小樽市議会 平成23年第4回定例会 2011年12月7日
国際観光について
2011年12月7日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「国際観光について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 中村岩雄 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 中村岩雄
一般質問を行います。中松市長が7つの重点公約のトップに挙げておられる、グルーバル化時代の国際観光への挑戦に関して何点か伺います。本年3月 11 日に発生した東日本大震災は、数多くの犠牲者を発生させるとともに、社会資本から個人の資産に至るまで甚大なる損害をもたらし、さらには我が国の産業に深刻な影響を与える未曾有の大災害となりました。中でも、観光につきましては、日本国民による国内・海外旅行はもちろんのこと、国家戦略であるビジット・ジャパン・キャンペーンの展開などにより、この 10 年、比較的順調な伸びを見せていた海外からの訪日旅行、いわゆるインバウンドの分野に大変な打撃を与えました。地震や津波、原発事故などの影響を直接受けていない地域においても、外国人旅行者が全くと言っていいほどに姿を消し、キャンセルや予約の激減など、直接的な損害を受けるホテルなどの宿泊業や旅行業だけでなく、飲食業、物販業、運送業など、さまざまな業界に連鎖的に影響が波及し、深刻な状態となったわけであります。本市におきましても、日ごろは多くの観光客の皆さんでにぎわいを見せる運河周辺や堺町通り周辺がすっかり閑散とした状態になってしまい、だれもがこのままでは小樽の観光は一体どうなってしまうのかという危機感を抱くに至りました。幸いゴールデンウイークごろから少しずつ観光客が戻り始め、最近では、見た目にはかなりの回復を見せておりますが、先日、市長から発表された、本年上期の観光入込客数によりますと、前年同期との比較で、人数にして 55 万 9,400 人減の 329 万 4,400 人、割合では85.5 パーセントにとどまっているとのことでありました。この数字は、小樽を訪れた日本人と外国人の旅行客の総数で、これを外国人の宿泊者に限ってみると、昨年に比べて5割を超える減少という非常に深刻な数字になっていると聞いております。そこで、本年上期における本市の外国人の宿泊者数について、特に小樽を訪れることの多い香港、台湾、韓国、中国の、いわゆる東アジア圏4か国の前年同期と比較した人数と割合をまずお知らせください。次に、日本人旅行客の減少については、震災により旅行を手控えるという意識が働いたことが大きな要因であると考えられますが、これら4か国の観光客の減少については、日本人同様、それぞれの個人的なレベルにおいて旅行自粛の動きが広まっていったことが主たる要因であるのか、それとも、そのほかに何らかの要因があるのか、それぞれの国ごとの傾向なども含めて、わかる範囲で結構ですので、教えていただきたいと思います。また、外国人にとっては、単に震災の影響だけでなく、原発事故とその後の対応による我が国の安全神話に対する不信感の広がりや長引く円の高止まり状態が、訪日旅行への意欲を著しく低下させているものと推察しておりますが、市長は、実際に海外の旅行会社や観光関係者などと内外でお会いになる機会がたびたびあった中で、それらの皆さんから今後の東アジア圏の観光客の動向や傾向などについて聞いておられるようなことがありましたら、公式な情報でなくても構いませんので、お知らせいただきたいと思います。次に、本市における日本人観光客を回復させるための対策につきましては、東日本大震災による市内経済への影響に関する調査特別委員会や経済常任委員会におきまして、10,000 万人ウエルカム事業や観光振興券事業などを中心とした事業を実施してきたことを伺ったところであります。一方、外国人観光客をいち早く復活させるための方策については、観光立国を標榜する我が国において、観光庁など、国レベルはもちろんのこと、地方自治体のレベルでも、各地で官民が協働してさまざまな取組が既に進められていることは、報道などを通じて承知しております。本市におきましても、中松市長が、9月に、姉妹都市である韓国ソウル市の江西区を訪問され、先月は台湾に行かれるなど、観光のトップセールスを実行されており、今年度内には、さらに中国訪問も予定されていると伺っているところであります。そこで、これらのトップセールスや、前回の議会で補正予算として提案された外国人観光客ダイレクトアクセス実証実験事業の進捗状況なども含めて、下期に向けた外国人観光客誘致対策の取組はどのように行っていかれるのか、これまでに実施してきた内容と今後に実施する予定などもあわせて教えていただきたいと思います。次に、国際観光の中でも、近年非常に重要視されているMICE(マイス)誘致について伺いたいと思います。MICEにつきましては、国際会議や企業の社員報奨旅行、スポーツ・文化イベントを誘致して、一般の観光客とは別に大規模な集客を図っていくという国際観光の戦略であると伺っておりますが、正直言いまして、議会での質疑などでこの言葉を聞いたときには、私も含めてまだまだ一般的にはほとんど馴染みのない言い方なのかと思っておりました。しかし、国際観光にかかわる記事などでも、MICEについてよく取り上げられているのを目にして、認識を新たにしたところであります。国も、観光庁や政府観光局が中心となって、MICEの誘致には非常に積極的な姿勢を見せているということであり、このような中で、本市が、昨年3月にお隣の札幌市と、それぞれのまちの持つ特性を十分に生かしながらMICEに取り組んでいく連携協定についての覚書を交わしたことは、評価されてよいことであると考えております。そして、先般、市内版の新聞記事にも、MICEに関連した内容が取り上げられていたように記憶しておりますが、札幌市との連携により、具体的にはどのような取組がなされ、どういった進展があったのか、さらに、その成果はどのような形で表れているのかをお知らせいただきたいと思います。それでは、私の質問の最後になりますが、本市における今後のMICEへの期待について、MICEが本市観光に与える効果の面なども含めてお聞かせいただきたいと思います。市長が、国際観光への挑戦を公約とされ、みずからトップセールスへ出向かれて実践されていることは、日本人観光客と比べて外国人観光客が震災の影響から減少したままなかなか回復できずにいる中で、確かに明確な効果についてははかることは難しいとしても、極めて大切な役割を果たしておられると思います。もちろん日本人観光客をないがしろにすることはできませんし、外国人だけを優遇してほしいなどということは申しませんが、外国人観光客のマーケットは、今後の本市観光を安定的に持続していくための重要な柱の一つであることは疑いのないことだと考えております。どうか今後とも、本市の国際観光の進展に向けて、関係業界の皆様などと力を合わせて御尽力されることを切に希望いたしまして、今回の私の質問を終わらせていただきます。なお、再質問は控えるつもりでおりますので、どうか明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
中村議員の御質問にお答えいたします。国際観光について何点かお尋ねがありました。まず、本年上期の外国人宿泊客数についてでありますが、香港は 5,091 人、対前年比 51.3 パーセントで 4,829 人の減であります。台湾は 1,566 人、対前年比 49.2 パーセントで 1,620 人の減であります。韓国は 1,381 人、対前年比 35.5 パーセントで 2,506 人の減であります。中国は 742 人、対前年比 30.8 パーセントで 1,664 人の減となっております。次に、東アジア諸国の観光客の減少についてでありますが、各国とも東日本大震災とその後の福島第一原発の事故により、国レベルでの渡航注意勧告などが出され、訪日ツアーの中止や販売の自粛、それに伴う航空便の運休などが主な要因と考えております。日本政府観光局が発表しております国別の傾向としては、香港、台湾では、いち早く訪日ツアーが再開され、風評被害の払拭が進んでいる一方で、韓国は、放射能への懸念が強く、依然として観光客の回復に影響を及ぼしています。また、中国本土では、特に子供連れや富裕層が放射能被害を心配し、訪日旅行を敬遠する傾向が続いております。次に、今後の東アジア圏観光客の動向についてですが、長引く円高の影響により、次第に回復傾向にあった外国人観光客数が伸び悩んでいるというのが観光関係者の共通の認識であります。このような状況の中で、台湾キャンペーンでの旅行会社との意見交換では、台湾は資産形成のため、個人で株式への投資を行っている比率が非常に高く、株式市場の低迷が観光客の動向に及ぼす影響が大きいと伺っております。また、首都圏で訪日旅行の取扱いをしている旅行会社からは、中国人観光客の本格的な回復が、1月下旬の春節から来春以降にずれ込む見込みとお聞きしております。次に、外国人観光客誘致対策についてですが、これまでの取組として、9月には中国のメディアや旅行会社を招聘し、小樽・ニセコ地区の魅力を体感していただいたほか、姉妹都市であるソウル特別市江西区では、小樽は震災の影響がないことをアピールしてきました。さらに、10 月には、台湾を訪問し、大手旅行会社に対するトップセールスと、観光説明会を開催したところです。また、今後の取組といたしましては、12 月 21 日から開始する外国人観光客ダイレクトアクセス実証実験事業に向けて、現在、新千歳空港での受付から誘導などの最終確認を行っているほか、年が明けましたら、回復が遅れております中国人観光客の誘致に向けて、中国を訪れトップセールスを実施してまいりたいと考えております。次に、MICE誘致に向けた札幌市との連携についてでありますが、これまで両市でMICE受入れに活用できる特色ある施設や体験プログラム、視察コースなどの情報を発信するための資料を作成し、国内外における誘致活動を展開してまいりました。その成果といたしましては、韓国の大手保険会社の報奨旅行が決定し、10 月から 12 月までの間で約 200 人が来樽しております。その後も、小樽を立ち寄り先とした報奨旅行についての問い合わせがあることから、今後に向けて期待を寄せているところであります。次に、今後のMICEへの期待についてですが、MICEには一般の観光客に比して購買単価が高く、平均的な滞在期間が長いといった高い経済効果や季節による影響を受けにくい、安定した通年需要などの利点があるものです。本市といたしましては、経済波及効果や観光閑散期における誘客が期待されることから、本市はもとより、北しりべし定住自立圏の各町村が持つ自然や食といった魅力や観光資源などもメニューに取り入れながら、引き続き札幌市と連携してMICEの誘致に取り組んでまいりたいと考えております。