小樽市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月7日
鉄道の問題について
2016年3月7日、小樽市議会の一般質問で、新谷とし議員が「鉄道の問題について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 新谷とし 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 22番 新谷とし
それでは、鉄道の問題について伺います。初めに、北海道新幹線と並行在来線についてです。2014 年度に、北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画(案)で、現況等の調査を行っています。それによると、新幹線開業予定の 2030 年、小樽市の人口推計は9万 2,396 人、高齢化率 41.9 パーセント、生産年齢人口は 50.8 パーセントと、少子高齢化が加速する様相です。大きな人口減少の中で、駅周辺整備費用など、市財政に大きく負担がのしかかると推測されます。JR函館本線の存続を求める住民の会が 2014 年9月に行った市民アンケートの自由記載には、「新幹線完成後、人口減の北海道で経営は大丈夫か」「新幹線に対して全く期待していない。小樽市が負担する建設費用などを考えると、旅行者や人が小樽にやってきて元を取るなどという夢を見ることなく、在来線のきめ細かなグレードアップで交通は対応すべきと思う」など、新幹線の経営や小樽市が負担する建設費用、後年度の負担の心配から必要ないという声が大勢でした。まちづくり計画案に載っている市の経済、市税収入に影響を及ぼす産業構造についての資料は 2010年の国勢調査のもので、14 年後の姿が見えません。14 年後の市の財政はどうなるのか、駅前広場や駅舎の建設費負担金が市民の大きな負担増とならないのか、市民の心配はもっともなことです。これらの心配点についてお答えください。新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画案で示されている市民アンケートの利用頻度では、「よく利用する(月1回以上)と思う」が 3.2 パーセント、「ある程度利用する(年数回程度)と思う」が 26.1パーセントに対し、「たまに利用する(数年に1回程度)と思う」は 40.3 パーセント、「利用しないと思う」が 30.3 パーセントと、あまり利用しないとの回答が 70 パーセント以上です。また、報道によると、北海道新幹線しりべし協働会議が1月 20 日から 22 日に宇都宮、仙台、八戸で行ったPRキャラバンでは、「北海道で旅行したい地域はどこか」という問いに、7割が札幌周辺を選び、札幌に近い小樽へ足を運びたいという声も多かったとのことです。このことは、新幹線が札幌延伸になっても関東・東北方面からの観光客は札幌に直行し、札幌を起点に小樽観光をするという従来型ではないのかと懸念されます。これらの点を思料すると、新駅は利用頻度が低いのではないのかと考えられますが、いかがですか。新幹線の小樽市の通過延長距離は約 22.3 キロメートルで、後志トンネル、朝里トンネル、手稲トンネルと、三つのトンネルが約 97 パーセントを占めます。現在、トンネル掘削等による建設残土およそ 245万立方メートルの受入先を募集中ですが、受入れ場所と決まった受入先はあるのですか。新幹線の安全性と所要時間についてです。2月9日、北海道新幹線開業前に行われた火災発生時の避難訓練中に、救援列車が青函トンネル内で突然停電するという事態が起きました。専門家も、トンネル内で一たび事故が起きると大きな惨事になりかねないと指摘しています。他の新幹線よりトンネルが多い北海道新幹線は、超高速で安全に運行できるのか疑問です。当初の東京-札幌間の運行時間3時間 57 分が5時間と大幅に修正されたのはどのような理由からですか。環境への影響についてです。トンネルを掘ったときに出る鉱化変質岩が、水や酸素に反応して鉛やヒ素などの重金属を溶出させるという有害性が問題になっています。鉱化変質岩は、札幌に近くなるほど含まれるのではないかと言われています。ほかにも、掘削ずり中に黄鉄鉱などの硫化鉱物が空気と接触して酸性水の発生も起き、周辺環境に影響を及ぼす可能性があるという北海道大学の研究論文が発表されています。これらの環境影響評価はいつ行われ、その結果はどのようになっていますか。小樽市にかかる三つのトンネルの地質調査の結果、鉱化変質岩はどのような状況ですか。新幹線の通過ルートには、勝納川、朝里川、銭函川など6本の川があり、銭函浄水場の川上でトンネルが掘削されます。川への酸性水流入のおそれや飲料水への影響はないのですか。小樽・後志で問題になっているのは、並行在来線についてです。JR函館本線の存続を求める住民の会が行った塩谷駅、蘭島駅周辺の住民アンケートでは、JRを利用している人は対象者全体の 72.2 パーセントで、利用目的は、「買物」29.5 パーセント、「通院」26.0 パーセント、「通勤」12.9 パーセント、「通学」3.8 パーセントでした。自由記載では、「公共交通の核として鉄路を重視、拡充してほしい」「低エネルギーで国民の生活である在来線を残してほしい」「買物・通院に必要。本線がなくなれば過疎化が進む」など、JRが生活に欠かせない存在であり、並行在来線がなくなれば過疎化が進むことを心配する声がたくさん寄せられています。市長は、こうした市民の声をどのように受け止めていますか。また、2015 年5月1日現在、道教委の調べでは、JRを利用して小樽市の道立高校へ登校している高校生は 387 人です。14 年後の生徒数はわかりませんが、輸送人数や通学定期代などを考えると、JRは必要不可欠ではありませんか。JR北海道の並行在来線経営分離は、法的根拠があるのですか。市長は、北海道新幹線並行在来線対策協議会の一員でありますが、JRを利用している市民の切実な声や通勤・通学の利便性からも、並行在来線はJR北海道が経営すべきとお考えになりませんか。見解を伺います。JRダイヤ改正に伴う影響についてです。JR北海道は、北海道新幹線の開業に伴って3月 26 日からダイヤ改正を行います。函館本線の後志管内から長万部間は、車両の老朽化や利用客減少を理由として普通列車 26 本中、下り3本、上り2本が一部区間廃止になるため、後志管内の高校は、登下校時の列車減便による始業時間の変更や部活動や課外実習後の帰宅が夜 10 時を過ぎ、健康や学習への影響、帰り道の心配など、さまざまな問題が生じ、沿線各自治体は大きな影響を受けます。札幌-小樽間は、午後7時 55 分以降の快速列車4本全てが各駅停車になり、安定した新千歳空港アクセス輸送のためとして快速エアポートの直行運転を取りやめ、各駅停車にします。銭函住民は快速エアポートの停車を希望していましたが、停車は夜のみであり、いしかりライナーも各駅停車になるため、小樽市民全体から見れば、通勤・通学は時間がかかり、バスへの乗り継ぎにも影響が出ます。明らかに札幌圏を重視し、札幌から 30 分で帰れるという小樽市民へのサービス低下にほかなりません。夜のみとはいえ、観光客の呼び込みにも影響が出ることが考えられます。後志では、黒松内町、長万部町、蘭越町、ニセコ町、倶知安町の5町が、昨年 11 月9日、JR北海道に対し、ダイヤ改正の改善を求める要望書を送りました。小樽市は、JR北海道からダイヤ改正の報告を受け、それによる通勤・通学、観光などへの影響を把握、判断してきたかと思います。JR北海道など、関係機関へダイヤ改正の改善についてどのように対応するつもりでしょうか。次に、JR南小樽駅のバリアフリー化に向けた基本構想策定について伺います。日本共産党は、駅舎のバリアフリー化で基本構想策定について質問してきました。予算案では基本構想策定協議会委員報酬が計上されていますが、協議会の構成はどのようにするのですか。この中に障害者の方にも参加していただき、意見を聞くべきではないでしょうか。また、基本構想における特別特定建築物は、どこが対象となりますか。あわせて、基本構想策定から南小樽駅の工事着工までのスケジュールもお知らせください。4項目めの質問を終わります。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、鉄道の問題について御質問がありました。初めに、北海道新幹線と並行在来線についてですが、まず、14 年後の市の財政状況や駅前広場等の建設費による市民の負担増などにつきましては、現時点で 14 年後の財政状況をお示しすることはできませんが、駅前広場等の建設費については、国庫補助の導入を検討するほか、駅舎等の負担金についても交付税措置のある有利な起債を活用するなど、将来的な負担軽減が図られるよう、適切に判断をしながら進めてまいりたいと考えております。次に、新小樽(仮称)駅の使用頻度が低いのではないかにつきましては、札幌延伸後の新駅の利用客数については推計をしておりますが、実際の利用頻度がどのようになるかについてはわかりません。しかしながら、新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画の策定に当たって、駅前広場や駐車場の整備のほか、来訪者を呼び込む魅力づくりの方策などについても検討を行う予定であり、少しでも利用頻度を高めるために、ハード、ソフトの両面から来訪者を快適に迎え入れる環境を整えていきたいと考えております。次に、トンネルの掘削等による建設残土の受入先につきましては、平成 26 年度に受入先の募集を開始し、これまでに3件の応募があり、これらの情報を鉄道・運輸機構に提供しておりますが、現時点で決定をした受入先はありません。今後も募集を継続するとともに、市としても、受入先の候補地の情報収集に努めてまいりたいと考えております。次に、東京-札幌間の運行時間の修正理由につきましては、主に、想定している北海道新幹線の最高速度の違いであり、これまでに公表されている資料によりますと、平成 24 年に新函館北斗-札幌間の工事実施計画が認可されるまでは最高速度が時速 360 キロメートルでありましたが、認可後は時速 260 キロメートルとなったことから、運行時間が長くなったものであります。次に、土壌汚染に関する環境影響評価の結果等につきましては、北海道新幹線新青森-札幌間の環境影響評価は平成 14 年に公表をされ、土壌汚染に関する評価結果は、「計画路線周辺には土壌汚染を発生する鉱化変質帯が存在する可能性があるが、掘削土の定期的な測定を行うとともに、掘削時の管理体制を整備し、重金属類を確認した際には、基準に基づく適切な処理・処分を行うことにより、周辺に与える影響は未然に防止できるものと予測している。したがって、土壌汚染に係る環境影響は実行可能な範囲で回避できるものと判断した」となっております。また、小樽市内の三つのトンネルの地質調査の結果についてですが、鉱化変質岩から溶出される重金属の基準値を、手稲トンネルでは超えており、朝里トンネルでは超えていないという結果が出ております。なお、後志トンネルは、まだ調査を実施しておりません。次に、トンネルの掘削による川への酸性水流入のおそれや飲料水への影響につきましては、鉄道・運輸機構によりますと、トンネル掘削に伴う酸性水など重金属を含む排水などは、全て濁水処理施設で化学処理や吸着処理などを施し、水質汚濁防止法に基づく排水基準以下の濃度に処理をした上で適正に放流をされるとのことです。また、銭函浄水場付近のトンネル掘削に伴う排水の放流位置は、取水施設の下流とするよう配慮する予定であり、影響はないとのことであります。次に、並行在来線がなくなることに対する市民の声をどう受け止めるのか、並行在来線は必要不可欠ではないかにつきましては、並行在来線が住民の足として定着をしている実態やさまざまな面で心配をされている声などがあることから、その重要性については認識をしておりますので、並行在来線経営分離後の住民の足の確保に向けてどのような対応ができるのかについて、北海道や沿線自治体で構成される北海道新幹線並行在来線対策協議会の中で十分検討してまいりたいと考えております。次に、並行在来線の経営分離の法的根拠と並行在来線をJR北海道が経営すべきではないかにつきましては、並行在来線のJR北海道からの経営分離については、法的な根拠はありませんが、北海道新幹線札幌延伸の認可の条件であり、本市としましては、平成 24 年5月に同意をしております。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、並行在来線の重要性については認識をしておりますので、住民の足の確保について、北海道新幹線並行在来線対策協議会の中で十分検討してまいりたいと考えております。次に、JRダイヤ改正に伴う影響についてですが、今回のダイヤ改正への対応につきましては、このたびのダイヤ改正を受け、大変残念に思っておりますので、今後におきましては、本市よりJR北海道に対して、本区間の利便性の向上を求める要望書の提出とともに、市民の鉄道利用の促進に向けて話合いの場を設けることについて要請を行ってまいりたいと考えております。次に、JR南小樽駅の基本構想についてですが、まず、基本構想策定協議会の構成などにつきましては、バリアフリー法第 26 条第2項に基づき、基本構想を作成する小樽市、周辺道路の道路管理者、市立病院、公安委員会、JR北海道などの交通事業者、高齢者団体、障害者団体、学識経験者などのほか、公募等により市民の皆様にも御参加いただく予定としております。なお、障害者の方には、協議会に御参加をいただくほか、駅周辺の視察会を開催し、利用者としての御意見をお聞きすることとしております。次に、特別特定建築物の対象と南小樽駅の工事着手までのスケジュールにつきましては、特別特定建築物とは不特定多数の方又は主に高齢者、障害者等が利用する病院等の建築物でありますが、今回の基本構想では小樽市立病院と小樽協会病院が対象となるものと考えております。また、工事着手までのスケジュールにつきましては、まず、本市が平成 28 年度末までに駅及び周辺のバリアフリー基本構想を策定した後、JR北海道が国と本市から補助金の交付決定を受け、工事着手することになります。