小樽市議会 令和5年第1回定例会 2023年3月1日
(1)地産地消の再生可能エネルギーの取組について/(2)地域公共交通について
2023年3月1日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「地産地消の再生可能エネルギーの取組について」「地域公共交通について」について質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 林下孤芳
一般質問をいたします。私は、4期16年間、小樽市議会議員を務めさせていただき、この間、市長をはじめ説明員の皆さん、議長、副議長、各会派の議員の皆様にも大変お世話になり、心より感謝を申し上げ、議員として最後の質問をさせていただきます。まず、地産地消の再生可能エネルギーの取組についてであります。コロナ禍の3年数か月、私は時折スクラップや古本屋で買い求めた古本を読む機会を得ました。中でも東日本大震災が発生した直後に、世界的な経営コンサルティング会社が編集をした「日本の未来について話そう」というタイトルで、内外の著名人65名が日本再生への提言をまとめた10年前の古本を手にして、私は現在にも通じる多くの提言に感銘を受けました。私たちが今直面している喫緊の課題である人口減少や少子化対策に、小樽市の未来に向けて少しでも参考になればと思い、提言いたしたいと思います。2011年3月11日に発生した東日本大震災は、当時の推計で死者・行方不明者は3万人を超えて、損害額は25兆円、復興事業費は30兆円という計り知れない損害をもたらし、日本の食、電力、交通の安全・安心のブランドを失ったと指摘されています。福島第一原子力発電所事故に関しては、原子力村を中心とするこれまでの癒着と隠蔽体質、さらには透明性と説明責任の欠如が日本に対する信頼を失ったとし、多くの著名人が原発政策の見直しを指摘しています。そもそも日本は、地震が密集する国土、石油・原子力への高い依存度、急速な高齢化の進展、孤立する地方都市、膨張する累積債務といった脆弱性を抱えており、その現実を直視し、これからの日本の在り方を考えなければ、日本の未来はないということを痛感させられました。1966年に初めて原子力発電が輸入されてから、僅か45年間で原子力発電所の数は54基となり、世界第2位の原発大国になっていましたが、被爆国日本は国民の原子力に対するアレルギーが強く、経済産業省は原子力の平和利用と安全性、最も安い電力をアピールし、原子力発電所を造り続けてきました。3.11はそうした神話を全て消し去り、東京電力福島第一原子力発電所事故から11年が経過した今、3.11に発令された原子力緊急事態宣言が現在も解除されていないことを認識されている人がどれくらいいるのか、福島県では今なお3万6,000人を超える住民が避難生活を続け、帰宅困難区域は3万3,700ヘクタール、このうち復興拠点として除染作業が進められているのは僅か1割程度で、廃炉や賠償、除染など、事-124-故処理にかかる費用は、政府の公表によれば当初の11兆円から21兆円に増えていますが、しかもこれで収まるのか、むしろ、際限なく膨張するだろうと専門家が予測しています。廃炉についても政府の工程表では30年から40年で完了することになっていましたが、現在でも1号機から3号機で溶け落ちたデブリの状態も正確に把握できておらず、デブリを取り出し、原子力建屋を更地にする最終処分までの期間は100年を超えると言われ、現在では正確な予測すらできていません。費用も際限なくかかり続け、これを電気料金で回収すると今後何世代にもわたり、途方もない高額の電気料金を国民が負担し続けることになります。しかも、原発事故の全ての面で収束のめどすらつかない段階で、政府は原発の再稼働と運転期間の延長、次世代革新炉の新設を発表しました。日本の原子力資料情報室の2名の教授は、新聞の署名記事で原子力発電には高コスト、事故のリスク、核拡散への懸念、有害な放射性物質の生成という、少なくとも四つの未解決の問題があると指摘し、安くて安全な原発などない、原子力発電の基本的問題は原子炉の小型化では解決し得ないと厳しく指摘しています。CO2の削減は原発に頼らずとも、再生可能エネルギーを増やすことで削減は可能で、この10年間で再生可能エネルギーの弱点と指摘されてきた安定供給という課題も、蓄電システムやコントロール技術が進歩を遂げ、むしろ余剰電力を使った水素の生産も可能にまでなっています。電力各社は原発が再稼働すれば、電力料金は下がると宣伝してきましたが、このたびの原油の値上げを見ても、既に原発が再稼働している中国電力もほぼ同率で値上げされ、その矛盾を新聞各社が報じています。経済産業省も発電コストの検証を公表し、2030年には太陽光発電は8.2円で、原子力は11.7円になると明らかにしています。電気料金はこれからも市民生活に重くのしかかり続けることは、特に若い子育て世代にとって耐えられない大きな負担になることが懸念されます。私たちは小樽市として、大都市では取り組めない差別化政策が必要と考えます。快適で安全・安心なローコスト住宅の供給、電気料金や水道料金などの生活に必要な支援制度が望ましいと考えています。そのためには、電気代を大幅に割り引くために、まずは地産地消の電源開発と省エネ住宅が必要ですが、小樽市には既に太陽光発電によるゼロエネルギー住宅に取り組む住宅メーカーもあり、積極的な支援が必要です。北海道下川町では林業を中心にまちおこしに取り組み、木質バイオマスを利用した発電や熱エネルギーを公共施設や公共住宅に供給し、移住者を増やし大変注目され、各地で講演会が開催され、電気料金の地産地消は不可能と決めつけていた私も大変ショックを受けました。北海道胆振東部地震ではブラックアウトを経験し、今冬季では送電線の鉄塔が倒壊し、厳冬の中で避難所を開設しなければならない事態となり、送電網の脆弱さと危険性などのリスクも露呈し、電気の地産地消の必要性を一層強くし、今できることから着実に推進し、全国にアピールしていくことが若い子育て世代の移住政策にもつながり、雇用の拡大につながるものと考えます。まずは地元に安くて安定供給を条件に企業誘致を目指すことがこれからの課題と思いますが、小樽市にはこれまで大規模風力発電計画があり、安くて安定供給の条件を満たし、地産地消を基本に考えれば、規模の縮小も可能となり、新たな企業誘致にもつながり、雇用の創設にもつながれば、市民の理解も得られるのではないかと思います。福島第一原子力発電所の事故以来、電力の安定供給に対する不安が現在も続いていますが、これまで私たちは自治体が主体となって運営する小規模発電施設の視察もさせていただきました。小樽市は現在、北しりべし広域クリーンセンターの発電施設で毎年5,000万円ほどの売電収入を得ておりますが、水力発電やバイオマス発電、太陽光発電、風力発電、水素発電などのエネルギーミックスに取り組み、汚泥や焼却灰の資源化や安価な蓄電システム、蓄熱設備の研究開発など低コストの電力や資源を有効活用し、子育て-125-支援や移住政策の柱にして脱炭素社会の実現にも貢献する未来都市を実現すべきではないかと思います。そこで質問ですけれども、小樽市は水力発電やバイオマス発電などでもまだまだ資源の有効活用の余地はあると考えていますが、環境影響評価の対象以外で具体的に相談されているものがあればお示しください。次に、工場や焼却施設などで発生する排熱などを有効に活用する必要があると考えますが、所見を伺います。三つ目として、北海道は再エネ活用を前面に打ち出し、再生可能エネルギーを活用した道営住宅の整備に着手することを明らかにしていますが、旧色内小学校跡地に建設予定の道営住宅についてはどのようになるのでしょうか、お示しください。次に、地域公共交通について伺います。36年前、国鉄が分割民営化され、その後タクシーやバス、トラックの規制緩和と自由競争が推進され、公共交通を巡る環境は大きく変化しました。一定の条件を満たせば申請だけで免許され、自由に営業できるようになり、異業種からの新規参入や業態を超えた入り乱れての客の奪い合い、運賃のダンピング、重大事故の多発、乗務員の長時間労働と低賃金、収益性の高い分野には法律の抜け道をついた違法な営業行為が横行し、公共交通を担う交通事業者の収益が悪化していきました。そのため、地域住民の足を担ってきた路線バスやローカル鉄道の撤退が加速しております。国は平成25年に交通政策基本法を制定し、小樽市も令和元年に小樽市地域公共交通網形成計画を策定し、収支の改善や路線バスの維持に努めてきたところですが、コロナ禍で一層の客離れが進み、大都市圏でもローカル鉄道や路線バスの収益性の悪化や労働力不足が表面化しています。そうした現状を踏まえて、まずは人口密度が低い北海道の特徴を踏まえれば、地域公共交通事業者間の無駄な競争を排除し、国や道の責任ですみ分けに必要な法整備をすべきではないかと思います。地域公共交通は厳しい経営環境の中で競争を強いられ、将来の展望を失い、鉄道は国土交通省の有識者会議で北海道の鉄道のバス転換を指摘され、北海道バス協会は、北海道からバスがなくなりますという新聞にも意見広告を掲載しております。物流業界も2024年の運転手の残業規制をきっかけに、全国や道内の荷物の30%から40%が運べなくなると株式会社野村総合研究所が推計しています。また、北海道の鉄道は人口密度が希薄で、鉄道には不利と言われてきましたが、1987年のJR北海道の発足時にはこうした北海道の鉄道経営を支えるために6,822億円の経営安定基金が積み立てられ、7.3%の運用益で会社が維持されることが決定され、当時の新聞広告にも、北海道の鉄道は将来的にも全線が維持されますとの意見広告が出されております。当初はJR北海道の分割民営化は高い評価をされたものの、低金利政策が続き、企業努力を超える赤字によりJR北海道の経営は根底から崩れ、鉄道本来の役割を果たす使命が置き去りにされてきました。一方で、鉄道は大量、高速、安定という特性を生かして、国は貨物輸送は長距離トラック輸送から鉄道やフェリー輸送に政策的に移行を進めるモーダルシフトを推進してきました。結果として、食料基地北海道から大都市圏への輸送は、現在も鉄道が大きな役割を担い続けています。旅客輸送もJR北海道の発足時から、政府は国土の均衡ある発展からも鉄道は維持する必要があると説明してきました。今、国土交通省の有識者会議は赤字経営が続く在来線は、第三セクター鉄道かバスを選択することを求めていますが、バスも採算が悪化し、路線廃止や減便が続き、運転手不足も事業に深刻な影響を与えています。現在の公共交通は採算ベースでは維持が困難で、それを小樽市地域公共交通網形成計画で議論をして結論を求めること自体が、非常に困難な課題であると思います。-126-国土交通省は地方自治体と連携し、過疎地でバスの自動運転の実証実験をしていますが、鉄道は事業者任せでは、JR北海道のような体力のない会社は必要な研究すらできていません。採算ベースで判断されるとすれば、小樽市の鉄道も将来の不安は否定することはできません。小樽市は北海道の鉄道発祥の地であり、鉄道とともに発展した歴史に鑑み、北海道の特性に耐え得る未来志向の新たな鉄道に作り替える必要があります。そのためには、鉄道会社に開発を委ねるのではなく、ITやAIなどの企業に開発を委託して、新たな鉄道を急いでつくる必要があります。ここで質問ですけれども、小樽市に鉄道の自動運転などの実証実験を行うITやAIの企業誘致をすべきと思いますが、いかがでしょうか。最近、国ではローカル鉄道の在り方までを含めた公共交通全体の議論を地域で行うよう求めておりますが、本来、鉄道を含めた公共交通網は重要な社会インフラであり、国が責任を持って維持すべきものと私は考えております。本市の公共交通を維持していくためには、利用者の減少や乗務員不足といった難題が山積しておりますが、市には国に対し財政的な支援を含め、公共交通維持の責任をしっかり果たすよう求めていただくとともに、今後とも利便性の高い公共交通網の維持に努めていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
林下議員の御質問にお答えをいたします。初めに、地産地消の再生可能エネルギーの取組について御質問がありました。まず、バイオマス発電等の相談につきましては、現時点では桃内地区において太陽光発電が1件、塩谷地区において木質バイオマス発電が2件の相談があります。次に、排熱の有効活用につきましては、利用されずに熱として排出される未利用熱エネルギーを有効活用するには、熱エネルギーの効率的な回収や変換、貯蔵、輸送に対する技術的課題も多いと認識しておりますが、消費されるエネルギーを再利用するという考えは、脱炭素に向けては重要な視点であると考えております。次に、旧色内小学校跡地に建設される道営住宅の再生可能エネルギーにつきましては、現在、北海道では、道営住宅の整備基準の見直しを進めており、その中で再生可能エネルギーの導入について検討するものと聞いております。次に、地域公共交通について御質問がありました。鉄道の自動運転等の実証実験を行う企業の誘致につきましては、全国的に運転士不足の深刻化が懸念される中、今後公共交通を維持していくためには鉄道への自動運転の導入は不可欠なものと考えております。一方でその導入に当たりましては、鉄道事業者が判断をし、企業と連携して実施していくものと考えておりますが、事業者から本市に対して誘致等の協力依頼があった際には、連携して取り組んでいく必要があるものと考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
再質問 18番 林下孤芳
再質問させていただきます。道営住宅の関係は、早速いろいろと接触をしていただいているようでありまして、非常に心強く感じております。私は、実は地産地消の再生可能エネルギーの取組については、3.11を機会にいろいろと構想を温めてきた経緯がありまして、以来議会でも何回か取り上げさせていただいてきた経緯があります。しかし、北海道胆振東部地震のときもそうでしたけれども、やはりその事故当時は大変大きな議論になりながら、時間が経過すれば忘れ去れるというのでしょうか、機運がしぼんでいくと。なかなかこういう機会がなかったと。今回、北海道は新年度の目玉政策と言うのでしょうか、1月28日に新聞やテレビで報道されておりまして、やはり私としては何とかこの機会をチャンスを生かしていただきたいと考えています。ですから、いろいろな面でいろいろな課題が山積しているとは思いますけれども、何とかやはり北海道とも協調できるところは協調して、再生可能エネルギーを地産地消でやっていただきたいということをお願いして、市長の受け止めを少しお聞きしたいと思います。それから、地域公共交通については、やはり取り巻く環境が大変厳しいですから、市長から今、企業と連携して、企業の要請があればというお答えでしたけれども、今回の国会でも国が地方の協議会に参加をするというようなことを議論されているようであります。そういったことから言えば、平成25年の交通政策基本法以来、大きな転換になるのではないかと。もし、ここで小樽市が国に対して何か意見を求められる、あるいは意見を主張しなければならないという場面があるとすれば、ぜひこういった新たな鉄道に生まれ変わらせる、北海道の人口が希薄ですけれども、そこで何とか維持していけるような鉄道に生まれ変われるような、やはり提言をしていただけたらというのが私の思いであります。どうかその点について、もしお考えがあれば、お答えを願いたいと思います。
答弁 市長 迫俊哉
林下議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。再生可能エネルギーの取組について、まずお尋ねがありましたけれども、道営住宅への再生可能エネルギーの導入につきましては、林下議員の思いは受け止めましたので、北海道に対して、こういったことが議会の中でテーマになったことについては、お伝えしたいというふうには思っております。また、一方では道営住宅だけではなくて、これから市の施設を整備するに当たっても、市の施設として再生可能エネルギーを導入するのか、しないのかということも、これはしっかりと時代の流れですので、時代の要請でもありますので、北海道に対してはお伝えしますし、市としてもこの問題についてはしっかりと考えていかなければいけないというふうに考えているところでございます。それから、地域公共交通については、本答弁では実証実験に係る企業誘致についてお答えをさせていただきましたけれども、再質問については新たな鉄道を急いでいく必要があって、それを国に市として提言してはどうかというふうに私としても受け止めさせていただいたところでありますが、今、社会、経済が大きく変わっていく中で、様々な観点から、特に地方において鉄道を維持していくことが難しくなっているということについては、十分認識をしております。そういった中で、地方にとって重要な公共交通の一つである鉄道を残していくためには、国の関与が当然必要になってきますし、私どもの地域に置き換えましても、まさに並行在来線の問題につきましては、国の支援なくして考えられなかったわけでありますけれども、そういったことも含めて、これからの鉄道-128-の在り方については、提言をできる機会があるかどうか分かりませんが、林下議員の思いはしっかりと受け止めさせていただければというふうに思っておりますし、そういった機会があれば、私どもも提言なりをさせていただきたいというふうに思っておりますので、御理解をいただければというふうに思っております。