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小樽市議会 令和8年第1回定例会 2026年3月4日

(1)アドバンス・ケア・プランニングについて/(2)旧医師会館の解体について/(3)災害対策について

2026年3月4日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「アドバンス・ケア・プランニングについて」「旧医師会館の解体について」「災害対策について」について質問し、市長 迫俊哉、保健所長 田中宏之、建設部長 山岸博史、副市長 上石明が答弁しました。

質問者
中村岩雄 議員
答弁者
市長 迫俊哉、保健所長 田中宏之、建設部長 山岸博史、副市長 上石明

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 20番 中村岩雄

それでは、一般質問をさせていただきます。まず、アドバンス・ケア・プランニングについてです。厚生労働省が主導するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、人生の最終段階で受ける医療やケアなどについて患者本人と家族などの身近な人、医療従事者などが事前に繰り返し話し合う取組のことで、平成30年には、人生会議という愛称がつけられ、現在もその普及啓発活動が行われています。私たちが病気やけがによって命の危機にさらされたとき、およそ70%の患者は医療やケアについて自分の希望を他者に伝えたり、これから受ける医療やケアを自分で決めたりすることができなくなってしまうと言われております。そのため、いざというときに、この人ならこんな医療・ケアを希望するだろうと家族や医療従事者が話し合えるよう、事前に自分の希望や考えを周囲に伝えておくことが大切です。もちろん、人生の最終段階について事前に考えたくないという気持ちを持つ方もいるため、アドバンス・ケア・プランニングを希望しない方には、無理に行う必要はありません。本人の希望に応じて行うことが大切です。アドバンス・ケア・プランニングは、人生の最終段階において、患者本人の意思を尊重した医療・ケアを行えるようにするために実施されます。例えば、命に関わる病気やけがにおいては、延命措置も重要な選択肢の一つですが、Quality Of Life(QOL)やQuality Of Death(QOD)の視点から、患者本人の人生観や価値観によっては延命措置を差し控えることも考える必要があります。QOLは、一般的に生活の質と訳されますが、終末期では人生の質とも考えることができます。QODは死の質、死へ向かう医療・ケアの質、よい死・よき死とされます。このような命に関わる慎重な判断を行うに当たって、アドバンス・ケア・プランニングで患者本人と話し合って得た情報は非常に大切です。そこでお聞きします。このACP普及啓発活動が行われるようになった背景と目的をお知らせください。次に、ACPの普及に関する各市の取組事例を御紹介ください。また、小樽市内の医療機関の取組状況についてお知らせください。小樽市医師会からは、高齢化が進む中、ACPが市民にまだ十分に認知されていないこと、救急医療の崩壊を防ぐためには、医療者側の努力だけでは難しく、市民の行動変容も不可欠であること、医療崩壊に歯止めをかけるためにも普及の必要性があると伺っております。市民へのACPの啓蒙や医師会と市との連携についてお考えをお聞かせください。次に、旧小樽市医師会館の解体についてです。空き家対策について、近年、我が国全体で深刻化している人口減少及び少子高齢化の進行に伴い、移住者のいない空き家の増加は、今後さらに加速することが強く懸念されております。本市におきましても、同様の社会構造の変化を避けて通ることはできず、空き家が毎年発生し続けることが予想されるところであります。その中には、所有者による適正な維持管理が行われず、建築物の老朽化が著しく進行し、安全性の低下や衛生環境の悪化、景観面での悪影響等が生じ、周辺住民の皆様の生活環境に深刻な不安を与えている空き家も散見されます。市民の皆様が安全で安心して暮らし、かつ快適に生活できる住環境を確保していくためには、これらの空き家問題に適切かつ計画的に対応することが行政として極めて重要な責務であると考えております。現在、本市では、第2次小樽市空家等対策計画に基づき、空家等の発生予防対策、空家等の適正管理対策、良好な空家等の利活用対策、管理不全空家等への対応、多様な主体との連携といった五つの基本方針に沿い、多角的かつ総合的な取組を進めているものと承知しております。この各種取組の一環として、本市では、小樽市特定空家等住宅除却費補助制度を設け、倒壊などの危険性が高い空き家住宅の除却に要する費用の一部を補助する制度を運用しております。今後、空き家数が増加し続ける状況がより深刻化した場合、現行制度が対象としている危険性の高い住宅のみならず、用途変更されて住宅ではなくなった空き家や、倉庫といった住宅以外の空き家等に対しても、一定の条件の下で補助対象を拡大していく必要が生じる場面も想定されます。また、建物規模が大きく、解体費用が高額となる建物についても、将来的に課題として顕在化してくる可能性が十分にあると考えております。現在、保健所旧庁舎等の解体工事につきましては、既に仮契約がされているものと承知しております。また、同じ敷地内に建つ民間の建物である小樽市医師会館につきましても、解体を予定していると聞いておりますし、これらについて国の補助金が活用されると伺っております。そこで伺います。旧小樽市医師会館の解体に活用する国の補助金の名称についてお示しください。空き家対策につきましては、市単独での財政負担では限界があることから、国の補助制度を効果的に活用していくことが重要であります。国においては、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく特定空家等への対応支援や、除却費に対する補助制度が設けられており、自治体の財政負担軽減に大きく寄与するものと認識しております。一方で、空き家対策事業の実施に際しましては、市として一定の財政負担が生じることは避けられませんが、財政運営への適切な配慮も必要と考えます。そこで、次に伺います。旧小樽市医師会館の解体に係る国の補助率はどのようになっているのか、公共の建物と比較して、民間の建物では補助率は違うのか、また、どのような条件が課されているのか、お示しください。今後、空き家が増加していく中で、公共施設のみならず、民間の建物に対しても、どのように支援を行っていくのかという点は、市全体の空き家対策を進める上で極めて重要な視点であると考えます。特に、老朽化した民間建物が地域の安全性や景観に影響を及ぼす事例も多く、市としてどのように支援するのか検討していく必要があると考えております。旧小樽市保健所庁舎等及び旧小樽市医師会館の跡地利用については、令和7年第4回定例会において、未定との答弁があったと記憶しておりますが、その後、跡地利用は決定したのか。決定している場合には、その具体的な用途についてお示しください。災害についてです。小樽市総連合町会では、かねてより防災士育成に関する補助制度の創設を要望してきたと聞いております。総連合町会が市に対してどのような具体的要望を行ってきたのか、総連合町会の要望内容と、市としての受け止めについてお伺いします。さらに、総連合町会の要望は、単に資格取得支援ではなく、市が防災士をエリアごとに配置し、急傾斜地や海岸地区など地域特性に応じた助言、支援を行う体制を想定していると伺っております。この点について、市としてその方向性に応えていく考えがあるのか、お伺いします。また、防災士資格取得のためには、一定の研修を受講する必要があります。資格取得までの研修内容や受講プロセスをお伺いします。今後、必要な養成人数をどのように算定していくのかなど、今後の見通しを立てることは、市の防災力を左右する重要な視点です。本市には現在97名の防災士が登録され、高齢化が進んでいると聞いております。既存の防災士をどのように活用し、若年層の育成や学校、企業との連携をどのように進めるのかも持続可能な防災体制の構築に不可欠です。また、町内会ごとに防災士の有無や人数にばらつきがあると考えられます。地域間の防災力格差をどのように把握し、どのように是正していくのかは市民の安全に直結する課題です。そこで、防災士の有無や人数のばらつきを含む地域間の防災力格差の把握と是正策についてお伺いします。他市の先進事例として、埼玉県春日部市や岩見沢市では、防災士研修センターとの連携講座や全額補助、防災備品の支援など、積極的な取組が進んでいます。本市としてもこうした事例を踏まえた連携強化や支援策の拡充が求められます。研修センターとの連携強化、防災備品補助の検討について市のお考えをお伺いします。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)(「議長、4番。議事進行について」と呼ぶ者あり)

質問 4番 酒井隆裕

先ほどの中村岩雄議員の一般質問の中で、防災士関連の質問がありました。これはまさしく本年度予算そのものであり、質疑そのものであります。議長において整理をお願いしたいと思います。

答弁 市長 迫俊哉

中村岩雄議員の御質問にお答えいたします。初めに、アドバンス・ケア・プランニングについて御質問がありました。まず、アドバンス・ケア・プランニング、いわゆるACPの普及啓発活動の背景と目的につきましては、医療技術の進歩で延命が可能になる一方、本人の意思が確認できないまま治療方針が決定される事例の存在が課題となっており、本人の価値観や希望を事前に家族や医師などの他職種と共有し、意思を尊重した医療やケアの提供を可能とすることを目的として、厚生労働省や日本医師会、日本老年医学会などにおいてACPの普及啓発活動が推進されてきました。次に、各市の取組事例につきましては、道内では札幌市や帯広市において、ACPの普及啓発活動として、ホームページを活用した市民向けの情報提供や有識者によるセミナー等の開催に取り組んでいる事例があると承知いたしております。次に、市内の医療機関における取組状況につきましては、市内で在宅医療を実施する医療機関が中心となって、本人の価値観、医療やケアに関する希望を記録しておくためのノートを作成し、家族や訪問看護ステーション、薬局、居宅介護支援事業所、歯科診療所などと共有を図るといった取組が行われております。次に、市民への啓蒙や医師会との連携につきましては、ACPの推進を図っていくためには、医療や介護の現場に携わる従事者だけではなく、平素から市民の皆さんに自分事として、人生の最終段階における医療やケアの在り方を考えていただくことが必要と考えております。市といたしましては、国の取組を注視しつつ、医師会などの御意見もお聞きしながら、今後、行政として行うことが望まれる取組について検討してまいりたいと考えております。次に、旧小樽市医師会館の解体について御質問がありました。まず、旧小樽市医師会館の解体に活用する国の補助金につきましては、「空き家対策総合支援事業補助金」の活用を考えております。次に、補助率や補助の条件につきましては、事業主体にかかわらず、国の補助率は4割となりますが、旧小樽市医師会館については、市の補助に対する国の間接補助となるため、市から4割、国から4割の計8割が補助率となります。また、補助金を活用するための条件としましては、除却後の跡地を地域活性化のために1年以上公共利用することが求められております。次に、保健所旧庁舎等の解体後の跡地利用につきましては、現時点では決まっておりません。次に、災害対策について御質問がありました。まず、総連合町会の防災士養成の要望内容と市の受け止めにつきましては、自主防災組織の結成・訓練を支援する仕組みを整えるため、防災士等の資格取得費用補助による人材育成の要望であり、このたび、市が新設した防災士資格取得の補助制度を活用し、自主防災組織に防災士を配置することで、地域防災リーダーとして、防災訓練や啓発活動を通じて、地域住民の防災意識向上に貢献し、災害時には迅速かつ的確な対応が期待できるものと考えております。次に、防災士の配置につきましては、市といたしましては、現在結成している12の自主防災組織への配置を考えておりますが、今後は高齢化などにより、単一町内会では自主防災組織の設置が困難な町内会があるため、広いエリアでの地区連合町会単位での設置を促し、防災士を配置してまいりたいと考えております。このことにより、広域的な共助の体制が図られ、防災士などによる地域特性に応じた防災講話や防災訓練を実施することにより、地域の防災力向上につながるものと考えております。次に、資格取得までの研修内容や受講プロセスにつきましては、防災士の資格を付与する認定特定非営利活動法人日本防災士機構のホームページによりますと、災害の仕組みや防災士としての役割などを学ぶため、防災士研修センターが実施する防災士研修講座を受講し、資格取得試験に合格した上で、救急救命講習を受講し、修了証を取得する必要があります。その後、認定登録を申請することにより、防災士資格を取得することとなります。次に、地域間の防災力格差の把握と是正策につきましては、地域における防災士の所在は個人情報であるため、把握することはできませんが、令和7年度当初における自主防災組織活動カバー率が68.9%であり、組織のない町内会等とは防災力に違いがあるものと認識しております。このため、市といたしましては、引き続き自主防災組織結成を促すとともに、地域と連携した学校運営協議会や連合町会による防災訓練などを支援してまいりたいと考えております。次に、防災士研修センターとの連携や防災備品の補助につきましては、同研修センターが実施する防災士養成講座の本市での実施は、50名以上の受講者が必要となることや、隣接する札幌市で開催していることなどから、現時点では検討を行っておりません。また、防災備品の支援につきましては、一般財団法人自治総合センターによるコミュニティ助成事業を活用し、自主防災組織への助成を行っているところであり、今後も引き続き活用してまいりたいと考えております。(「議長、4番。議事進行について」と呼ぶ者あり)

質問 4番 酒井隆裕

まさに質疑そのものであり、問題であるとは思っておりますが、円滑な議事進行を妨げるつもりはありませんので、次回の議会運営委員会で指摘させていただきたいと思います。

再質問 20番 中村岩雄

それでは、3点ほど再質問させていただきます。まず、アドバンス・ケア・プランニングについてなのですが、今の本答弁の中で、今後の取組について検討されるとお伺いしました。それで、現時点で考えられる行政としての取組があれば、お示しいただきたいと思います。また、その時期についても、もしお答えいただけるのであれば、お示しいただきたいと思います。次に、旧小樽市医師会館の解体についてです。旧小樽市医師会館の解体後の跡地利用については、1年以上の公共利用が必要であり、その具体的な用途は現時点で決まっていないとのことですが、国の補助金を活用する上で、いつまでに決定しなくてはならないといった縛りというか、条件があるのだろうと思うのですが、お示しいただきたいと思います。次に、これからの跡地利用の具体的な用途について検討を進めることと思いますが、今後どのようなスケジュール感で検討を進めていくのかをお示しいただきたいと思います。

答弁 保健所長 田中宏之

中村岩雄議員の再質問にお答えいたします。ACPの普及啓発活動につきまして、行政としての取組については様々な手法が考えられるところではありますが、まず、来年度からホームページを通した啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。また、このほかの取組につきましても、医師会や関係者の御意見などをお伺いしながら検討してまいります。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 建設部長 山岸博史

中村岩雄議員の再質問にお答えいたします。医師会館、保健所の跡地もそうですが、国の補助を活用する上で1年以上の公共利用が必要であり、それはいつまでに決定しなければならないというものがあるのかにつきましては、国の補助金の制度要綱におきましては、除却後3年以内かつ、地方公共団体が定める時期までに地域活性化のための計画的利用に着手する必要があることが求められております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 副市長 上石明

中村岩雄議員の再質問にお答えいたします。跡地利用の今後のスケジュール感でございますが、現在、まだ議論は進めていないところでございます。議論については、新年度に入ってから進めていこうと考えているところですが、基本的には、解体終了までにはきちんと方針を固める必要があるとは考えてございます。今後、具体的なスケジュールが決まりましたら、お示ししたいと考えているところでございます。

出典:小樽市議会 令和8年第1回定例会 2026年3月4日 議事録 PDF(143ページ) 間違いを知らせる