田町では、60歳以上で40デシベル以上の人に助成額5万円を助成をしております。また、赤井川村では、65歳以上の人で新たに補聴器を購入する人に対し最大3万円までの助成を行っております。先ほど前向きな回答は得られませんでしたけれども、高齢者が安心して暮らせるようにぜひ御検討をしてもらいたいと思います。
答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)
再質問にお答えいたします。今、議員のほうからお話がありましたように、難聴によって、この難聴というのは聞こえづらさ、誰もが起こり得るものでありまして、その程度については個人差もあるということでありますけれども、答弁でも申し上げましたように、難聴については、国も新オレンジプランの中で認知症の危険因子の一つであるということを言っております。したがいまして、今、全国市長会のほうで、これについてはしっかりと公的な国の制度として支援すべきだということで提言を行っているところでありますので、まさにこれは国としてしっかりと制度化するべきものということを判断しておりますので、この動向を見守っていきたいと考えているところであります。以上です。────────────────────────────────────────