小樽市議会 平成23年第4回定例会 2011年12月7日
(1)国勢調査の結果を受けて/(2)デマンドバスの対策について/(3)NPO法の改正に伴う条例改正と新たな公共の実現について
2011年12月7日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「国勢調査の結果を受けて」「デマンドバスの対策について」「NPO法の改正に伴う条例改正と新たな公共の実現について」について質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
一般質問を行います。まず、国勢調査の結果を受けて質問いたしたいと思います。総務省が 2010 年に実施した国勢調査の結果が、このたび発表されました。その結果は、小樽市は5年前の調査より1万 233 人減少し、人口は 13 万 1,928 人となり、減少率は 7.2 パーセントで、減少数は全国で7番目に、道内でも函館に次いで2番目になる急速な人口減少が進んでいることが明らかになりました。その内訳は、死亡数が出生数を上回る自然減が 5,000 人弱で、転出者が転入者より多い社会減が 5,000人強とされ、65 歳以上の高齢化率は 31.5 パーセントで、全国の平均値の 23 パーセント、全道の 24.7パーセントの平均値をも大きく上回る結果となっています。この結果は、これまで小樽市が将来推計としている数字をも上回る早いペースで人口減少が進んでおり、大変衝撃的な内容でありますが、市長は、この調査結果をどのように受け止め、またどのような対策をお考えなのか、お示しください。私も、この調査結果はある程度予測されていたものの、これほどの早いペースで人口減少が進んでいることには大変衝撃を受けました。しかし、冷静にこの調査結果を受け止めますと、日本社会全体が直面する近未来の姿であります。少子高齢化が進む小樽市だからこそ、全国に先駆けて先進的な対策を示し、断固とした人口減少に歯止めをかける決意を示す必要があるときだと考えます。まず、社会減の対策としては、何といっても若者が小樽市に定着できる雇用の場をつくることです。これまでも、この課題は多く場で議論をされてきましたが、現状の市場経済の流れに任せるだけでは雇用の場を確保することは極めて困難であります。したがって、若者の雇用の場は、小樽市があらゆる施策を通じてつくる必要があると考えます。さまざまな知恵を出し合えば、必ず結果は出せると考えます。次に、住環境の整備としては、これもいろいろな角度から議論がありましたが、小樽市内には多くの空き家があり、中にはわずかなリフォームで活用できる物件が数多くあるとのことであります。小樽市に定着してもらうためには、安く借りられる住宅の条件整備も急がれます。また、子育て支援については、小樽市はもともと恵まれた環境にあることから、もっとアピールを工夫すればまだまだ理解は深まるものと思います。自然減の対策としては、いかに出生率を高めるかは、社会減の対策の正否に大きくかかわるものだというふうに思いますが、市民全体が少子化の影響を受け止め、子育て世代に対する理解と協力を惜しまない風土をつくっていかなければと考えています。また、高齢者が生き生きと活動できる社会資本の整備も大切であります。そのことによって、社会保障費全般の削減と、小樽市の経済の活性化にも必ず貢献し、自然減の対策として効果が期待できると確信しています。人口減少は、今後、大都市でも確実に進行すると言われる中で、小樽市が対策を打ち出すことに無駄な努力だといった厳しい声もありますが、小樽市が衰退していくことを望む市民はだれ一人いないと思います。少子高齢化と過疎化に苦しみながらも、さまざまな対策を打ち出して人口減少に歯止めをかけた自治体の例もあります。今こそ市民力を結集し、知恵を出し合い、力を出し合って人口減少に歯止めをかける対策を打ち出し、小樽市再生の第一歩とすべきときだと考えますが、市長の決意を伺いたいと思います。次に、デマンドバスの対策について質問をいたします。私どもの会派は、小樽市経済の活性化や社会保障費の縮減、少子高齢化社会を踏まえた対策として、小樽市の特徴を生かした公共交通の必要性を検証するために、愛知県江南市の「いこまいCAR」の視察を行いました。この選定理由は、愛知県の公共交通は極めて恵まれている中で、江南市がタクシーを活用した「いこまいCAR」やデマンドバスの運行がなぜ求められたのか、また運行の実態と利用者の負担と江南市の負担について調査したいと考えたからであります。当日は、市長をはじめ副議長までも出迎えをいただき、大変親切丁寧な御説明をいただきました。心より感謝しております。愛知県江南市は、皆さん御承知のとおり、名鉄の鉄道やバス、JRなどの公共交通に大変に恵まれた環境にありましたが、近年、バス路線は赤字を理由に撤退が相次ぎ、最初は高齢者の通院の足を確保するために検討が始まり、平成 14 年1月5日から試験運行を始め、運行コースはバス路線と競合しない、主に市内の各公共施設間を結ぶ路線が設定され、その後も、15 年、試験運行の見直し、16 年 10 月の定期便の本格運行を開始するため、費用対効果や行政サービスの公平性の観点から幹線中心の定期便運行として現在に至っています。また、乗り合いタクシーを活用した予約便は、19 年 10 月1日から試験運行を始め、21 年 10 月1日から本格運行となっています。江南市の「いこまいCAR予約便」は、国からの半額補助が受けられる制度を利用し、利便性も高く、市民に大変に好評とのことでありました。一方では、市の負担が、年間 1,950 万円が翌年には 2,800 万円、またその翌年には 3,500 万円と増加し、最近は利用者が毎月 50 人ずつ増加しているとのことであります。また、乗り合いで利用すれば負担が軽減されるシステムでも、単独利用が多く、特に通院などでは規制が難しいという悩みもあるようであります。江南市は、財政的に豊かで、大きな企業も立地されており、小樽市の条件とは大きな差があったことも事実でありますが、昭和 29 年6月、人口4万 3,716 人で市制発足以来、人口は微増し、平成 15 年1月 28 日に 10 万人を達成し、現在も微増しているとのことであります。そうしたことから、社会資本の充実、とりわけ公共交通の役割は極めて大切であり、小樽市として専門に担当する部局の設置を急ぐべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。このシステムは、利便性はいいものの、通勤・通学には利用できず、自治体の負担が大きく、他の自治体の実施例を見ても規制が難しいといった課題もあると思います。以上の理由から、相乗りタクシーを小樽市に導入することは大変難しい課題が多いことも判明いたしましたが、最近多くの自治体で導入をされているオンデマンド交通システムは、利便性や効率性、費用対効果など、あらゆる比較に高い評価がされているものです。最近のNHKの朝の番組で放送された経緯もありますから見た方も多いと思いますが、三重県玉城町と東京大学新領域創成科学研究科の共同研究で実証実験が進められている玉城町を支えるオンデマンド交通システムは、少子高齢化が進む人口1万 5,223 人のまちで、まちの活性化と社会保障費全体を削減するための目標を明確にして導入され、高齢者がインターネットや携帯電話で「元気バス」の予約にチャレンジし、毎日出かけるのが楽しみになった、「元気バス」のおかげで毎日安心して出かけられるといったインタビューに答えている姿が大変に印象的でした。オンデマンド交通システムは、導入している自治体によって少しずつ運行方法などに違いはあるものの、あらかじめ利用登録した利用者が事前に乗車場所、時間、目的地を予約して、効率性を高め、無駄を省き、国の支援策などを活用して運行されているのが一般的に定着しているようであります。小樽市は、山坂が多く、坂の上まで住宅が建ち並び、大変特徴あるまち並みが有名でありますが、少子高齢化が進む小樽市にとっては、オンデマンド交通システムの導入こそ緊急に取り組むべき優先施策であると確信をいたしているところであります。これまでの議論では、市内全域に広い路線バス網を持つ中央バスの理解と協力が欠かせないことや収益性が低い事業への協力を求めることなどから、勉強会を通じて一歩前進していただきたいと要請してきたところでありますが、現状はどのようになっているのか、お答えをお願いしたいと思っています。次に、NPO法の改正に伴う条例改正と、新しい公共の実現について質問をいたします。大変時間が経過しておりますが、民主党政権が発足し、当時の鳩山総理は新しい公共という理念を打ち出し、NPO法を改正し、増加する一方の国や自治体への要望や業務を実現するためにはNPOによる新しい公共を担ってもらうことが望ましいとしたものの、当時の所管である内閣府は、認証審査が煩雑で時間がかかることや認証NPOの活動実態の把握が難しく、さまざまな問題が生じていたことなど、またNPO法制定以来、多くの団体が資金不足や人材不足に陥り、活動が困難になっていることなども踏まえて議論が行われてきたものと承知しております。新寄附税制とNPO法改正は、平成 23 年6月 15 日に成立し、24 年4月1日の施行となっています。主な改正点は、1、活動分野の追加としては、観光の振興を図る活動が追加され、2、所管庁は、内閣府から都道府県又は政令指定都市に改正され、3、NPO法人認証制度の柔軟化、簡素化、4、NPO法人会計基準の導入、5、NPO法人の信頼性向上のための措置、6、認証NPO法人制度をNPO法へ、7、認定NPO法人の認定機関の移管、8、3年間の仮認定制度の導入となっています。また、新寄附税制は、23 年6月 22 日に成立し、23 年7月1日の施行となっております。その内容は、1、所得税の税額控除制度の導入、2、認定NPO法人の認定要件の緩和、3、地域において活動するNPO法人などの支援、4、日本版認定寄附信託税制の創設などが主な改正内容と理解しているところでありますが、現在、小樽市内で活動しているNPO法人は幾つありますか。また、その活動内容は把握されていますか。新寄附税制は、既に7月1日から施行されていますが、個人住民税や所得税などにかかわる問題は、市民やNPO法人に周知されなければならない問題だと考えております。私たちも過日、地方議員の勉強会で新寄附税制とNPO法改正について意見交換をいたしましたが、全道の各自治体では一部で先進的な取組がなされているものの、多くの自治体はこれから取組を進めるといった動きのようであります。小樽市では、今後どのような取組を考えておられるのか、周知方法なども含めて考え方をお示しください。私は、このたびの新寄附税制とNPO法改正で、これまで問題とされている課題がすべて解決されるとは思いませんが、新しい公共という理念は、これからのNPO法人や自治体にとって大変大切な課題であると思います。小樽市にとりましても、市民の多様なニーズや要望にこたえることは、法的な観点や公平性の観点から不可能な部分もありますが、NPO法は、このすき間を埋めることができるのではないかと考えます。例えば一つの例として、最近、私道の除雪を小樽市にお願いしたいとの相談が相次いで寄せられるようになっております。その実態を調査すると、今までは住民の平均年齢も若く、隣同士が協力し合いながら道路も除雪してきたところでありますけれども、高齢者が多くなり、空き地も増えると除雪が追いつかず、トラブルが絶えなくなったなどの声が多くなっています。こうしたケースでは、小樽市内でも増加していると思いますが、小樽市としては町会などで貸出しダンプなどの活用を促すなどのアドバイスしかできないのが現状です。札幌市では、町会単位で排雪などを業者と契約することが進んでいると言われていますが、最近はトラブルが多く、課題も多いと聞きます。市民にとって冬期の除雪は最大の関心事でありますが、小樽市が担うことのできない市民の要望をNPOができれば、新しい公共の理念が生かされると考えますが、市長はどう思われますか。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。まず、国勢調査の結果についてでありますが、今回の結果は、全国で7番目、また道内でも2番目の減少数となり、中でも 20 歳代から 30 歳代前半にかけての減少が顕著となっております。この年代の減少は、出生数や税収の減少、消費の低迷など、さまざまな面で本市に与える影響が大きいことから深刻に受け止めております。また、対策としては、若者の市外流出を防ぎ、地元への定着を図らなければならないものと考えてはおりますが、有効求人倍率が低迷する中、まずは地域経済の活性化を図り、雇用の場の確保をすることが重要であると考えております。次に、人口減少対策に対する決意についてでありますが、私としては、特に若者の雇用の場を確保するため、地場産業への支援や企業の誘致などにより地域経済の活性化を図ることが最重要課題と考えております。また同時に、北しりべし定住自立圏を構成する町村との連携を図り、圏内の魅力をPRしながらさらなる移住促進に取り組むとともに、医療や住宅などの生活環境の整備や子育て支援の充実に努めるなど、人口対策には時間はかかりますが、これらの施策を着実に進めてまいりたいと考えております。次に、デマンドバスの対策について御質問がありました。まず、公共交通を専門に担当する部局の設置についてでありますが、人口の減少や少子高齢化による社会状況が変化する中で、将来バス事業者の経営状況が悪化し、サービスの著しい低下や地域の公共交通に空白地帯を生じるなど、交通環境の悪化が懸念されることから、専門に担当する部局の設置について、引き続き検討してまいりたいと考えております。次に、オンデマンド交通についての勉強会についてでありますが、現在、他都市の導入状況などの情報収集を行っているところでありますが、将来の交通対策に向けて、必要に応じバス事業者との意見交換を行ってまいりたいと考えております。次に、NPO法改正に関する御質問ですが、初めに、小樽市内におけるNPO法人の数とその活動内容についてですが、現在、小樽市に主たる事務所を設置し、活動している団体は、本年 10 月末現在において 23 団体となっております。また、その活動内容についてですが、北海道職人義塾大学校は、日本の伝統である職人技の振興、発展について、小樽・朝里のまちづくりの会は地域の文化、スポーツ、地域の自然保護について、おたる祝津たなげ会はニシン漁繁栄期の遺跡や文化の保存、水産業を中心とした産業活性化など、それぞれの法人が幅広い分野で活動を行っているものと認識しております。次に、NPO法人への新寄附税制についての今後の取組でありますが、これまで国税庁の認定を受けた、いわゆる認定NPO法人のみが寄附金税額控除の対象であったものが、市の条例で指定されたNPO法人であれば同様の税額控除を受けられることから、条例に指定するための基準づくりなどについて、北海道や他都市と歩調を合わせながら検討しているところであります。その内容が固まり次第、市税条例の改正案を市議会に提案する予定であり、また具体的な寄附控除の手続などについてホームページで周知するほか、市内で活動している各NPO法人に対しお知らせすることとしております。次に、新しい公共としてのNPO法人の役割についてですが、NPO法人は、地域社会の課題解決に向けて市民が連携し、自発的に社会貢献活動を行う非営利団体で、新しい公共を支える担い手の一つとして期待されております。このため、近年多様化する市民ニーズへの対応が求められる中にあって、NPO法人が、市民の皆さんが有する多くの知識やアイデアを活用したまちづくりを進めることは、私が公約で掲げる市民力を生かしたまちづくりにも重要な役割を果たすものと考えております。(「議長、16 番」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 林下孤芳
答弁をよく勉強させていただきまして、予算特別委員会で再度質問させていただきます。