みんなの議会

標茶町議会 令和4年第2回定例会 2022年6月7日

苦境にあえぐ酪農に具体的な支援が必要ではないかについて

2022年6月7日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「苦境にあえぐ酪農に具体的な支援が必要ではないかについて」質問し、町長 佐藤𠮷𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 類瀨光信

通告に従いまして、質問いたします。まず、1点目ですが、苦境にあえぐ酪農に具体的な支援が必要ではないか。北海道内産生乳価格は、3年連続の据え置きが決定しています。生産抑制や飼料・燃料高など、経営への圧迫要素が重なる酪農家は、収入増が望めない状況に置かれています。加えて本町では、「OSO(オソ)18」の影響で育成経費の増加、粗飼料確保に関する不安が払拭できていません。こうした状況ではありますが、持続的な再生産のループの中に温室効果ガス削減への取り組みも組み込まなければならないなど、課題が山積しています。こうした中、酪農の進むべき道筋は国からも北海道からも明確に示されてはおらず、酪農家は苦悩しています。町としての諸課題解決策を明らかにして、基幹産業を守るためのビジョンを示すべきではないでしょうか。持続的再生産を目指している町の考えを伺います。①町は、町内の酪農の現状をどのように認識しているか。②生産費を抑制するため、敷料の原材料として町有林、間伐材、風倒木を無償提供する考えはないか。③過去のOSO18被害が集中する放牧後2か月以内の牧野衛生を徹底すべきではないか。④OSO18被害地域の酪農家が、後継牛育成に大きな不安と負担に苦しんでいる事実を把握しているか。捕獲以外に後継牛育成への支援が必要と思うがどうか。⑤温室効果ガス削減への取り組みを具体的にどう進めていくのか。⑥酪農の衰退は、町の経済状況の悪化を招く。なりふり構わず食いとめるべきではないか。以上、伺います。

答弁 町長 佐藤𠮷𠮷彦

2番、類瀨議員の苦境にあえぐ酪農に具体的な支援が必要ではないかとの質問にお答えいたします。1点目の町内の酪農の現状をどのように認識しているかについてのお尋ねですが、新型コロナのかねてからの影響に加え、今年2月24日にロシアがウクライナへ侵攻したことに伴うエネルギー価格や穀物価格への高騰の影響により、酪農家の生産コストが上昇していることなど、先が見通せないこの状況に、酪農家が抱える不安はかつてないほど厳しいものであるとの認識を持っております。2点目の生産費を抑制するために、敷料の原材料として町有林の間伐材などを無償提供する考えはないかとのお尋ねですが、町有林の過去3年間の間伐材の平均生産実績より、おが粉の生産可能量を算出すると、フリーストール牛舎において生乳が1年間に必要なおが粉の500頭分程度の生産量にとどまり、無償提供を行った場合、本町の成牛の飼育頭数から考慮すると、酪農経営における生産費の抑制に対して、非常に限定的な効果となり、町内全体での公平性を保つことが難しいことも考えられるため、違った視点からの生産費を抑制する手法を研究していく必要があると考えております。3点目の「OSO18(いちはち)」被害が集中する放牧後2か月以内の牧野衛生を徹底すべきではないかとのお尋ねですが、令和4年第1回定例会予算審査特別委員会において、議員よりご助言をいただいております。各牧野で耳タッグ型殺虫剤の装着や、放牧開始前と放牧期間中の駆虫薬塗布などピロプラズマ症の対策をとっておりますが、牧野関係者の聞き取りによりますと、昨年も数頭の感染があったと伺っております。感染した牛は、主に貧血などの臨床症状が見られ、重症化した場合はヒグマなどの野生動物に襲われるリスクが高まることから、牧野衛生を徹底することは重要であると考えており、その方法について研究してまいりたいと考えております。4点目のOSO18(いちはち)被害地域の酪農家が、後継牛育成に大きな不安と負担に苦しんでいる事実を把握しているか、捕獲以外に後継牛育成への支援が必要ではとのお尋ねですが、OSO18(いちはち)による家畜被害を受け、昨年9月以降、家畜被害のあった農家、牧野組合関係者、酪農振興会との意見交換会の実施や、JAしべちゃとともに被害のあった農家へ戸別に訪問し、個々の農家が抱える経済的な負担や精神的な不安などについても、直接聞き取りし、生産者へ可能な限り寄り添うなど、対応をとってきたところであります。特に牧野関係者からは、「まずはOSO18(いちはち)の捕獲を」との意見が多く聞かれたことから、継続した捕獲体制の推進と防除威嚇機器の設置などの対策が、間接的に後継牛育成への支援につながると考えております。5点目の温室効果ガス削減への取り組みを具体的にどう進めるかのお尋ねですが、基本的にはこれまで検討を進めてきたバイオガスプラントを導入し、家畜ふん尿由来の再生可能エネルギーを活用することが、温室効果ガスの削減につながるものと考えております。しかしながら、資材費及び燃料費等の高騰に伴うイニシャルコストの増加と、前述した酪農家の生産コストの上昇の影響により、プラント建設予定地域全ての農家が納得する経産牛1頭当たりコストを示すことが難しい状況です。このような状況ではございますが、議員ご指摘のとおり、持続的生産基盤を維持する上で、温室効果ガスの削減の取り組みは必須であると認識しており、プラント規模の見直しも含め、標茶町エコヴィレッジ推進協議会の中で、引き続き研究していきたいと考えております。6点目の酪農の衰退をなりふり構わず食いとめるべきではないかとのお尋ねですが、本町の基幹産業である酪農を守り育てることの重要性は、議員と意を同じくするところですが、生産基盤の維持については、まずは国や業界団体が現状の課題を整理し、需給調整のあり方や、各種対策を検討するなど、さまざまな措置を講じていくことが大前提であると考えております。こうした状況下で、町といたしましては、JAしべちゃと情報交換する中で、生産抑制や資材高騰の諸課題を踏まえ、各農家に対して町が直接補助を行う体制の構築は難しいという判断から、今年3月から町内全世帯に対して牛乳贈答券2,000円を配布するなど、消費拡大に向けた取り組みを実施しております。今後、学校の夏季休業期間も牛乳の需要減少が想定されることから、牛乳廃棄にならないよう、引き続き消費拡大やPR活動を実施していくこととしております。また、町として何ができるのか、何をすべきかについては、引き続き各種団体との情報交換をする中で、効果的な施策を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

質問 2番 類瀨光信

町長は就任以来、子育て支援に係る各種無償化、観光施設への投資、デジタル化の推進など、公約に基づく施策あるいは機を見ての積極的な財政出動を実施してきたと思います。しかし、本町の基幹産業である酪農に関しては、目立った施策も計画もなく、大変残念に感じております。ただいま答弁いただいた酪農に関する現状認識についても、個々の酪農家や私の認識とは内容がかなり乖離していると感じますので、再度質問をさせていただきます。話をわかりやすくするために、乳価を1キロ当たり100円としてお話をします。乳価が100円の場合、従来の生産費は80円程度でした。ただ、一昨年から海外の穀物が値上がりを続け、令和3年3月の時点では、乳価に換算すると10円程度、10円強値下がりした状態となっていました。それに加えて、今年6月、JA全農が6月から10月に販売する肥料の値上げを発表しましたが、その内容というものは、かなり衝撃的なものでした。一般的に使用されている高度化成肥料というのですけれども、その価格が前年同期比で55%の値上げとなりました。高度化成肥料の材料となる尿素や窒素、そういった単味については最大で94%の値上げ、そういった状態にあるわけです。一般的に使用するものについては、昨年同期と比較して1.5倍の状態です。燃油価格の高どまりもあるわけで、こういった状況を勘案して、町としては現状の乳価で酪農家が利益を出せる状態と考えているのかどうか、それを伺いたいです。折しもクラスター事業の償還も始まっていて、そういった中で利益を出すことが難しいと考えて、最近になっても複数の大型の酪農家が系統外への出荷に切りかえております。これは、お話しした100円という例えば乳価の範囲では利益が出せないという、そういった判断によるものかと思いますけれども、町としては、このようにして系統外にどんどん酪農家が出荷をしていった場合に、例えば乳価交渉における不利、そういったものが生じるとか、生産者団体や系統メーカー自体の存在の根幹を揺るがすようなことになると、そういったことについてどのように感じておられますか。

答弁 農林課長 村山尚

担当課のほうからお答えしたいと思います。まず、1番の酪農家の現状に対する認識なのですけれども、今回の肥料及び燃料など生産コストの増加の問題につきましては、JAしべちゃの試算によりますと、肥料のみをとっても価格改定分を加味した場合、次の肥料年度の負担増が約7億3,000万円になると伺っており、そのことに対する町としての認識としましては、先ほど町長も答弁しましたとおり、農家さんもこのこと一つに限っても非常に負担がまずは大きくなっているのだなというふうに考えております。それと、系統外の関係につきましては、個々の農家の経営の中でどうするべきか考えた中で判断をされた結果だと、まずは認識しております。それと、あと4月13日に酪対の委員会の中で、インアウトの取り扱いについて協議がされているところでございます。このことは、本町の系統出荷の農家さんにも影響する問題ですので、インアウト、アウトインも含めて双方の動きについて注視していきたいと考えております。

質問 2番 類瀨光信

まさに、今まで経験したことのないようなピンチに、本町の酪農、酪農全体が直面しているわけです。消費の減少という、新型コロナウイルス感染症の拡大によるという特殊な条件、それからロシアによる穀倉地帯ウクライナへの侵攻、それから経済制裁等に反発して行われる原油の輸出制限とか、そういった複雑な要素が確かに重なっているわけですけれども、そういった状況の中で系統外への、例えば生産者が系統を選ぶか系統外を選ぶかというのは、今答弁いただいたとおり、それは生産者の自由なわけです。それはそのとおりです。ただ、そのことが、こういった厳しい現状が続いたために、雪崩を打つように系統外に出荷が流れていったとき、では次はどういった現象が起きるのかということを生産者団体だけではなくて、それは町としてもやはり考えなければいけないのではないかと思います。もちろん個々の経営であり、そして生産者団体の方針や意向というのもあろうかと思いますけれども、町としては具体的に何かできることはないのかということ、相談するというだけでなくて、現状で何かそういうカードを持っていないのかということをお伺いしているわけです。

答弁 農林課長 村山尚

お答えしたいと思います。先ほども申しましたとおり、次の肥料年度の負担については、相当額の負担が増えるということで、もはやちょっと町単独でできる支援の規模は超えているなというのが正直なところです。その部分につきましては、短期的な対策として、国による一刻も早い支援制度の創設が必要と原課としては考えているところでございます。同時に、各種補助事業を活用した草地整備や、ゲノム解析技術を活用した牛ふん改良などで、生産基盤を維持、増進することも重要と考えております。今回、議員もそうした視点でのお尋ねだったと思いますが、土壌診断で得た情報を基に施肥設計をすることで、必要な成分を必要なだけ使い、肥料コストを削減するなど、今までしてきたことの見直しを積み重ねることで、生産コストの抑制を目指すことも、今後は必要になるのかなというふうに考えております。

質問 2番 類瀨光信

私が考えている町が単独でできる生産費の抑制ということで、以前から申しております町有林の活用というものを今回も質問させていただいています。お答えいただいた内容でいうと、間伐材に限定されておりましたので、そうすると成牛に換算すると500頭分ぐらいにしかなりませんよということだったのですけれども、質問自体は特に間伐材に限定してはおりません。伐期を迎えた町有林そのものも含めて申し上げているわけです。以前から近隣自治体の取り組みについて触れてきましたが、改まって予算措置を講じなくても、町有林そのものをそういったものに材料として提供するという、そういう酪農・畜産へのダイレクトな支援として、他の町村ではその実効性が評価されているわけです。あわせて、林業の活性化にもつながるし、グリーンカーボンの持続ということにもつながっていくのだろうと思うわけです。要するに、伐期を過ぎた木を現在のようにあまり手を加えずに、ただ風倒木となって風化してしまう、そういったことも含めて考えると、今この酪農がピンチのときに、そこへ材料として資材として提供する、そういったことができないものだろうかという、そういったことをお尋ねしています。ただ、先ほどの答弁を聞く限りで、町内での敷料としてのおが粉の需要というものが把握されていないのではないのかなと思うわけです。この使用の実態、需要というものがどれほどのものかというのがはっきり把握されていれば、たかがおが粉、されどおが粉で、生産費の抑制効果というものはかなり大きいと私は思うのですが、その点いかがでしょう。

答弁 農林課長 村山尚

町有林の活用ということで、立木のまま無償で提供してはというお尋ねだと思いますが、まず町有林につきましては、町民全体の財産でございますので、慎重に考えていかなければならないかなというふうに思います。それと、立木を伐採した後は再造林をしていかなければならないわけなのですが、そこについては苗木の確保等の問題もありますし、あと公共予算の配分等の問題もあります。ただ、今、議員からご指摘を受けたように、現状、町有林につきましては、高齢級林分の割合が非常に高くなっております。その施業の中で、市場の利用、もちろん木自体の利用もそうなのですけれども、あわせて市場や追い上げ材等、俗に言う林地未利用材の活用についてもあわせて考えていき、おが粉生産工場への安定供給に、それが家畜敷料の農家さんへの安定供給にもつながりますので、その辺については引き続き研究していきたいなと考えております。

質問 2番 類瀨光信

あと、OSO18への対策、OSO18(いちはち)というのが正しいのかちょっとわかりませんが、OSO18への対策として、成功事例として標茶町育成牧場、それから茶安別中央牧野、中御卒別牧野の小型ピロプラズマ対策の詳細については、当然御存じかと思いますが、先ほどご答弁いただいた中に、ピレスロイド系のイヤータッグというもの、それから駆虫薬の塗布というものを答弁いただきましたけれども、このピレスロイド系のイヤータッグというのは、主にピンクアイを媒介するハエ、それから乳房炎等の原因となるサシバエ、そういった小型の吸血昆虫の防除に使われるのが一般的です。ちょっと駆虫薬の中身がわかりませんけれども、例えばイベルメクチン系の内外部寄生虫駆除薬だと、これは殺ダニの効果という、要するに小型ピロプラズマを媒介する殺ダニの効果というのは、これは非常に限定的です。ですから、成功事例として以前も紹介していますけれども、例えば茶安別中央牧野の対策というのは、そういった基本的な駆虫対策、防虫対策のほかに、殺ダニ剤としての、ピレスロイド系ですけれども、フルメトリン製剤というものを使います。それは殺ダニ効果が抜群に強いものです。ただ、それだけだと環境中のダニ自体が減りません。フタトゲチマダニが主力なのですけれども、13匹に1匹が小型ピロプラズマを持っている。それが標茶の現状です。そうすると、環境中のフタトゲチマダニをどうやって減らすかという、そこの対策もなければ、答弁にありましたように、感染するものが出ると。それはごくごく当たり前のことであって、いわゆるダニの卵のふ化阻害剤もあわせて使うサンドイッチ法というものも実施しなければ、健全な牧野とはいえないわけです。そういったこと、しつこいようですけれども、成功事例が幾つもありますから、そこを参考にすべきだと思います。ただ、人手も費用もかかることから、そういったところに行政の支援が必要ではないかと思いますけれども、その点についてはどうお考えですか。

答弁 農林課長 村山尚

担当課のほうからお答えいたします。今、議員から、茶安別中央牧野、あと育成牧場の主にマダニ対策、ピロプラズマ対策になるかと思うのですけれども、基本的には各牧野で今現在、僕の知っている薬剤でいうと、バイチコール、背中にかけるダニの薬ですね。そういったものの塗布や、あと獣医師さんに聞きましたら、ペルタックもそういった効果があるのだよというふうに伺っておりました。効果のほうはバイチコールだとかに比べると低いのかもしれませんけれども、まずはそういう効果があるというふうに伺っております。それと、あと環境中のダニを減らす対策というのは、私、今回その話初めて聞きましたので、今後勉強していきたいと思います。それと、あと今後の対策というか、基本的にはこれまで行ってきた対策をまずは牧野のほうで引き続き行っていきたいと。それと、あと、これもOSO18の話にかかわってくるのですけれども、やっぱり弱った個体というのは、ヒグマに限らず野生動物に襲われる、カラスやキツネにもいえることなのですけれども、その可能性が高くなりますので、まずはそうした牛の早期発見、具体的には牧野の牧区替えですとか、あと発情で牛を捕まえる際に、牛を集めたりだとか、そういった機会に、その辺を注視してもらって、場合によっては退牧だとか、そういったことの対策も重要かなというふうに考えております。

答弁 副町長 牛﨑康人

私のほうからも答弁をさせていただきたいと思います。まず、この苦境にあえぐ酪農に具体的な支援が必要ではないかというご質問の冒頭で、議員から目立った施策がない、計画もなくて残念だという、そういう評価をいただきました。振り返りますと、ここにきて急速に経営環境が悪化してきたというのがまず1つあるのかなというふうに思いますけれども、前段の部分、それ以前の部分につきましては、着実にこれまでやってきた施策を継続してきている、そういう評価をしていただけないものかなというふうに思ったところであります。その上で、なお新たに違うものについては、やっていかなければいけない。ただ、議員が質問の最後のほうで、なりふり構わずという、そういう言葉を使っていらっしゃいますけれども、それについてはマインドは同じ立場でありますけれども、財源のことを考えると、なりふり構わずというわけにもいかないのかなというふうに思っているところであります。おが粉の部分で具体的な例示もいただきましたけれども、決して超高齢級の木を倒木とするために山に置いているのではなくて、計画的に切り出すというのはあくまでも基本でありまして、その中で倒れてしまった木を活用する方法はないのか、その視点については議員と考えを同じくするところであります。ただ、これまでも何度かお答えしているとおり、そういったところどころにある木を回収して、そしておが粉にするというのが、経済的に考えると計算が合わないというところで、実現できずにきているところであります。おが粉に関しては、これまでも何度か研究を進めていきたいということで、私も答弁した記憶があるのですが、これについては議員からも引き続きご助言いただきながら、できる形を求めていきたいなというふうに考えているところであります。恐らく今日、農協総会の中でも、同様な生産費の抑制あるいは経営対策について議論がされているのだというふうに思います。その結果を踏まえながら、町としても農協さんとも歩調を合わせながら、できることを考えていきたいなというふうに考えているところであります。具体的なカードを今持っているのかという質問もありましたけれども、それに関して言うと、正直、具体的なカードは私の段階では持ち合わせておりません。今、言ったように最近になって78%とか94%とか、50%を超える値上げというようなことで、衝撃が大きく走っているということもありますし、これについては、まともに減算額あるいは経費の掛かり増し分を計算すると何億、10億、20億という、そういう金額になりますから、単独の自治体でカバーし切れるものではないというふうに考えております。そういったことで、町だけではなくて、国や道あるいは系統団体の考え方も聞きながら、できることを考えていくべきだなというふうに考えているところでありますので、ご理解いただきたいと。それから、OSO18(いちはち)の関係でありますけれども、議員ご指摘のように、牧野で狙われない牛をつくるというのは、牛が狙われないようにするというのは、大事な視点だというふうに思っておりまして、農林課長答弁のとおり、できることは考えていく。それについて専門家、自防のアドバイザーあるいはその他専門家の意見も聞きながらやっていこう、その辺の財源につきましては、町の財源はもちろん、中山間の交付金やら農協さんの支出やら、そういったところを総合的に力を合わせてやっていくのが、この昨今まれに見るような危機感にある酪農を救う手だてなのかなというふうに考えているところであります。それで、OSO18(いちはち)関係なのですが、牧野の対策は大切なのはもちろんなのですが、今、知床財団の知見を借りて移動ルートの特定、個体の捕捉のためにヘアトラップという仕掛けを町内何か所かに設けて、捕獲に向けた作業を強化しているところであります。実際、使うまでは何とも言えないところがあるのですけれども、先ほど答弁させてもらったように、牧野関係者の大きな声としては、やはり捕まえてほしいというのが一番強かったというところで、今そこに力を向けているところであります。それから、系統外の出荷が増えたとき、その先にあることを想像すべきというようなご発言をいただきました。それについては、インアウトの話が出てきたときから危惧していたところでありまして、当然報道等でも言われているように、系統の組織力が落ちると当然交渉力も落ちるということにつながっていきます。そういった場合に、酪農主産地であります本町が直面する危機というのは、大変大きなものがあるというふうに思っておりますので、その辺について、まずは系統組織が組織を守るという、そういう発想のもとに行動してもらうのはもちろんなのですけれども、協議する中で町ができることについては相談に乗っていきたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

まだまだ先がある中で、副町長から今、途中までの分、補足をいただきましたが、できることをもちろんやっていかなければいけないということでお聞きしますけれども、OSO18の関連で、昨年の9月以降、牧野関係者、それから利用者、そういった方々と話し合いをし、要望を聞きということになって、その結果として一番要望が、声が大きいのは、当然ですけれども、早く捕獲してくれということかと思うのですけれども、直近では、いつ牧野の関係者の方とお話をしたのでしょう。私、実は5月中に町内で一番大きい被害地域のメガファームの方とお話をしています。それ以前にもお話をして、その結果として町営牧場の空いている牧区にそういった牛を受け入れることができないかというお話をしたこと、記憶あるのではないかなと思うのですけれども、今年5月、新規の放牧を前にして、一度そういったお話を伺いに行っています。そのときに、やはり捕獲してほしいのはそれは当然だけれども、今一番困るのは、こういった経費が高騰している状況で、育成牛を育成するために、これまでかからなかったお金をさらに払わなければいけない、かけなければいけないということが、規模が大きいだけに非常に深刻なのだというお話を伺いました。どうでしょう、それより新しい、そういうお話なのでしょうか。

答弁 農林課長 村山尚

私のほうからお答えしたいと思います。牧野との話し合いの場につきましては、今、議員おっしゃられていたほかに、令和2年から実は始めております。牧野からの要請を聞いたりする機会を設けたりですとか、あと専門家を招いての勉強会等を実施しております。今お話のありました部分についてなのですけれども、一番最後に意見交換会を行ったのは、今年の3月24日でございます。ただ、先ほど副町長のほうからお話ししましたとおり、まずはOSOの捕獲を優先でというふうに、もちろん担当課としても動いているところなのですけれども、放牧もう少しで始まりますけれども、実際まだ捕まっておりませんので、去年に引き続き、音と光の出る威嚇機の設置等を牧野関係者とは連絡を密にとりながら進めているところです。基本的には、放牧が開始される前に、それらの設置を終えているところでございます。

質問 2番 類瀨光信

OSO18に関しては、結局のところ捕獲が最終的なゴールなわけですけれども、ただ、目の前の現実というものを、この先も牧野を利用している方々からよく話を聞いていただいて、そしてこの2年、3年の中でもどんどん状況が変わってきているわけですから、そういった意味では、以前提案したような育成牧場の空き牧区に、被害が出て放牧が中止したような場合という限定ですけれども、そういったこともぜひ検討していただきたいなと思います。それから、温室効果ガスの削減についてですけれども、酪農畜産由来の温室効果ガスで最も問題となっているのは、これは世界的に見て牛のゲップです。牛1頭当たり1日大体成牛で1,800リッターのゲップをして、その中に約500リットルのメタンが含まれている。御存じのとおり、メタン自体は二酸化炭素の25倍の温室効果を持つ、そういうものです。バイオガス発電については、私が議員になってからのこの3年間、議会で取り上げられるたびに標茶町エコヴィレッジ推進協議会で検討あるいは研究ということを、ずっと聞いてきたように思います。結局のところ1ミリも話は進んでいないという、そういう印象を持っています。この状態で2030年に温室効果ガスの排出を47%削減、2050年にはゼロカーボンを達成しなければならないことへの展望というのがあるのかどうか。酪農を基幹産業とする町として、そこのところ、避けて通れないものだと思うのですね。主要な農業立国、例えばアイルランドなんかだと、牛の頭数を減らさなければいけない、もしかすると達成できない、そういったことまで考えられていて、牛の頭数を一旦減らしてしまうと、そのことは食料危機にも結びつくし、それから、その回復にも時間がかかるので、そうならないためにということで牛のゲップに関する研究というのが進んでいる、そういう状況です。もちろん標茶町全体の温室効果ガスの排出量がどれほどのものか、それからカーボンを固定する、そういった素地というものがどういったぐらいなのか、その評価がどの程度のものなのかということが示されていませんけれども、ただ、現状で酪農・畜産を基幹産業としている以上、牛のゲップについては早急にやっぱり考えていかなければいけないと思うし、牛の第一胃の中での発酵過程のメタンを抑制することは、ちょっと細かい話ですけれども、牛の主要なエネルギーであるプロピオン酸の酸性を多くして、結局少ない餌で牛が余分に育つのですね。餌の効率が非常によくなる。そういったことも考えて進んでいかないと、今の現状はとても厳しいという、そういう当たり前の話にしかならないと思うのですね。だから、ゼロカーボンのことも、それから今のそういう飼料高騰のことも、これ全く別々のことではないと思うのです。そういったことを一まとめにして、きちんとした将来展望を持たなければいけない、そういう時期だと思います。ただ、そのことで言うと、町としては、町営牧場において、輸入穀物への依存度を下げるための飼料作物の栽培や、エコフィードの給与というのを行ってきていました。リスク管理として、現在のような価格高騰とか品薄を想定して、そういったことをやってきていた。それから、今お話ししたように、メタンを抑制することで牛の成長もよくなるという、そういったことにも取り組んできていました。良質の堆肥を草地に還元することで、高度化成肥料の削減と炭素固定にも貢献していました。ただ、堆肥化の過程で問題となる木質リグニンの分解に分解酵素を使用していました。それから、そういった取り組みを町内の酪農家に技術として、知見としてフィードバックしようということを取り組んできていたわけですが、町長が町長に就任すると同時に、これらは全て取りやめられています。できることをやる、どんなことができるかを検討すると言いながら、今この現状でこういったことが継続されていたら、単純に町営牧場の収支の改善というだけではなくて、町内の酪農家にとって幾ばくかの経費削減とか、カーボンの削減とか、そういった効果を発揮できていたかもしれない。急に始めて急に成果が出るものではないですから、特に堆肥の施用によるカーボンの固定なんかはそうです。継続して初めて効果が出ることを、ある日やめてしまっている。そういったことを町としてはしてきているわけです。だから、これから何をする、どうする、農協と相談をするということを話す以前に、まずはこういった失ってしまったものに対する検証というものも必要だと思うし、その上で今できることが何かというのをしっかりと考えるべきではないかと思うのですが、まずこういったことをやめてしまった、その理由というのがもしわかれば教えていただきたい。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。以前、育成牧場で行われていた取り組みが、なぜなくなっているのかというお尋ねでありますけれども、町長として施策として中止したということではございません。経過としては、政策的なものではなくて、牧場の経営内での検討において中止されたという結果でありますので、ご理解いただきたいと思います。それから、ゼロカーボンの関係で、議員ご質問、お話をされておりましたけれども、3月にゼロカーボンシティの宣言をさせていただいております。町全体で目指すというところでありまして、まず運動論として宣言をさせてもらう。今後、町内にどのようなものがあり、どのような形でゼロカーボンに向かっていくかというのは、これから詳細、検討、決定していきたいとふうに考えているところでありまして、もちろん酪農・畜産についてもその一部であります。引き合いに出されたメタンについても、サプリメント等々の活用で発生を抑制できるのであれば、それこそ経営の中でそれがのみ込むことができたりとか、あるいは政策的な支援を行いながらやれるのか、そういったところも精査しながら、できることは最大限取り込んでゼロカーボンシティの達成を目指していくというのが、今、私たちが標茶町でやろうとしていることであります。

質問 2番 類瀨光信

いずれにしましても、答弁の冒頭で述べられているとおり、今の標茶町、標茶町に限らず、酪農の状況というのは、かつてないほどの危機だと。そのことについては、今回この質問で、町と私あるいは一般の酪農家との溝というのが、少し埋まっていくのかなと、埋まっていけばいいなというふうには考えます。こういう厳しい状況ですけれども、一軒もそういった経費が増えたことによる離農が出ない、出さないという、そういった決意で、これからも基幹産業を守っていく、そういった取り組みに期待します。

出典:標茶町議会 令和4年第2回定例会 2022年6月7日 議事録 PDF(37ページ) 間違いを知らせる