士別市議会 令和2年第4回定例会 2020年12月15日
市内公共交通網における深刻危機のJR存続問題と過疎化の中でのバス路線の維持や停留所・待合室などの現状と課題について
2020年12月15日、士別市議会の一般質問で、山居忠彰議員が「市内公共交通網における深刻危機のJR存続問題と過疎化の中でのバス路線の維持や停留所・待合室などの現状と課題について」質問し、総務部長 中舘佳嗣が答弁しました。
- 質問者
- 山居忠彰 議員
- 答弁者
- 総務部長 中舘佳嗣
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 15番 山居忠彰
最後の質問の大きなテーマは、市内公共交通網における深刻危機のJR存続問題と過疎化の中でのバス路線の維持や停留所・待合室などの現状と課題についてであります。まず、JRの著しい乗客減から減便や路線廃止が続くが、宗谷線の士別駅や市内無人駅の存廃にかかわる論議や上下分離論はどうなったかという点についてお尋ねいたしたいと存じます。JR北海道が来春のダイヤ改正で特急列車や普通列車などについて減便や編成車両数を減らす方針を発表いたしました。新型コロナ禍による旅客激減で2021年3月期の売上高が前期に比べ400億円も減少し、半減する見通しになったからであります。厳しい経営環境を考えればやむを得ない側面もございます。だが、利用客への影響も大きいと言えます。宗谷線でも特急サロベツが定期4本のうち2本を臨時化し、年30日程度は運休すると言われてございます。一方、自然災害で不通となった日高線鵡川・様似間の廃線が決まり、調印を終えたばかりであります。北勝線と札沼線は既に廃止されており、留萌線と根室線も廃止の方針が決定しています。JRは鉄路存続には地元負担を求め、負担できない場合は廃止、バス転換という従来方針を最後まで崩しませんでした。しかし、これでは一層のJR離れを招き、悪循環のスパイラルに陥るばかりであります。鉄道は北海道開拓の象徴であり、地域全体の財産であることは今さらながら論をまちません。次の世代にどう残していくのか、根本的に考える時期が来ていると思います。沿線自治体でつくる宗谷本線活性化推進協議会での議論や方針はどうなっているのか、お聞かせください。また、JRが単独維持は困難として地元支援を前提に存続方針とした宗谷線沿線上にある自治体として、士別駅舎を含めた駅前広場や周辺の再開発と環境整備及び市内無人駅の存廃論議や上下分離論など、コロナ禍で交渉も停滞していると思いますが、先行きは見通せているのでしょうか。さらに、道の駅まちなか交流プラザ、羊のまち 侍・しべつの来年春の完成により、JR旅客の流れに変化が生まれるのでしょうか。いずれにしても将来の士別駅の利便性向上と利用客増を図るために今しなければならないことについてのお考えをお聞かせください。次に、市内を走る士別軌道や道北バスの路線数とバス停留所の現状はという点についてお尋ねいたしたいと存じます。公共交通はJRに限らず、市内を走るバス会社である士別軌道や道北バスにおいてもコロナ禍による市民の外出自粛の影響などにより、運賃収入の減少が続いてございます。士別軌道は路線バス事業の収支改善のため、ことし4月と11月から大幅な減便を断行しています。新型コロナの収束が見通せない中、貸し切りバス収入も落ち込んでおり、同社としてはやむを得ない判断だと表明されております。今後のバス事業のあり方については市と協議中と聞きますが、さらなる減便や系統路線廃止に加え、運賃値上げなどもあるのでしょうか。また、現状把握をする上で、市内の全てのバス路線の数と路線ごとのバス停、ターミナル、待合所、停留所、標識、標柱などの数は種類別にどれほどあるのでしょうか。また、市内のバス停の設置状況についてでありますが、事業者に標識、標柱設置の義務はあるものの、待合所、待合室、待合小屋の設置義務はないとお聞きしています。広告目的の業者や市民の要望に沿った行政、そして地域住民の善意による設置が考えられますが、どのような分類になっているのでしょうか。そして、大事なことですが、維持管理の責任の所在はどこにあるのでしょうか。さらに、将来的に路線の統廃合に合わせた再利用などもあるのでしょうか。加えて、市内の保育園や小・中学校、高等学校などに隣接してバス停が設置されているのでしょうか。例えば上士別町には旧小学校付近に子供たちが雨、風や雪をしのげるバス停留所がありましたが、小・中学校が統合した現在の新校舎付近にはバス停留所がありません。新たに設置は可能なのでしょうか。最後に、今後のバス停のあり方や課題はという点についてお尋ねいたしたいと存じます。バス停が横断歩道のそばにあると重大な事故が起きるリスクが高くなります。国土交通省が全国に約40万あるバス停について事故の危険性を調査した結果、警告を発した約2,000カ所以外にも危険なバス停が相当数あると判明したそうであります。しかし、バス停などの移設には事業者や警察、道路を管理する自治体の間で調整が必要となります。そこでお尋ねいたします。市内に危険なバス停はございませんか。さらに、常日ごろから市民の声やドライバーや歩行者の通報に耳を傾けているのでしょうか。人の往来や交通量は路線や時間帯で異なります。暮らしを支えるバスの安全・安心をどう確保するのか、まさに地域全体で考えることが大切でありますが、これらのことについて市の見解をお伺いいたしたいと存じます。また、統廃合や負担増といった悪い面ばかりではありません。未来に向けて明るい話題も出てきてございます。1つの例が、バスの走行位置をスマホで確認できるバスロケーションシステム、バスロケを道南バス室蘭が導入計画をしており、室蘭、苫小牧、登別、伊達の胆振管内4市が導入費用の全額を支援するというニュースであります。アフターコロナも見据え、利便性向上と利用増を図っていくそうでありますから、全道各地への普及が期待できます。ところで、道内では7空港が既に民営化され、2030年度には北海道新幹線の札幌延伸が予定されてございます。一方で過疎化が進み、バスの運転手やJRの路線維持が難しくなっているのが現状であります。地域の交通環境が大きく変わる中、スマホで交通手段の検索や決済を一括して行えるMaaSの普及に向けた研究会が北海道でも立ち上がりました。MaaSとはMobility as a Serviceの略で、情報通信技術を活用して交通をクラウド化し、公共交通などを一つのサービスと捉え、切れ目のない新たな移動の概念を指してございます。ゆえに、今後は官民挙げて地域の公共交通を守るために創意工夫を凝らす必要があるのだと思いますが、いかようにお考えでしょうか。私たちのふるさと士別市には、会社創立100年の輝かしい歴史を誇る士別軌道が現在も脈々と奮闘をなされておられます。過疎化、高齢化、人口減少に加えコロナ禍が続く苦難の中ではありますが、何としても公共交通としてのバスを存続させるという意気込みと、そのために情熱を注いできた市の計画や考え方を最後にお伺いいたし、私の質問を終わります。 (降壇)
答弁 総務部長 中舘佳嗣(総務部長は2022年3月まで)
ただいまの御質問にお答えします。初めに、宗谷本線活性化推進協議会での議論や方針についてです。JR北海道は平成28年にJR単独では維持することが困難な線区を発表以来、長期経営ビジョン未来2031を策定し、北海道新幹線の札幌開業やホテル事業の拡大を初め運賃改定などにより経営基盤を強化し、令和13年度の黒字化を目指しています。また、沿線自治体と連携して宗谷本線アクションプランに取り組み、利用促進などを進めており、現在、令和3年度からの第2期アクションプランを策定中ですが、JRと路線バスの乗り継ぎ調整や、より利用しやすいダイヤの構築などを目指した検討を進めているところです。ことし7月には、協議会の市町村長会議が開催され、北海道やJRからの情報提供のもと、意見交換を行ったところです。JRからは新型コロナウイルス感染症による減収見込みや経費の削減策、沿線での利用促進の取り組みなどが報告されたところであり、感染症の収束が見えない状況においてさらに厳しい経営状態が続くことから、沿線で可能な利用促進などを進めていくことを確認したところです。また、道からは持続的な鉄道網の確立とJRの経営自立に向けて本年7月に北海道や道議会、市長会などが国土交通大臣へ要請した国の支援継続に向けた法案への提言について、国が中心的な役割を果たすよう継続した要請が必要との報告があり、引き続き、オール北海道での取り組みを確認したところです。次に、士別駅舎などの今後についてです。士別駅舎を含めた駅前広場の環境整備については、JRの経営問題を踏まえ、さらに検討が必要と考えています。無人駅の廃止については、JRの利用促進や経費節減などの取り組みの一つとして、宗谷線の3人以下の利用の少ない29駅のうち、来年の春のダイヤ改正に合わせて本市の下士別駅を含む12駅が廃止することが決まっています。今後は、自治会と協議する中でお別れセレモニーの実施について検討したいと存じます。JRは単独では維持することが困難な線区を発表した際に、上下分離方式についても検討項目の一つに掲げ、経費の節減を目指しましたが、これまで具体的な議論は深まっていないのが現状です。現在においては、JRを支援するための法改正が行われていないことやウィズコロナにおいて利用者の動向が見通せないことなどから厳しい状況が続くものと考えており、抜本的な経営改善につながる再生の道筋は見えていない状況にあります。JRの事業範囲の見直しは、JRの経営問題にとどまらず本道の1次産業や観光振興、さらには貨物輸送など全体のあり方にかかわる問題です。今後、経営自立に向けてJRの自助努力、国の抜本的な支援が前提でありますが、経済界も含めオール北海道で鉄路を支えていくという機運と仕組みづくりが重要であると存じます。次に、市内を走る士別軌道や道北バスの路線数とバス停留所の現状についてです。初めに、減便の状況は朝日線と市内循環線で、土、日、祝日の朝と正午前後の時間帯を減便しています。今後の減便や路線廃止、運賃値上げは、新型コロナウイルス感染症の影響や利用状況等を踏まえ、国や北海道、市民、各種団体で構成する士別市地域公共交通活性化協議会で協議をいたします。路線数は士別軌道が17路線、道北バスは2路線で、バス停は士別軌道と道北バス合わせて301カ所です。待合所は市の所有物が20カ所、自治会などの所有物は把握している範囲では4カ所で、所有者の責任において維持管理を行っています。市所有の待合所の維持管理は、バス事業者や地先の方にお願いしていますが、大きな破損等があり利用者に影響を与える場合などは市が対応しています。待合所の統廃合には、待合所は建造物であるため容易に移動ができないことや新たな設置場所の面積、歩行者の妨げにならないかなどの調査も必要で、今後の運用形態の見直しを見据えた検討課題として調査を進めます。保育園や学校に隣接しているバス停は、翔雲高校前と温根別支所前、糸魚小学校、朝日中学校前、また上士別出張所前の5カ所が校門に比較的近い場所で乗降が可能です。新たな待合所の設置には先ほど御答弁申し上げましたような課題があり、お話にありました旧上士別小学校付近の待合所は、上士別医院前への移設を検討しましたが、移設予定場所の面積が狭く、駐車場や歩行者の妨げになることが想定され、移設は難しいと判断したところです。多寄地区では地域の方が手づくりの待合所を設置した事例もあり、新たな設置場所については他用途での使用も視野に入れ、地域の方々との協議を踏まえた中でそのあり方の検討を進めます。次に、今後のバス停や課題についてです。初めに、危険なバス停の有無は北海道運輸局が調査しており、現状では市内において危険なバス停はないとの報告を受けています。市民やドライバーからの通報への対応は、バス事業者と連携し情報共有を図っており、市民から意見や提言があった場合はその内容を精査し対応しています。士別軌道は公益社団法人日本バス協会が定める貸切バス事業者安全性評価認定制度で高い水準を満たしているとの評価を受けています。この制度は貸し切りバスを運行する際、利用者の安全性の確保が適切に行われているかなど、安全性に対する取り組み内容や事故などの状況を書類審査と訪問審査で評価するものであり、今後とも安全・安心な運行を基本に、市民の大切な交通手段としての使命を果たしていただけるものと存じます。このように事業者も利用者の安全には最善を尽くしてるところであり、市もそのことは高く評価するとともに、双方連携のもと、安全・安心なバス運行に取り組んでいます。次に、MaaSの取り組みについては、本市においても検討組織の立ち上げを準備しているところであり、次世代モビリティ推進会議として北海道大学大学院工学研究院、岸邦宏准教授を有識者としてお招きし、これまでも先進的な交通施策などの助言・提言をいただいているモネテクノロジーズ株式会社、国や北海道の交通担当者、さらには地元の公共交通事業者などで構成し、地域交通資源の効率的な活用に向けた調査・研究を行い、将来の交通体系のあり方の指針等を定めてまいります。公共交通は市民生活に欠かすことのできない重要な交通手段であり、高齢化や人口減少が進行する中で、効率性と利便性のバランス等を考慮し、地域の実情に適した効果的な交通システムの構築が求められます。市は会議での助言・提言を踏まえた指針等に基づき、限られた財源の中で将来を見据えた公共交通の維持・確保に向けた取り組みや持続性のある公共交通網の構築に向け実証試験運行なども実施する中で、まちなか交流プラザの交通結節機能との連携なども含めた暮らしやすいまちづくりの検討を総合的に進めてまいります。以上申し上げ、私からの答弁といたします。 (降壇)