小樽市議会 令和7年第2回定例会 2025年6月17日
地域福祉について
2025年6月17日、小樽市議会の一般質問で、松井真美子議員が「地域福祉について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 松井真美子 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 松井真美子
地域福祉についてです。初めに、重層的支援体制整備事業について質問します。国は、これまでの支援体制だけでは難しい複雑化した相談に対応するため、2021年度に重層的支援体制整備事業を創設しました。本市でも2024年度から事業の実施が始まっています。今年5月に行われた厚生労働省の地域共生社会の在り方検討会議の中間取りまとめでは、これまで制度のはざまに置かれ、支援が届いていなかった事案に対する流れが確実に生まれたと評価しながらも、いまだ全国に浸透していないとして、支援を必要とする人を取り残さない体制を築くよう訴えています。小樽市重層的支援体制整備事業実施から1年がたち、手応えや課題をどのように感じていますか。包括的相談支援体制は、断らない相談窓口とうたっています。現在は、福祉総合相談室に専門職の地域共生コーディネーターを1人配置し、関係機関との連携調整を行っているということですが、今後、相談者が増えれば十分と言えません。事業の周知と同時に計画的に増員することが必要ではありませんか。相談者をこれまでどおり関係機関につなぐほか、多機関協働事業につなぐ対応も取るということですが、多機関協働事業とはどのような事業のことですか。相談者の自立を支えるため、社会参加につなげる参加支援事業や居場所や交流、活動の場を整備・支援する地域づくり支援事業について、小樽市として、当事者や関係団体の意見・要望をどのように聞き、反映させていくのですか。社会参加機会につなげる支援として、ひきこもりの当事者や家族への支援が挙げられています。ひきこもり支援についてお聞きします。2022年度内閣府調査では、ひきこもりの全国推計は146万人、15歳から64歳のおよそ50人に1人がひきこもり状態にあると言われています。第2期小樽市地域福祉計画では、助けてと言える地域づくりを目標に、ケアラー、ひきこもり、孤立・孤独などひとりで悩みを抱え込み、自ら相談に来られない方の把握と支援に努めるとありますが、本市でひきこもり状態にある人の実態について、どの程度つかんでいますか。把握する必要性についてどう感じていますか。様々なことをきっかけに、ひきこもりは誰にでも起こり得ます。しかし、本人や親の責任とされることが多く、そのことによって、さらに本人や家族が苦しむことが少なくありません。当事者が自分を肯定し、安心して社会に出ていくことができるように、どのようなことが必要だと思いますか。厚生労働省は今年1月、15年ぶりにひきこもり支援の指針を策定しました。従来の指針では、就労や社会参加などをゴールと捉える傾向であったのに対し、新しい指針では、自らの意思により、今後の生き方や社会との関わり方を決めていくことができるようになることを目標とし、家族も本人の思いを理解するといったプロセスが必要であると示しています。本人は生きづらさや傷つき体験から、自己肯定感が損なわれて苦しみ、思うように動けない場合もありますが、家族や支援者の早く社会に出て働いてほしいという思いが結果的に本人の力を奪ってしまうことにもなりかねません。先日、新しい指針がニュースで紹介され、同時に、ひきこもり支援を行うNPOの講座での学びによって、長年仕事に就くことを本人に強く言い続けてきた親の接し方が変わり、ひきこもりから踏み出したという実例が紹介されていました。多くの家族が接し方に悩む中、本人の思いを理解するプロセスとして、専門家や外部講師を招いて学び、家族同士が交流する場は大変重要です。市がそういった場を設けることは、家族にとって大きな励みになると思いますが、いかがですか。中学校から不登校のまま卒業した生徒や、高校進学後に中途退学した生徒が学校内外で相談や進路指導につながらず孤立することのないように、関係機関が連携し、多様な進学や職業訓練等について情報提供する体制が必要ではありませんか。本人や家族は今の状態を変えたい、今後のことを相談したいと考えている場合が少なくないと思いますが、どこに相談したらいいのか分からないという方がほとんどだと思います。相談先が明確になることで、動き出そうとしている本人が自ら参加することが可能になります。50人に1人だと約1,000人ということになりますが、必要な情報が当事者や家族、市民に十分伝わっていると思いますか。2009年に、都道府県と指定都市でひきこもり地域支援センターの設置が開始され、2022年には市区町村にも設置が広がったことで、ひきこもり支援体制の整備が進み、本人や家族、さらには地域住民からの相談が確実に増加しているということです。小樽市では、現在設置されていませんが、設置の予定はありますか。また、北海道のひきこもり地域支援センターとの連携はありますか。障害者の交通費支援についてです。三つの障害のうち、精神障害の方へはバス運賃割引がありません。JRグループでは、今年4月から精神障害者割引制度が開始されました。その通知を受け取った方から、バスも割引があれば、病院への通院や社会参加がしやすくなるので助かる。ほかの障害にはバス運賃割引があるのに、なぜ精神障害はないのですかという訴えが私のところにも届いています。2024年度からは、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化され、社会参加しやすい環境を事業者としても積極的に整えるべきという方針が示されています。くしろバス株式会社、阿寒バス株式会社、根室交通株式会社、宗谷バス株式会社、十勝バス株式会社など道内でも多くの事業者で、精神障害者にも一般路線バスの半額割引が行われています。国土交通省は、標準運送約款に精神障害者の運賃割引も定めているのですから、市として事業者が実施できるようにするべきではありませんか。札幌市では、身体障害1級・2級、知的障害A、精神障害1級・2級は、バス、地下鉄、市電を無料で利用できる乗車証か、年間3万9,000円までの福祉タクシー利用券、または年間3万円までの福祉自動車燃料助成券の3種類から一つを選択できます。身体障害3級・4級、知的障害B、精神障害3級は、SAPICAに年間5万2,000円までのチャージか、年間1万3,000円までの福祉タクシー利用券、または年間1万円までの福祉自動車燃料助成券から選択できます。札幌市と比べると、小樽市の助成は対象となる障害も少なく、内容も不十分ではないでしょうか。タクシー・福祉タクシーの料金も値上げされました。障害のある方の外出の機会を確保し、社会参加しやすいようにタクシー利用助成券の内容の拡充を図るべきではありませんか。2項目めの質問は以上です。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、地域福祉について御質問がありました。初めに、重層的支援体制整備事業についてですが、まず事業の手応えや課題につきましては、支援関係機関が互いの専門性や役割を理解し、協力し合う体制が構築されたことにより、単一の相談窓口では、対応が難しかった事案も解決に結びつけられるようになったことは大きな成果であると考えております。一方で、自ら相談に出向くことができない方を相談につなげるような掘り起こしが、今後の課題と認識しております。次に、地域共生コーディネーターにつきましては、現時点において対応している業務量からは1名で充足しておりますが、相談件数の増や国による事業内容の変更などがあり、業務量が著しく増加した場合は、必要に応じて体制強化を検討してまいりたいと考えております。なお、支援関係機関には、会議や研修会等で、当該事業について周知いたしております。次に、多機関協働事業につきましては、市が配置する地域共生コーディネーターが複雑化した相談事案を引き継ぎ、支援内容を協議・検討する支援会議を開催し、各支援関係機関の役割分担や支援の方向性を決定するなど、事案全体の調整機能の役割を果たすことで、支援者を支援する体制の構築を目的とした事業であります。次に、参加支援事業等に対する意見聴取につきましては、福祉総合相談室をはじめとする支援関係機関の各相談窓口において、日々の相談の中で寄せられる当事者や団体の意見、要望を市が集約し、地域共生コーディネーターと連携して、随時、必要に応じて、事業の取組内容を見直すなどしております。次に、ひきこもり支援についてですが、まず市による実態把握につきましては、ひきこもりの性質上、実態をつかむのは難しく、実際に把握しているのは、昨年度小・中学校を除き、市で受けたひきこもりに関連すると思われる相談は46件であります。個々の状況に応じた適切な支援を届けるためには、ひきこもりに悩む世帯の実態を把握し、相談につなげることが必要であると認識しており、各支援関係機関とも意見交換しながら、効果的な方法を研究しているところであります。次に、当事者の社会参加への支援につきましては、単なる社会参加や就労をゴールとするのではなく、本人が安心できる環境で、自己肯定感を高めながら、徐々に社会とのつながりを持てるよう支援することが重要と認識しており、相談支援や居場所づくりを通じ、個々の状況に応じて柔軟に対応することが必要であると考えております。次に、当事者家族の交流の場につきましては、市では直接設けておりませんが、社会福祉法人塩谷福祉会が運営する地域活動支援センターに対して、市が補助金を支出しており、その中の事業の一環として、ひきこもり家族相談会を月1回開催し、外部講師による学習や会員同士の交流会などを行っております。次に、中学校卒業後で相談や進路指導を受けられない方への対応につきましては、たるさぽが就学や職業訓練も含めた生活困窮に係る様々な相談を受けることとしており、相談者個別の状況や希望に応じて、必要な情報の提供を行うほか、事案によっては支援関係機関と連携しながら支援に取り組む体制を取っております。次に、必要な情報の提供につきましては、たるさぽにおいて、SNSの活用のほか、出張相談会の開催、市内公営住宅でのポスター掲示、電気・都市ガス事業者の協力によるたるさぽカードの配布など、様々な方法で相談窓口の周知を図っております。情報が十分伝わっているかどうか把握することはできませんが、市といたしましては、今後も必要な方に情報が届くよう努めてまいります。次に、ひきこもり支援センターにつきましては、ひきこもりの相談はたるさぽが窓口となって受け付けておりますので、現時点で設置の予定はありませんが、ひきこもり支援センターの必要性や設置効果について、支援関係機関と意見交換してまいりたいと考えております。また、北海道ひきこもり地域支援センターとは、必要に応じて連携を図っており、個別のケースに応じて、より専門的な支援が必要な場合には、同センターへの紹介も行っております。次に、障害者支援についてですが、まず精神障害者の運賃割引につきましては、身体障害及び知的障害のある方を対象とした標準運送約款に基づく運賃割引が事業者負担により実施されていることに鑑み、公平性の観点からも、バス事業者において取り組んでいただくことが望まれますので、引き続き働きかけてまいりたいと考えております。次に、タクシー利用助成券の拡充につきましては、現在の制度を改正する必要があるかどうかは障害者のニーズを把握し、判断するべきものと考えております。来年度に策定予定の障害者計画の基礎資料とするため、今年度中にアンケート調査を実施いたしますので、その中でニーズを把握したいと考えております。