更別村議会 平成30年第2回定例会 2018年6月7日
農業の課題と振興対策について
2018年6月7日、更別村議会の一般質問で、織田忠司議員が「農業の課題と振興対策について」質問し、村長が答弁しました。
- 質問者
- 織田忠司 議員
- 答弁者
- 村長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 織田忠司
通告に従いまして、農業の課題と振興対策について質問させていただきます。更別村の基幹産業である農業は、耕地面積約1万1,000ヘクタールで、土地利用型農業を中心に営農が行われています。農家戸数は年々減少しつつあり、現在では約220戸、1戸当たり平均経営面積は50ヘクタールを超える大規模農業が行われています。しかし、将来に向けてはTPP、EPAなどの妥結による影響、後継者不在、労働力不足などの課題も多くあります。更別村農業推進会議で平成28年11月に行った農家への意向調査、調査票配付220戸、回収166戸、回収75%でも家族労働力の不足、雇用労働力の不足が大きな問題となっています。農家でも労働負担の軽減対策としてコントラの利用、TMRセンター、哺育・育成牛預託施設などを活用した分業、畑作では収穫作業の一部を委託するなどの取り組みも行っています。また、農家個人でも臨時雇用などの対策をとっていますが、夏の期間の限定や特定作業時期の雇用が多く、対応に苦労しています。まして団塊の世代が仕事からリタイアする5年、10年後には、労働力不足が現状の経営規模維持、規模拡大に大きく影響してくるものと思います。労働力不足は、農家だけではありませんが、行政として農業労働力の対策を含め、労働力確保にどのような対応を考えているのかお伺いしたいと思います。次に、経営継承、後継者についてですが、約6割の農家で具体的な候補者がいると回答しています。一方では、将来には営農中止という回答もあり、その中には5年以内の経営中止や規模縮小を考えているという回答もありました。当面経営拡大の希望も多くありますので、農地利用の心配はないと思われますが、10年、20年後を考えると農家戸数の減少、それに伴う農地流動化については大きな不安が残ります。その対策としては、共同経営による法人化をしてメガファーム的な大規模経営ですが、自己完結型農業で農業基盤を築いてきた更別村の農業経営者にはなじまず、それよりも農作業の一部共有、委託、分業を進めることが必要だと思います。また、新規参入についてですが、今更別の平均的な営農を行うとなると初期投資額は軽く1億円が必要となります。これは、新規参入者にとっては大変大きな負担となります。今後の新規参入については、営農類型の検討あるいは農業経営者の新たな移住推進などを含めて内容を見直す必要があると思います。それとまた、更別の農業収入は道内でもトップクラスであり、農業の魅力や子育ての充実など住みやすい更別村を積極的にアピールして農業へのUターンを振興する対策を課題の一つとして新しく取り組んでいくことも必要だと思いますが、村長の考えをお伺いいたします。
答弁 村長
織田議員さんの質問にお答えをいたします。議員ご指摘のとおり、農家戸数は減少が続いておりまして、2015年、平成27年の農林業センサスでは自給的農業経営を含む農家戸数は234戸となっており、2010年、平成22年と比較すると7戸が減少している状況であります。離農の理由は、それぞれ個別の事情があるところだと拝察しておりますけれども、経営主の高齢化に伴う労働力不足、後継者不在も大きく影響しているものと考えております。安定した労働力の確保が必要であるというふうに認識をしております。1点目の質問にあります農業労働力支援対策を含めた労働力確保についてでありますけれども、平成28年に行った農家意向調査の結果においては労働力の過不足につきまして特定の作業時期のみ不足あるいは常に不足と回答された方が全回答者166戸のうち117戸と70%以上に上り、これらの方の今後の対応策については雇用で対応、高性能機械の導入が最も多く、続いてコントラ委託、省力的作物の導入といった結果になっております。このような結果を踏まえ、農作業の分業化、外部委託に資する取り組みを支援することとし、哺育・育成牛預託施設整備やコントラクター支援事業を現在実施をしているところであります。雇用対策につきましては、地元雇用促進事業による正規従業員への賃金助成を継続しているほか、無料職業紹介所の開設により雇用の結びつけを行う体制を整えております。職業紹介事業につきましては、JAでも新規に取り組みを始められたと聞いております。現在のところ村の紹介所への農業者の登録はありませんけれども、村の登録へもPRをしていきたいと考えております。2点目の経営継承、後継者対策につきましてですが、農家意向調査の結果では、将来的な経営継承につきまして子や親族に継承させたいが113戸、法人を含む第三者に継承させたいが3戸、経営中止したいが8戸となっております。また、5年後の経営規模の意向につきましては現状維持が89戸、規模拡大が72戸、規模縮小、経営中止が4戸となっております。新規参入対策への意向については、地域を維持するためにも積極的に取り組むべきが59戸、農地が不足しているので、必要ないが24戸、新規就農希望者や実習生の受け入れ意向については受け入れてもよいが8戸、住み込み以外なら受け入れてもよいが23戸いらっしゃいました。これらの結果を踏まえ、農業担い手育成センター及び酪農・畜産クラスター協議会におきまして新たな農業担い手対策の原案を作成したところであります。方向性としては、実習生の受け入れ可能農家を研修農場に位置づけ、担い手育成センターが主体となって実習生を受け入れし、実習期間終了後に就農に結びつけていきたいというふうに考えておりますが、新規参入者への農地流動化については規模拡大意欲を持たれている既存生産者の理解も必要であります。慎重に対応を進めていきたいというふうに考えております。また、具体的な研修農場の設定、研修プログラム等につきましては今年度中に構築することとしております。実際の就農に当たっての支援を行う現行の支援制度につきましては、かねてから各議員さんからもご指摘をいただいていますとおり、村の平均規模以上を条件とする非常にハードルの高いものとなっておりますので、実現可能な就農の後押しとなる制度とするようあわせて見直しを進めてまいりたいと考えております。最後に、ご提案にあります更別農業のアピール、農業へのUターンを視野に入れた取り組みについてはごもっともでございますし、これにつきましても新たな担い手対策を進める中で実際に実行を考慮してまいりたいというふうに考えております。以上、お答えといたします。
質問 4番 織田忠司
今回の答弁の中では触れておりませんでしたが、これからは農業と福祉の農福連携、あるいは外国人労働者の雇用も視野に入れていかなければならないと思います。特に他町村では行われておりますが、労働力確保の一つとして外国人研修生の受け入れについて、今後更別村としてどのように取り組み、どのような対応をしていくのか、まず1点お伺いしたいと思います。次に、労働力不足ですが、これはますます深刻になり、個々の対応では限界があります。農作業の分業化または収穫作業の外部委託には重要性があり、一段と強くなっております。新たな組織づくりや支援の取り組みも必要でないかと思います。それと、畑作農家のヘルパー組織などを立ち上げ、年間雇用あるいは長期雇用などの安定した雇用に結びつけることが労働力確保につながると思いますし、また雇用する側にとっても忙しいときだけの雇用とかいう意識の改革をすることにより、いずれは農業が雇用の受け皿となり得ることになっていくと思います。しかし、一番の課題は冬期間の仕事が非常に少ないということです。そこで、更別には今熱中小学校もあり、いろいろなところからいろんな立場の人が集まってきており、交流もふえております。そのような中でビジネスチャンスとして、夏は涼しい北海道更別で仕事をしていただき、冬には暖かい本州などで労働力が不足している農家というか、労働力が重ならなくて冬の期間労働力を必要としている農家もございますので、そのようなところと雇用促進を模索していくことを試みるのも一つの方法でないかと思います。次に、新規参入ですが、規模拡大意欲が強い現時点では農地流動化の心配はないと思いますが、農家戸数の減少は地域の活力、村の活力に大きく影響してきます。そこでまず、あまり農地を必要としない野菜とかハウス園芸など新しい分野を視野に入れてみるのも必要ではないかと思いますし、またほかの市町村で営農していても広い更別で営農してみたいというような意欲的な方がおられれば、その人方には大きな資本力もあると思いますので、大きな支援も必要でないと思いますので、そのような方の受け入れも1つ考えていくことが必要ではないかと思いますが、その辺は村長の考えをお伺いいたします。
答弁 村長
今織田議員さんからのご質問にありました、まず1点目の労働力確保の問題で、外国人等のそういうような方の就労については考えているのかというようなことがありました。私は、外国人の働き手というのを非常に重要な労働力であるというふうに考えております。実際に国とか、いろんな内閣府とか総務省に、農水省に行ったときにも、それだけで特区をとっている自治体もありますし、やはり積極的に外国人労働者の就労ということで、農業にこだわらず商工業も含めてそういう機会も必要ではないか。ただ、条件整備等々あるいは相手の国の方の部分はありますので、私としては今年度特定の国は申し上げられませんけれども、実際に外国に赴きまして、外国人の方の就労につきましてその部分の地ならしといいますか、それをやってみたいというふうに考えております。2つ目の分業化等々いろんな部分につきまして、畑作の部分を含めまして外部委託等重要になってきていますし、ヘルパーさんであるとか、今織田議員さん大変重要なことをおっしゃって、農福連携、私もそれ考えております。今CCRCとかリラクタウン構想、あるいはB型の就労支援施設もできたわけですけれども、やっぱり農福連携が先進的に行われている部分はありますし、そういった部分を本当に貴重な働き手として、また雇用の機会を広めるという形も含めまして、そういう形で労福連携、あるいは畑作でのヘルパーさんの活用とか、これについての具体的な施策を考えていきたいというふうに思います。とはいいましても、冬期間の、やっぱり年間雇用というのは非常に夏の忙しいときに比べても、1年間の雇用がないということはなかなか定着をしていただけないということもあります。そこは、もう喫緊の課題であるというふうに感じておりますし、何とか繁忙期だけではなくて冬期間も我が村で働いていただくというところの雇用の確保とか、そういう部分を積極的にやっぱり開拓していかなければいけないと思っていますし、もうその時期に来ているのではないかなというふうなことを考えています。雇用促進についても本当に心がけていきたいというふうに思いますし、お話ありました熱中小学校とか、農業に関してもいろんな形での交流人口とか、いろんな部分で来ておられて、提案もされているかと思われます。その部分もしっかりと提案を受けながら、その部分を具体化できていければいいのかなというようなことを考えています。4点目の新規参入ですけれども、これについては今までどおり何回も議員の各位の皆さんからご指摘がありました。ハードルが高いというようなことと現在更別村農業担い手後継者育成支援対策計画ということで、平成30年4月に更別村農業担い手育成センターで作成しました支援計画の中にも今まで酪農、畜産関係の方々が半減をしてきて、本当に将来的になくなってしまうのではないかという危惧感、危機感から、哺育、育成牛の預託施設等、あるいはどういうふうにして研修体制をして後継者を受け入れていくかという案も作成しましたけれども、今回さらに畑作についてもこれを作成するということで、現在その部分でどういうふうな形で受け入れあるいは体験研修、実践研修、そして就農に至るまでの部分をしっかりと構築するということで今検討しております。酪農、畜産、畑作を問わず、しっかり新規就労者が就農できるような、そういうような体制づくり、あるいは条例整備、JAさん等の関係機関との調整も進めていきたいというふうに考えております。また、ご指摘のありましたハウスあるいは野菜とか、大きな耕地を、圃場を必要としない部分、あるいは逆に大きなところで挑戦してみたいという方もおられますし、やっぱり農業の種類にはいろんな部分があると思いますし、多様性があると私は思いますし、できればいろいろな多様性のニーズに従って就労できるような状況をつくっていきたいというふうに考えております。前回もお答えしましたけれども、そういった部分につきましては例えば土地を公社を設定して確保して、その部分を新規拡大、あるいは拡大だけではなくて本当に新規参入者に対して、そんなに大きな土地ではないですけれども、提供できるような方向ということでご指摘も受け、検討もしているところでありますし、その部分を含めましてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。以上であります。
質問 4番 織田忠司
最後に、農業へのUターンについてお伺いいたします。子どもがいるが、農業は継がない。逆に村外に出ていったが、帰ってきて農業を継いでくれたという例が大変多くあります。新規就農や参入が必要だということはわかりますけれども、それよりも更別を離れていた方に再び更別に戻ってきて農業を継いでいただく。そのための環境づくりに取り組む必要もあります。10年前に比べると更別の農業も大きく変わっていますし、外に出てわかる更別のよさもあると思います。農業収入、仕事内容、生活環境、どれをとっても進んでいますし、それをふるさと便りというのですか、そのような形で、家族の了解は必要になると思いますけれども、更別を離れていっている方に年間何回か届けて、更別とのきずなを持っていくということも重要だと思います。その人がいつ戻ってきても対応できるような住居などの余裕を持った対策も必要となると思いますけれども、その辺の考えを村長にお伺いしたいと思います。
答弁 村長
まさに織田議員さんおっしゃるとおりでありまして、やっぱり私は私個人的なことをお話しして申しわけないですけれども、27年前京都からこちらに来まして、今ほとんど教え子たちが一旦は都会とか、いろんなところに出ていきますけれども、お嫁さんを連れて帰ってきて、そして就農しております。こんなにうれしいことはありません。春耕期に入りますとトラクターに乗って、あちこちの畑で我が教え子の姿を見るということは教師冥利に尽きることでありますし、その子たちが戻ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんや祖先から引き継いだ、そして困難な開拓時期を乗り越えてここまでに土づくり、あるいは農業基盤を盤石なものにしてきた、そこをつないでいってほしいですし、やっぱり将来に向かってその部分をしっかり担ってほしいなというようなことを考えております。本当にエピソードではありませんけれども、一旦ほかの民間会社に就職が決まっていて、そしてお父さんに戻ってこないかと言われたときに都会のほうに一回帰ったと。しかしながら、ある日帰ってきて、父さん、俺継ぐよと言ったというお話を聞きました。実際に今その子は一生懸命に畑に出て農作業をしているわけですけれども、私は一回外に出ても村にいろんな部分で本当に戻ってきて、やっぱり農業を継いでみたい、仕事をしてみたいということは非常に重要なことであると思っていますし、そういうような我々の役目は時限装置というのですか、一旦は外へ出てもいつかふと帰りたいと思ったときにそういう住環境、あるいは子育て環境、いろんな部分、雇用環境は整っているということが彼らの決意を確かなものにするものであるというふうに思っています。その部分では、行政がそういうような環境づくりをするということはとても大切なことであると思いますし、その部分は本当にしっかりとやっていかなければいけないなというようなことを思っています。ふるさと便り、大変すばらしいことです。私もそう思います。成人式とかで帰ってくるわけですけれども、今村の状況がいろんな形でいろんな環境の変化も変わっています。いろんな部分で子育て支援とか住環境、あるいは生活環境、あるいはライフライン含めまして昔とは、私はかなり進んでいるというふうに考えておりますけれども、その部分をしっかりとアピールしながら、皆さん、君たちが戻ってきてもここで本当に夢と希望を持って農業に邁進できるという状況を村長としてしっかり努力をしていきたいというふうに考えております。以上であります。