小樽市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月3日
予算編成について
2025年3月3日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「予算編成について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 横尾英司
令和7年第1回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。初めに、予算編成についてお伺いいたします。令和7年度予算編成方針において示されていた市の財政状況は、令和5年度決算では3年続けて実質単年度収支が黒字となり、そのうち一定額を財政調整基金へ積み増すことにより、将来に向けた行政需要への備えを進めることができた一方で、自治体の財政力の強弱を測る指標である財政力指数は、令和5年度では3か年平均で0.465で、標準的な行政サービスを提供するのに必要な財源の5割以上を普通交付税に依存する状況にあることや、経常収支比率は93.4%と、90%を超える高い状況が続いており、政策的な事業の実施に使うことのできる財源が少なく、依然として硬直した財政構造となっております。令和7年度において、今後の国の税制改正などの動向を注視する必要はありますが、一般財源の大幅な増収は見込めない中にあって、人件費の上昇、物価高、金利上昇等の歳出増要因が拡大し、現時点においては、令和6年度と同様、歳出に対し多額の歳入が不足することが見込まれる上、令和5年12月に策定した小樽市中長期財政収支計画の収支見込みにおいても、令和8年度以降も歳入が不足する厳しい財政運営となることが見込まれており、そのような中にあっても、必要な行政サービスを低下させることなく、多様化・複雑化する行政諸課題への対応や予定された公共施設の更新などを進めていくためには、同計画に基づく収支改善策を着実に進め、将来にわたり安定的な財政構造の確立を図っていく必要があるとされています。初めに、歳入歳出について伺います。まず、歳入についてですが、一般会計の中で一般財源の約9割を占めている市税と地方交付税の増減が予算編成に大きな影響を与えます。令和7年度当初予算の中で、市税全体では対前年比で約7億7,000万円の増額となっており、その内訳として、個人市民税では約2億6,000万円の増、法人市民税では約9,000万円の増、固定資産税は約4億2,000万円の増、たばこ税では約3,000万円の減であります。これらの増減の理由と市民税の直近5年間の推移で令和3年度と令和7年度を比較し、傾向も含めお答えください。次に、地方交付税の対前年度比では、普通交付税は約3億4,000万円の増であり、特別交付税は増減なし、臨時財政対策債は約9,000万円の減で皆減となりました。地方交付税について、普通交付税と臨時財政対策債における過去5年間の当初予算額と実際の決定額の差の傾向と、令和7年度予算がどのように算出されたのか、増減の理由とともにお示しください。地方交付税の算定方法は、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた額であり、いわゆる財源不足額と言われているものであり、基準財政需要額の算定方法は国で決められた算定項目ごとに単位費用、測定単位、補正係数を掛け算で算出されたものの合計です。この中で、測定単位は自治体の人口とする項目が多くあり、人口減少が確実に基準財政需要額に反映されるため影響が大きく、結果、地方交付税の減少が続くものと思います。令和3年度以降は、市税が堅調に推移し地方交付税が増加するなど、一般財源収入の増加により実質単年度収支が3年続けて黒字となり、繰入れの必要がなく財政調整基金の年度末残高も増加しましたが、以前より財政調整基金を取り崩して予算編成を繰り返してきたことからも、市の脆弱な財政構造を考えるとき、財政状況は依然として厳しいと考えます。歳入における今後の課題について市長の見解を伺います。次に、歳出について伺います。経費別では、人件費が対前年度比で約6,000万円の減、扶助費が約4億5,000万円の増、負担金、補助及び交付金が約7,000万円の増、建設事業費が約30億5,000万円の増となっております。それぞれの主な要因についてお示しください。建設事業費については、小樽市公共施設長寿命化計画により事業費の平準化が検討されていくわけですが、近年の建設資材の高騰や労務単価の上昇などによる事業費の増加も含め、長寿命化計画との乖離が大きくなることが懸念されます。今後の課題や問題点とそれらに対する取組について伺います。公債費ですが、前年度比で約2億1,000万円の増となっており、最近の傾向として減少傾向にありましたが、令和7年度は増額となりました。地方債は、ある程度の範囲内で活用すべきことは当然ですが、後年度の財政負担を生ずることから、その限度をどこに求めるかが問題となります。通常、健全性に影響を与えないためには、公債費比率は10%を超えないことが望ましいと言われていますが、今後、小樽市公共施設長寿命化計画の実施や事業規模が大きい建設事業が予定されており、主な財源として市債が想定されることから、公債費比率の増加が懸念されます。今後10年間の公債費比率の見込みと将来の負担が過度にならないようにするため、公債費を抑制するための取組についての見解を伺います。次に、小樽市中長期財政収支計画の反映についてお聞きします。小樽市中長期財政収支計画は、複雑多様化する行政課題に適時適切に財政出動をもって対応し、より長く先を見据えて将来に備えながら、持続可能なまちづくりにつなげていくという視点が重要であることから、中長期の視点に立って収支状況を10年間の期間で捉え、将来のあるべき姿を描いて、現在の課題や取組方を考えるバックキャスティング思考により、早期から効果的に取り組み、その改善効果を後年度に振り向けて備えていく必要があるとして策定され、令和6年度から令和15年度までの10年間を計画期間としています。小樽市中長期財政収支計画に基づいて、今回の令和7年度予算編成で取り組んだ内容や反映した事項についてお示しください。他都市においても財源対策は重要課題の一つであり、様々な検討の上で対策を行っております。特に最近顕著なのはふるさと納税ですが、増収への取組内容については、令和6年第1回定例会の代表質問の市長答弁でもあったとおり、既に取り組んできた宿泊券やイベントチケットなどの体験型返礼品の拡充のほか、さっぽろ連携中枢都市圏と連携して、11市町村で利用可能な共通電子商品券の導入などを進めてきた上で、令和6年度には寄附サイトのさらなる拡充や検索連動型広告の活用強化のほか、物価高の影響に対応するため、日常的に使える食料品や日用品など需要の変化を捉えた返礼品の拡充を進めてきたかと思います。小樽市中長期財政収支計画では、令和7年度までは目標値とする年12億円を維持し、取組の推進により令和8年度以降は年15億円を目指すこととされており、令和7年度の取組は新たな目標値への試金石になると考えられます。令和6年度のふるさと納税の決算見込みと令和7年度に予定する取組についてお聞かせください。令和7年度予算編成方針では、「各部長はマネジメント能力を発揮し、事業目的や成果目標に合わせてより良い方向性を検討し、目的が達成された事業や民間で対応可能な事業については、関係団体や関係者等と精力的に協議を行うことなどにより、事業の廃止、縮小、統合を徹底的に進めること。特に、事業開始後、長年経過している事業、費用対効果の低い事業については、行政関与の必要性や、緊急性を踏まえ、重点的に徹底した見直しを行うこと。なお、原則として新規事業の創設や既存事業の拡充に必要な財源については、事業の新陳代謝により捻出すること」、「新規事業は、事業の公益性はもとより、その必要性、緊急性などを十分に検討するとともに、事業の終期あるいは事業の存廃を判断する時期を設定し、後年度の負担を明らかにした上で要求すること」、「既存事業の拡充は、これまでの成果を検証するとともに、拡充によって得られる費用対効果を示し要求すること」とされていました。小樽市中長期財政収支計画でも示されているとおり、このまま事業を進めていくと、令和10年度代前半には非常に厳しい財政状況になることが見込まれています。令和5年度の予算編成方針まで、「原則として新規事業の創設や既存事業の拡充に必要な財源については、スクラップ・アンド・ビルドにより捻出することとする」とされていました。今までのスクラップ・アンド・ビルドという社会環境の変化等に伴い、必要性や緊急性の低くなった施策事業を縮小、廃止し、そこから生み出された財源を充てて新たな施策事業を実施する手法は、実際に実行するのは難しいものです。令和7年度予算案でも新規事業がかなり計上されていることからも、まずやらなければならないこと、重要な取組の実施を進めることになったのではないかと既に行っている施策事業が、その新たな取組よりも優先順位が高いか低いかを判断しながら、これまで正当化されていた既存事業の優先順位を並べ替え、現在の社会環境や時代の要請に応じた順位へと最適化した結果、廃止、縮小を余儀なくされるものが現れることになるビルド・アンド・スクラップと呼ばれる手法になっているのではないかと思います。また、予算編成方針の中で、「目的が達成された事業や民間で対応可能な事業については、関係団体や関係者等と精力的に協議を行うなどにより、事業の廃止、縮小、統合を徹底的に進めること。特に、事業開始後、長年経過している事業、費用対効果の低い事業については、行政関与の必要性や、緊急性を踏まえ、重点的に徹底した見直しを行うこと」とされています。また、中長期財政収支計画でも継続的な収支改善の取組や適正化の取組、後年度に備える取組などが定められており、簡単に言えば、事務事業の見直し、あるいは業務の改善といったものを着実に進めることとされています。そこでお聞きいたしますが、今回の令和7年度予算編成の中で、廃止、縮小または統合とした事業について、主な事業名と効果額をお知らせください。このような現状の厳しい財政状況の中で、これからの財政健全化についてどのように考えられていますか。また、これからの市政運営を考えますと、財政上の観点から、これまで以上に選択と集中という政治的判断が求められると思いますが、今後の財政運営の考え方について市長の見解を伺います。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
横尾議員の御質問にお答えいたします。ただいま、予算編成について御質問がありました。初めに、歳入及び歳出についてですが、まず、市税の対前年比の増減理由につきましては、個人市民税の増収は、令和6年度で定額減税の大部分が終了した影響によるものであり、法人市民税の増収は、全体として企業の業績の伸びによるものであります。固定資産税の増収は、家屋の新築や増築、償却資産の設備投資が増加したことに伴う増収が主な要因であります。たばこ税の減収は、健康志向の高まりなどで販売本数が減少していることによるものであります。また、市民税の推移につきましては、令和3年度と7年度の当初予算の比較でお答えいたしますが、個人市民税は約3億8,590万円の増であり、これは3年度の税収が新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大きく減となったことによるものであります。直近5年の傾向といたしましては、令和3年度は新型コロナウイルス感染症、令和6年度は定額減税の影響を受け減となるなど、社会情勢や税制改正の影響を強く受け、大きな増減がありました。法人市民税は約2億10万円の増、率にして20%程度の増となっており、直近5年の傾向といたしましては、こちらも令和3年度で大きく減となりましたが、令和4年度以降は回復してきております。次に、過去5年間の普通交付税と臨時財政対策債における当初予算額と決算額の差の傾向等につきましては、令和2年度は予算で見込んだよりも決算額は共に減となりましたが、令和3年度以降の普通交付税は国税収入の増加を原資として、地方における経済対策のほか、将来の臨時財政対策債の償還や給与改定の財政需要に対応するための再算定が行われたことにより、決算額が大きく増加する傾向にあります。また、令和7年度予算の算出につきましては、基準財政収入額は全国的な地方税の増減率を勘案して増を見込む一方、基準財政需要額は人口減少や生活保護費が減となるものの、給与改定や物価高による財政需要の増を見込んだことや臨時財政対策債への振替がなくなったことから、昨年度よりも増加を見込んだものであります。次に、歳入における今後の課題につきましては、一般財源収入においては、現時点では大幅な減少を見込んではおりませんが、このまま人口減少が続く場合は、少なからず市税や地方交付税に影響が出てくるものと考えております。また、特定財源につきましては、今後の公共施設更新事業などにおいて、国の補助金等の活用に努めるとともに、ふるさと納税や企業版ふるさと納税、ネーミングライツ料や広告料収入などの自主財源の確保に努めていく必要があると考えております。次に、歳出の経費別における主な増減要因につきましては、人件費は給与改定により職員の給料や手当等で約3億1,000万円の増となるものの、定年延長により退職手当が約3億7,000万円の減となったことなどにより約6,000万円の減となり、扶助費は教育・保育給付費負担金で、国の公定価格改定に伴う運営費のアップにより約3億9,000万円、児童手当で対象拡大の通年化に伴い約2億8,000万円、それぞれ増となったことなどにより、約4億5,000万円の増となったものであります。また、負担金、補助及び交付金は、民間保育施設等整備支援事業費補助金で約2億4,000万円、高圧電気料金高騰対策支援事業費で約9,000万円、それぞれ減となった一方、定額減税調整給付金給付事業費で約4億円の増となったことなどにより約7,000万円の増となりました。建設事業費は、後志共同消防指令センター整備事業費で約15億2,000万円の増となったほか、住宅事業特別会計の廃止に伴い、塩谷B住宅の建て替えや緑A住宅の改善事業費で約6億2,000万円、第3号ふ頭の基部緑地整備事業費で約4億4,000万円、それぞれ増となったことなどにより、約30億5,000万円の増となったものであります。次に、建設事業費における今後の課題等につきましては、近年の建築単価や労務単価の上昇などにより、小樽市公共施設長寿命化計画の事業費に乖離が生じてきており、事業の規模や財源の確保が大きな課題になりつつあると考えております。このため、今後は本計画の見直しを含めて、建設事業費の平準化の検討を進めるとともに、事業の実施の検討に当たっては、改めて規模や機能を精査の上、国の補助金等の財源確保に努めてまいりたいと考えております。次に、今後10年間の公債費比率の見込みと公債費を抑制するための取組につきましては、公債費比率は現時点で公債費が最大と見込まれる令和15年度におきましても、健全性の観点から一般的に望ましいとされる10%以下になると想定しておりますが、公債費は今後、増加傾向となることが見込まれるため、比率の推移等には十分留意していく必要があると考えております。また、将来の負担が過度にならないためにも、先ほど申し上げましたとおり、建設事業費の精査や平準化、国の補助金等の財源を最大限活用することなどにより、公債費の抑制に努めてまいります。次に、小樽市中長期財政収支計画の反映についてですが、まず令和7年度予算編成で取り組んだ内容や反映した事項につきましては、歳入の関連では、ふるさと納税と企業版ふるさと納税の寄附額について計画目標値と同額で予算を計上するとともに、令和8年度の宿泊税導入に必要となる関連予算を計上したところであります。また、編成過程においては、ネーミングライツの導入や広告料などの確保について検討するよう指示したところであります。歳出の関連では、人件費の増や物価の高騰などにより、歳出全体で規模が増加することとなりましたが、その中にあっても事業内容の精査や経費の圧縮などに努めたところであります。次に、令和6年度のふるさと納税の決算見込みにつきましては、旅行券などの体験型返礼品が増加したものの、物価高騰の影響により、主力返礼品である嗜好品が落ち込み、前年比約4%増の8億5,000万円を見込んでおります。また、令和7年度に予定する取組につきましては、本市の観光都市としての魅力を生かした観光関連などの返礼品をさらに充実させるとともに、近年、返礼品需要が変化していることから、これまで以上にふるさと納税市場の動向をしっかり捉え、寄附者から選ばれる返礼品の充実に努めてまいりたいと考えております。次に、令和7年度予算編成の中で廃止等の見直しを行った主な事業名や効果額につきましては、産業港湾部観光振興室の教育旅行誘致促進事業費の中で、令和4年度から3か年にわたり、旅行代理店に対し、本市での宿泊実績に応じた助成を行ってきましたが、執行実績を勘案して令和7年度は助成を見直し、約1,160万円を縮減したことや、生活環境部環境課の大気汚染関係事業において、人口減少や大気環境の改善等に伴い、4か所ある大気常時監視測定局の配置を見直し、測定機器の保守点検に関わる経費等を約180万円縮減したことなどが挙げられます。また、庁内会議や予算要求時のペーパーレス化を進めたほか、各部においては編成方針に基づき、各事業の費用対効果や必要性、緊急性を十分検討し、数量の精査や委託業務の契約変更による効率化や事務負担の軽減などを進め、新年度における経費増の抑制に努めましたが、事業の対象範囲や補助基準などの行政サービスの低下につながるような見直しを行った事業はありません。次に、今後の財政健全化につきましては、人口減少により厳しい財政状況が続くことが見込まれるため、安定的な市税収入や新たな自主財源の確保等に努めるとともに、人口対策をはじめ、本市における重要課題となる行政ニーズなどに対して予算を重点的に配分するなど、めり張りをつけて対応していく必要があると考えております。次に、今後の財政運営につきましては、喫緊の行政課題に適時適切に財政出動を行いながらも、不測の事態においても対応できる規模の財政調整基金を維持しながら、中長期的な視点を持って収支改善に取り組み、持続可能なまちづくりに向けた財政運営を行ってまいりたいと考えております。