小樽市議会 平成27年第1回定例会 2015年3月3日
財政問題
2015年3月3日、小樽市議会の一般質問で、安斎哲也議員が「財政問題」について質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 安斎哲也 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 安斎哲也
財政問題についてです。まず、新年度予算編成について質問します。中松市長は、4年前の公約の中で、「小樽市の真の財政再建を成し遂げます」とし、効率的で安定した行財政運営の確立を目指してこられました。おっしゃるとおり人口が減少し、地域経済が低迷する中で、大きな税収の伸びは期待できません。新年度予算では、税制改正による法人市民税の法人割の税率引下げ、固定資産の評価替えによる固定資産税の減収などを見込んで、市税収入は前年度比較で1.7パーセント、2億2,700万円減の129億2,220万円が計上されました。小樽市は、経常一般財源の半分以上を普通交付税に依存し、平成25年度決算時、財政力指数が道内主要都市で一番低く、経常収支比率は一番高く、政策的な事業に使える財源が少ない、非常に硬直した財政構造となっています。こうした中、新年度予算では、骨格予算ではあっても、放課後児童クラブの拡大や教育支援活動など教育予算の拡充を行ったり、地域包括支援センターの拡大、さらに地域から強い要望のあった既存街路防犯灯LED化推進事業費を盛り込むなど、限りある財源の中での対応は評価できるものです。しかし、骨格予算ではあっても予算編成に財源不足が生じ、平成26年度同様に財政調整基金を取り崩しての収支均衡で、依然として自転車操業で厳しい財政状況には変わりないという認識でおります。ここで伺いますが、今回の予算編成において財源不足が生じた要因は何か、お聞かせください。また、予算規模約550億5,000万円のうち58.4パーセントの約321億7,000万円が義務的経費となっています。義務的経費においては、扶助費や公債費が減少していますが、その主な内訳をお示しください。骨格予算であっても、新規事業とともに事業の拡大が盛り込まれています。細かな施策については予算特別委員会で議論をしたいと思いますが、新規事業、事業拡大についての市長の考え方についてお聞かせください。提案説明の中で、重要課題である財政健全化について、平成24年度から他会計からの新たな借入れを行わずに予算編成を行ったことを挙げておられましたが、これは中松市長の真の財政再建に向けた強い決意の下で行われたと思います。しかし、平成26年度末で約42億円の多額の借入残高があり、真の財政再建に向けて引き続き健全化の取組を進める必要があるとも明言されていました。私も同感するところでございます。一方、次期政策の中では、財政再建についての件が触れられていません。これについては、4年前と比較し改善されたことやこのままの市政運営が続けば他会計からの借入残高は減り、市債残高も新たな市債が必要となる事業がない限り減少していくという考え方から、真の財政再建を次期政策に盛り込まなかったのでしょうか。小樽市の今後の財政の動向と市長の考え方をあわせてお聞かせください。生活困窮者自立支援事業費について伺います。生活困窮者自立支援制度は、平成27年度から施行される生活困窮者自立支援法に基づいた事業で、生活保護に頼らず、働いて自立できるよう生活困窮者を支援する制度となっています。自立相談支援事業にかかわる国庫負担、任意事業にかかわる国庫補助があり、現在、生活保護を受給していないが生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者を対象に事業が行われます。小樽市においては、平成26年度にモデル事業として自立相談を行い、新年度で国庫負担である必須の住居確保給付金支給事業、自立相談支援事業、任意事業の就労準備支援事業の3事業に2,213万5,000円の予算をつけて取り組むことにしています。この制度は、国が課題としている最後のセーフティーネットである生活保護の受給者の増加に対し、その手前の生活困窮者を支援し、自立を促すためのものです。小樽市においては、昨年12月現在、生活保護受給が3,833世帯で、北海道内で4番目に高い保護率で、生活保護を含める扶助費はここ二、三年は微増ですが、過去数年上がっている経緯があります。まず伺いますが、小樽市における生活保護の受給者数の過去5年間の推移をお聞かせください。先ほど、財政問題の質問の中で硬直している点について触れましたが、新年度の一般会計の歳出のうち約6割の義務的経費の中で、半分以上が扶助費であり、特に生活保護費の占める割合が大きくなっています。その生活保護を含めた扶助費が、財政の硬直化を生じさせている原因の一つだと思いますが、見解をお示しください。生活保護は現在25パーセントを地元負担しなければいけないので、小樽市では約90億円、その財政負担がどんどん大きくなっています。そもそも国できちんと財政措置をしてもらえないのかということもありますが、これはさまざまな機会で要望されていると思います。生活保護の問題では、不正受給をはじめとする医療費の問題もあります。そこで、この生活困窮者自立支援事業につながるわけですが、まず、3事業それぞれの事業内容をお示しください。就労支援事業、就労準備支援事業については、プロポーザル方式により、受託法人選定委員会による書類審査とヒアリング審査に基づく採点を行い、この結果に基づいて市長が最終決定したとのことです。これにより受託業者は、高齢者、子供、障害者、まちづくりにかかわるさまざまな地域密着事業を行う特定非営利活動法人ワーカーズコープが選定されました。同NPOによる就労準備支援事業で今後どのような生活習慣形成指導・訓練、社会的能力や就職活動に向けた技法・知識の習得などの支援が行われるのか、期待しているところです。この生活保護制度は大変重要で、本当に困った方々への最後のセーフティーネットとして必要だと思いますが、その一歩手前で支援する、それが一番大事だと思っています。事業実施への市長の見解と今後の方針をお示しください。また、市としては、今回、国庫負担である必須2事業、任意1事業の計3事業のみ実施することとしていますが、私は任意事業である生活困窮者世帯の子供の学習を支援する子どもの学習支援事業をなぜ加えなかったのか、疑問であります。なぜでしょうか。以前も議会で例に出し質問をいたしましたが、生活保護と基礎学力の関係です。基礎学力がないことで、消費税の計算や預金利息の算出ができない、マニュアルが理解できないなどの問題が実際にあること、新規高卒者の離職率が高い傾向にあり、高校中退など、将来的な問題があります。この状況の中、2007年就業構造基本調査に基づくデータで、生活保護世帯の母親の中卒率が34パーセント、その父親の42.3パーセントが中卒、その母親の51.9パーセントが中卒、保護母子世帯の母親の14.6パーセントが保護世帯で育っているなどという数字があります。地域の発展は労働力に直結していると言われますが、将来就業する子供たちがしっかりと基礎学力を身につけなければ、雇用先という受皿があったとしても企業が求める労働力につながらず、まちの経済の衰退につながります。市長は、次期政策の中で、人口減対策を基軸として、教育環境の整備と学力・教育力向上を掲げています。生活保護世帯の子供が生活保護受給者になってしまう連鎖があるということを重く受け止め、生活困窮者世帯の子供への学習支援はぜひとも盛り込んでいただきたいと考えているところですが、市長のお考えをお聞かせください。地方創生先行型事業についてです。財政問題の最後に、平成26年度補正予算について質問します。平成27年度予算は、義務的経費や継続的な事務事業などを中心とした骨格予算としての編成となっていますが、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援のための交付金に対応し、地方創生先行型として40事業、1億8,833万円が26年度補正予算に計上されています。国の方針により緊急的に事業を選別しなければならない中、交流人口の拡大として、観光案内所運営費交付金や外国語通訳配置支援事業費補助金、移動式Wi-Fi環境整備事業費などの観光事業に5,965万円、若者などへの地元就労支援として、女性・若年者の地元定着を目指した人材育成事業費などに2,855万円、子育て支援と教育の充実として、移動式赤ちゃんの駅事業費やデジタル機器整備事業費などが計上されるなど、新規施策が盛り込まれていることは評価をいたします。特に、地域活性化策として、子育てと女性の人材育成、教育の充実にも配慮している部分は評価をしているところです。ただ一方、新規事業以外の施策では、前年度と同様の予算規模や事業内容にとどまるものもあり、物足りなさもあります。まず、今回の平成26年度補正の中の地方創生先行型事業に対し、どのような理念の下、これらの事業を計上されたのか、お考えをお聞かせください。また、新規事業以外で前年度同様の予算規模、事業内容にとどまった要因もお聞かせください。また、新規事業、事業拡大を除いた事業を地方創生先行型事業として補正に盛り込まなかった場合、予算編成において歳出がさらに膨らみ、財政調整基金をさらに取り崩さなければならなかったのかと危惧するところですが、見解をお聞かせください。2項目めの質問を終えます。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、財政問題について御質問がありました。初めに、新年度予算編成についてですが、まず、予算編成で財源不足が生じた理由につきましては、国は、平成27年度の地方財政計画において、地方税を対前年度比7.1パーセントの増加と見込み、臨時財政対策債を約1兆円の大幅な減としております。本市では、地方消費税交付金の増加が見込まれるものの、市税は国が示しているような税収の増加を期待することができず、平成26年度当初予算と比べて約2億3,000万円の減、臨時財政対策債は約2億8,000万円の減となったことが主な要因と考えております。次に、扶助費と公債費の減少の主な内訳につきましては、扶助費では、国の子ども・子育て支援新制度に伴う予算の増加が見込まれるものの、生活保護費の扶助費で約2億6,000万円、臨時福祉給付金給付事業費で約2億3,000万円減少しているほか、公債費では平成6年度、11年度に借入れした市債の完済などにより、元金で約7億円、利子で約9,000万円減少しております。次に、骨格予算における事業の新規、拡大の考え方につきましては、平成27年度は改選期であることから、骨格予算として編成しておりますが、当初予算に計上しなければ事務執行に支障を来す事業や国・道の補助事業等で事業の継続性の面から当初予算に計上が必要な事業につきましては、行政の継続性を踏まえて当初予算での計上としております。また、多くの市民の皆さんから要望が寄せられていた街路防犯灯のLED化助成につきましては、町会等の電気代の負担軽減を図るため、早期の取組が効果的であると判断し、当初予算に計上させていただいたところです。次に、今後の財政の動向と財政運営に臨む姿勢につきましては、私が市長に立起した当時は、平成22年度も累積赤字を抱える見込みで財政調整基金残高もなく、本市財政は危機的な状況にありましたので、財政再建を最優先課題として取り組んできたところであります。引き続き本市の財政構造は、歳入では市税などの自主財源に乏しく、歳出では扶助費などの義務的経費の占める割合が高いといった硬直した状況が続いており、限られた財源の中で市政を運営していくためには、財政の健全化を確保し、改善に努めていかなければならないという基本的な姿勢に変わりはありません。次に、生活困窮者自立支援事業費についてですが、まず、本市における生活保護受給者数の過去5年間の推移につきましては、年度平均でお答えしますと、平成21年度は5,389人、22年度は5,390人、23年度は5,453人、24年度は5,465人、25年度は5,375人となっております。次に、扶助費についての見解につきましては、義務的経費の中でも扶助費は、社会保障費の増大に伴い、年々増加傾向にあるほか、今後も社会保障制度改革に伴う負担の増加が懸念されており、財政の硬直化の大きな要因になっていると認識しております。次に、本市が実施する3事業の事業内容につきましては、住居確保給付金支給事業は、離職等で住宅を失った又は失うおそれがある生活困窮者で一定の条件に該当する方に対して、原則3か月、最長9か月間、家賃相当額を支給するものです。自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談を受け、抱えている問題を分析した上で、解決に向けたプランを作成し、それに基づいて関係機関とも連携しながら継続的、包括的に支援を行うものです。就労準備支援事業は、すぐに就労が難しい方に対して、日常生活自立や社会生活自立の支援を行い、就労体験などを経て一般就労に結びつけていくものであります。次に、事業実施への見解につきましては、生活困窮者自立支援事業を実施することにより、生活困窮状態を抜け出せる方が少しでも増えるのであれば、本人にとっても本市にとっても大変喜ばしいことであり、事業の実施は非常に有意義なものであると考えております。また、今後につきましては、事業実施後の状況を見ながら、必要があれば他の任意事業についても取り組みたいと考えております。次に、子どもの学習支援事業を加えなかった理由と事業に盛り込む考え方につきましては、平成27年度の事業を決定する際に、経済的な自立に直接結びつく事業を優先に考えて、まずは就労準備支援事業を実施することとしたために加えなかったもので、子どもの学習支援事業についての必要性も十分理解しておりますので、本年4月以降の相談状況なども見ながら、今後、事業の実施について検討してまいりたいと考えております。次に、地方創生先行型事業についてですが、まず、計上した事業の考え方につきましては、この交付金は、人口減少の克服と地方創生を目指すまち・ひと・しごと創生法により努力義務とされた地方版総合戦略の策定と、これに関する施策を先行的に支援するものでありますので、現時点での人口対策の検討に向けたポイントとして取りまとめた「産業振興による働く場の創出・拡大」「子育て支援と教育の充実」「生活環境の整備」を柱に事業を検討し、計上したものであります。また、継続した取組であっても、地場産品の販路開拓や観光振興など、今後の地方創生に向けての取組を進めていく上で必要となる事業を計上したものであります。次に、既存事業を地方創生先行型事業として盛り込まなかった場合の財源対策につきましては、平成27年度予算編成は、財政調整基金の取崩しによる財源対策で収支均衡予算としておりますので、国の新交付金を活用しない場合はさらなる財政調整基金の取崩しが必要となるものです。しかし、これらの事業の中には、これまで地域経済活性化等推進資金基金などの基金を財源として取り組んできた事業もありますので、その全額が財源不足になるとは考えておりません。