小樽市議会 令和8年第1回定例会 2026年3月2日
DMOによる観光地域づくりについて
2026年3月2日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「DMOによる観光地域づくりについて」質問し、市長 迫俊哉、財政部長 笹田泰生、産業港湾部長 渡部一博、教育長 中島正人が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、財政部長 笹田泰生、産業港湾部長 渡部一博、教育長 中島正人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 横尾英司
DMOによる観光地域づくりについてお聞きいたします。地域DMOである小樽観光協会が観光地域づくりの司令塔として取り組む戦略的なプロモーションやマーケティング、組織体制の整備等に要する費用について総合的に支援する地域DMO交付金1億4,371万円が計上されました。本市経済は、人口減少、消費縮小という構造課題の中にあります。その一方で、観光は数少ない外貨獲得産業であり、地域経済循環を生み出す基幹産業であります。こうした中、市が検討する宿泊税を財源とした観光地域づくりの強化は、極めて重要な政策転換点であると認識しております。そこで、地域DMOである小樽観光協会への戦略的支援の在り方について伺いたいと思います。まず、宿泊税の政策目的の明確化についてお聞きいたします。宿泊税は法定外目的税であります。単に入込客数を増やすための財源ではなく、観光消費額の増加、滞在時間の延伸、オフシーズン対策、市民生活との調和を図るための戦略的投資でなければなりません。市長は、宿泊税の政策目的をどのように定義し、その成果をどの指標で測定するお考えか、明確にお示しください。次に、入込客数偏重からの転換についてお聞きいたします。本市観光について語る際には、これまで観光入込客数について語られることが多かったと思います。しかしながら、日帰り客中心の構造、観光消費単価の伸び悩み、冬季需要の弱さといった課題が依然として本市に存在すると思っております。宿泊税を投入する以上、量から質への転換が不可欠と考えます。効果的な観光地戦略のためには、1人当たり観光消費額、宿泊単価、再訪率、冬季宿泊率などをKPIにする必要があると考えますが、見解をお示しください。DMOのガバナンスと成果責任についてお聞きいたします。公金を投入する以上、DMOの経営体制と説明責任は極めて重要です。成果連動型補助制度の導入や中期KPIの設定、自主財源比率の目標設定等を明確にしなければ、補助金依存体質に陥る懸念があります。成果評価の仕組みと事業検証の公開方法をどのように制度設計するのか、具体的にお示しください。専門人材確保への投資についてお聞きいたします。戦略的マーケティングには、データ分析やデジタル広告運用、ブランド戦略設計といった高度な専門性が求められます。宿泊税を、専門人材を確保するために充当することについて、市民理解をどう得るのでしょうか、見解をお示しください。また、DMOの職員に対する民間水準の処遇確保について市の支援方針を伺います。市民生活との調和についてお聞きいたします。観光振興は重要でありますが、交通混雑、生活道路の占拠、ごみ問題など市民生活への影響も現実の課題です。今回の予算事業においても、春節などインバウンドの多い時期に、船見坂などに警備員を配置するとともに、AIカメラとスピーカーを用いた音声案内による注意喚起を船見坂で試験的に実施するオーバーツーリズム対策事業費として3,147万1,000円、GPS人流データを活用し、観光入込客数、国内外からの来訪者の調査を実施する観光入込調査デジタル技術活用事業費671万円も計上し、財源に宿泊税を充当することとしております。令和5年度から6年度にかけて実施した観光客動態調査結果を活用し、観光が地域に及ぼす経済効果の分析を実施するもので、前回は令和2年度にも実施している観光基礎調査事業費704万円も計上されております。しかし、観光庁が令和6年にまとめた「観光地域づくり法人の現状及び課題~観光を巡る動向を踏まえて~」では、観光庁がDMOに実施した各種調査から得られたアンケートの中で、DMOの半数以上が、「データを分析して戦略策定につなげるノウハウが不足している」「戦略策定を行う上で分析に必要なデータが不足している」と回答していることが記載されておりました。今までと同じようなデータでは、DMOが観光に関する総合的な戦略の策定やインバウンドに関連する課題、地域住民との関係構築と課題、戦略に基づく効果的な取組を実施することが難しいのではないかと考えられます。本市の観光について、市民の理解を深め、市民生活との調和を図るためにもDMOが力を十分に発揮することが重要です。そのために、DMOが必要なデータ取得や分析のノウハウを取得することが重要と考えますが、市の見解を伺います。最後に、観光地域づくりにおける最終的な目標像についてお聞きいたします。宿泊税を活用したDMO支援の最終目標は、観光を行政事業から経営事業へ転換することにあると考えます。将来的には、DMOの自主財源比率50%以上、冬季宿泊稼働率の改善、市内経済波及効果の最大化といった明確な成果が求められます。市長は、市とDMOの役割分担や観光施策の推進体制を今後どのような姿に導こうとしているのか、お示しください。宿泊税は、単なる財源確保策ではありません。本市の観光を持続可能な地域経済戦略へと進化させるための政策ツールであると考えます。公金投入に見合う成果をどのように市民に感じてもらうか、その覚悟と具体策を市長の言葉で明確にお示しください。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、DMOによる観光地域づくりについて御質問がありました。初めに、宿泊税の政策目的につきましては、持続可能な観光の振興を図ることであります。また、成果指標につきましては、現時点で設定しておりませんが、小樽市宿泊税検討会議において宿泊税充当事業の効果検証を行い、その結果を基に市において事業の評価を行うこととしております。次に、KPIの設定につきましては、今後DMOが観光地経営戦略を策定することとしており、観光庁が示す「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン」に基づき、KPIが適切に設定されるものであります。次に、成果評価の仕組みにつきましては、まず、DMOが事業の効果検証を行い、その検証結果を市に対して説明し、内容を市が評価した上で次年度のDMOの事業計画に反映することとしております。その後、市として事業計画の内容を精査し、予算編成を行ってまいります。また、事業検証の公開方法につきましては、DMOが地域住民をはじめとした多様な関係者に対する説明責任を果たす観点から、ホームページ等を通じて広く公表していくことを予定しております。次に、専門人材の確保に対する市民理解につきましては、専門人材の活用により、DMOが事業の成果をしっかりと示し、その成果を客観的なデータ等に基づいて分かりやすく整理し、提示することで、市民の皆さんの理解を得られるよう努めることが重要であると考えております。また、職員の民間水準の処遇確保につきましては、組織体制の強化のため必要であると考えており、DMOと協議の上、必要な支援を行ってまいります。次に、データの取得や分析のノウハウにつきましては、観光地経営戦略の策定に当たっては、データの活用は不可欠であり、様々なデータの継続的な取得を行った上で、データ分析に基づいたマーケティングに関するノウハウを有する責任者を配置し、データの活用及び分析を行っていくことが重要であると考えております。次に、今後の市とDMOの役割分担や本市の観光政策の推進体制につきましては、市は小樽市観光基本計画の策定を通じて、施策の方向性やビジョンを示す役割を担い、DMOはそのビジョンに基づいて観光地経営戦略を策定し、具体的な戦略を実行する役割であり、私がリーダーシップを発揮し、市とDMOが連携して持続可能な観光地域づくりを推進する体制を構築してまいりたいと考えております。次に、成果を市民に感じてもらう方法につきましては、宿泊税を活用して観光振興施策を推進し、経済の活性化を図ることで、観光による受益を広く地域に行き渡らせ、観光がもたらす恩恵を実感いただけるよう取り組みます。あわせて、オーバーツーリズム対策を進め、市民生活における課題の解決にも努めることで、安心快適な暮らしの実現に取り組んでまいります。これらの取組を通じ、宿泊税の活用による効果が市民の皆さんに目に見える形で伝わるよう努めてまいります。(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
再質問 10番 横尾英司
何点か再質問させていただきたいと思います。財政運営について質問させていただきました。財政調整基金、特定目的基金の話をさせていただいたのですけれども、インフレ下になりまして、今までのデフレ下の政策とは少し違うものが必要なのではないかという提案だったのですが、こういったインフレ下になって、利率が短期間で変わることもあるとお話しいただいたのですが、試算はもう既にされている段階なのか、上昇を知っているというだけのお話なのか、その辺の確認をさせていただきたいと思っております。あと、スポーツ合宿を誘致することで、スポーツの振興で持続可能なまちづくり、地域の活性化を推進していくと教育長から答弁いただきましたけれども、具体的に教育委員会でできること、市長部局でできることがあると思うのです。もう少し詳しく具体的に検討する会議体はどういったところになるのか、庁内協議という部分が少し気になったので、確認させていただきたいと思います。あと、DMOによる観光地域づくりについて聞きました。やはり観光庁がDMOに実施した各種調査によっては、DMOの必要なデータが不足しているという回答があったことも紹介させていただきましたけれども、そのためにDMOが必要なデータ、分析のノウハウを取得すること、そのときに持続的にデータをしっかり把握することが重要だというお話でした。小樽市で今取得しているデータで、もう既に必要なデータとしてはある程度把握できているという答弁だったのかを確認させていただきたいと思います。
答弁 財政部長 笹田泰生
横尾議員の再質問にお答えいたします。インフレ下における利率が短期化等いろいろ進んでいるような中で、実際に運用利回りと例えば物価上昇率なども比較して試算は行っているのかという御質問があったのですが、試算は具体的には行っておりません。やはり上昇率が1%以上増えていく中で、現状は、預金利息については、直近の1年ものの定期等で言っても大体0.4%で推移している状況にもございますので、インフレ下における基金の実質的な価値の低下を少しでも抑えるような対応が必要だと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 産業港湾部長 渡部一博(産業港湾部長は2026年3月まで)
横尾議員の再質問にお答えいたします。DMOが取得するデータの関係ですが、先ほど議員からも御質問の中で出てきましたが、市でやっている観光客動態調査や観光入込客数の関係など、基礎調査も当然DMOのいろいろな分析に必要になると思います。これから、DMOで経営戦略や、あるいは様々な事業を実施するに当たっては、市がこれまでやってきた調査以外にも、例えば観光庁、あるいは民間の旅行会社のいろいろなデータが必要になってくると思いますので、それについて必要な支援があれば今後も検討していく必要があると思っております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 中島正人
横尾議員の再質問にお答えいたします。持続可能なまちづくりに向けて、本事業をどう検討していくかにつきましては、具体的に検討する場というのは、まだはっきりと決まっているわけではございません。しかしながら、教育委員会だけでできることではないと考えておりますので、庁内の関係する部、また担当者がいろいろと集まる中で具体的な協議を進めていく、そんな場を今後、設定してまいりたいと考えているところでございます。