みんなの議会

音更町議会 平成17年第2回定例会 2005年6月14日

リモートセンシングの農業利用の可能性について

2005年6月14日、音更町議会の一般質問で、高瀬博文議員が「リモートセンシングの農業利用の可能性について」質問し、町長 山口武敏、経済部長 早川芳夫が答弁しました。

質問者
高瀬博文 議員
答弁者
町長 山口武敏、経済部長 早川芳夫

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。

質問 20番 高瀬博文

おはようございます。通告に従いまして、一括方式で質問をさせていただきます。リモートセンシングの農業利用の可能性についてであります。十勝農業は、農家数約7,600戸、耕地面積26万ヘクタールのもとで、1戸当たり約34ヘクタールと大規模機械化農業が営まれ、我が国の有数な食料基地となっております。平成16年度の農業産出額は2,596億円と過去最高を更新し、北海道産出額全体の4分の1を占めるに至っております。このことは、各種土壌改良の積み重ねによる基盤整備が、不良特殊土壌での各種耐寒性畑作物の定着を可能にしたものと考えております。しかし、最近、十勝も内外から厳しい荒波を受けており、食料生産基地として永続的に発展していく道を模索しているところでございます。今後、国際競争力に耐え得る低コスト化、高品質・安全農作物の生産などが強く求められる中、低コストと品質の面から将来を考えた場合、リモートセンシングの農業利用は有効な手段と考えます。リモートセンシングとは、人工衛星等を用いて、地上の状態を遠隔調査することをいいます。リモートセンシングによって得られた多くの情報から、次の点について把握できると考えるところであります。まず、地域もしくは一圃場ごとの土壌の特性、作付。次に、小麦の登熟時期など作物の生育状況、さらに生育のむらがわかると思います。最後に、排水改良を必要とする過湿農地もわかると思います。リモートセンシング技術によって、農業環境の状況を正確につかみ、その情報を技術及び営農に活用できるものと考えております。今後、町として、国、道と連携のもと、補助事業等事業展開が可能かどうかお伺いをしたいと思います。この件につきましては、数年前より私自身温めていた構想でございますので、答弁の方をよろしくお願いいたします。以上でございます。

答弁 町長 山口武敏(町長は2009年3月まで)

リモートセンシングの農業利用についての御質問にお答えをさせていただきます。御質問にありますように、リモートセンシングは、人工衛星などに搭載した光、電磁波といった観測器を使い、地表にある物体や空間、流体などのさまざまなものを広い範囲にわたって直接触れずに調査する方法をいい、現在のところ農業分野では、作物の作付状況、生育情報、土壌情報などが測定対象となっております。この方法により、圃場ごとの土壌の特性、小麦などの生育状況、排水不良地域特定などの情報を取得し、農業生産力の向上に活用できるとされておりますが、人工衛星を用いた場合、一度に広域的な作物生育状況や土壌情報などの地図の作製が可能というメリットがある一方、撮影が天候に左右されること、その撮影に多大な経費がかかること、リアルタイム性が必要とされる情報には不向きであることなどがデメリットとされております。リモートセンシングによる生育情報の活用例としては、十勝管内では、芽室町農協が独立行政法人農業技術研究機構北海道農業研究センターなどと小麦適期収穫システムを共同研究し、今年度から本格的に導入する予定と聞いております。このシステムは、人工衛星画像を用いて、圃場ごとの小麦の水分低下順位などの推定を行うことにより、乾燥作業の合理化、効率化に資するものです。このほか、道内の水田地帯でリモートセンシングによる米のたんぱく含有率を推定し、営農指導や分別集荷に活用するなどの例があると聞いております。また、土壌情報につきましては、腐植含有量、有効水分量などの土壌特性を圃場ごとに分析することができるとされております。リモートセンシングは、技術の進歩により、今後ますますその活用の範囲が広がっていくものと考えられます。現在は、国の補助制度に地域提案というメニューがあり、将来的に国、道の助成が継続され、さらに土壌情報などの新しい技術の利用に提携が図られるのであれば、農協などとその導入を検討することも必要かと考えております。なお、現在、本町では、町内関係機関・団体で構成する音更町農業情報システム運営協議会において、耕地情報システムを今年度更新し、圃場ごとの作付履歴、土壌情報、土地改良情報についてのデータの蓄積を目指し、これを活用したきめ細かい営農指導ができるよう関係機関一体となって推進しているところでありますので、現時点では、このシステムを軌道に乗せることを優先したいと考えております。議員から御質問ありますように、しかし、これからの農業情勢は厳しい時代を迎え、国際競争力に打ち勝っていくためには、科学の力を利活用することにより、効率的で生産性の高い農業経営を目指す必要があると考えておりますので、北海道、十勝の広域行政の一環として取り組むことを含めて、これから御提案いただいておりますことについて積極的に、十勝あるいは北海道に対して、この要請をしてまいりたいと、そのように存じます。特に、議員の提言の中には、特にあれもこれもと、そのまず初めに、やはり農業の基盤整備ということが一義的に考えておられるお話を聞いております。そんな関係からいたしますと、先ほどお話ありましたように、この音更の土地改良の中の過湿地はどこなのか、あるいは不良の排水、今、再整備という土地改良事業の時代にも入ってございます。御指摘のとおり、そんなようなこともまず手始めとしてやるのも一つの手法なのかな。地元農協とも十分この辺は話し合って、これから具体的にどうするのか、あるいは町単独の場合、あるいは、できれば広域的に十勝として取り組むことができないのか、あるいは、大きくは今後補助事業等を絡めていけば、やはり北海道が中心となったこういう事業展開を大いに私どもは期待もしたいし、これからの競争力といいますか、そういうことになりますと、何といいましても農業の場合には基盤整備が第一義的なものだというふうに考えてございますので、御提案いただいた件につきましては、今すぐということにはなかなかならないのかもしれませんけれども、まずできるものは何かと、こういうような選択肢を選びながら取り組んでまいりたいと、そのように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。

質問 20番 高瀬博文

非常にテーマとして絞りすぎて、なかなか理解されないのかなと思いながら、再質問でと思っていたわけですけれども、今、町長から前向きな答弁をいただきました。さらに私自身の技術的な提案を含めまして、再質問をさせていただきたいと思います。今回の質問でございますけれども、衛星画像を利用して、農業分野で新たな補助事業の可能性についてということでお伺いをしたいということでの趣旨でございますけれども、現在、農業分野で利用されている人工衛星というのは、有名なランドサット、そして、スポット、イコノス、クイックバードと、このような人工衛星が農業分野で使われる可能性があるのかなと。そういう中で、観測目的ですとか、対象面積に応じてそれぞれの人工衛星を使い分けていくと。そういう中で、ちなみに、イコノスというのは、非常に画像度が高くて、衛星でピンポイントの1メートル四方のところがきれいに映像として映し出されると、こういうものですけれども、これですとやはり1平方キロメートル当たり、単価的に5,500円と非常に高コストになるわけですけれども、スポットという衛星放送ですと、大体1平方当たり94円から、精度が高くても181円と。これならかなり広範囲に使っても大丈夫なのかなと。衛星放送、本来であれば、飛んでいる最中にこちらからリクエストするということなわけですけれども、必ずしもリクエストしなくても画像の図書館、ライブラリーから衛星データをとることも可能なわけです。特に土地の特性ですとか、過湿農地の特定などが一回の取得で可能なわけですから、コスト面でも衛星画像を使った圃場単位での土壌情報を把握するのに今後有効なのかなと、そのように考えております。先ほど答弁にもありましたけれども、リモートセンシングの農業利用ということで一番知られているのが、小麦の登熟期の早晩を推定する。そして、そのデータに基づいて収穫機械ですとか、乾燥機の効率運用をすると。これが芽室町で現在も進められているわけですけれども、これは衛星画像の画質を解析して、作物生育の特性を利用したものと。ただ、音更町と芽室町との小麦の集団体制のあり方が違うものですから、なかなかそのこと自体が音更町で機能するということには難しいかもしれませんけれども、小麦の生育の情報を把握するのには、十分な効果をこのリモートセンシングはするものと考えております。次に、土壌の特性をリモートセンシングで映像画像処理するという考え方ですけれども、本町の場合、土質として沖積土、そして乾性火山灰土、湿性火山灰土、このように大きく大別されるわけですけれども、腐植含有量、リモートセンシングによって腐植含有量を特定することで、一圃場ごとの土壌情報を把握することができます。この情報を耕地情報システムと連動させる。例えば、Aさんの圃場ナンバー1、この圃場ナンバー1は湿性火山灰ですよと。そういう中で、小麦に対してでしたら、窒素の施肥量を何キロまでですよと。てん菜でしたら30キロまでですよと。一圃場ごとにそういう施肥量の確定をしてあげる。そういう各圃場ごとでの正確な情報を耕地情報システムとして取り上げる。それを農業者が十分理解の上で施行すれば、過剰な施肥が抑えられる。このことは、地下水の汚染、ひいては硝酸態性窒素の低下といいますか、環境に負担をかけないで済むようにできるものと考えております。音更農業の有効性ということで考えますと、大部分を占める乾性火山灰、そして湿性火山灰、この火山灰というのは、窒素の放出パターンが非常にわかりやすい部分があります。そうすることで、わかるということは、作物をいろいろな形で技術で制御できると、そういう有効性を持っております。そういう中で、やはりこのリモートセンシングを使ったきちっとした圃場ごとの情報というのは、今後ともそういう面からも、環境に負荷を与えないという面からも、重要ではないかなと、このように思っております。さらに、基盤整備ということで、土地改良に関する利活用でありますけれども、一つの圃場で排水不良地がピンポイントのように把握できる。そうしますと、本当に最小限のピンポイントの場所だけ暗渠すればいいわけですから、非常に効率的でコストがかからないのかなと。今後ですけれども、水田転換事業も15年、例えば東音更などはもう10年以上を過ぎてきております。そういう中で、暗渠の耐用年数も過ぎてくるのかなと。そういう中で、このリモートセンシングの活用によって、本当に暗渠がだめになったところだけをピンポイントで施工していって、現状の転換畑を維持すると。そういうことが可能なのかなと。さらに、石が近いところですとか、柔粘土のところも特定できるわけです。その場合には、やはり客土の必要があるのかなと。今、町でも公共残土リサイクル土ということで非常に話題を出しているわけですけれども、私もこの春に、どの程度のものかということで、この公共残土30台を自分の圃場の中で柔粘土のところに投入したわけですけれども、今までそこのところは作物をあれしますと、発芽率が五、六十%かなと思うほど周りに比べて発芽が落ちるわけなのですけれども、今回そのリサイクル土を入れたところは、ほぼほかのところと同じように均一な発芽をしてきたと。こういう面で非常にリサイクル土は十分な成果を上げられるのかなと、このように思っております。このようにいかにコストをかけないで、一つの圃場で均一な圃場をつくっていくかと。その積み重ねが全体の中で大きなコストの低下と収益の増加につながると思っております。本町では、まず、耕地情報システムと、そして土地改良区という母体がございます。その上で耕地情報システム、これでは環境に負荷を与えない施肥設計を含めて、リモートセンシングを活用して高度な農業情報を抽出して、内容を充実する。そして、土地改良関係では、排水不良区、そして客土の必要区、腐植の分布図から、必要最小限のコストで圃場の均一化を図っていく。リモートセンシングを活用して、この両者をうまく有機的に活用できれば、先ほどお話のあったような地域提案型の補助事業も可能なのかなと考えております。再度、この考え方についての見解とともに御答弁をいただきたいと思います。

答弁 経済部長 早川芳夫(経済部長は2007年3月まで)

ただいま高瀬議員さんから、リモートセンシングの有効性ということについていろいろお話を伺いました。特に土地改良事業に有効でないかというお話でございましたけれども、この土地改良事業を計画するに当たって、広い範囲でその農地の現状が把握できると。あるいは不良箇所を特定した基盤整備の実施が可能なリモートセンシング技術は有効だろうというふうにも思ってございます。また、地域提案型という話も答弁させていただきましたけれども、これは地域から具体的にどういう事業が対象になるということではなくして、地域からこういう事業を上げていって、それが認められれば対象になるというような事業でありますし、また、土地改良事業の関係では、北海道の農業農村整備推進方針の実践プランというのが策定されておりまして、その中でこれからの道営事業の展開に当たりまして、新たな技術の手法や開発の導入というのがうたわれてございます。その中に、リモートセンシング技術を活用した整備手法の開発がうたわれておりまして、ただ、この具体的な内容についてはまだ示されていないというのが実態でございます。今後これらの情報等を収集、あるいは、このリモートセンシングに対する研究、検討をさせていただいて対応してまいりたいというふうに考えてございますので、御理解をいただきたいと存じます。以上でございます。

答弁 町長 山口武敏(町長は2009年3月まで)

私の方から、先ほどのお話ししたことに尽きるわけでありますけれども、非常に新しい制度事業でございます。正直申し上げて、議員のいろいろ提案の中で少し勉強させていただいている点もありますし、聞けば聞くほど音更の農業にとってこれは大切なものだと。やはり将来を展望していく場合に、こういう事業、新しいものをやっぱり取り入れていかなければならないのかなと。ましてや今の時期は、いよいよ農業の基本計画も19年から新しい道が選択肢としてできてきているわけでもございますし、特にこれからのやる気のある担い手の人方については、国は政策上どんどん仕事をおろしていきたい、こういうような国自体の意気込みもございますし、また、小さな農業、こういうようなことからすれば、一つの集落経営といいますか、こういうものが、例えば学校単位の集落というような形の中で、特に本州あたりは経営面積が少ないというようなことから、そういう制度的なものが取り入れられてくるというふうなことになるのかな。音更町も議員もおっしゃっているように、耕地情報システム、相当早くに入れて、機械そのものは使えないわけではないですけれども、画像が出てくるのにも何分もかかると。こういうようなことで、まことに機能そのもののよさは皆さん認めていただけるわけでありますけれども、機械そのものが古くなってきていると。こういうようなことから、新しいものに今年切り替えてやると。これはこの道で今までのつながりもございますし、そういう形で行っていくべきではないかな。ただ、この場合に、問題は個人情報の保護という、このことが一番またネックになる。やはりスポットとは言いながらも、やはり人工衛星からとりますと、音更町のこの画像を撮るということになったら、1枚でおさまる。こういうような極端な話、大体たばこ1個の大きさが人工衛星からはっきりと今写し取る時代でもございますし、その中身もさらに分析までできると。こういうようなことでございますから、その辺はやはり今後、農業者自身のお互いの共通認識といいますか、こういうものが必要であり、それらを活用するということになれば、それが一つの前提になってくるのかなと、そのように思います。ただ、これは例えば排水の不良というようなものを人工衛星から、例えば音更町の場合、撮ったらどのぐらいするのだろうと。本当の概概算でこれは数字を言うべきではないと思いますけれども、ちょっと参考までどのぐらいするのかなと。ちょっと正式なものではなくして、およそ不良排水だけでも調べるということになれば、何かお話によると五、六百万円。一つの目的のために使用すればそのぐらいかかるというようなことでございます。そんなことを考えますと、やはり先ほども議員おっしゃっているように、やはり同じ一つの機能を持てば、あれもこれもということになるとどうしてもやはり事業量と予算と、こういうことになります。やはり今、部長がお話ししましたように、今北海道の中でも、いよいよこの制度をどう生かしていくか、あるいは事業化していくかというようなことでもございますし、今また地域提案というようなことで道もお話もして計画の中にもありますから、私どももいち早くまずそういったものに接触をしながら、可能性を見出していく、また、これは単に十勝農業なり北海道農業ということを考えれば、音更のみならず、十勝としてどうなのか、あるいは北海道としてそういうものを事業主体で考えられないのか、この辺もこういう時期でございますから、そんなことも含めながら、道あるいは国へそういう要請もしていきたいし、まずあれもこれもというようなことの中からも選択をしながら、町としてもそういうものがやはり単独で行くというようなことの道があるとするならば、そういうこともひとつ積極的に取り組んでいきたい、そういうことを考えているところでもございますので、結果についてはわかりませんけれども、その姿勢といいますか、そういうことに積極的に取り組んでいきたいという考えを持っておりますので、御理解をいただければなと、そのように存じます。

質問 20番 高瀬博文

今、町長から、十分な答弁をいただいたというふうに感じております。現在ですけれども、北海道開発局、ここでもこのようにIT利用による次世代農業に向けた、こんな形で取り組みをされております。北海道の中央農試、十勝農試、そして、先ほども話ありましたように、芽室町でもこのリモートセンシングの活用がされていると。今年度、試験的に士幌町でも始まると、そのように聞いております。十勝の農業ですけれども、やはり現段階で全国でのトップランナーなのかなと、そのように私自身考えるわけですけれども、今後ともやはりトップランナーでありたいものだなと。その中で、農政サイドにおいても、新しいこういう技術をどん欲に吸収して、導入していただいて、是非、全国レベルでの農政のトップランナーでいていただきたいと、このように考えるわけですけれども、行政サイドとして農業システム全体のコストパフォーマンスを向上させる、そういう意味でも、このリモートセンシングの利活用は大きく貢献していくと私自身考えますので、今後とも多面的な検討をお願いして、質問を終わらせていただきます。以上であります。

出典:音更町議会 平成17年第2回定例会 2005年6月14日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる