小樽市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月8日
市民生活について
2020年9月8日、小樽市議会の一般質問で、高野さくら議員が「市民生活について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 高野さくら 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 19番 高野さくら
2項目め、市民生活について伺います。初めに、ふれあいパス事業についてです。市は年間 12 冊とし、さらに対キロ運賃も利用者負担にするという改悪案を出しました。2015 年の第3回定例会で、ふれあいパスを年間 15 冊まで利用制限するという案が森井前市長のときに示されました。年間 15 冊にすれば、乗り継ぎをしなければいけない方は 37 往復しか利用できないなど、市の制限に対して市民の反対の声が広がり 4,000 筆を超える署名が市に届けられ、結果的に森井前市長は見送りにしました。市民の反対で断念せざるを得なかったにもかかわらず、迫市長は冊数制限をさらに改悪させる案を復活させるのでしょうか。10 月には、中央バスが対キロ区間のみの負担となり、2019 年には対キロ区間分も中央バスの事業費負担にしないことになりました。中央バスに事業者負担を一切求めず、利用者負担だけを増やす考え方はおかしいのではないでしょうか。バス利用者に理解は得られるのでしょうか。ふれあいパスの制度の目的には、高齢者が積極的に社会に参加し、ふれあいをもって心身の健康の保持と生きがいの創出に資することが明記されています。第7次総合計画の高齢者福祉では、「高齢者の社会参加が促進され、いきいきと自立した生活を送ることができ」としています。週1回程度の外出に対しての助成しかしないのでしょうか。制度の目的や第7次総合計画に反すると考えますが、いかがですか。私は、こうしたふれあいパスの制限は高齢者も市外に転出する要因になってしまうと危惧しています。2016 年に行われた市民アンケートでは、市外に転出したい理由に、買物など日常生活が不便と交通便の悪いからが上位に入っています。現在もバスの減便が続いており、バスを利用する市民から不便になっ-68-たという声を多く聞いています。過去と現在のふれあいパスの利用を見ると、今から 23 年前は交付率は82%、2019 年度は交付率が 62%と対象者数は増えても利用している人は利用者負担も増えたこともあり、交付率が減少傾向となっています。さらに今回のように、利用者に負担をかけることにすれば、小樽市の人口減少にも影響を及ぼすことになるのではないでしょうか。小樽市は東西に長い地形もあり、オタモイや塩谷などに住んでいる方は、通院などに2路線を使わなければいけない地形特性があります。地域特性を考えても、地域の方々が差別することなく通院、買物、サークル活動など生き生きと元気に過ごすためには、制限をかけることなくもっと利用しやすい制度が不可欠です。今回提案された、ふれあいパスの冊数制限等の改悪そのものを撤回するよう求めます。バスロケーションシステム導入に関連して伺います。今回、市から利用者がバスの位置情報や運行状況等をスマートフォン等で確認できるシステムと多言語に対応し、インバウンドによる公共交通利用促進をする目的で新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、バス事業者に 6,000 万円の補助を行う提案がありました。今年度に入ってから、バス事業者からどのような要望があり、バスロケーションシステム導入事業を行うことになったのでしょうか。今回の臨時交付金を活用し、事業者負担が一切なく全額市が補助する事業はこれまでもあったのでしょうか。国では、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費としてバスロケーションシステム導入に関しても補助金が出ることになっていますが、国の補助メニューを活用する考えはなかったのでしょうか。道内の他市を見ると、十勝バスでは事業者が全額負担、函館市や札幌市は3分の1負担となっており、市が全額負担しているところはほぼありません。なぜ全額出すことになったのでしょうか。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、命・暮らしを守るために活用するべきです。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で減便が続いていますが、減便によってより人が密になっています。3密を避けるための運行に協力する補助を出すことや、離職者の雇用支援としてバス乗務員の免許取得の一部を市が支援を行うことなど、ほかにも行える事業があったはずです。ほかの事業については、考えはなかったのでしょうか。バス事業者からは、利用客が減り経営が大変ということを理由に市内のバス路線の減便が増加しています。このシステムを導入することになれば、ランニングコストが年間 300 万円以上バス事業者に負担が増えることになります。こうした負担が増えることによって、さらに市内の路線の減便につながることになるのではないかと危惧しますが、その点について市長の考えをお聞かせください。旭川市では、298 台で約 2,600 万円の事業費となっていますが、小樽市は 120 台で 6,000 万円になっているのはなぜでしょうか。この間述べてきたとおり、市民生活が大変なときに多額の税金を使って急いで行う事業ではありません。そもそもふれあいパスで利用者への制限を課し、バス事業者に支払う負担を1億 5,000 万円相当に抑えることをしながら、一方で同じバス事業者に 6,000 万円の補助を出すことは矛盾していませんか。まるごと小樽プレミアム付商品券事業についてです。感染拡大による市内経済への影響を緩和し、幅広く市民の消費を喚起することを目的に、プレミアム付商品券を行う事業となっています。商品券を否定するわけではありませんが、幾つか確認も含めてお聞きします。登録店舗受付が9月下旬~1月 20 日予定となっているのに対し、商品券の販売期間は 11 月上旬から12 月下旬となっています。市民が商品券を購入後に、登録店舗がさらに増えることも予想されます。登録店舗になっても、市民が知らなければ商品券を使用されない心配がありますが、どのような対応を考-69-えているのでしょうか。この事業は事業者継続支援となっています。市内共通券には、市内に本社がなくてもスーパーやコンビニなど全ての業種が使えることになっています。過去に実施したプレミアム付商品券事業では、大半がスーパー、ドラッグストアなど大型店で利用されたと聞いています。このことからも、大型店舗の利用が増えることになれば、売上げが落ち込んでいる事業者に対してあまり恩恵がないのではないかと考えますが、いかがですか。1人最大2冊まで商品券の購入ができるとすれば、金銭的に余裕がある家庭が得をすることになるのではないでしょうか。2015 年度、昨年度、今回と同様のプレミアム付商品券事業を実施していますが、経済活性化の成果や分析を行っていれば、その概要もお知らせください。国民健康保険についてです。市は、今年5月に開かれた国民健康保険運営協議会で、今年度は前年度と比べても保険料は大きく上がる状況であったが、新型コロナウイルス感染症の対策の一環として、料率を上げず 2019 年度と同じ料率を使用することにしたが、来年度は見ため的にすごく保険料が上がったように見えると思うと答えています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することで、市民生活も大変になっています。6月から行っている新型コロナウイルス感染症の影響による保険料の減免は、受付をして僅か2か月で324 件を超えました。金額では約 5,376 万円です。それだけ国民健康保険加入者の収入が落ち込んでいるということです。市内で自営業をされている方からは、新型コロナウイルス感染症でお客さんがなかなか戻ってこないという声も聞いています。新型コロナウイルス感染症は災害と同様に緊急事態です。こうした緊急事態だからこそ、今ある基金だけではなく、あらゆる手だてを尽くして来年度保険料を上がらないようにするべきではありませんか。北海道は、今年度、見直しをする国民健康保険運営方針の中で、標準保険料率の賦課割合を目指すべきとしています。しかし、小樽市が標準保険料率に合わせることになれば低所得者の保険料が大きく上がり、中・高所得者の保険料が大きく下がることになります。また、小樽市の所得割は全国6番目に高く、賦課限度額に到達する収入についても全国平均では 1,100 万円程度の収入の人が初めて限度額に到達するのに対し、市では 700 万円程度の収入で限度額に到達しており、低所得者の保険料が全国のどこよりも安い分、中所得者の保険料はどこよりも高いという状況になっています。標準保険料率にこだわることなく、各市町村の実態に合わせた保険料率にすべきではないですか。新型コロナウイルス感染症は、災害と同様の緊急事態です。国は財政運営主体の北海道に対して、保険料が上がらないよう財政措置を求めるべきではないでしょうか。2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、市民生活について御質問がありました。初めに、ふれあいパス事業についてですが、まず、ふれあいパス事業の見直しにつきましては、本市の財政状況も大変厳しく限られた財源の中、高齢者施策で大きな事業費を占める本事業を今後も継続していくための必要な措置として、このたびの案を示したところであります。次に、事業に係る負担の在り方につきましては、事業者の経営状況も厳しい中、これまでの協議の経過から金銭面での協力の再開は難しいと判断しているところであります。-70-また、今回の見直し案では、多くの利用者の負担は変わりませんが、一部負担増になる方もいますので、利用者負担について理解を求めていきたいと考えております。次に、事業の目的などにつきましては、本事業の目的は高齢者の社会参加を支援するもので、日常の外出全般の移動を保障するものではなく、制度の目的や総合計画の内容に反しているとは考えておりません。次に、利用者負担の増加による影響につきましては、今回の制度改正をもって本市の 70 歳以上の人口減少に影響を及ぼすとは考えておりません。次に、冊数制限等に関する見解につきましては、本市の財政状況では、これ以上の負担増は困難であり、本事業を継続するためにはやむを得ないものと考えております。次に、バスロケーションシステム導入事業についてですが、まず、バス事業者からの要望等につきましては、今年度バス事業者からバスロケーションシステム導入についての要望は受けておりません。しかしながら、令和元年度に策定いたしました小樽市地域公共交通網形成計画において、バスの利便性向上策の一つとしてバスロケーションシステム導入の研究を位置づけており、これまで市と事業者で協議を重ねてきたところであります。こうした中、システムを導入することで市民の皆さんの利便性向上が図られることはもとより、国内外から訪れる観光客による公共交通の利用が促進され、回遊性が高まることで新型コロナウイルス感染拡大収束後の市内経済回復に寄与するものと判断をし、本事業を実施することといたしました。次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、全額補助する事業につきましては、堺町通り商店街観光需要喚起事業費補助金や上限は設けておりますが、小樽市宿泊施設誘客促進事業費補助金などが 10 分の 10 の補助率となっております。次に、国の補助メニューの活用につきましては、バスロケーションシステムの導入に対しまして事業費の3分の1を国が負担する補助メニューがあることは承知をしておりますが、所管する国土交通省北海道運輸局に確認しましたところ、今年度の補助対象事業については既に決定をしており新たに募集する予定はないとのことでしたので、このたびの臨時交付金を活用することといたしました。次に、全額補助する理由につきましては、本事業費を計上するに当たってはバス事業者と事業費の一部負担について協議をいたしましたが、バス事業者からは新型コロナウイルス感染拡大により利用者が大幅に減少し、収支に甚大な影響を受けている現在の経営状況では、当面、新たな負担をすることができないとの回答がありました。こうした中で、感染収束後の市内経済を見据えたとき、臨時交付金を活用し全額補助することで本事業を推進する必要があると判断したものであります。次に、他の事業の検討につきましては、このたびの臨時交付金を活用した経済対策としては、コロナ禍における事業継続と収束後の将来を見据えた経済回復の二つの観点で検討を行っております。このため、交通事業者に関連する事業につきましては、事業継続を目的とした小樽市公共交通事業者等支援事業を既に実施しており、収束後を見据えた事業として公共交通の利便性を高め、さらには観光客のバスを利用した市内回遊により、経済効果が期待できるバスロケーションシステム導入事業を実施することとしたものであります。次に、バス事業者の負担増による減便への危惧につきましては、バスの減便は人口減少等による利用者の減少やバスの運転手不足が主な原因と考えております。このたびの事業は、バスの利便性を向上させ利用促進を図るものであり、ランニングコストの負担によって直接減便につながるものではないと考えております。次に、他都市との導入費の違いにつきましては、本市のバス路線を担うバス事業者は、既に札幌市に-71-おいてバスロケーションシステムを導入しており、本市において導入する際には、この基幹システムと連動させる必要があります。バス事業者からは、メーカーによってシステムを構成する機器やサービス内容により導入費用に幅がある中、先行する札幌市での導入に当たって自社の規模やサービスの内容などから現在使用しているシステムを選定したと聞いており、これらのことから導入費用に差が生じるものと考えております。次に、バス事業者への支出につきましては、ふれあいパス事業の見直しは持続可能な制度にするためのものであり、支出についても利用者への一部補助になります。一方、本事業は、利便性向上や新型コロナウイルス感染症拡大収束後の市内経済回復に向け、観光客による公共交通の利用促進を図ることを目的としております。二つの事業は、目的及び性格も異なることから矛盾はしないものと考えております。次に、まるごと小樽プレミアム付商品券事業についてですが、まず、取扱店の周知方法につきましては、取扱店にポスター等を掲示するほか、商品券販売開始の際には、事前に登録が完了した取扱店を掲載した冊子の配布を予定しております。また、冊子印刷後に登録した取扱店については、市や商工会議所のホームページに一覧を掲載するほか、希望者には一覧表をお渡しするなどの対応を通じ、利用可能な店舗の周知に努めてまいりたいと考えております。次に、市内共通券につきましては、過去に実施した商品券事業では、多くが大型店で使用されていることを踏まえ、市内に本社、本店がある店舗のみで利用できる地域応援券を新たに設けたものであります。このことにより、スーパーなどの大型店では、市内共通券7枚に対し地元企業では市内共通券と地域応援券を合わせ1冊 13 枚全ての商品券を利用できることから、地元企業への支援をより意識した内容としたものであります。次に、商品券の購入につきましては、今回の商品券事業はコロナ禍により大きな影響を受けている飲食店や小売店などの事業継続を支援するため、市民の皆さんの力もお借りしながら、消費喚起策として実施するものであります。購入数は、公平性に配慮し事前申込みをいただいた上で1人2冊までという上限を設けておりますが、購入希望が販売数の5万冊を超える場合には、1人1冊までとすることや抽せんなどの対応も予定しており、多くの市民の皆さんに商品券を購入していただけるよう制度設計をしたものであります。次に、過去に実施した商品券事業の成果や分析につきましては、昨年度の事業は分析を行っておりませんが、平成 27 年度の商品券事業では、小樽商科大学に委託をし分析を実施しております。分析結果によりますと、約 12 億円の商品券の発行に対し、消費総額は約 13 億 2,000 万円、そのうち約4億 5,000万円が商品券事業をきっかけとして新たに誘発された消費額と推計されており、消費の喚起や市外流出防止などにより市内店舗の売上げが増加し、市内経済の活性化に寄与したものと報告されております。次に、国民健康保険についてですが、まず、来年度も保険料が上がらないようにすべきではないかにつきましては、来年度の保険料率算定時に新型コロナウイルス感染症がどのような影響を及ぼしているか予測は困難ですが、被保険者の保険料負担を少しでも軽減できるよう国に財政支援を求めるとともに、必要に応じ基金を投入するなど、被保険者の負担に配慮した形で保険料率を検討してまいりたいと考えております。次に、標準保険料率にこだわらずに、本市の実情に合わせた保険料率にすべきではないかにつきましては、議員からお話があったとおり、本市では所得割率が高いことから低所得者の保険料が低額な反面、中所得者の保険料が全国的にも屈指の高額になっていることが課題であります。このような本市国民健康保険の保険料負担の偏りを解消していくためにも、全道統一的な保険料の指標である標準保険料率に-72-合わせていく必要があるものと考えております。次に、国や北海道に対して、保険料が上がらないように財政措置を設けることにつきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、北海道や全国市長会等を通じ、国に対して財政支援を求めてまいりたいと考えております。