士別市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月15日
成年後見制度の実状と今後の課題について
2020年9月15日、士別市議会の一般質問で、喜多武彦議員が「成年後見制度の実状と今後の課題について」質問し、市長 牧野勇司、健康福祉部長 田中寿幸が答弁しました。
- 質問者
- 喜多武彦 議員
- 答弁者
- 市長 牧野勇司、健康福祉部長 田中寿幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 5番 喜多武彦
通告に従いまして一問一答にて行います。まず最初に、成年後見制度の実情と課題についてお伺いします。今年度から本市の第4期士別市地域福祉計画及び利用促進基本計画が策定され、実施されておりますが、その中から実情や課題について何点か簡潔にお伺いいたします。成年後見制度は、知的障害、精神障害、認知症などにより判断能力が十分でない方が不利益を被らないように家庭裁判所に申し立てをして、その方を援助してくれる人をつけてもらう制度であることは既に承知のことであります。本市の第4期士別市地域福祉計画において、今後、高齢者の増加にある状況、傾向や生活弱者である障害を持った方々の増加を見込み、本地域に安心・安全に生活を営むことをできる環境を整えるために成年後見制度の利用促進を図っていくとしています。この制度は、高齢者社会や格差社会、さらには精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ、自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション、障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会をつくるという理念とする、大変心強い制度だと考えております。消費生活センターへの相談には、ひとり暮らしの高齢者が悪質な詐欺被害に遭った事例などが情報として把握をしていたりありますが、このような場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができる場合もあると聞いております。まず初めに、この成年後見制度の意義と市として取り組みについての考えを伺います。次に、制度の利用促進については、利用促進に関する法律第14条第1項において市町村の講ずる措置として基本的な計画を定めるよう努めることと規定されており、この士別市地域福祉計画41ページの中には後見制度利用促進基本計画が制定されております。その中に地域ネットワークの構築とありますが、制度的には整然と示されていますが、いずれにしても個人個人の問題として対処していかなければならないことであり、当然さまざまなサポートを受けながらではありますが、専門的な知識、職業後見人を有する成年後見人はもとより、市民後見人の育成が重要であります。安心して任せられる人材の養成のための研修、実習など、現状ではどのように進められているのか、また、利用実績も含めて伺います。制度の利活用を強力に進めることを目的に、平成31年4月1日に士別地域成年後見センターが開設されましたが、まずそのセンターの仕組みと役割、そして運営主体はどこなのか、連携ネットワークの構築では広域3町、和寒、剣淵、幌加内と士別市社会福祉協議会で協議を進めるとありますが、中核機関の設置、本市としてはどのように対応していくのか、利用支援の中には市長申し立てと費用助成とありますが、市長申し立てのみで広域3町首長は申し立てができないのか、また、費用助成申し立てはどうなのかを伺います。さらには、この成年後見制度についての周知や利用促進にかかわる啓発をどのようにされていくのかを伺い、この質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 牧野勇司(市長は2021年6月まで)
喜多議員の御質問にお答えいたします。初めに、成年後見制度の意義と取り組みについてです。国の調査によると、認知症高齢者は現在600万人に迫り、精神障害者や知的障害者と合わせておよそ1,000万人の判断能力が不十分な方がいると推測されています。そのような中、全ての人が住みなれた地域で安心して生活できる社会を目指す地域包括ケアシステムの実現には成年後見制度は不可欠であるとともに、その役割はますます大きくなっていくものと考えます。本市では、昨年4月から和寒町、剣淵町、幌加内町とともに士別市社会福祉協議会が設置運営する士別地域成年後見センターに権利擁護支援業務を委託し、総合的な相談支援体制を強化しており、本年4月から8月末までの相談実績は、相談件数が延べ279件、うち新規相談件数が22件、申し立てが行われたものが3件で、いずれも昨年同時期を上回る利用状況となっています。次に、市民後見人に関する御質問についてです。平成12年における新たな後見人となった人の身分の割合は、配偶者や子供などの親族が91%、弁護士や司法書士などの専門職が8%でしたが、身寄りのない高齢者の増加など社会情勢が変化する中、令和元年においては親族が22%、専門職が69%とその割合が大きく変化してきています。一方で、専門職後見人に対する報酬等の費用負担の課題やより本人に寄り添った支援を目指す観点から、新たな権利擁護の担い手として市民後見人に注目が集まり、24年4月には老人福祉法が改正され、各自治体で市民後見人の活用を進めていくことが努力目標として定められました。本市では、26年に市民後見人養成研修を開催し、13人の方に参加をいただいたほか、27年、28年及び令和元年にフォローアップ研修会を開催し、講習の振り返りとスキルアップを図っており、本年度についても10月から養成研修の開催を予定しています。しかしながら、昨年、市民後見人が選任されたケースは全国で296件と全体の1%にすぎず、本市においても実際に市民後見人として活動されている方は1名です。その要因として、市民後見人の活動に不安を感じている方が多いことから、現在、後見センターに相談員を配置し対応しておりますが、今後新たに市民後見人を目指す方については、法人後見と一緒に活動することで徐々に後見業務になれていただくなど取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。次に、後見センターの役割についてです。1市3町と士別市社会福祉協議会の協議の結果、本年4月1日から後見センターを中核機関に位置づけることとしました。これにより今後は後継センターが中心となって地域連携ネットワークをコーディネートしていくこととなりますので、本市といたしましても、各関係機関と連携を図りつつ、地域全体を見据えた権利擁護支援や成年後見制度の利用促進に取り組んでまいります。次に、市長申し立て制度についてです。この制度は首長申し立てとも呼ばれ、申し立てを行うべき親族等がいない場合に市町村長が後見人の申し立てを行うものであり、3町においても各町長が申し立てを行うことが可能です。近年は身寄りのない高齢者の増加などにより件数が増えており、本市においても昨年度2件、今年度1件の市長申し立てによる決定がなされていますが、昨年以降3町で申し立てを行ったケースはないものと承知しています。次に、費用助成についてです。後見人の申し立てに当たっては、診断書の取得や収入印紙代など1万円程度の費用がかかるのが一般的ですが、審判に際し鑑定が必要となった場合には10万円を超える場合もあります。また、後見人が選定された場合、家庭裁判所が本人の負担能力に応じた後見人報酬を決定することとなりますが、おおむね月額2万円から3万円程度となる場合が多いとのことです。本市では、費用負担が後見制度を利用する妨げとならぬよう、低所得者を対象とした助成制度を設けており、昨年度の実績では、申し立て費用として3件、約7万円、後見人報酬として2件、24万円をそれぞれ助成しています。次に、周知や利用促進にかかわる啓発についてです。制度への理解と関心を持っていただくため、昨年度は自治会や老人クラブへの出前講座及び介護事業所や金融機関への制度説明会などを延べ87回行いました。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、これまで出前講座や説明会は行えていませんが、来月から始まる市民後見人養成研修への取材やパンフレットなどを活用し、周知啓発活動を行ってまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 5番 喜多武彦
再質問いたします。確認も含めてですけれども、平成26年から13人の参加の現状があって、今、その育成に関しては、継続されているのが、聞き間違いかもしれないけれども、現状1人しかいないというのがさっきの答弁なのかなと思いますけれども、これをやはり今後増やしていく必要があると考えております。その周知の方法としてるる説明をいただいたんですけれども、まだまだ周知が足りないのではないかなということが1点ありますので、その辺のことについてお伺いしたいということと、それから、広域3町の首長も可能ですよということでありますが、現状ではまだ申し立てがないということの理解をしました。現状の中でいくと、やはりその広域になっていくと士別市社会福祉協議会の役割が非常に大きくなるのではないかなと思っています。その社会福祉協議会への業務の負担過多においては本市としてはどのような支援をしていくのか、されているのか、その辺も、この2点を聞かせていただきたいと思います。
答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)
お答えいたします。まず1点目であります。市民後見人の今活動されている方が1名ということで、これはあくまでも裁判所のほうから市民後見人として認定された方ということになります。それで、今回10月からまた市民後見人養成研修ということでありますけれども、今、社会福祉協議会のほうでは10名程度、今、事前説明会という、しっかりと市民後見人の役割等々について御理解をいただいた中で研修をやはり受けていただきたいという思いから開催しておりますけれども、10名ほどの方に説明会に参加していただいているといった状況であります。この周知については、士別市のみならず、和寒、剣淵、幌加内のほうで、それぞれ民生委員の方だとか、そういった市民後見を担っていただけるような方について中心にというか重点的にお声をかけていただいていると承知をしているところであります。それから、社会福祉協議会のほうに負担がかかっているのではないかということでありますけれども、これは、権利擁護業務についてはそれぞれの市・町でまずは権利擁護業務というものは担っております。それで第一義的な窓口というのはそれぞれの町で担うことになっておりますので、そこの中で中核機関としてさまざまな機関と連携する必要があるだとか、調整をしていただく必要があるだとか、相談する場所として社会福祉協議会がこの業務を担っていただいておりますので、これは全て社会福祉協議会にお任せするといった業務委託の内容でございませんので、それぞれの市・町と社会福祉協議会がそれぞれ連携しながら、協議を行いながら進めていっているということでありますので、現状において社会福祉協議会のほうに過度な負担をかけているといった状況ではございませんので、御理解いただきたいと思います。以上です。
再質問 5番 喜多武彦
今の答弁の中でもう1点だけ質問させてください。いわゆる民生委員のことが出ましたけれども、民生委員も非常に少ない現状の中で、一つの自治会ではなくて、いろんな自治会を見ながらという方が増えていく状況を考えたときに、私も部長がおっしゃったとおり、民生委員の方が一番この制度の中にはぴったりはまるのではないかなと思うんですけれども、そんな方々に説明をしていったときに例えばどういう反応があったのか、前向きな感じはあるんでしょうか。当然やはり進める中において、後見人を進める中において、専門職はもとより民生委員が一番近く現状、戸別訪問していきながら、認知症の方あるいはひとり世帯の方、高齢者の方というのが一番よく理解していると思うんですけれども、民生委員の方の反応をお聞かせていただいて、この質問を終わりたいと思います。
答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)
お答えいたします。個別具体に民生委員の方からの反応といった部分については、お答えできるものは今持ち合わせておりませんけれども、例えばこの民生委員ということで、この社会福祉協議会を中心に各町と市民後見人の養成のあり方について協議する場において、例えばその民生委員の皆さんだとか、ある程度市民後見人という部分にやはり関心を持っていただいて、その受けた後に市民の方にそういった支援をしていく、そういう気概を持っている方というのはやはり民生委員ではないかということで話が進んでいるという状況なものですから、個別具体的にこういう形で民生委員の方に協力を要請しているといった状況ではない状況なものですから、そういうことでよろしくお願いしたいと思います。