小樽市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月4日
防災について
2025年3月4日、小樽市議会の一般質問で、酒井隆裕議員が「防災について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 酒井隆裕 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 酒井隆裕
防災について伺います。内閣府防災担当は、2024 年 12 月に避難所運営等生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)を改定しました。避難所の質の向上では、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送ることができているかという質を問うものであり、個人の収入や財産を基に算出される生活水準とは全く異なる考え方であるため、ぜいたくという批判は当たりませんとしています。また、北海道も北海道版避難所マニュアルを改定し、市町村にも避難所マニュアルの作成を要請しています。日本共産党は、国際的な人道支援の基準であるスフィア基準に基づいて策定、改定すべきと主張しています。市長は、この質の向上やスフィア基準についてどのような見解をお持ちですか。本市の避難所運営マニュアルは、2018 年3月に作成され、2021 年9月に感染症対策や北海道胆振東部地震の検証結果など、北海道版避難所マニュアルの改正点などを参考として、マニュアルの一部変更を行っています。では、いつマニュアルの変更を行う見込みなのですか。内閣府は、分散備蓄拠点を東京都立川市に加え、北海道、東北、中部、近畿、四国、九州、沖縄に設置するとしています。そこでは、簡易トイレ、簡易ベッド、パーティション、炊き出しセット、入浴機材を備蓄する方針です。そこでは、自治体の備蓄と内閣の備蓄との連携が必要だとしています。内閣府の分散備蓄拠点について、どのような情報をお持ちですか。あわせて、自治体の備蓄と内閣府の備蓄等の連携について、市長はどのようにお考えですか。避難所に関する取組指針、トイレの確保、管理についてです。能登半島地震では、避難所においても、トイレの水は流れず、あるいは排水できなかったため、1月2日の段階で、既に多くのトイレ、あるいはトイレでないところもあふれていました。そのため、排泄されたものが入ったポリ袋で段ボールはいっぱいになっており、決して衛生が保たれていたわけではないことが報道されています。また、テレビに映し出される被災者は、トイレと書いたボードを道端で掲げていました。本市における携帯トイレ、簡易トイレ、仮設トイレの備蓄は十分だとお考えですか。以前にも、マンホールトイレについて質問しました。日常使用している水洗トイレに近い環境を確保できるマンホールトイレは、災害対策基本法に基づき作成された防災基本計画でも、指定避難所での整備が推奨されています。本市のマンホールトイレの指定避難所への整備方針、現在の設置状況を伺います。トイレカー、トイレトレーラーについてです。今回、改めて緊急防災・減災事業債の対象として示され、ボランティアも含む地方公共団体の災害応急対策に従事する者が、継続的に活動する上で有効としています。情報収集の結果はどうなりましたか。導入に向けた検討材料を示してはいかがですか。仮設トイレの快適トイレ仕様での調達の現在の状況はいかがですか。スフィア基準を満たしたトイレが 20 人に1基である整備方針について、市長はどのようにお考えですか。食事の質の確保についてです。キッチンカーやセントラルキッチンとして活用される施設の耐震化等も緊急防災・減災事業債の対象として示されています。スフィア基準、厚生労働省のエネルギー摂取目安等が追記されました。本市では、食事の質の確保についてどのようにお考えですか。生活空間の確保についてです。スフィア基準、3.5 平方メートルの居住スペースについて市長はどのようにお考えですか。応援職員のための宿泊機能を有する車両の整備についてです。どういったお考えをお持ちですか。生活用水の確保についてです。入浴機会や洗濯機会の確保はどうなっていますか。シャワーや仮設風呂の設置のための資機材の備蓄についてのお考えはいかがですか。あわせて、スフィア基準、50 人に一つについてのお考えについても伺います。男女共同参画の視点を考慮したマニュアル等についてです。男女共同参画局が昨年6月に公表した調査では、防災・危機管理部局における女性職員の割合、地方防災会議の女性委員の割合、地域防災計画で計画されている災害対策本部の本部員における女性職員の割合が示されています。地区町村上位ランキングでは、人口 10 万人以上の市区町村で、防災・危機管理部局における女性職員の割合は3位の 16.7%、地方防災会議の女性委員の割合は1位の 23.3%と上位になっていますが、地域防災計画で計画されている災害対策本部の本部員における女性職員の割合ではゼロ%となっています。なぜ、小樽市地域防災計画で計画されている災害本部の本部員における女性職員の割合がゼロ%と記載されているのですか。今後のお考えはいかがですか。避難所運営に関するマニュアル等の記載状況についてです。問 15 のうち、その他を除き、三つが記載されていないとされています。「避難所内での託児所の設置」、「病人、障害者、高齢者などの世話をしている方への支援(ケア者への支援)」、「避難所を拠点とした在宅避難所、車中泊者などへの支援」について今後、記載するおつもりですか。避難所運営に関するマニュアル等への男女共同参画の視点を考慮した設備の設置の記載状況です。問17 のうち、その他を除き、三つが記載されていないとされています。同様に、「オムツ替えスペース(大人用・子供用)」、「男女別洗濯物干し場」、「簡易調理施設(調乳や離乳食、介護食の調理等のため)」の記載についてどのようにお考えですか。国は緊急防災・減災事業、緊急自然災害防止対策事業、緊急浚渫推進事業として、それぞれ事業イメージを示しています。どの事業も充当率 100%で、元利償還金の 70%を地方交付税措置するという有利な財源です。本市では、当初予算でどういった事業で活用しているのですか。市債メニューと事業名でお答えください。最も有利な財源である過疎対策事業債や緊急防災・減災事業債活用についての本市の考えを伺います。しゅんせつなどを行わなければならない事業に、緊急浚渫推進事業の活用はできないのでしょうか。緊急自然災害防止対策事業債が拡充されています。積雪寒冷特別地域における凍上災害について、これまで舗装の表層だけが対象だったものをさらに深い基層、路盤、路床も追加されました。こうした拡充について、活用できないか、研究するお考えはありますか。避難所となる公立小・中学校の体育館などへの空調設備を設置するため、2024 年度補正予算に空調設備整備臨時特例交付金が計上されました。算定割合は2分の1、下限額は 400 万円、増減額は 7,000 万円、起債充当率は 100%で、元利償還金の 50%を交付税措置します。大きいのが緊急防災・減災事業債だと、空調設備そのものだけの工事になりますが、屋根や窓、床や壁、ドアなどの建具においても、断熱、遮熱対策工事にも活用できることです。文部科学省は、避難所となる全国の学校体育館への空調設備の加速化に必要な経費を計上し、新たな臨時特例交付金を創設、発注方法や整備手法等の工夫によって、短期間で空調整備を進めることや、学校の授業、行事等への影響を抑制することが可能、断熱性を高めることで、空調設備のイニシャルコストやランニングコストを低減することが可能とし、2035 年度に 95%とするために、さらなる加速が必要だとしています。しかし、北海道は全国平均の 18.9%を下回る 5.1%です。本市として、文部科学省の学校体育館等への空調整備の加速化をどのように捉えられていますか。空調設備整備臨時特例交付金の対象期間は 2033 年度までとなっています。緊急防災・減災事業債の活用となるか、特例交付金の活用となるか、いずれにしても、避難所となる体育館へ計画的に空調整備を進めることを求めます。市長のお考えを伺います。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、防災について御質問がありました。初めに、避難所等の質の向上についてですが、まず、内閣府が示す避難所の質の向上やスフィア基準の見解につきましては、過去の災害時での避難所生活を教訓に、トイレの衛生環境の悪化による健康被害や食料の確保、寒さ対策など、被災者の健康維持が強く求められていることから、内閣府が示す質の向上や、被災者が尊厳ある生活を営むための基準であるスフィア基準を踏まえ、避難所の環境改善に取り組むことは重要であると考えております。次に、本市避難所運営マニュアルの改訂予定につきましては、北海道では現在、公表している日本海沿岸の地震による被害想定に、津波による被害を加えた新たな被害想定を今年度中に公表することとしております。これを受け、令和7年度に、小樽市地域防災計画と小樽市業務継続計画の見直しを行うほか、新たに受援計画の策定を予定しており、これらの状況を踏まえた避難所運営マニュアルとする必要があることから、改訂時期は令和8年度中を予定しております。次に、内閣府の分散備蓄拠点の情報などにつきましては、内閣府が昨年 11 月に発表した令和6年度小樽市一般会計補正予算案概要では、現在の東京都のほか、新たに北海道を含めた全国7か所に簡易ベッドやパーティション、簡易トイレなどの備蓄品を分散備蓄することとされ、本年2月末には北海道においては札幌市に設置することが、また備蓄品は来年3月までに納入することが公表されました。このたびの国による備蓄の分散化により、災害時に必要となる物資支援が迅速に行われるほか、国との連携により、備蓄品の拡充が図られるなど、被災者の生命と生活環境を守ることにつながるものと考えております。次に、避難所に関する取組指針についてですが、まず、本市における携帯トイレ等の備蓄につきましては、本市では下水道が使用できない場合に備え、携帯トイレ、簡易トイレを備蓄しておりますが、北海道が示す想定避難者数や国が示す平均的な使用回数を踏まえますと、十分な備蓄とはなっておりません。なお、仮設トイレについては備蓄しておらず、市内業者が保有するトイレの活用を想定しておりますが、十分な数とは考えておりません。次に、マンホールトイレにつきましては、これまで指定避難所への整備は行っておりませんが、国の防災基本計画において整備が推奨されているほか、道内において整備している自治体もあることから、引き続き調査・研究を進めてまいりたいと考えております。次に、トイレカー、トイレトレーラーにつきましては、北海道で唯一トイレトレーラーを導入している沼田町では、4室の水洗便座と汚水及び給水タンクを装備する牽引式のトイレトレーラーを1台所有しており、停電時でも利用可能な仕様になっていることから、災害時のトイレ環境の改善に効果があるものと考えられます。しかしながら、本市の規模では、複数台が必要となり、購入費用が高額となることや、専用の車庫を用意することなどを考慮いたしますと、直ちに導入することは難しいものと考えております。次に、快適トイレ仕様の仮設トイレの調達状況につきましては、調達を想定する保有業者からは、一部のトイレは仕様を満たしているとお聞きしておりますが、正確な把握はできておりません。次に、スフィア基準における 20 人に1基のトイレにつきましては、北海道南西沖地震では、約 20 人に1基のトイレを設置したことで、混乱がなく利用できたことが報告されておりますので、そうした検証を踏まえますと、設置基準になるべきものと考えております。次に、食事の質の確保につきましては、本市では食数を基本に備蓄しており、今定例会においても、食数を増やすための予算を提案しておりますが、長期での避難生活を考慮いたしますと、国が示すエネルギー摂取基準も重要な要素であると考えますので、今後の備蓄に当たっては、そういった視点も参考にしながら整備を進めてまいりたいと考えております。次に、指定避難所における居住スペースにつきましては、本市の避難所運営マニュアルでは、感染症対策への配慮など、災害関連死を防ぐため、1人当たり4平方メートルを目安に居住スペースを確保することとしており、スフィア基準の 3.5 平方メートルを満たしております。次に、応援職員のための宿泊機能を有する車両の整備につきましては、本市が市内の民間宿泊施設と締結している災害時における協力に関する協定に基づき、宿泊施設を確保することとしているため、現時点で整備の検討は行っておりません。次に、入浴機会や洗濯機会の確保などにつきましては、市内の民間宿泊施設や小樽公衆浴場商業協同組合との協定に基づく対応のほか、自衛隊による入浴支援や洗濯支援により、対応することとしております。このため、入浴や洗濯に関する資機材の備蓄は他の備蓄品整備の優先順位もあり、現時点では検討いたしておりません。また、スフィア基準において、入浴施設を 50 人に一つとすることにつきましては、避難所運営時の目安となる数値と考えております。次に、本市災害対策本部員における女性職員の割合につきましては、災害対策本部は本部長である市長以下、部長職を中心とした構成員としており、令和5年末の国の調査時点において女性職員がいなかったため、ゼロ%となっているものであります。なお、災害対応における女性の視点は重要でありますので、本部の体制については、今後、検討してまいりたいと考えております。次に、避難所運営マニュアルに、「避難所内での託児所の設置」、「病人、障害者、高齢者などの世話をしている方への支援(ケア者への支援)」、「避難所を拠点とした在宅避難所、車中泊者などへの支援」を記載することにつきましては、本市として必要な体制を整備した上で、避難所運営マニュアルに記載することが望ましいものと考えております。次に、「オムツ替えスペース(大人用・こども用)」、「男女別洗濯物干し場」、「簡易調理施設(調乳や離乳食、介護職の調理等のため)」につきましては、本市として必要なスペースなどを確保した上で、同様に避難所運営マニュアルに記載することが望ましいものと考えております。次に、防災関係の予算についてですが、まず、令和7年度予算において、財源として有利な市債メニューの活用予定事業につきましては、緊急防災・減災事業債は、後志共同消防指令センター整備事業費のほか、機動力増強・近代化事業費、花園出張所庁舎等改修事業費であり、緊急自然災害防止対策事業債は、住吉町地すべり対策事業費であります。緊急浚渫推進事業債は、活用予定の事業はありません。また、過疎対策事業債や緊急防災・減災事業債といった充当率や元利償還金に対する交付税措置率の高い市債メニューは、後年度における市の実負担の軽減につながることから、要件に合致する場合には、他のメニューに優先して活用することとしております。次に、緊急浚渫推進事業債につきましては、地方公共団体が策定する河川維持管理計画に基づき、緊急的に実施されるしゅんせつ事業が対象となっております。本市においては、これまで定期的な維持管理としてしゅんせつを実施していたため、当該事業債の対象外とし、計画の策定は行っておりませんでしたが、改めて事業債の活用の可否について、今後、関係機関と協議してまいりたいと考えております。次に、緊急自然災害防止対策事業債における道路防災に係る事業につきましては、地方公共団体が策定する緊急自然災害防止対策事業計画に基づき、特に緊急を要する事業が対象となっておりますが、今回の対象事業の拡充に伴い、事業債の活用が可能なのか、今後、関係機関と協議してまいりたいと考えております。次に、文部科学省が示した学校体育館等への空調整備の加速に向けてにつきましては、小・中学校の体育館は、子供たちの学習、生活の場であるとともに、災害時には避難所としての役割を果たすことから、空調設備を整備し、環境を改善することは、子供たちに安全・安心な環境を創出するとともに、避難所機能が強化されるものと考えております。次に、避難所となる体育館の空調整備につきましては、これまで小樽市の公共施設への設置に当たっては、市内小・中学校の普通教室を最優先に実施したほか、子供や市民が多く利用する施設を優先しながら整備を進めておりますが、学校体育館につきましては、大型扇風機の全校への設置のほか、スポットクーラーなどを活用しているところであります。市の公共施設への整備は、今後も必要な施設が多く、優先度を勘案しながらの整備となりますが、このたびの交付金の創設を踏まえ、学校体育館への設置についても検討を進めてまいりたいと考えております。