音更町議会 平成25年第1回定例会 2013年3月7日
地域経済と農業振興について
2013年3月7日、音更町議会の一般質問で、山川秀正議員が「地域経済と農業振興について」質問し、町長 寺山憲二、企画財政部長 杉本俊幸、経済部長 津本明伸が答弁しました。
- 質問者
- 山川秀正 議員
- 答弁者
- 町長 寺山憲二、企画財政部長 杉本俊幸、経済部長 津本明伸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 7番 山川秀正
通告に従いまして、地域経済と農業振興についての質問を行います。現在、日本は、地方も中央もデフレによる長引く不況が続いております。その原因として、働く人の所得・雇用者報酬が1997年を起点として14年間に88%まで落ち込みました。同じ時期に欧米諸国の雇用者報酬が1.3倍から1.9倍程度とどこでもふえていることと比較して、賃下げが続いている日本社会は、発達した資本主義国で他に類を見ない異常なものであります。この動きと連動して、国民総生産、GDPも97年以降の14年間に90%まで落ち込みました。こんなことが起きているのも日本だけであります。欧米諸国も、さまざまな経済的矛盾を抱えていますが、同じ時期の国民総生産は1.4倍から1.8倍程度と、低成長ながら経済成長が続いています。長期にわたって国の経済全体が停滞・縮小している国は残念ながら日本だけであります。こうした中、昨年12月に行われた衆議院議員選挙は、3年5カ月ぶりに自民・公明中心の政権が復活し、安倍政権が誕生しました。その経済政策は、金融緩和等で物価を2%上昇させることを中心としたアベノミクスと称されております。しかし、働く人の所得が減り続けたことがデフレ不況の原因であること、労働法制の規制緩和による非正規雇用の拡大が所得低下の大きな要因であること、働く人の所得を増やすことが日本経済の好循環を取り戻す鍵であることは、政治的立場や経済学の違いを超えて今や共通の認識になりつつあります。こうした状況下での地域経済と農業振興についてお伺いをしたいと思います。一つ、TPP参加は地域社会に壊滅的打撃を与えることは共通認識。交渉参加を事実上表明したことを受けての対応と圧倒的多数の消費者を含む反対運動の構築について。一つ、政権交代による農業政策の変更と対応。1)戸別所得補償、2)人・農地プラン、3)新規就農対策、4)ビート低糖分対策、5)円安による生産資材の高騰等について答弁をお願いいたします。
答弁 町長 寺山憲二(町長は2016年12月まで)
地域経済と農業振興についての御質問にお答えいたします。初めに、TPP交渉参加の事実上の表明を受けての対応及び反対運動の構築についてでありますが、去る2月23日、安倍首相は米国での日米首脳会談において、TPP交渉参加に関し、「あらかじめ全ての関税撤廃の約束を求められない」とする共同声明を発表いたしました。また、首相は、会談後の記者会見で、「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」として、交渉参加について、なるべく早い段階で決断したい旨、表明されたところであります。TPP交渉参加に向けての事前協議につきましては、民主党政権下の平成23年11月より進められておりましたが、昨年12月の衆議院議員選挙において、自民党はTPPに関し、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対することを公約に掲げており、今回の事実上の交渉参加表明は、日米首脳会談において、公約は堅持できるという判断からのことと存じます。また、さきの衆議院議員選挙の結果、3年ぶりに自民・公明による政権交代がなされたところでありますが、新政権は長引くデフレ不況からの脱却を喫緊の課題として、日本経済の再生に向け、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を一体として実施し、所得と雇用が拡大する強い経済を目指すいわゆるアベノミクスを進めており、TPPへの参加は貿易の自由化により輸出産業を強化する成長戦略の一環であるとしております。TPP参加につきましては、農業だけではなく、関連する工業、商業など町の経済全般に影響があることや雇用の損失など地域経済の衰退や地域コミュニティの崩壊が懸念されることから、これまでも反対の立場を表明してまいりました。本町議会においても、平成23年第4回定例会において、道民・国民合意のないまま関税撤廃を原則とするTPP協定には参加しない旨の要望意見書が可決されたのを初め、十勝管内市町村や道議会においても同様に、オール十勝、オール北海道で反対の姿勢を示してまいりましたし、全国町村会においても交渉への参加に反対する特別決議を採択しております。今後の交渉参加が聖域なき関税撤廃が前提でないとしても、農産品等、重要品目の全てが関税撤廃の対象から除かれるのか、食の安全や医療、公共事業などへの影響がどうなるかなどの情報がない限り地域経済に対する脅威は依然として拭えないものであり、国民に十分な情報が提供されず、国民合意がないままでのTPP交渉への参加にはこれまでと同様に反対の立場であり、このような中での今回の表明は大変遺憾であるとともに、私としては、地域の崩壊につながりかねないという大きな危機感を持っております。交渉参加の事実上の表明を受けての対応や反対運動についてでありますが、TPPに参加した場合の十勝への影響について、十勝総合振興局が平成22年度に行った試算では、管内の産業産出額の26%に当たる5,037億円の所得と4万人の雇用が損失するとしております。地域社会を持続するためには、生活の糧となる雇用、産業を支え、介護や福祉、医療などを提供して生活を守っていく必要があります。本町においては、農業を含めた地域経済への影響が危惧されることから、例外なき関税撤廃を原則とするTPP交渉への参加に反対する懸垂幕の設置や、昨年度は「TPPを考える」と題した講演会を十勝ふるさと市町村圏北ブロック事業として実施するなど、町民へのアピールや情報提供などに努めてきたところであります。今まで農業界が中心となって反対運動が進められてきましたが、多くの国民はTPPの交渉が21項目にもわたっていることを知らないということも懸念されます。安倍首相のTPP交渉参加の事実上の表明を受けて行われた全国世論調査においては、交渉参加に賛成するとの回答が前回1月調査の53%から10ポイント増の63%に上がった旨の報道がありましたが、これは、輸出産業へのメリットもあろうかとは存じますが、農業への影響のみがクローズアップされ、国民に対して情報が十分に提供されていないことも要因ではないかと考えております。医療や保険、建設など、関連する業界の方々にも正確な情報が提供されるべきであり、町としても町民への情報提供に努めてまいりたいと考えております。記者発表を見ますと、安倍首相はTPPに前のめりになっているのではないかと危惧しているところであり、TPP交渉への参加は予断を許さないものと思っております。現在の動きといたしましては、北海道知事が去る2月27日に関係団体とともに上京し、中央要請を行っておりますし、十勝管内においては、十勝町村会が呼びかけを行い、十勝総合振興局、帯広市、十勝消費者協会連合会、帯広商工会議所、十勝管内商工会連合会、全十勝地区農民連盟、十勝地区農協組合長会の8団体で構成するTPP問題を考える十勝管内関係団体連絡会議が3月1日に設立され、反対会見を行ったのに加え、3月10日には、アグリアリーナにおいて、農業団体を初め商業、建設、医療、労働など関係団体と連携した4千人規模の反対集会が開催されます。このように、関係団体と連携し、TPPに対する認識を十勝全体で共有しながら国に対して働きかけを行うなど、さまざまな運動を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。次に、政権交代による農業政策の変更と対応についてでありますが、まず、農業者戸別所得補償制度につきましては、平成22年度から水田についてのモデル対策が実施され、平成23年度からは畑作物とあわせて2年間実施されてきたところであります。政権交代により、来年度からは制度の名称を経営所得安定対策に変えて継続実施されるものであり、各交付金の名称について、畑作物の所得補償交付金が畑作物の直接支払い交付金に、水田活用の所得補償交付金が水田活用の直接支払い交付金に、米の所得補償交付金が米の直接支払い交付金へとそれぞれ変更されます。その他、加算措置などの一部で移行・統合されるものがあり、農地利用集積円滑化事業等により面的集積を行って経営規模を拡大した農業者に10アール当たり2万円が交付される規模拡大加算は、経営所得安定対策の加算措置とはせず、農地の出し手に対する支援である農地集積協力金とともに担い手への農地集積推進事業として一本化され、名称を規模拡大交付金として実施されます。また、畑地において地力の維持・向上につながる緑肥を栽培し、収穫せずにすき込む場合に10アール当たり1万円が交付される緑肥輪作加算は、産地資金に統合されます。このように、来年度につきましては、制度や交付金の名称等が変更となるものの、制度における対象作物や交付単価などは本年度と基本的に同じ枠組みで実施されるため、農業経営にかかわるような大きな変更はないものと考えております。ただ、平成26年度以降の制度のあり方につきましては、今後、早い段階から国において検討され、制度設計が行われることとなっておりますので、TPP交渉参加の問題により不透明な情勢ではありますが、情報収集に努め、本町生産者の努力が報われるとともに、農業経営の安定化を図ることができるものとなるよう、関係団体とも連携し、要請活動等を行うことが重要であると考えております。次に、人・農地プランにつきましては、本年度、国は、地域農業における人と農地の問題の解決に向けて、各市町村において人・農地プランを策定することとし、この人・農地プランに位置づけられた中心経営体や中心経営体と連携する農業者であることを要件とする青年就農給付金の経営開始型や農地集積協力金、スーパーL資金の当初5年間の無利子化などの事業が実施されておりますが、現在のところ、政権交代による制度変更等についてはお聞きをしておりません。ただ、去る2月26日に成立した国の平成24年度補正予算に盛り込まれた経営体育成支援事業では、助成対象者は適切な人・農地プランに位置づけられた中心経営体であることとされたところであり、今後も適切な人・農地プランによる位置づけが要件とされる事業が多くなるものと考えております。本町における人・農地プランにつきましては、昨年5月に音更町全域を音更地区と木野地区の2地区に分けて策定済みであり、その後2度にわたり追加変更を行っておりますが、これは、給付金・協力金事業や資金の借り入れを申請する農業者が不利とならないよう、関係する一部の方々を対象に事務を行っているものであり、現在、昨年12月に町内農業者等を対象に行ったアンケートの集計結果等をもとに、できるだけ多くの農業者の参加をいただきながら地域における話し合いを実施し、検討会を経て、来年度の早い段階で全体版プランへの変更を行うよう準備を進めているところであります。次に、新規就農支援につきましては、本年度、国においては、就農を目指して農業大学校や先進農家などで研修を受ける方を対象に年間150万円を最長2年間給付する青年就農給付金の準備型や、独立・自営就農して間もない時期に年間150万円を最長5年間給付する青年就農給付金の経営開始型、さらに、農業法人等が新規就農者を雇用して研修を実施する場合に1人当たり年間最大120万円を最長2カ年間助成する農の雇用事業などが実施されておりますが、来年度におきましても全て今年度と同様に実施されるところであります。次に、ビートの低糖分対策についてでありますが、低糖分につきましては全道的なものであり、22年産から3年連続となっております。これはいずれの年も夏から秋にかけて著しい高温があったため根中糖分が大きく低下したものであり、特に24年産は22年産と同様に積算最低気温が最も高い水準にあったことから、最低の糖分につながったものと推測されております。本町の24年産てん菜の生産実績は、作付面積が2,939ヘクタール、生産量19万7,024トンで、ヘクタール当たりの収量は67.02トン、平均糖分14.4%で、糖分は十勝管内で最低という大変残念な結果となったところであります。畑作物の所得補償交付金には、生産面積等に基づき交付される営農継続支払いと生産数量や品質に応じて交付される数量払いの二つがありますが、糖度が13.5%未満の場合、数量払いは交付されないこととなっており、本町の場合、24年産てん菜の栽培農家戸数は452戸で、そのうち54戸、率にして約12%の栽培農家で糖度が13.5%を下回ったことから数量払いの交付対象外となったところであります。ことし1月、「国が、平成25年度の畑作物の直接支払い交付金では、糖度13.5%以上としていた交付対象の制限をなくすことを決めた」との報道が一部でありましたが、現在のところ、制限の撤廃や基準の引き下げに関する国からの正式な通知はなく、確認がとれていない状況であります。てん菜の低糖分の原因が、秋の高温など気象条件の変化によるものと推測されるため、寒冷地作物であるてん菜の栽培技術上の抜本的な改善は難しいのが現状でありますが、てん菜の低糖分は収支を悪化させ、生産者の作付意欲の減退を招くことから、適正な作付面積の確保にも影響する恐れがありますので、輪作体系を維持するためにも、農業関係団体とも連携し、あらゆる対策を検討する必要があるものと考えております。次に、円安による生産資材等の高騰についてでありますが、新政権が目指す大胆な金融緩和策への期待などから円安が進み、昨年11月の1ドル80円前後から、現在1ドル90円台半ばまで下落し、平成22年5月以来、約2年10カ月ぶりの円安・ドル高水準となっており、御承知のとおり、既にガソリンや灯油、軽油、重油といった燃油価格が高騰しているところであります。農協からの聞き取りによりますと、生産資材等への影響のうち、まず肥料につきましては、ホクレンによる肥料年度が6月からであり、25年産に向けての春の播種・植えつけ作業やその後の追肥に要する肥料については、大半が24年肥料年度中に予約や購入済みであるため、大きな影響は受けないであろうとのことであります。農薬につきましても、同様に農薬年度と予約・購入時期の関係から、25年産については大きな影響は受けない見込みであります。また、マルチなどビニール製品についての価格改定は9月であり、25年産への影響は少ないものと思われます。配合飼料につきましては、円安による影響に加え、海外の干ばつを原因とするトウモロコシや大豆など原料穀物の不作による値上がりといった穀物相場の影響を強く受けており、農家の実質負担は大幅に増加し、高どまりしている状況であります。今後は、自給飼料生産の振興や大牧牧場など公共牧場の利用促進を図ることも重要であると考えております。いずれにいたしましても、円安については今後の推移を注視する必要があるものと考えますが、大規模で専業的な経営を主体とする本町農業におきましては、生産資材の高騰が経営に与える影響は大きいものと思いますので、国や北海道の動向を見ながら両農協とも情報を共有し、対応してまいりたいと存じます。以上、答弁とさせていただきます。
再質問 7番 山川秀正
それでは、再質問をさせていただきたいと思います。まずTPPについてですけれども、この問題については、2月23日の記者会見後、寺山町長、素早い対応等々も含めて3月10日に4千人規模の集会が開かれると。その中で町長の果たしてきた役割等々についてもお聞きをしておりますので、基本的なスタンスについては異論はなく、ぜひ今後とも、この答弁にありますとおり、反対の立場で力を合わせてといいますか、一緒に、やっぱり町民一丸となって運動を進めていただきたいなというふうに思いますけれども、特に、答弁にもありますけれども、どうも選挙が終わってから賛成の世論がどんどんとふえているよという、私に言わすと意図的な報道ではないかというふうにうがった見方もしているんですけれども、そういう状況の中で、その一方でもう一つあるのが農業分野に対するバッシング、TPPイコール農業。農業と工業の対立、農業者と消費者の対立、そういう意図的な構図が描かれているのではないかというふうに私は懸念をしているんですけれども、そういった点で、実際に、答弁にもありますけれども、今後、農業以外の分野での影響等々について町民の皆さんにお知らせをしていくんだということが答弁にもありますけれども、まず、具体的にこの農業以外の分野の影響についての認識と、それから、今後町民の皆さんに他の分野での影響額等々、それから影響についてのお知らせ、世論をつくっていく、そういう取り組みについてお伺いをしたいと思います。
答弁 企画財政部長 杉本俊幸(企画財政部長は2014年3月まで)
ただいまの御質問でございますが、TPPに関しまして、農業分野において、そこだけがクローズアップされて、今、国民の意識がそっちのほうにあるというようなことで、認識といたしましては、21項目、大きないろんな項目で一応TPPの中で交渉事が進んでいるということは私たちは存じておりますけれども、その中身についても詳細までは確かに私たちも理解できていない部分がございますので、そういった影響を国民の皆さんに国としての情報を公開していくという必要があると認識しております。また、町の取り組みにおきましては、昨年5月に、TPPに関しまして町民の方に正確な情報を提供するため、また、共通認識を持っていただくため講演会を実施させていただいておりますが、この2月からの動向を見まして、また今回も講演会を関係団体と協力しまして開催することを今検討しているというようなことで、その中で町民の方におきましても適切な情報を得ていただくということで今考えているところでございます。以上でございます。
再質問 7番 山川秀正
具体的にはまた町民の皆さんに向けて講演会等々も計画をしたいということなんですけれども、例えば医療分野はどういうことが交渉の対象になるかというと、知的財産の分野で特許権の強化による薬価、薬の値上がり、それから金融分野では民間医療保険の拡大による公的保険の縮小、投資の分野では株式会社の参入による国民皆保険制度の崩壊、一つ医療をとってもこういう三つの分野でのそれぞれの、知的財産、金融、投資、こういうことから影響が出てくる、それから、今どこの地方も町内の仕事の多くは公共事業が圧倒的なんですけれども、そういう官公需の部分の分野でも、国際入札の義務づけによる地元企業優先発注、これは非関税障壁だというふうにとらえられる可能性が極めて高い。それからISD条項による提訴を通じた、要するに自分たちの企業にとって不利な条例等々に廃止を迫ってくる、雇用の分野でも、貿易保護主義的な目的のために法規制、政策と労働慣行を定めることは不適当、それぞれの分野でいろんな交渉が行われて、それがまさしく町民生活に直結をする、先ほど十勝管内の試算でも雇用が4万人奪われるという話がありましたけれども、そういった点でまさしくそういう状況が生まれるという、そういう実態を私は、先ほど具体的に講演会等という話がありましたけれども、もう少し情報としても伝えていくことが必要でないのか、町民の皆さんにお知らせすることが必要でないかなというふうに率直に思っているんですけれども、私自身も農業をやっていて、農業のことについての影響というのは一定敏感に反応するんですけれども、なかなかそういった点では、そういう分野での反応といいますか、我が事としてとらえにくい状況があるのではないかなというふうに率直に思っているんですけれども、そこをぜひ我が事としてとらえるような、例えば広報を使うなり、ホームページもありますけれども、チラシ等々を使ってというあたりが私は必要ではないか。そういう情報を、確かにこういう情報が発達した世の中ですからいろんな情報が氾濫していることはあるんですけれども、その氾濫している情報が本当に届いているかというところが、私はやっぱり届き切っていない、そこがこの世論調査の反映でもあるのではないかなというふうに思っていますから、ぜひそういった取り組みについて検討していただきたいというふうに思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
答弁 企画財政部長 杉本俊幸(企画財政部長は2014年3月まで)
町民への情報媒体ということで広報誌等ということのお話でございますが、TPPに関する町民に対しましての情報提供につきましては、以前御質問の際に町長のほうからお答え申し上げましたけれども、広報誌、ホームページを使っての提供については、正確な情報がない限り出せないものと考えております。情報の内容におきましては、今議員のお話もございましたけれども、両方のメリット、デメリット等それぞれあると思いますけれども、国のほうから出てくるのは、私たちも報道等で知る範囲ということで、それ以外の、その中にあるものの以上のものは得られないような状況もございますので、今のところ広報誌等を使った周知については考えていないということで御理解いただきたいと存じます。以上でございます。
再質問 7番 山川秀正
どの情報を信じたらいいかと、そこが定かでない限り町として、公の機関としてはなかなかそういう情報提供ができない、そこのスタンスは十分理解しますけれども、ただ、先ほど私も言いましたとおり、例えば医療の分野での交渉はこういうことがあるんだよとか、そういうことをお知らせする、要するに、その影響額とかそういった部分はなかなか試算する、例えばTPPが、市場開放、例外なき関税撤廃した場合、経済産業省は3兆円も利益が上がるとか、片一方で農水省は、1兆1千億円ですか、そういう被害が出るとか、同じ国の機関であってもデータが非常に錯綜している、試算が錯綜している、そういう現状は理解しますけれども、ただ、そういうことじゃなくて、事実だけでも知らせる必要がといいますか、交渉分野はこういうことだからこういう影響も出るんだよとか、こういうことも話し合われるんだよというあたりもなかなか理解されていないのではないかなというふうに実は思うんですけれども、そんなことを思います。例えば、今回のTPP交渉始まるに当たってといいますか、私は口悪く手土産と言っているんですけれども、2月の頭からBSE関係の牛の月齢が20カ月から30カ月に引き上げられた。この部分でも、ああ、10カ月延びただけかというふうにとらえている方が圧倒的に多いと思うんですけれども、例えばアメリカの牛の飼育形態と日本の飼育形態は全然違って、日本の場合は1頭1頭耳に環をして番号をつけて管理されているんですけれども、放牧中心のアメリカの場合はそういった個体管理ができていない、しかも繁殖についても自然交配、牧場に雄も放して自然交配に任せている、そういう状況があって、その牛の月齢が何カ月か特定することすら難しい、これは事実としてあるんだけれども、そういう事実だってなかなか知らされていないと思うんです。だから、そういった事実として明らかな部分だけでもお知らせをするということが、TPPについて、ああ、そういう問題もあるのかという共通理解に進んでいくのではないかなというふうに私は率直に思っているものですから、ぜひ、慎重になるばかりではなくて、そういった点でいえば、この答弁にもありますとおり、反対のスタンスは変わらない、今後も引き続きということですから、そういうスタンスをやっぱり町民の皆さんにもお示しすることが私は必要だというふうに思っておりますので、ぜひそういった点を、そういう取り組みをお願いもしておきたいと思います。それで、ここの評価といいますか、共同声明の部分での例外なき関税撤廃が全てではないといいますか、そこの評価についても、これも分かれるところでありますし、ただ、自民党が政権公約といいますか、選挙のときに公約したのは、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対する、これ一つだけではなくて、ほかにもまだ五つあるんだという、この事実も実はなかなか伝わっていない。その中に、そのほかの五つの分野の部分でいえば、2番目に自動車の問題、それから3番目は皆保険制度、安全基準、国の主権を損なうようなISD条項は合意しない、政府調達、金融サービス等は我が国の特性を踏まえるという、こういう五つもほかにあるんだという、ここも、さも何か一つ目の項目だけ、例外なき関税撤廃、ここだけ強調されてといいますか、そこしか触れられていない、そういう状況もあるわけですから、そういった点では、ぜひそういうことを知らせること、それから、自民党と一緒に政権についている公明党も、TPPに関しては包括的な経済連携協定であり、貿易や農業のみならず、医療、保険、食品安全など広く国民生活に影響を及ぼすため、国会に調査会もしくは特別委員会を設置し、十分審査できる環境をつくる、まさしくそういう国民的な議論、国民合意がされていない、そういう機関も今国会に設置されていない、そういう状況の中で前のめりに進んでいくことに対しては、やっぱり国民全てが反対というスタンスがとれるのではないか。それぞれの政党の選挙公約等々を見ていてもそういったふうに私は受けとめておりますし、例えば北海道、総選挙で20人の代議士が誕生しましたけれども、20人の代議士の中でTPP賛成を政策として掲げて当選した議員は1人だけ。あとの19人は皆さんTPP反対というスタンスで当選をされているわけですから、まさしくここにオール北海道、オール十勝、音更全てというので、そういう地盤があるのではないかということを私は感じておりますので、そういった点での町の一層の取り組みを求めておきたいと思います。この問題については、冒頭言いましたとおり、町長初め町のスタンスについては私たちと、揺るぎないといいますか、ほとんど変わらない立場でございますので、これ以上については、ぜひまた今後一緒にやっていくという、そういうスタンスの中で議論をしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。それから、2番目の政権交代による農業政策の変更と対応、この部分ですけれども、これも大変答弁に詳しく触れていただきました。私が提起した全ての分野について詳しく提起されておりまして、25年度の対応についてはこういう状況だということは私も理解をするんですけれども、ただ、冒頭言っているのは、25年度については、政権交代が12月の末、そういう状況の中で、新年度に対して農家の皆さんに不安を与えないように現行制度をそのまま踏襲するというスタンスなんです。ということは、26年度に向けては大幅に見直そうやといいますか、そういう議論になってくるのではないかというところが非常に私は今不安を感じているんですけれども、そういった条件、そこがいつ明らかになるのか。例えば品目横断対策が始まったときにも、実際には秋まき小麦の作付も、下手すると春の作付も終わっているような状況の中で品目横断対策がスタートする。個別所得補償もまさしくそういう状況なんです。また、今度、25年度は、経営所得安定対策ということで名称は変わるそうですけれども、ここはそのままいくからいいけれども、新しい政策が、26年度スタートの新しい政策についても、私から言わせるとやっぱり、25年9月1日といいますか、今で言えば秋まきの菜種、これも支援の対象になっているんですけれども、これは9月1日ごろにはほぼ播種が終わっている。小麦だって9月の15日前後をめどにして播種がされるということを考えるとあと半年もない状況だということをぜひ理解をしていただいて、そのテンポに間に合うように動きをつくっていただきたいというふうに思いますし、国等々に対する働きかけもそういったスタンスでお願いができないかということがありますので、まずその点についてお伺いをしたいと思います。
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
ただいまの御質問でありますけれども、直接的には非常に難しい部分であろうかとは考えてございます。ただ、情報を収集する上においては、農業者の方に不利益のないように速やかに情報を聴取しつつ業務は進めていくわけでございますけれども、今全般的なお話、報道等も含めて私たちの耳に入ってきている部分については、自民党の各部会の中では、7月中ぐらいには26年度の対策についてはある程度の骨子はでき上がってくるのかなというような情報はあります。いずれにいたしましても、8月ぐらいに国の概算要求が始まってきますので、国のほうの動きとしてはそれまでにはあらあらな骨子は見えてくるのかなと思いますけれども、いかんせん、議員おっしゃるように、本町においては、9月、次年度の作付品目がありますので、それに間に合うかどうかということになりますと、町ではひとつどうにもならない部分もありますけれども、なるべく情報は早く速やかに聴取しながら生産者の方にお伝えするということで考えてございますので、御理解賜りたいと存じます。
再質問 7番 山川秀正
ぜひそういうスタンスでお願いもしたいと思います。それで、特に、答弁にもありましたけれども、ビートの低糖分については、情報としては13.5以下もことしは支援の対象にするんだというような報道が一部である。ただ、なかなかそこも確認がとれないんです。それで、ここの部分について、そのビートの低糖分13.5以下については、営農継続支払い、ここの対象にもなるかならないかというところも、私どもが聞いている情報では、特例でこれはやれるんだということみたいですけれども、ただ、ビートについても既にハウスでの播種作業が始まっているわけですから、作付意欲、そこを喚起する、輪作体系を守るという視点からいっても、情報としてといいますか、そういうことが決定されるのが、やっぱり農家にとっては作付の前に知らせてほしいというのが率直な気持ちでございますので、そういった点では、この答弁以上進んだ答弁を求めるのは難しいのかなというふうに思いますけれども、ぜひそういった部分についても強力に情報収集というあたりもお願いもしたいし、逆に言えば、自治体としても低糖分に、これは気象の要因が圧倒的なわけですから、そういった点では支援の対象にするように町村会等々を通じて働きかけるというあたりもぜひ求めておきたいと思います。最後の円安による生産資材等々の高騰、ここの部分ですけれども、ここも影響が、燃油以外の部分については肥料も農薬も昨年度中にほぼ予約、確保しているから影響は極めて少ないのではないかということなんですけれども、ただ、そうはいいつつも、ことしの補正予算で、燃油価格高騰緊急対策、飼料穀物備蓄対策、飼料自給力強化支援事業等々、資材高騰に対する対策等々が補正予算でも打たれているという事実を見たときには、なかなかこのまま看過できる状態で済まないというふうに思います。けさの報道によりますと、ニューヨークでは円が94円台だったと、きのう。そういった点で、先ほど答弁にもありましたとおり、80円前後だったやつが94円まで行っているわけですから、もうやや20%近い、十七、八%の円安が進んでいる、そのことが農業者だけではなくて、消費者の皆さん、生活にどんな影響が出てくるかということは、これは輸出産業以外の部分では非常に大きな影響が出ることはもう明らかですから、そういった点では、この部分でもまずは情報収集をしながら、例えば燃油の部分でいえば、そういう税金の問題等々の解消によって円安の部分を吸収するような働きかけ等々も私は必要だというふうに率直に思っているんですけれども、そういった点での円安対策の部分でのもう少し突っ込んだ答弁をお願いしたいと思います。休憩(午後 0時01分)
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
円安による資材等の高騰についてでございますが、答弁にもありますように、農協さん等々の聞き取りにおいては、25年度分については、まるきり影響がないということでなく、影響範囲は比較的少ないのかなという情報は得ておりますけれども、26年に向けてはこの円安がどこまで続くかということもわかりませんので、相当影響は出てくる可能性は十分あり得ると認識してございます。そういうこともありまして、価格等については、直接農協さん通じてでもいろんな調査を実施してまいりたいと存じます。また、先ほど、24年度補正の絡みで燃油価格高騰の対策も打たれたというようなこともありましたけれども、実際そういう補正予算の部分での緊急対策が打たれたわけですけれども、たまたまこの燃油価格高騰対策につきましては施設園芸分野における対策でありまして、若干木野農協のエリアで施設園芸をやっている生産者がおりますので、木野農協ともいろいろと協議した結果、A重油の使用量を15%未満に削減していく部分についての支援という形の中で、なかなか取り組みが難しかったという経緯はございます。いずれにいたしましても、このまま円安が続けば資材、肥料等にも相当影響が出てくるものと私も考えてございますので、当然国におかれましても、逆に25年の補正予算というような形の中で緊急対策が打たれることも十分考えられるわけですけれども、いずれにいたしましてもそれらの情報をつぶさに収集しながら情報を提供していったり、農協さんと協議しながらいろんな対策、どこに対策が打てるのかということも検討していかなければならないというふうに考えてございますので、御理解賜りたいと存じます。
再質問 7番 山川秀正
午前中でと思ったんですけれども、若干時間があるようですから、もう一つだけ、さっき触れないできました人・農地プランの青年新規就農の関係ですけれども、まさしくここの部分、昨年の総選挙の選挙公約を見ますと、人・農地プランのところでは農地の出し手、受け手への支援を復活させるということで、予算も9倍にしてというような公約も発表されております。そういった点では、この部分、それから青年の新規就農の部分でも、今度は、ここも選挙公約では、新規就農から経営移譲まで一貫して応援するんだと。既に国会に担い手総合支援新法を提出してあるというような、こんなことも選挙後の報道でもされております。そういった点では、やっぱりこの両方の部分、今後農業を担っていく部分をこの音更町でもどうやって確保するかというところが大きな課題だというふうに思います。自治体によっては、そういった新規就農支援をして担い手をつくるんだというあたりも明確なスタンスがとられている自治体もあるんですけれども、どうしてもまだ音更町の場合は耕作放棄地もない、そういう状況の中で、今の状況では、離農なり農家をやめて農地が出てきた場合についてはまだ買い手市場といいますか、欲しがっている人のほうが多いと、そういう状況があるとは思うんですけれども、ただ、そういった状況が今後もこのまま安心して続くというふうに、やっぱり地の利だけでそこに安心をしていてはいけないんだというふうに思うんですけれども、そういった点、特に国がこういう青年の新規就農支援等々をやっているんですけれども、なかなか、去年音更町の活用を見ても、十分といいますか、件数にして5本の指で余るような状況ですから、そういったところも、私は率直に言って、例えば一つ、私は、一番農業の即戦力というのは、何だかんだいって今農業をやっている方々の後継者が一番の即戦力だというふうに思うんですけれども、その即戦力に対する支援、これが手薄だというのが率直に感じていて、よく、後継者を抱えているといいますか、後継者と一緒に農業経営をやっているお父さんやなんかからも言われるのは、せっかく息子が農業やると言っているので、何かいい手だてないべかという話で相談を受けるんですけれども、そこが今の農業をやっている、農業を後継する人間にとって使い勝手のいい制度、そういうのをぜひつくってほしいなというふうに率直に思っているんですけれども、そういった点でのぜひ今後の農業の担い手を確保するという視点での行政としてのスタンス、それから、当然これは、農業政策というものの圧倒的な部分がやっぱり国によるところが多いのかな、自治体独自でやれるということは非常に少ないんですけれども、自治体独自でも後継者に対する支援、新規就農に対する支援等々、過疎地域といいますか、なかなか人口が定着しない地域では結構思い切った手だてがとられているということも事実でございますから、そういった点ではそういった政策をこの音更町でも取り込むといいますか、ぜひそういう検討も始める時期だというふうに率直に思うんですけれども、そういった点での青年新規就農を含めての後継者対策、担い手対策という部分での考え方をお聞きして終わりにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
新規就農支援という部分の町独自の対策をそろそろ検討する必要性が出てきている時期ではないかということのお話であろうかと存じます。いずれにいたしましても、新規就農の部分につきましては、やっぱり担い手対策としてなかなか町独自では対策の非常に打ちにくい部分であるのは御承知のところかなと存じます。いずれにいたしましても、国の制度の中で今までは取り組んでいるような部分でございます。ただ、国の今の現状の制度の中の部分につきましても、年間150万を超えない範囲内での支援というような形の中で、実際生活していく上では本当にどうなのかなという金額等のこともございます。そういうことも踏まえまして今後町としてどういう担い手対策を進めていくかという問題でございますけれども、現状、町のほうで取り組んでおります年輪塾等も含めまして、担い手対策については両農協さんとも協議しながら、年輪塾を中心に担い手対策を進めていかなければならないということについては認識はそう変わっていないと思いますので、これから担当としてもどういう策があるのかということも十分検討してまいりたいと存じますので、御理解賜りたいと存じます。