更別村議会 平成28年第1回定例会 2016年3月11日
TPPの影響と農業振興
2016年3月11日、更別村議会の一般質問で、本多芳宏議員が「TPPの影響と農業振興」について質問し、村長が答弁しました。
- 質問者
- 本多芳宏 議員
- 答弁者
- 村長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 本多芳宏
通告に従いまして、TPPの影響と農業の振興について私のほうから質問させていただきます。2月4日、ニュージーランドのオークランドにおいて環太平洋連携協定、TPP参加12カ国が協定書に署名をし、昨年10月に大筋合意した内容が確定されました。今後各国は発効に向けて国内の承認手続に本格的に進んでいくものと思っております。政府は、昨年末にTPPによる影響の試算結果を公表しております。しかし、これはTPPの大筋合意内容に基づき、関税削減や撤廃までの期間を長くしたり、TPP関連政策大綱により国内対策を考慮した前提で試算したもののため、生産額の減少も約1,300億円から2,100億円にとどまるとしております。また、相次ぎ北海道、十勝の減少試算額が発表されました。十勝管内においても113億円から159億円程度ということで、十勝管内の農業生産割合を単純に当てはめて試算されたものです。関税収入が減る中、また現在の国の財政状況を見ましても恒久的に財源の確保ができるのかという、到底これは信用できないわけであります。また、今回の試算では関連産業への影響を分析もされておりませんし、輸送や加工などにも大きな影響が出てくると思います。そこで、本村ではTPP発効後の影響額は試算されているのか、まずお伺いしたいと思います。次に、これからの農業振興策をどう考えていくかですが、本村は開拓当初から決して気候条件や土地条件も恵まれた環境ではなかったと思いますが、土地改良や基盤整備を何度も繰り返し、現在の基盤ができ、良質で安全な作物を大量に生産でき、所得も上げられる大型農業の形態ができてきました。しかし、TPP発効により農畜産物が自由化になれば、たとえ更別の大型農業であっても太刀打ちのできない状況になるというように思います。中には、TPPが大きな転換期であり、チャンスと捉える学者もおりますが、私は長い間で築き上げた更別の形態を崩さずに、国の政策のもと農業振興を進めていくことが望ましいというふうに思っております。その辺で村長の所見もお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
答弁 村長
本多議員のTPPの影響と農業振興についてお答えをいたします。TPPの協定交渉につきましては、昨年10月に日本を含む協定交渉参加国12カ国の閣僚レベルの交渉により、協定の大筋が合意されました。本年2月には、協定の署名がなされております。この間マイナス影響が懸念される農林水産業を基幹産業とする本村を初め、オール十勝、オール北海道としてJAさんを含めて反対の声を上げてきたところですけれども、十分な国民の議論がない中で一昨年の政府主導による協定参加表明というのと同様の結果となったことについて大変残念、遺憾に思っているところであります。また、大筋合意後に発表しました政府が決定した総合的な政策対応に関する基本方針では、国民への合意内容の正確かつ丁寧な説明と情報提供に努めること、あるいは特に地方での説明と情報提供を重点的に行うというふうにされていましたが、説明会の開催、各地で道内も行っておりますけれども、そんなに頻繁ではなく、報道も通じた不明瞭な情報しか伝わってきていないのが実態と捉えております。その中で政府は、昨年11月に総合的なTPP関連政策大綱を策定しました。農林水産物の影響額の試算を公表したということであります。公表された試算では、議員ご指摘のように農林水産物全体で約1,300億円から約2,100億円の影響があるとされております。このうち農畜産物の影響額は、878億円から1,516億円になるとされています。北海道においても国の試算をもとに道内の畜産物の影響額を337億円から470億円と試算されたところであります。そこで、ご質問にあります本村における影響額についてでございますけれども、国や道が試算に用いている統計数値のうち、市町村別の統計は行われていないものでありますから、同様の試算は大変困難な状況にありますが、国と道が影響額を公表した14項目に本村の、そのうち本村が占める生産量の割合をもとに計算をしてみました。そうすると、小麦で9,700万円、砂糖で1億3,000万円、牛乳、乳製品で1億3,900万円から2億円、牛肉で300万円から700万円となり、合計すると3億6,900万円から4億3,500万円の影響があるというふうに試算をしました。議員のご指摘のとおり、ただこの影響額は国の対策がなされた、考慮されたものとして計算したものでありますし、その点でいえば実効性への不安感とともに、関連産業の影響を考えると果たしてこの数値の見方が本当に正確なのか、あるいは反映しているのかという点ではかなり微妙なところであるのかなというようなことを思いますし、地域における影響力というのはさらに大きくなるというふうに考えられております。いろいろな試算とか説明会、この間も農業セミナーということで道の農政部が来て説明をしていきました。大綱について説明をしていって、こういう施策をしますということがありましたけれども、なかなか提示された部分から中身に食い込んでそういうような説明はなされておりません。どこの説明会でもそうであります。そして、TPP対策、補正予算事業一覧ということで総額3,122億円ということで出しておりますけれども、畜産、酪農の総合プロジェクト、畜産クラスターあるいは産地パワーアップとか、いろんな部分で出されておりますけれども、この部分が果たして全てを網羅できるのかというと、決してそうではないというふうに思います。例えば関税一つをとってみましても、為替の相場が変動することによって、これが幾らでも変動するということになります。これは、本当にそのところの見通しをしっかりと持って対策を講じられているのかといえば、そうではないというふうに考えるのが妥当であるというふうに考えます。また、議員ご指摘のように、例えばこの機会をいい機会だというふうなことを、これは新聞報道ですけれども、今回のTPPの交渉結果を見ると実は19%関税が残ったと。全てが撤廃されるという想定に比べると打撃が小さくなるというようなことで、逆にTPPは日本の農業を変えるチャンスでもあるというようなことで、農家も変わる必要があるということとか、いろんな部分を言っている、そういう風潮もあります。ただ、一方で、ここには芽室町の畑作農家の方がこれはそういう言い方はないのではないかというようなことでお話をされています。残念ながら決議は守れなかったけれども、精いっぱい国内対策を行うというのが、そういう発言が筋ではないかと。非常に輪作体系で、小麦一個にしても、これは輪作体系でジャガイモとかビートとか、いろんな部分がありますから、例えば一つの農作物に影響があったとしても連鎖的に波及していくということで、それを総合的に捉えてこのこと、TPPの影響を考えなければ、これは本当に一面的に捉えたということにしかならないというふうなことがあります。非常に大打撃を受けるのではないかということとか、消費者のメリットが大きくなるという話もあるが、それ以上にやはり農業全体、そのものが疲弊をしていく、あるいは本当に困難な状況になっていくというような状況も考えられるといったことを本当に力を込めて発言をしておられます。私も思いますけれども、いつもいろんなところで言っているわけなのですけれども、ウルグアイ・ラウンドのように小手先のそういう対策等は、いわゆる補助金とか助成金、これではだめなのです。そういう部分ではなくて、やはり日本の農業をどうするのか、ひいては十勝あるいは更別のこういう農業をどうしていくのかという観点に立って対策を長いスパンで講じてほしいということがやっぱりご指摘のとおりあるのではないかというふうに思います。そういった意味では、先般本議会において意見書第11号が採択をされております。その部分でいわゆる本当に国内の生産者の不安を払拭し、持続可能な農業を確立すること、そして我が国の農業に安心、安全の必要性、農村、農業の果たす役割をしっかり捉えて、そういう対策を、政治を進めてもらいたいということで採択をされています。私は、このとおりだと思います。その点で強く働きかけをしていかなければならないというふうに思います。こうした中において本村の基幹産業である農業を持続的に発展させるためには、今議員がおっしゃったように大型農業でございますから、その部分を土地利用型を中心とする本村農業の基盤となる土づくりを初めとした基盤整備、これを今力を入れているわけですけれども、これは村としてしっかりとやっていかなければならないというふうに考えています。コントラクター等を活用した分業化、生産性を高めながら、生産経営主の労働力の軽減あるいは所得の向上、そういったものを含めて、さらには今若い子たちが戻ってきているわけですけれども、次世代の担い手、そういう引き継げる更別農業をしっかりと確立していくということは行政を挙げて進めていかなければならないというふうに考えています。また、一方では、生産のみならず加工販売に取り組む、そういう人たちの意欲のある声も聞いております。今付加価値とか6次産業化ということもありますけれども、そういうような部分も今後はいろいろと取り入れていかなければならない部分もあるのかなというようなことを考えております。何よりも農業に夢や希望が持てるよう、多様な経営の後押しも大事だと考えております。JAを初め関係する諸団体と協議をしながら、この問題について取り進めていきたいというふうに考えています。以上、答弁とさせていただきます。
質問 7番 本多芳宏
答弁大変ありがとうございました。更別におきましては、減少額、国の試算と同じように想定どおり本当に少ない影響なのだなというふうに思っているわけですけれども、これはやっぱり過小評価であるのではないかなというふうに、甘過ぎる評価ではないかなというふうに思っております。これは、多分国は国益を考えて農業を軽視しているのかなというふうに私は思っているところでございます。そして、この影響額というのは、私本村にとっては大変重要な数値だというふうに思うのです。これから更別農業をどういうふうな方向性に向けていくかということにおいても、本当に重要な数値だというふうに思っております。お話聞きますと、交渉内容は非公開ですし、発効から7年たちますと何か再度要求されれば関税の再協議に応じなければならないというお話も聞いております。そういった中で、またそれによって全面的な完全撤廃になるというお話も聞いております。そういったことで本当にこの先どういうふうになるのかなというふうに自分は思っているところでございます。それで、更別村の農業形態は国の政策によって影響されるところが大変多いと思うのです、現在の農作物を見ると。国もTPP対策としていろいろと今年度の補正もありますし、来年度の予算も計上されておりますけれども、更別に合った予算建てというのですか、なかなか更別のニーズに合った予算がついていないのではないかなというふうに思っております。そういった中で、やはり農業者とJA、そして行政が一丸となって共通認識を持って国に訴えていくということが大変重要ではないかなというふうに思っております。そういったことで、村として協議会というのですか、TPP対策協議会というか、そういった会というか、意見を集約できる会を設置することを考えているのかどうか、その辺についてちょっとお伺いしたいなというふうに思っております。
答弁 村長
今ちょっとご指摘あったのですけれども、そういうような協議会については今のところ考えてはおりません。ただ、今ご指摘のとおり、国の施策についてきちんと対応してもらうということで働きかけなければいけませんし、これについてはJAさんあるいは生産者直接、それと行政が一体となってしなければいけないというふうに考えています。町村会の中においても、いわゆる畜産部会とか畑作部会とか、いろんな部分がありまして、私も国会のほうへ何回か行かせていただきました。そういうような部分で町村は町村長の中で、あるいはその中でそういうような協議会とか働きかける部分はあります。そこのところもしっかりしながら、今ご指摘の点で協議会等と、JAさんともいろいろと協議をしながら、そういう必要性があるならば、これは設立をしていくべきだというふうに考えていますので、今後検討させていただきたいなというふうなことを思っております。以上です。
質問 7番 本多芳宏
やはり国に予算をつけていただくわけですけれども、更別独自の、ほかと形態違いますから、それぞれの町村は思っているかと思うのですけれども、なかなか更別のニーズに合った、そういった補助金なり事業が来ないということがもう現実なのです。そういったことから、そういった協議会なるものをつくって、国や、あるいは地元の国会議員通したり、そして道議会議員通して国に訴えていくということは大事なことかなというふうに思いますので、これから若い人が安心して農業をやれる体制をつくっていくのがやはり私たちのこれからの仕事かなというふうに思っておりますので、その辺について村長、何かありましたらお答えください。
答弁 村長
今更別の農業の特殊性に鑑みということでありますので、この辺は連携しながら、しっかりと働きかける、そういったような、本当に村に対してどういうふうにしてもらうのかとか、あるいはどうしてほしいということをしっかりと言えるような、そういうような連携をとっていきたいと思いますし、その辺についてはJAさんあるいは生産者の方といろいろと話をしていきたいなというふうに思っています。国に対しては、強く働きかけていきたいというふうに思っています。