小樽市議会 平成27年第4回定例会 2015年12月9日
産業振興について
2015年12月9日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「産業振興について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 髙橋龍
平成 27 年第4回定例会に当たりまして、新風小樽を代表し、質問いたします。まずは、まちづくりにかかわって、産業振興に着目し、質問させていただきます。初めに、小樽の観光事業についてお伺いいたします。本市において観光は、基幹産業の一つであり、市外の方を多く誘致することは、税収のみならず雇用を生み出し、まちににぎわいをつくることにも大きく寄与していると考えております。先日は、NHKの番組でも取り上げられ、小樽の観光が改めて注目を浴びているところですが、昨今は従来型の観光のみならず、よりテーマ性を持ったディープな観光を求める方も増えてきているとのことです。さらには、海外からの観光客も、これまでメーンとなっていた韓国、中国、台湾だけでなく、さまざまな国からの旅行者が多く訪れてくださっているところです。そういった今までとは違う観光客のニーズを捉え、対応していくことは、民間事業者だけでなく、観光都市をうたうからには行政としても積極的に取り組むべき事柄であると考えております。観光の分野において、市長公約の中には多く明言されていなかったところでございますが、プロモーションに関してはどのようなプランで進めておいででしょうか。今後の展望をお示しください。今後の展望については、具体的には、昨年度、約 750 万人であった観光客の入り込みを受け、十分だと思っているのかどうか、まだまだ伸びる余地があると考えているならば、どのくらいの増加を目指すのか、その内訳としてのターゲット層、国内外、どこの地域からの受入れを強めたいのか、また、そのためにどのようなプロモーションを行っていく計画であるのか、さらには観光客の受入れを行う小樽市側の課題はどこにあるとお考えか、お示しください。観光客のニーズを探る手法や行政として課題解決のために行っている取組なども、あわせてお知らせください。私といたしましても、今後、観光の分野においては、先ほども申し上げましたように、よりテーマ性、そしてストーリー性を持った提案が必要であるという認識です。従来の小樽観光は、いわゆる通過型と呼ばれ、滞在時間が短い中、決まったルートだけで完結してしまうことが多く、宿泊者の増加にもなかなかつながらない点は大きな課題の一つであると考えます。特に、国内旅行者に対しては、今あるコンテンツの中でもストーリー性を持たせ、新たな提案ができるような旅のプランニングを行うことが必要になってくるかと思います。さらには、観光エリアの拡大を行い、点在している観光資源を線で結ぶことで新たなルートをつくっていくことは、滞在時間の面、また、観光客の満足度の面から考えても、今後、必須であると考えております。そのためには、歴史的建造物の活用や本市において施行されている小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例の練り直しも必要と考えております。今年 10 月に作成された小樽市総合戦略の中でも、空間・土地利用の考え方という項目の中に、都市景観と自然環境の保全について以下のように書かれております。「都市景観と自然環境が調和した魅力あるまちづくりのため、周辺環境を含めた歴史的建造物などの保全・活用を行うとともに、天狗山から小樽港を望む眺望などが象徴する海と山のある豊かな自然環境を保全します」と。私は、これが単に市民に対してというだけでなく、観光都市としてまちづくりの方向性を表すものだと捉えております。総合戦略を踏まえた上で、今後どのように小樽市の観光資源を生かしていくのか、短期的なもの、中・長期的なものとに分けて、市長のビジョンをお聞かせ願います。加えて、映画やテレビのロケ地としても広く世界中の人たちが目にする小樽ですが、かつて映画「LoveLetter」が海外からの観光客の増加に大きく寄与したことは御周知のとおりかと思います。また、市役所をはじめとするさまざまな団体が母体となっている小樽フィルムコミッションなどもあり、撮影の誘致には力を入れていることと認識しております。その上で、本市としても、映画などの舞台と観光を結びつける、いわゆるコンテンツツーリズムには一層力を入れていくべきと考えております。現状は、民間の企業がそれぞれ自然発生的に各コンテンツの訴求力のあるものをピックアップし、観光客に対してアピールを行っている場面を多く目にします。国内のみならず、海外作品の撮影なども行われている中、ブームに対してのアンテナを高くし、それを観光と結びつけるため、行政側からも積極的に発信を行っていくべきと考えますが、御所見はいかがでしょうか。次に、本市地場産品のブランド力推進化についてお伺いいたします。本市には、札幌市などと比較しても長い歴史があり、明治時代からさまざまな産業が発展してきました。ガラス製品は言うに及ばず、水産加工品や繊維紡績、製缶、酒造業、ゴム製品など、多くのものづくりが行われてきました。それらは小樽で暮らす我々にとって身近で欠かせないものであり、市外に向けては、より販路の拡大を行わなくてはなりません。私も、今年度、決算特別委員会の中で指摘させていただいたところではございますが、食の分野に関しては、平成 24 年度からブランド力推進事業として価値を高める動きをされてきましたが、その他の工業製品などに関しては対象の範囲内ではなく、まだまだ行政側のサポートも十分であるとは言えないかと思います。小樽市第6次総合計画の中には、異業種などの連携による技術や情報の活用を図り、地場製品のブランド化と国内外への販路拡大に努めます。また、積極的に企業誘致を進めるとともに、企業間の連携を図り、地域経済への波及効果を高めますとありますが、小樽製品のブランド化を図るため、現状では、具体的にどのような取組を行っておいででしょうか。札幌市においては、札幌スタイルという事業が行われております。札幌市のホームページには、この事業の説明として、「札幌のまちのブランド力を活かし、さまざまな企業や人材が連携してビジネスを生み出していく、ネットワーク型の産業を育てます」と明記されています。まさに本市総合計画のモデルケースとも言うべき形かと思います。「質の高い生活を実現するために優れたものを探し出しつくり出し、デザイン・開発から生産、流通、そして生活形成へとつながります」とも書かれております。具体的には、プロダクトデザインに対しての審査機構をつくり、商品を公募し、すぐれたプロダクトに対して認証を行うものであり、その冠をもって首都圏バイヤーとのマッチングや市外への販路拡大の手助けを行うことや、市内でも量販店などで販売ブースを設けてもらい、市民も気軽に手にすることができ、人気を博している商品もたくさんできています。また、これに対応するため、札幌市では、庁内に札幌市経済局国際経済戦略室コンテンツ産業担当課というものを設けています。本市においても、すばらしいものづくりを行っている事業者の方がたくさんいらっしゃいます。また、市内だけでなく、後志管内という目で見ると、さらに多くのすぐれたものがあると認識しております。後志のほかの町村とも連携し新たな事業を創設していくことは、地方創生の観点からも重要であると考えますが、市長の御見解をお伺いできますでしょうか。新しい地場産業をつくり出すことは税収の増加にもつながるため、商品だけでなく、ひいてはまちとしてのブランド力の向上につながるものであります。他都市の事例としては、デザイナーを招聘したことで一気に有名になった今治タオルの愛媛県今治市、歴史がありながらも有田焼の陰に隠れていたところから、現代的な目線でのブランディングにより雑誌やネットで広まった波佐見焼の長崎県波佐見町など、まちおこしの重要なコンテンツとなっています。森井市長も、市内企業の視察を行うもりもり会社訪問を実施しておいでですが、市内企業を見学する際には地域産業にイノベーションを起こすという目線も持っていただきたいと思いますが、この取組の目的と活用について御所見をお伺いいたします。さらに、新たにブランド化した地場産品を、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄附条例、いわゆるふるさと納税などへの寄附の返礼品に取り入れていただくことで緊縮している財政状況に貢献できると考えておりますが、返礼品の選定の進捗と今後の展望をお示しください。また、寄附額、件数に関して、今後どのような目標をお持ちなのか、現状との対比を含めてお示しください。この項目の最後に、中小企業振興基本条例に関して質問いたします。中小企業振興基本条例とは、地方自治体が、その地域の中小企業を重視し、その振興を図るためのかかわり方を明文化するものであり、いわゆる理念条例の一つでもあります。市内のほとんどが中小企業である地方都市において、行政との連携は欠くべからざるものであります。本来、中小企業支援と産業振興とは異なるものではありますが、密接に両者を関連させることによる地域活性化を図ることが、この条例の目的の一つです。実際、道内では、札幌市、函館市、旭川市をはじめとし、18 の自治体がこの条例を制定しています。森井市長もトップセールスによる企業誘致を行うなど、税収の増加や雇用の受皿をつくることに対し積極的に活動されていることとは思いますし、今の小樽市にとって必要な動きであることも理解するところです。同時に、現状、衰退、疲弊している地域経済を内発的に活性化させることは喫緊の課題であるとも捉えております。少子高齢化の著しい本市としては、10 年、20 年先を見据えた産業振興を図らなくてはならず、産業の空洞化による財政破綻を防ぎ、地域内の経済循環を促進するためにも、この条例の制定を望むところです。市長におかれましては、小樽市として、中小企業振興基本条例の制定につきまして前向きに考えておいでか、見解をお伺いいたします。次に、この条例を制定した場合の効果と役割ですが、理念条例でありますから、公としての宣言、つまりどのような姿勢であるのかを示すことにより、行政及び企業側が継続的に同じベクトルを共有できるという点、さらに市民参加型の推進体制を築くことで若手の教育、次世代育成を図ることができるなど、未来に向けての取組を明確にする働きを持ち得ると考えられます。本市においては、産業分野での次世代育成にはどのような理念を持っておいででしょうか。若年層の流出が著しい今、行政としても積極的にかかわっていかなければならないと考えますが、御所見をお示しください。以上で、観光、地場産品のブランド化推進、中小企業振興に係る第1項目めの質問を終わります。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
髙橋龍議員の御質問にお答えいたします。ただいま、産業振興について御質問がありました。初めに、観光事業についてですが、まず観光プロモーションの進め方と今後の展望につきましては、国際観光は、現在、主に東南アジアで新たに新千歳空港と直行便が就航した国をターゲットとして、タイで行ったように現地プロモーション、関係者の招請事業、雑誌やSNSによる情報発信を三本柱に、集中的なキャンペーンを進めているほか、中国や台湾、香港など、実績のある国に対する情報発信も並行して行っております。国内観光は、観光協会等と協力して道内外キャンペーンや教育旅行誘致等の取組を進めているところです。今後につきましては、国際観光では、特に観光客増が期待されるマレーシア、インドネシア、ベトナムを中心に、国内は、北海道新幹線開業による誘客が見込まれる東北や関東を中心に、また道内は、さらに多くの安定した日帰り客が想定できる札幌圏でのキャンペーンやタウン誌等による情報発信など、常に最新の状況を把握しながら、効果的なプロモーションを行ってまいりたいと考えております。次に、観光入込客数の伸びる余地と増員目標、それに向けた観光プロモーションの計画につきましては、本市の観光入込客数は、現状では、円安やビザ発給条件の緩和、免税品目の拡大等により外国人観光客を中心に増えており、今後も増加していくものと考えております。入込客数については、重要な指標であり、小樽市総合戦略においても、平成 31 年度の目標値として782 万人を見込んでおりますが、あくまでも客数だけで十分と判断するのではなく、本市経済への波及効果を高めることが最も重要であると考えているところであります。これからの観光客の伸びが見込めるターゲット層としては、外国人客はアジアからのFIT客を、国内客は道内外を問わずリピーターをさらに増やしていくことが大切であり、それぞれのニーズに見合った情報発信に努めてまいりたいと考えております。次に、観光客受入れに関する課題とニーズを探る手法、課題解決のための取組につきましては、まず観光客受入れの課題としては、繁忙期における宿泊施設の不足や夜の魅力不足などによる滞在時間の短さ、外国人観光客に対する多言語案内等の不足などが挙げられます。観光客のニーズを探るための手法としては、5年ごとに観光客動態調査を行っているほか、新たに観光客の動線調査や外国人観光客の動向調査を行ってまいります。課題解決に向けた具体的な取組としては、夜間営業している飲食店等をお知らせするための小樽ナイトマップを刷新するほか、外国語マップについては、これまで英語、中国語の繁体字、簡体字、韓国語に加えタイ語版を作成するなど、受入れ態勢の強化を進めてまいりたいと考えております。次に、総合戦略の都市景観と自然環境の保全を踏まえ、今後どのように小樽市の観光資源を生かしていくのかにつきましては、まず短期的なものとしては、外国人観光客を含めた観光客の動向・動線調査を行うほか、来年第 50 回の節目を迎えるおたる潮まつり、小樽雪あかりの路や小樽ゆき物語をはじめとする都市景観や地域資源を活用したイベントを引き続き支援していくとともに、国内外の観光関係者に小樽の自然や景観の情報をメールマガジンで配信していくなど、さまざまな機会を通じて小樽の魅力ある観光資源の周知に取り組んでまいりたいと考えております。中・長期的なものといたしましては、北運河と旧国鉄手宮線、天狗山、祝津、朝里川温泉のほか、恵まれた海岸線など、本市特有の地域資源、歴史と文化を有効に活用した観光振興に努めてまいりたいと考えております。次に、映画やテレビのロケ地と観光を結びつけるための情報発信につきましては、映画「Love Letter」により韓国などから多くの観光客が来樽された例でもわかるように、映画などによる観光客誘致効果は大変大きいものと考えております。今後においても、これまで小樽フィルムコミッションが行ってきたそれぞれの作品に適したロケ地の紹介や地先関係者との交渉等、撮影に関するサポートを積極的に進めるとともに、映像関係者への発信を行ってまいります。また、市内ロケ地と観光を結びつけるために、インターネット等により情報発信を行うほか、観光協会の国際インフォメーションセンターの通訳職員や観光ガイドを務めるおたる案内人等に対してロケ地情報等を提供し、観光客への周知に務めてまいりたいと考えております。次に、地場産品のブランド力推進についてですが、まず小樽産品のブランド化を図る取組につきましては、地域振興に寄与するような新技術開発に対する助成や北海道ビジネス交流会など、製品PRのための展示会への出展補助の取組を行っております。また、スーパーマーケット・トレードショーへの出展に際し、デザイン等の改善など、商品の洗練化について専門家の効果的なアドバイスが受けられるよう、個別商品磨き上げ相談会への参加を市としても積極的に後押ししております。このほか、物産協会と連携した商品開発へのアドバイスや水産加工品グランプリの開催による小樽産品のブランド力強化を図っているところであります。次に、地域ブランド札幌スタイルのスキーム取り入れにつきましては、本市におきましては、小樽ブランド普及事業として、企業が製造した商品や開発した技術において、コンクール等で受賞した商品などをお墨つきの小樽ブランドとしてホームページ等で紹介しているところであります。御提言のありました札幌スタイルにつきましては、地域ブランド構築の一つの事例として評価できるものであることから、後志管内の町村との連携を視野に入れて研究してまいりたいと考えております。次に、もりもり会社訪問につきましては、この事業の目的としましては、私自身が小規模企業を中心に市内企業を訪問し、経営状況や業界の動きなどを伺ったり、実際の操業状況を見学することで、本市産業の現状把握の一助としているものであります。また、活用としましては、訪問時の様子を市のホームページに掲載し、広く情報発信することにより、企業の持つ技術力や製品の魅力をお伝えするとともに、本市産業のPRにもつながるものと考えております。次に、ふるさと納税への返礼品選定の進捗と今後の展望につきましては、市内の企業が製造した水産加工品や酒類などの商品を軸に、複数の商品の中から寄附者が希望する品物をお選びいただけるような仕組みを検討しているところであります。また、今後の展望につきましては、市が返礼品を買い上げることにより市内経済への波及効果を高め、地域の産業振興を図っていくとともに、多くの方に本市のすばらしい地場産品を伝えることによって小樽のブランド力と魅力の向上に努めてまいりたいと考えております。次に、寄附額や件数に関して、現状と対比した今後の目標につきましては、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり資金基金に対する個人からの寄附実績といたしましては、平成 26 年度で、224 件、686万 9,181 円となっております。ふるさと納税制度は、寄附者の善意によりふるさとを応援するという本来の趣旨を踏まえ、具体的な目標の設定は考えておりませんが、より多くの方に本市のまちづくりに対する御賛同をいただき、現状の寄附実績を上回るよう努めてまいりたいと考えております。次に、中小企業振興基本条例についてですが、まず、条例制定を前向きに考えているかにつきましては、先ほど髙橋龍議員がおっしゃっておりましたように、同条例は中小企業にかかわる基本姿勢を示す理念条例であり、企業支援の意義などを明文化した重要なものと認識しております。市といたしましても、条例制定に向け、北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部などと連携しながら検討を進めているところであります。次に、産業分野における次世代育成の理念につきましては、大変重要な課題であると認識しておりますので、中小企業振興基本条例にも盛り込むことを検討するとともに、現在、市が行っている市内企業の経営基盤強化や市内企業の求人と若年層とのマッチングを図る施策を進めていくとともに、人材育成の施策についてもさらなる充実を図っていきたいと考えております。