小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月9日
地域通貨について
2024年9月9日、小樽市議会の一般質問で、佐藤奈緒美議員が「地域通貨について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤奈緒美 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 14番 佐藤奈緒美
域内経済の強化に向けた地域通貨の実施は、決済手段のデジタル化の関連で本市のDX化に寄与します。第4項目めは、DXの観点から地域通貨についてお聞きいたします。2020年12月、政府において、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が決定され、目指すべきデジタル社会のビジョンとして、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」が示されました。その後、2021年12月には、デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定されました。このことにより、このビジョンが目指すべきデジタル社会とし、今後、行政を担う自治体、とりわけ市町村の役割は極めて重要と言われるようになりました。DXを推進するに当たっては、住民等とその意義を共有しながら進めていくことが重要と考えられている中で、自治体の先行事例も多く発表されており、全国的にDX化は加速している状況です。このDXの構想の一つである地域通貨について、自由民主党では会派視察でデジタル地域通貨での成功事例として挙げられることが多い千葉県木更津市へ視察に行き、その通貨であるアクアコインについて、担当部署である経済部産業振興課、通貨発行の金融機関である君津信用金庫の御担当者から、導入に至った経緯や概要、普及活動などについて学んでまいりました。木更津市も人口減少・高齢化社会が本格化してきていることや自治会加入の低下、また、市内事業所の減少、それに伴う商店会の団体数及び会員総数の減少など、本市で抱えている問題と遜色がない状況でした。地域経済の活性化の観点からと同時に地域コミュニティーの活性化の観点からも課題を整理した結果、行政主体から市民主体のまちづくりへの転換を促進する新たな仕組みを構築するため、デジタル地域通貨であるアクアコインを導入する運びとなったと伺いました。2017年10月に導入に向けた委員会を設置し、その5か月後に実証実験をスタートさせ、2018年2月には導入・普及推進まで進むというとてもスピーディーな経過をたどり、現在に至っております。利用額は導入時から6年で21倍にも膨れ上がり、昨年の全利用額21億1,900万円、そのうち680万円が税金です。また、事業者間での取引額が7,800万円でありました。このデータから、地域通貨は地域経済における域内循環の増加に大きく貢献している様子が理解できます。本市にお尋ねいたします。本市でも過去に地域通貨の実証実験の経験がありますが、どのような経緯で、どこが主体となって行われていたのか、お聞かせください。また、いつ行われたのかについてもお示しください。それについて、本市ではどのように関わっていたのか、お聞かせください。その実証実験結果を受けて、本市ではどのような所感をお持ちになりましたでしょうか。今年6月より、小樽観光協会でデジタル地域通貨おたPayの実証実験事業が行われております。この事業はどのような背景からスタートすることになったのでしょうか、お聞かせください。また、本市では、これに関してどのような関わりをお持ちになっているのかについても併せてお聞かせください。この実証実験について、小樽観光協会または事業に関わった関係者から動向や結果など報告を受ける予定はありますでしょうか。例えば今年4月、宮崎県都城市は出産・子育てに関係する給付金において、地域通貨を導入した旨のニュースが流れました。それを皮切りに、ほかの自治体でもどんどんと行政からの給付金のデジタル化が進んでおります。今、出産世代や子育て世代の方々にとってはスマートフォンを使いこなせる方が多くいらっしゃる傾向にある中で、デジタル通貨を使用することに抵抗感をお持ちになる方は少ないのではないでしょうか。むしろ、小さな子供を連れての買物はQR決済のほうが便利という声も多く聞こえます。本市でも令和4年から窓口でのキャッシュレス決済を導入いたしました。市民の皆様の利便性が高まっていると感じるのですが、実際にどのくらいの利用状況であったのか、令和5年度の状況をお聞かせください。この通貨は金融機関が通貨として発行します。小樽市内に支店を置く金融機関でもDXに積極的に参加しようとしている銀行サイドのメリットも大いにあります。また、地域内で経済が流通すると、事業者も安定いたします。金融機関、経済界と協働して本市でも取り組むべきと考えるのですが、いかがでしょうか。この項目、最後の質問です。例えば、本市では、まだ地域通貨の実証実験の経験がなく、ゼロからの立ち上げであれば、業務を委託する企業を選定しなければなりませんし、また、その委託に関わる費用も膨大と思われます。過去に実証実験を行った事業者に話を伺うと、そのアプリは現存しており、多少のメンテナンスは必要であろうと思われるが使用できる状況とのことです。コスト面について少なからず軽減できると考えますが、導入の検討も含め、本市の見解をお聞かせください。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、地域通貨について御質問がありました。初めに、本市で行われた実証実験につきましては、平成24年に設立された小樽商科大学及び民間事業者等で構成される、地域通貨TARCA運営委員会が主体となり、スマートフォンを利用した電子決済システムを用いて人と人とのつながりや域内経済循環の促進を生み出すことを目的としたものであり、実施期間は平成24年11月から26年8月までとなっております。次に、実証実験における本市の関わりにつきましては、運営委員会が主体となって実施されたものであり、直接的に市は関わっておりません。次に、実証実験の結果につきましては、本市が直接報告を受けた記録はありませんが、運営委員であった小樽商科大学学術研究員のレポートによりますと、地域通貨の長期的な流通を行うに当たってはセキュリティーの確保や費用対効果、利用者の十分な理解が必要など、諸課題が指摘されていることから地域通貨の普及には整理すべき課題が多いものと考えております。次に、一般社団法人小樽観光協会が、おたPayの実証事業を実施した背景や本市の関わりにつきましては、地域DMOである小樽観光協会が観光客や市民の消費による経済循環をより高めることや、実証実験の結果、得られるデータを分析し、今後の本格実施に向けた検討を行うことを目的に、市内の宿泊施設や飲食店などと連携し、実施しており、独自に取り組んでいるものであります。次に、実証事業の結果報告につきましては、今後、開催されるDMO形成連絡会議において、小樽観光協会から報告があるものと考えております。次に、窓口でのキャッシュレス決済の令和5年度の利用状況につきましては、証明書発行手数料や入館料のキャッシュレス決済を導入した七つの窓口で、合計約17万9,000件のうち、約2万3,000件がキャッシュレス決済であり、約13%の利用率となっております。次に、本市における地域通貨の取組につきましては、ただいま答弁いたしましたとおり、地域通貨の普及には整理すべき課題が多いことから、他都市の成功事例などを調査・研究してまいりたいと考えております。次に、TARCAの実証実験において作成されたアプリも含む導入の検討につきましては、実証実験当時とは状況が変わっており、当時のアプリを使用することが望ましいのか不明であり、また、ただいま答弁いたしましたとおり、地域通貨の取組については整理すべき課題が多いことから、他都市の成功事例などを調査・研究してまいりたいと考えております。