小樽市議会 令和8年第1回定例会 2026年3月2日
財政運営について
2026年3月2日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「財政運営について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 横尾英司
財政運営について質問いたします。令和8年度予算編成方針において示された市の財政状況は、令和6年度決算では、財政調整基金の残高については前年度並みを確保することができました。しかし、決算時に同基金からの繰入れを要するなど、前年度よりも財政状況が悪化する結果となりました。この要因として、市税や交付税などの歳入は増加したものの、歳出では事業の厳選や財源の確保に継続して取り組んだものの、賃金の上昇や物価高騰による経費増、給与改定や退職手当による給与費増などがあり、歳出が歳入よりも大幅に増加したものでした。自治体の財政力の強弱を測る指標である財政力指数は、令和6年度では3か年平均0.469となり、標準的な行政サービスを提供するのに必要な財源の5割以上を普通交付税に依存する状況にあることや、経常収支比率は95.0%と前年度より増加し、いまだ90%を超える高い状況が続いており、政策的な事業の実施に使うことのできる財源が少なく、依然として硬直した財政構造となっています。現時点では、令和8年度以降においても人件費の上昇、物価高、金利上昇等の歳出増が見込まれ、その後もこの傾向は当面続き、財政運営が厳しくなることが見込まれます。しかし、そのような中にあっても、必要な行政サービスを低下させることなく、多様化・複雑化する行政諸課題への対応や公共施設の更新などを進めていくためには、これまで以上に成果・効果を踏まえた事業展開や業務改善による事務の効率化、より積極的な財源確保の取組等を進める必要があるとされておりました。まさに、現在、エネルギー価格や建設資材費、人件費の上昇など長く続いてきたデフレからインフレに変わり、本市においても、公共施設の維持管理費や工事請負費の増など歳出構造に着実な変化が生じているものと認識しております。物の値段が下がっていくデフレ局面では、そのまま現金で持っておくことが賢い選択でしたが、物価上昇のインフレ局面では、同じ金額でも買えるものがどんどん少なくなっていきます。お金を寝かせておくのではなく、お金に働いてもらわなければ、目減りする時代に突入しました。そのような中、財政運営の要である財政調整基金を中心に伺ってまいります。第1に、財政調整基金の実質価値の認識についてお聞きいたします。インフレが進行する局面では、基金を預金や債券で保有している場合、名目残高が維持されていても、実質的な価値は低下する可能性があります。現在の基金運用の利回りと物価上昇率との関係をどのように考えているのか、お示しください。建設事業費等の上昇を踏まえた場合、現行の基金残高で災害対応や急激な財源不足に十分対応可能と考えていますか、市としての認識をお示しください。第2に、基金の運用の在り方についてお聞きいたします。安全性・流動性が最優先であることは当然でありますが、金利上昇局面においては、短期運用の活用など、インフレによる実質価値の目減りを最小限に抑える工夫も必要ではないかと考えます。そこで、改めて、現在の財政調整基金と特定目的基金の運用の概要についてお示しください。次に、特定目的基金の運用期間の短期化や金利上昇メリットの取り込みについての検討状況をお示しください。また、特定目的基金について、他自治体の先進事例の調査・研究の状況についてお伺いいたします。第3に、財政調整基金の適正水準についてお聞きいたします。一般的に、財政調整基金の適正水準については、標準財政規模に合わせた金額や一定割合を目安とする考え方もあるようですが、インフレによって歳出規模そのものが増大している状況では、従来の比率目標が十分かどうかの検証も必要ではないかと考えます。そこで、本市の標準財政規模に対する財政調整基金の金額や割合の適正水準についてお示しください。また、物価上昇を踏まえた適正水準の再検討の必要性について見解をお示しください。取崩し後の何年で戻すかなど、財政調整基金の回復ルールに関する考え方について見解をお示しください。第4に、インフレ下の財政戦略についてお聞きいたします。インフレは、税収の増加や過去の債務の実質的軽減という側面もあります。そこで、税収増加分をどの程度、財政調整基金の積立てに回す方針であるのか、市の見解をお示しください。インフレによる債務の変化を中長期財政収支見込みにどのように反映しているか、お示しください。特定目的基金を守りの財源からさらに生み出す財源へどう進化させるかについて、市長の戦略的な見解を求めます。インフレは自治体財政にとってリスクであると同時に、構造転換の契機でもあります。単に基金の残高の多寡を議論するのではなく、実質価値をどう守るのか、将来世代への責任をどう果たすのかという観点から、本市の財政運営の方向性を明確にすべきと考えます。市長の見解をお示しください。以上、第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、財政運営について御質問がありました。初めに、財政調整基金の運用利回りと物価上昇率の関係性につきましては、近年はともに上昇傾向にあるものの、運用する際の定期預金利率は物価上昇率を上回っていない状況にあると考えております。次に、財政調整基金残高の認識につきましては、令和8年度当初予算編成後の財政調整基金残高は約19億5,600万円であり、小樽市中長期財政収支計画どおり、不測の事態に備えるための約20億円を確保できましたが、将来も安定的に財政運営を行っていくためには、標準財政規模の10%である30億円程度の基金を確保していくことが望ましいものと考えております。次に、財政調整基金と特定目的基金の運用につきましては、財政調整基金は会計年度内に歳計現金が一時的に不足する際、資金繰りの財源として一般会計へ繰替運用を行うほか、短期間の定期預金により運用しており、特定目的基金は1年の定期預金により運用しております。次に、特定目的基金の運用につきましては、定期預金による運用はこれまで年度途中に金利が著しく上昇する傾向にありませんでしたが、現在、金利が数か月で上昇するなど、金融情勢が変化していることから、より効果的な運用実施に向けて取り組んでいるところであります。次に、他自治体における特定目的基金の運用方法につきましては、道内主要都市におきましては、定期預金よりも利率が高い国債や地方債などの債券による運用を行っていることを把握いたしておりますが、今後は道内の自治体の取組についても調査してまいりたいと考えております。次に、財政調整基金につきましては、将来も安定的に財政運営を行っていくためには標準財政規模の10%である30億円程度を確保していくことが望ましいものと考えております。次に、財政調整基金の残高につきましては、物価上昇に伴い、標準財政規模も大きくなることから、望ましい残高も大きくなるものと考えております。次に、財政調整基金の残高確保の考え方につきましては、小樽市中長期財政収支計画において、財政状況が厳しい時期にあっても基金の残高を20億円程度維持することとしておりますが、不測の事態や物価上昇に対応するためには、標準財政規模の10%程度は確保したいと考えております。次に、財政調整基金への積立てにつきましては、同基金からの繰入れにより、収支均衡予算を編成している現状においては、税収増加分をそのまま積み立てることは難しいものと考えております。しかしながら、決算時に剰余金が生じた場合には、法定積立てを行ってまいりたいと考えております。次に、小樽市中長期財政収支計画の収支見込みにつきましては、毎年度、市税収入などの伸びや直近の財政需要を反映し、時点修正を行っていることから、インフレによる影響を一定程度見込んでいるところであります。次に、特定目的基金の効果的な運用方法につきましては、基金は最も確実かつ有利な方法により運用する必要があることから、債券運用など、そのリスクを十分考慮しながら、基金の効果的な運用について取り組んでまいりたいと考えております。次に、今後の財政運営につきましては、計画的な公共施設の更新や多様化・複雑化する行政課題への対応を求められる中にあっても、持続可能なまちづくりを進めていくためには、基金の効果的な運用など実質価値を意識しながら、将来に備えた一定の基金残高を確保してまいりたいと考えております。