小樽市議会 平成25年第4回定例会 2013年12月10日
空き家対策について
2013年12月10日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「空き家対策について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 松田優子 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 松田優子
3項目め、空き家対策について伺います。空き家等の適正管理に関する条例化の促進につきましては、私は機会あるごとに述べさせていただいてまいりました。なぜ空き家等の適正管理に関する条例が必要かといえば、近隣からの苦情があったとしても、今までは所有者に対し行政指導しかできなかったものが、法的根拠に基づいた措置ができるようになるからです。先月行われた小樽市と町会長との定例連絡会議では、複数の町会長より空き家の現状について報告、要望が出され、それに対し市は、現在、条例制定に向けた検討を進めていると説明しました。かつて市に対し、空き家に関連した苦情の中で、市で何とか対処してほしいなどの要望が寄せられたことはあったでしょうか。あったとしたら、その内容をお聞かせください。先般、私が所属している建設常任委員会では、空き家等の適正管理の条例制定市の中で最初に行政代執行まで踏み込んだ内容の条例を制定した秋田県大仙市に行政視察に行ってまいりましたので、そのことも踏まえ、条例制定に向けた市の考えをお聞きいたします。大仙市は豪雪地域で、平成 18 年、22 年の豪雪に際し、市民の安全・安心を守るため、危険な状態にある空き家の対策に本腰を入れざるを得ない状況になったことが条例策定のきっかけでしたが、条例化促進への重要な働きをしたのが自治会長や町内会長でした。市内全域の自治会長や町内会長にアンケートを实施し、地域における空き家の实態や管理について意見を求めたところ、危険な空き家に対しては市が積極的に解体してほしいとの意見が非常に多く、通常はこのような条例を策定するときはパブリックコメントを实施して、市民から意見を広く聞くという手法をとりますが、自治会長は地域のリーダーなのでリーダーの意見を集約させるという考え方で、パブリックコメント的な要素を引き当てたという説明を受けました。そこで、伺います。今後、小樽市でも大仙市と同様、空き家に特化したアンケートを实施するお考えはないか、お聞きいたします。アンケート調査後、大仙市では臨時職員 10 人を雇用し、空き家の場所を確認しては1戸1戸の状態を把握した实態調査票を作成し、その上で、空き家の危険度判定調査を行い、建物の危険度に忚じて危険度大、危険度小、危険度なしの色分けをした空き家マップを作成し、それを各自治会長に配付し、空き家の情報を共有したとのことです。条例に行政代執行を盛り込んでも、なかなか实行しない自治体がある中、今まで3件实施したのも、危険度が代執行の判定基準であり、住民の安全を守るという防災という観点からだったと聞いています。ですから、空き家の担当も防災担当で行っているということでした。このような取組についてどうお考えか、御見解をお聞かせください。また、解体したい意思があっても費用が捻出できず苦慮している方には、撤去費用を助成する制度も条例に盛り込み、これにより解体できた事例が 21 件もあるとのことです。個人財産に税金を使用することに批判もありますが、国土交通省の社会資本整備総合交付金で2分の1の補助を受けて対忚しており、市の負担も軽減されています。小樽でも条例化した場合、このような助成制度はできないのか、この点についてもお考えをお聞かせください。国土交通省による都道府県への聞き取り調査によれば、10 月1日時点で空き家条例が制定、施行済みの自治体は 270 以上あります。本年第2回定例会の一般質問での御答弁で、市長は、条例を制定するとした場合の必要な規定として、適正管理義務の規定のほか、職員の立入調査、所有者への助言・指導・勧告、勧告に忚じない場合の命令、命令に従わない場合の氏名等の公表、罰則は、危険な空き家に対する手続、手順として必要なものとして考えているとの認識を述べられておりましたが、まずは市としてできることから始めるべきではないでしょうか。昨年の大雪により倒壊した建物が4軒あり、現在、倒壊の危険性がある空き家は 38 軒あると聞いております。他の自治体は国の動向を探って制定するのではなく、市民の安全・安心を図るために既に条例を制定しております。後からできる条例ほど精度が高いのは当然です。元北海道職員で、現在、北海学園大学法学部の秦教授も、条例は1回つくれば終わりではないですから、いくらでも改正すればいいわけで、不備があればどんどんつけていくことが必要なのではないかと思いますと述べています。行政代執行については、撤去した費用を回収できない可能性や行政任せにされる懸念などの課題があるといいますが、条例を制定している自治体の約半数が行政代執行まで条例に盛り込んでおり、道内では来春施行の函館市を含め、12 市町に達したと聞いています。また、所有者を割り出す方法として、札幌市では、第三者機関の情報公開・個人情報保護審議会に諮問し、固定資産税の納税者情報から割り出すことを全国に先駆けて導入したといいます。このように、どこの自治体も、それぞれ一つ一つ課題を克服しながら取り組んでいます。その上、条例制定による市民へのアナウンス効果により、所有者が自为的な解体を行う成果も期待できます。大仙市では、条例制定後の波及効果として、自为的な除却が 71 件あったといいます。財政的な問題もあるかもしれませんが、それでは市民の安全を保つことはできません。一日も早く条例を制定していただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。危険な空き家は解体、除却し、空き家をなくすことが空き家対策の根幹ですが、単に使っていない空き家を有効活用することも大事です。その一例が空き家バンク制度ですが、神奈川県横須賀市では、空き家をリフォームして大学生に貸し出すモデル事業が行われていると伺いました。家賃1万円で賃貸し、そのかわり大学生は格安で住む条件として、高齢者の資源ごみの回収の手伝いや地域の清掃など軽作業のボランティア活動を行っているそうです。また、長崎市では、傾斜地に建つ空き家を寄附することを条件に、市が全額負担して撤去し、跡地は公園や駐輪場にしているといいます。このように先進的な取組を始めた自治体も数多くあります。小樽市としても有効利用等についてお考えがあればお聞かせください。とにかく、時間がたてばたつほど空き家が増加するのは目に見えており、所有者の特定も困難になります。一日も早い空き家条例の策定を要望いたします。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、空き家対策について御質問がありました。初めに、空き家に関連する苦情の内容についてですが、これまでに寄せられたものとしましては「自然倒壊の危険がある」「台風や強風時に建築材が飛散して危険である」「ごみが不法投棄されている」「不審者や非行尐年のたまり場などになっている」「建物の屋根から落雪し、道路をふさいだ」などの苦情がありました。次に、条例制定に向けた市の考え方についてですが、まず町会長などへの空き家に関するアンケートの实施につきましては、危険な空き家についての情報は、関係部署が日々の業務の中で行っているパトロールや、市民からの相談や通報などにより把握しておりますが、それぞれの地域における空き家に関する情報や空き家対策についての意見の把握については、今後どのような方法がよいのか検討してまいりたいと考えております。次に、防災の観点からの空き家対策への取組につきましては、空き家に関する対策は、雪害などからの防災の観点のみならず、周辺住民の生命、身体、財産のほか、衛生環境の保全や防犯、不審火などによる火災予防など、市民の安全・安心な生活環境の保全のため、さまざまな観点からの取組が必要であると考えております。次に、空き家の撤去費用への助成制度につきましては、空き家であっても個人所有の財産であることや、公平性の観点から、その撤去に当たっては基本的には所有者みずからの責任において対忚すべきものと考えております。しかしながら、所有者にとっては撤去費用の捻出が大きな課題であると考えられることから、解決手段の一つとして引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。次に、空き家対策に係る条例の制定につきましては、空き家の所有者に適正な管理を促し、市民の安全・安心を確保するための一つの有効な方策であると考えておりますが、体制整備や、自为的な解体に対する助成制度を設けた場合の財源確保などの課題を解決しながら、引き続き条例の制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。次に、空き家の有効活用についてですが、本市における定住の促進を図るため、移住促進施策とも関連させながら、空き家・空き地バンク制度を利用した有効活用を進めるほか、他都市の事例なども参考にしてまいりたいと考えております。