みんなの議会

小樽市議会 令和6年第1回定例会 2024年3月4日

予算編成について

2024年3月4日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「予算編成について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
横尾英司 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 横尾英司

質問に入る前に、令和6年1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、能登半島地震からの一日も早い復旧・復興を願いますとともに、党として総力を挙げて復旧・復興に取り組んでまいります。それでは、令和6年第1回定例会に当たり、公明党を代表して質問いたします。初めに、予算編成についてお伺いいたします。令和6年度予算編成方針において示された市の財政状況は、令和4年度決算では、令和3年度決算に続き実質単年度収支が黒字となり、今後の不測の事態への備えや財政需要に必要な財源を財政調整基金へさらに積み増すことができた一方で、自治体の財政力の強弱を測る指標である財政力指数は、令和4年度では3か年平均0.470と標準的な行政サービスを提供するのに必要な財源の5割以上を普通交付税に依存する状況にあることや、経常収支比率は92.5%と90%を超える高い状況が続いており、政策的な事業の実施に使うことができる財源が少なく、市の財政状況は依然として硬直していることに変わりはありませんでした。令和6年度において、歳入面では、令和5年度にあった地方創生臨時交付金のような特例的な財政支援が行われることを前提とできないため、事業執行に必要となる財源確保について見通しを立て、市税収入の積算も令和5年度決算見込みの精査や、今後、国から示される税制改正等の影響に留意する必要があり、歳出面では、燃料・光熱費、労務費、建設資材などの高騰の継続、必要な事業費の増や定年延長により令和5年度に支出がなかった定年職員の退職手当や人事院勧告のプラス改定による人件費の増が見込まれることなどにより、前年度よりも多額の収支不足が生じることが示されています。さらに、令和7年度以降においても、社会保障関係経費や物価高の影響による事業費の増加傾向が見込まれ、多額の財源を必要とする公共施設の更新などの予定を計画的に実施していく上では、これまで積み立ててきた財政調整基金の繰入れを増やして対応することが必要であるなど、厳しい財政運営が見込まれています。したがって、これまで以上に収支均衡を意識しながら、収支改善に向けた取組を継続し、財源を捻出することにより、行政サービスを低下させることなく、将来にわたり安定的に提供できる財政構造の確立を図りながら、市の最重要課題である人口減少問題やDX、ゼロカーボン、暑さ対策をはじめとした多くの行政需要について着実に解決へと導く施策を進めるため、市の行政課題・財政状況を職員一人一人が深く認識し、全ての事務事業について、その必要性を検証し、コスト意識を持って施策の優先順位を洗い直すとともに、創意工夫と柔軟な発想により、積極的な事業の合理化・効率化を進めるとされておりました。このような厳しい財政状況とその継続が見込まれる中で、昨年12月に小樽市中長期財政収支計画を策定されました。計画期間は令和6年度から令和15年度であり、令和6年度予算は、市としてこの計画を策定して初の予算編成となり、将来にわたる財政の健全化を確保していく初年度の予算となるかと思います。初めに、歳入及び歳出について伺います。まず、歳入についてですが、一般会計の中で一般財源の約9割を占めている市税と地方交付税の増減が予算編成に大きな影響を与えます。令和6年度当初予算の中で、市税全体では対前年度比で約3億6,000万円の減額となっており、その内訳として、個人市民税では約3億6,000万円の減、法人市民税では約3,000万円の増、固定資産税は約9,000万円の減、たばこ税では約4,000万円の増であります。これらの増減の理由と、市民税の直近5年間の推移で、令和2年度と令和6年度を比較し、傾向もお答えください。次に、地方交付税の対前年度比では、普通交付税は約1億9,000万円の増であり、特別交付税は約1億円の増、臨時財政対策債は約1億6,000万円の減となりました。地方交付税が増となり、臨時財政対策債が減となっているようですが、それぞれどのように算出されたのか、これらの増減の理由とともにお示しください。地方交付税の算定方法は、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた額であり、いわゆる財源不足額と言われているものであります。また、基準財政需要額の算定方法は国で決められた算定項目ごとに単位費用、測定単位、補正係数を掛け算で算出されたものの合計です。この中で、測定単位は自治体の人口とする項目が多くあり、人口減少が確実に基準財政需要額に反映されるため影響が大きく、結果、地方交付税の減少が続くものと思います。令和3年度以降は市税が堅調に推移し、地方交付税が増加するなど、一般財源収入の増加により実質収支が大きく黒字となり、繰入れの必要がなく、財政調整基金の年度末残高も増加しましたが、今回も以前のように財政調整基金を取り崩して予算編成をすることになりましたし、市の脆弱な財政構造を考えるとき、財政状況は依然厳しいと考えます。歳入における今後の課題について、市長の見解を伺います。歳出について伺います。経費別では、人件費が対前年度比で約7億2,000万円の増、扶助費が約8億9,000万円の増、負担金、補助及び交付金が約13億7,000万円の増、建設事業費が約2億7,000万円の減となっております。それぞれの主な要因についてお示しください。建設事業費については、現行の小樽市公共施設長寿命化計画により事業費の平準化が検討されているわけですが、建設事業費の変化の影響が懸念されます。今後の課題と問題点について見解を伺います。公債費ですが、前年度比で約2,000万円の減となっており、最近の傾向として減少傾向にあります。地方債は、ある程度の範囲で活用すべきことは当然ですが、後年度の財政負担を生じることから、その限度をどこに求めるかが問題となります。通常、健全性に影響を与えないためには、公債費比率は10%を超えないことが望ましいと言われていますが、今後、小樽市公共施設長寿命化計画の実施や事業規模が大きい建設事業が予定されており、主な財源として市債が想定されることから、公債費比率の増加が懸念されますが、公債費比率の上限設定についてどのように考えているのか、見解を伺います。次に、財源対策について伺います。他都市においても財源対策は重要課題の一つであり、様々な検討の上で対策を行っています。特に最近、顕著なのはふるさと納税であり、道内の紋別市や根室市は、全国でも常に上位にランキングされております。本市においては、他都市を参考に対策を検討し、一昨年度より昨年度、そして昨年度よりも今年度と増額傾向と伺っておりますが、今年度の状況について、増収への取組内容も含めて対前年度比でお示しください。また、今年度と比較した令和6年度のふるさと納税の見込みとそれに対する取組について、お聞かせください。次に、主要事業等について伺います。予算編成方針では、「新規事業については、事業の公益性はもとより、その必要性、緊急性などを十分に検討するとともに、事業の終期あるいは事業の存廃を判断する時期を設定し、後年度の負担を明らかにした上で要求すること。」、「既存事業の拡充は、これまでの成果を検証するとともに、拡充によって得られる費用対効果を示し要求すること。」とされていました。さらに、最重要課題である人口対策をはじめ、自治体DX、ゼロカーボン、暑さ対策に関連する新規事業の要求については基準枠の対象外としており、今までのスクラップ・アンド・ビルドという社会環境の変化等に伴い必要性や緊急性の低くなった施策事業を縮小、廃止し、それから生み出された財源を充てて新たな施策事業を実施するという方法ではなく、まず、やらなければならないこと、重要な取組の実施を企て、既に行っている施策事業がその新たな取組よりも優先順位が高いか低いかを判断しながら、これまで正当化されていた既存事業の優先順位を並べ替え、現在の社会環境や時代の要請に応じた順位へと最適化した結果、廃止、縮小を余儀なくされるものが現れることになるビルド・アンド・スクラップと呼ばれる手法が必要になったのではないかと思います。令和6年度予算の主な事業案では、子育ての家計負担軽減を目的として幾つかの事業が挙げられていましたが、令和5年第1回定例会で我が会派の高橋克幸前議員が代表質問にて実現を求めていた、8月診療分から助成対象を北海道による医療費助成に上乗せして市の独自助成を大幅に拡大して行う、高校生までの入院・通院医療費を実質無償化や、私が改選後最初の令和5年第2回定例会の質問で、隣接した札幌市の放課後児童クラブ利用手数料が無料であることや、道内主要都市の平均額と比較して高額となっていることを取り上げて見直しを求めた放課後児童クラブの利用手数料の無償化も新規事業とされていました。これらの事業は人口減少対策、子育て支援策として必要であり、私たち会派としても市民の声を代弁し、強く実現を求めていたものですので、ぜひ一過性のものではなく、事業として長く継続していただきたいと考えていますが、新規、拡大することとなったこれらの事業の要求に当たって示された費用対効果や後年度の負担や財源の内容と、それらを踏まえて今後も継続できると判断に至った内容についてお示しください。予算編成方針の中で、目的が達成された事業や民間で対応可能な事業については、関係団体や関係者等と精力的に協議を行うことなどにより、事業の廃止、縮小、統合を徹底的に進め、特に事業開始後、長年経過している事業、費用対効果の低い事業については、行政関与の必要性や緊急性を踏まえ、重点的に徹底した見直しを行うこととされていました。そこでお聞きいたしますが、このような見直しの中で、今回廃止、縮小または統合とした事業について、主な事業名と効果額をお知らせください。令和3年第2回定例会の一般質問において、市における民間委託についてお聞きしたところ、業務の特殊性や専門性の観点から、これまで公共施設への指定管理者制度の導入や専門的知識を必要とする業務などの委託化を進めてきており、委託化の判断基準については、市民サービスの向上や業務の効率化のほか、経費の縮減などの観点を総合的に勘案し、その是非を判断しているとの答弁でした。また、放課後児童クラブの委託については、今後、業務内容の整理や委託の費用対効果など、十分に検証を行い、さらなる効率的な運営方法について検討してまいりたいとの答弁でした。無償化による財源として、経費の縮減を図ることも考えられますが、放課後児童クラブの民間委託についてどのように考えているのか、改めて見解をお聞かせください。最後に、中長期財政収支計画の反映についてお聞きいたします。複雑多様化する行政課題に適時、適切に財政出動を行って対応し、より長く先を見据えて将来に備えながら、持続可能なまちづくりにつなげていくという視点が重要であることから、中長期の視点に立って収支状況を10年間の期間で捉え、将来のあるべき姿を描いて、現在の課題や取組を考えるバックキャスティング思考により、早期から効果的に取り組み、その改善効果を後年度に向けて備えていく必要があるとし、令和5年12月に計画期間を令和6年度から令和15年度までの10年間とした小樽市中長期財政収支計画を新たに策定いたしました。改めて、今回の予算で、この計画を踏まえて取り組んだ内容や反映した事項についてお示しください。このような現状の厳しい財政状況の中で、令和6年度予算は財政調整基金を取り崩しての編成となったことについての市長の見解と、また、これからの財政健全化についてどのように考えられていますか、お聞かせください。また、これからの市政運営を考えますと、財政上の観点から、これまで以上に選択と集中という政治的判断が求められると思いますが、今後の財政運営の考え方について、市長の見解を伺います。以上、第1項目の質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

横尾議員の御質問にお答えいたします。ただいま、予算編成について御質問がありました。初めに、歳入及び歳出についてですが、まず、市税の対前年比の増減理由につきましては、個人市民税の減収は、令和6年度に実施される定額減税の影響によるものであり、法人市民税の増収は、大口法人に係る増要素が見込まれることによるものであります。固定資産税の減収は、家屋の経年減点補正の適用による減収や償却資産の経年減価による減収が主な要因であります。たばこ税の増収は、消費量が増えていることによるものであります。また、市民税の推移につきましては、令和2年度と令和6年度の当初予算の比較でお答えいたしますけれども、個人市民税は約3億6,000万円の減であり、これは定額減税の影響によるものであります。直近5年の傾向といたしましては、令和3年度が大きく減となりましたが、令和4年度以降は、定額減税の影響を受ける令和6年度を除くと少しずつ回復してきております。法人市民税は約1,000万円の増、率にして1%未満の微増となっており、直近5年の傾向といたしましては、こちらも令和3年度で大きく減となりましたが、令和4年度以降は少しずつ回復してきております。次に、地方交付税等の増減理由につきましては、普通交付税については、国が地方財政対策において、人件費の引上げや物価高の影響による地方の負担増に対応するための一般財源を確保したとされていることから、本市においても、前年度より基準財政需要額の増を見込んだためであり、特別交付税については、近年の実績額を勘案して増と見込んだものであります。また、臨時財政対策債の減につきましては、地方交付税の財源である国税収入が好調を維持して推移することなどから、新たな臨時財政対策債の発行が抑制されたものであります。次に、歳入における今後の課題につきましては、一般財源収入におきましては、現時点では大幅な減少を見込んではおりませんが、このまま人口減少が続く場合は、少なからず市税や地方交付税に影響が出てくるものと考えております。また、特定財源については、今後の公共施設更新事業などにおいて、可能な限り国の補助金等の活用に努めるとともに、自主財源については、ふるさと納税や企業誘致による税収の確保など、その確保に努めていく必要があると考えております。次に、歳出における経費別の主な増減要因につきましては、人件費では、定年職員の退職手当や人事院勧告のプラス改定などにより約6億3,000万円の増、扶助費では、緊急生活支援給付金給付事業費及び物価高騰対策支援給付金給付事業費で約5億8,000万円の増、負担金、補助及び交付金では、北しりべし廃棄物処理広域連合負担金が約8億8,000万円の増、建設事業費では、観光船ターミナル整備事業費が約4億3,000万円の増となる一方、桂岡小学校の校舎等耐震補強等事業の終了により約8億7,000万円の減などであります。次に、建設事業における今後の課題等につきましては、近年の建設資材の高騰や労務単価の上昇などにより事業費が増加し、長寿命化計画との乖離が大きくなることが問題点となり、今後の状況を見定めながら、必要に応じ事業規模や内容の精査、財源確保などが課題となると考えております。次に、公債費比率の上限設定につきましては、直近の令和4年度決算における公債費比率は3.9%となり、健全性の観点から一般的に望ましいとされる10%を大きく下回っております。今後の公債費比率につきましては、この先10年間で公債費が最大と見込まれる令和15年度においても10%以下になると想定されることから、現時点では、上限を設定する考えはありませんが、今後も将来の負担が過度にならないように留意しながら、中長期の視点を持って公債費の抑制に努めてまいります。次に、財源対策についてですが、まず、ふるさと納税の増収への取組内容につきましては、宿泊券やイベントチケットなどの体験型返礼品の拡充のほか、さっぽろ連携中枢都市圏と連携して、11市町村で利用可能な共通電子商品券の導入などを進めてまいりました。また、今年度の状況につきましては、9月までは順調に寄附が伸びておりましたが、10月以降、ふるさと納税関連の経費算定基準の改定に伴う一部寄附単価の見直しや物価高の影響により、本市の主力返礼品である嗜好品の需要が落ち込み、結果的に寄附件数は、対前年度比、約10%減の5万件、寄附金額は、約10%減の8億円を見込んでおります。次に、令和6年度のふるさと納税の見込みと取組につきましては、寄附サイトのさらなる拡充や検索連動型広告の活用強化のほか、物価高の影響に対応するため、日常的に使える食料品や日用品など需要の変化を捉えた返礼品の拡充を進めてまいりたいと考えており、寄附額については12億円を見込んでおります。次に、主要事業等についてですが、まず、こども医療費の18歳までの実質無償化や放課後児童クラブ利用手数料の無償化を実施できるに至った判断等につきましては、中長期財政収支計画において、今後10年間の収支を見込む中で、厳しい財政状況は続くものの、国等の補助金やふるさと応援基金などを活用するとともに、効果的に収支改善に努めることなどにより、これらの事業を継続できると判断したものであります。次に、新年度の予算編成方針を踏まえ、廃止等の見直しを行った主な事業名や効果額につきましては、昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅における耐震診断費用の一部を助成する木造住宅耐震改修促進経費において、申請実績がないことなどから廃止いたしました。また、各部においては、予算編成方針に基づき、各事業の費用対効果や必要性、緊急性を十分検討し、必要数量の精査や委託業務の契約変更による効率化や事務負担の軽減などを進め、新年度における経費増の抑制に努めましたけれども、事業の対象範囲や補助基準などの行政サービスの低下につながるような縮小や統合を行った事業はありませんでした。次に、放課後児童クラブの民間委託につきましては、民間事業者の持つ学習や遊びなどに関するノウハウを生かすことで、子供の居場所の充実が図られることが期待できますので、保護者の皆さんからの要望が多い開設時間の拡大などの課題への対応とともに、民間委託についても検討を進めるよう所管部に指示しているところであります。次に、中長期財政収支計画の反映についてですが、まず、令和6年度の予算編成における取組や反映した内容につきましては、歳入では、ふるさと納税と企業版ふるさと納税の寄附額について、計画目標値と同額で予算計上したほか、編成過程においては、広告料を見込める事業などに対し、その確保について検討するよう指示したところであります。歳出では、普通建設事業費において、計画推計値より10億円以上の減額を図るなど、事業の精査等により圧縮に努めたところであります。次に、令和6年度予算における財政調整基金からの繰入れにつきましては、令和6年度においては、中長期財政収支計画の策定時点から、建設資材の高騰や労務単価の上昇、退職手当による人件費の増などがあり、多額の繰入れが見込まれておりました。その後の予算編成における各部からの要求時点では、さらに大幅な増加となったことから、繰入れを最小限にするため、各事業の必要性、緊急性などを十分に検討し精査を行ったことで、重要課題等に対応しながらも、計画値並みに収められたものと考えております。また、今後の財政健全化につきましては、本計画に基づき、中長期的な視点を持って収支改善に取り組んでいくことにより、将来にわたり不測の事態にも備えられる規模の財政調整基金を確保し続けてまいりたいと考えております。次に、今後の財政運営につきましては、人口減少により厳しい状況が続くことが見込まれますが、安定的な市税収入や新たな自主財源の確保等に努めるとともに、人口対策をはじめ、本市において重要課題となる行政ニーズなどに対して、予算を重点的に配分するなど、めり張りをつけて対応することにより、持続可能なまちづくりに向けた財政運営を行ってまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和6年第1回定例会 2024年3月4日 議事録 PDF(62ページ) 間違いを知らせる