小樽市議会 平成19年第4回定例会 2007年12月11日
(1)財政問題について/(2)市立病院の建設問題について/(3)コミュニティーバスの運行/(4)灯油価格の高騰とバイオ燃料の取組
2007年12月11日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「財政問題について」「市立病院の建設問題について」「コミュニティーバスの運行」「灯油価格の高騰とバイオ燃料の取組」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
第4回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問をいたします。まず、財政問題についての課題と展望について、市長の見解をお伺いします。毎年、国からの地方交付税が大幅に減額をされ、地方税が伸び悩む中で、小樽市の財政は厳しい状態が続いておりますが、今年度は単年度決算とはいえ、2億2,470万円余りの黒字決算となったことは、小樽市の大変な努力と市民の理解と協力のたまものであり、高く評価されるべきものと思われます。今、小樽市がこうした血のにじむ努力を続けているさなかに、総務省は地方財政健全化法を12月下旬にも閣議決定し、政省令が公布される予定と言われます。既に、小樽市に対しても、政省令の概要が説明されていると思いますが、12月8日付けの新聞報道で、「破たん新基準で赤平『第1号』の危機、財政再生団体、積丹町も、小樽市は早期健全化団体」など、大きな見出しで報じられました。道内では、再生団体は6自治体、早期健全化団体は小樽市をはじめ18団体と言われています。実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率など、いずれかの数値が危険な自治体はほかにも数多くあると言われており、これは地方自治にとっても重大な危機であり、私は大変な怒りを持っています。新しい基準をつくっただけで、財政が健全化することはありません。2009年秋には財政の健全化が図られていなければならないとすれば、道内のほとんどの自治体で、人件費のさらなる削減や行政サービスの切り捨てなどが一層進められることが懸念されます。残された時間も限られており、これまであらゆる経費の削減努力の経過からしても、選択の幅も極めて限られたものにならざるを得ないと思いますが、市長はこれまで小樽市の取り組んできた財政改善の取組を踏まえ、この地方財政健全化法に対し、どういう見解をお持ちなのか、また、今後どう対処しようとしているのか、お示しをいただきたいと思います。また、各自治体の財政悪化の原因に共通する病院事業会計や箱物主流の観光会計などが除外されるのではないかと一部に報道されていますが、現在わかっていることがあれば、お知らせください。国の財政が破たん状態にあると言われて長い時間が経過し、この間、三位一体の改革の名の下に進められてきた政策は、大都市や大企業には大きな成果をもたらすものであったかもしれませんが、地方にとっては自治体財政をますます悪化させ、地域経済を疲弊させ、地方から仕事と若者を奪い、格差の拡大をもたらせただけだと私は思っています。地方には過重な努力を求めながら政策を強行し、政府や中央省庁がどれだけの人件費や経費を削減してきたのか、国民には示されておりません。中央省庁ではわずか数パーセントの給与カットが1年間実施された記憶はありますが、今や完全復活し、地方の努力に見合った財政効果も見られておりません。政府の方針が変わるたびに、その都度、地方には膨大な作業と経費が回されてきましたが、政府の赤字は3兆円も増えたと言われています。会計検査院の指摘をはるかに上回る税金の無駄遣いが毎年のように次々と発覚し、調達予算が1兆3,000億円と言われる防衛省は、1兆円がほぼ特定商社との随意契約と言われ、昨年は談合事件を起こし、防衛施設局が解体されているにもかかわらず、2年連続で特捜部の捜索を受けております。ここでも膨大な税金の無駄遣いが繰り返し行われてきたことは、容易に想像することができます。国土交通省も、道路特定財源を一般財源化することを政府方針として承認しておきながら、10年間で、道路特定財源で68兆円をほぼ使いきって道路をつくると言い出し、地方の努力を全く無視して相変わらずの無駄遣いをしようとしています。こうした指摘をすれば、まだまだ際限はありませんが、こうした無駄遣いの数パーセントでも地方に使えば、医療や福祉や経済や雇用も改善できると思います。総務省は再生団体という殺し文句で無理やりにでも地方の赤字を減らし、地方財政健全化法で強制しようとしています。そうした国の方針にただ追従していては、やがて地方の自治権すら奪われ、自治体の存続自体が危うくなる心配があります。市長は、これまでも全国市長会で地方の厳しい現状を訴え、国が地方税の減額を強行したときには、赤字予算を組んで対抗し、全国的な話題になりましたが、まさに地方が自立するためには、中央から地方への財源を移譲することが最も重要であることを、今こそ地方が結束して声を発信すべきときだと思いますが、市長の見解をお伺いいたします。また、地方財政健全化法に関して、いわゆる健全化3指針がすべての監査対象になると言われ、これまで各会計ごとの監査報告がなされておりましたが、各監査の連結した報告が加わることになり、一定の行政評価も求められるのでないかと思われます。監査委員の責任は大変重くなると考えられます。財政の健全化は市役所だけでなく、市民の協力と理解が必要であります。しかし、財政制度は専門性が高く、私たち市議会議員や市民に難しい面もあります。そうした意味で、監査体制の強化も求められると思います。次に、新市立病院の建設計画について質問をいたします。11月12日の市立病院調査特別委員会で建設用地の購入の起債申請を来年度に変更する、基本設計の委託業務を中断する、不良債務解消に向けた収支計画の見直しをすることが報告されました。11月14日には大きく新聞報道され、以来、今日まで多くの市民の皆様から問い合わせや御意見が寄せられております。特に、起債の申請はいつできるのか、新市立病院の建設は可能なのかといった具体的な内容を問う声も多くなっており、市民に不安が広がっていると感じております。私は、先ほど申し上げましたとおり、地方財政健全化法や、今、総務省が進めている公立病院改革ガイドラインによって、連結実質赤字比率の問題や病床の利用率、医業収入に対する給与比率、経常収支比率など、今まで以上に厳しい条件が課せられ、これに対する国の支援策がまだ示されていないために、具体的な起債申請や新病院の建設時期を、今、小樽市が見通すことは困難だと判断し、市民からの問い合わせにもそうした答えをしているところでございます。市長が新市立病院の建設を公約に掲げ、市長就任以来、老朽化し、2か所に分散している病院を統合し、経営の効率化を図り、市民に安心の医療を引き続き保障する、この方針は市民からも支持を受け、この間、計画の実現に向け、さまざまな角度から検討され、今日の方針が確認をされ、国や道もこれまで理解を示してきたものと思います。しかし、国の財政危機を発端に、1998年から国は医療制度改革に着手し、医療費や関連する予算の削減に向けたさまざまな動きが加速されてきました。その後も改革に聖域なしとして、福祉制度の見直しや国民生活に直結する予算が次々と削減をされ、しかも規制緩和、自由競争の推進、民間主導と効率優先の政策が国の主導で進められた結果、大都市以外の多くの地方では財源不足が生じ、政策の推進にも支障が生じることとなりました。特に、地方の公立病院では医師不足が深刻化し、夜も寝られず、休みもとれず、労働基準法も守れない勤務となって、医療事故の心配も指摘され、勤務医の独立の流れが加速したり、医師が医療の現場を離れるなど、社会問題化し、今日、医学部の定員増や勤務医の手当の増額に着手したと言われています。しかし、こうした対策がその効果を上げるには十数年も先になると指摘されております。地方の医師不足はまさに深刻な問題となって重くのしかかってくると思われます。介護保険制度も、民間企業最大手のコムスンが介護保険料を不正受給する事件が発覚し、営業停止により倒産、国が主導してきた民間主導制度の危うさを露呈するとともに、その影響と対策に全国の自治体が奔走させられました。今なお介護の現場では、低賃金と過酷な労働条件によって、介護士の職場離れが続いていると言われています。障害者自立支援法も、当初から全く障害者の自立にはつながらず、実態を無視するものだと指摘されていたにもかかわらず、強行され、1年もたたぬ間に見直しをせざるを得ない結果となりました。後期高齢者医療制度も、来年4月の実施を前に、国民の強い批判を受け、福田総理の指示で一部見直しが行われることになりましたが、今なお多くの市民の皆さんから、若いときには病院にもかからず医療保険を払い続けてきたのに、本当に医療が必要なときにこのような負担を求められては、病院にかかることもできない、年金生活者の実態を全く無視した制度で、生活が成り立たないとの訴えが続いています。このように国の医療福祉政策は地域の実態や市民生活の影響を無視して進められてきた結果、今、その方針転換が求められ、その都度、小樽の行政や病院の計画にも深刻な影響を及ぼしてきたと思います。公立病院改革ガイドラインは、厳しい数値目標を示す一方で、公立病院の使命として、過疎地での医療、周産期、緊急など不採算部門、特殊部門と明記されております。また、真に必要な公立病院は、良質な医療を継続して提供することが求められると指摘しております。効率優先を強く求めるばかりで、公立病院の抜本的な立て直しのためにも必要な財政的な支援は全く示されておりません。そうした中で使命だけを託されても、病院経営は成り立ちません。このガイドラインに基づく公立病院のイメージは、私には全く浮かんできませんが、市長はイメージされるものがあるでしょうか。むしろ私には、厳しい数値目標は厳しい条件を課して、達成できなければ、地方には公立病院は必要ないと言っているのではないかと疑いたくなります。それでも、とりわけ医療や福祉の分野は、本来、国や地方公共団体が責任を持つべき使命があると思います。私事で申しわけございませんが、2年前に私は事故に遭遇し、市立第二病院で胸に重傷を負っている疑いがあるとして診断をされ、急きょ札幌医科大学付属病院に転送され、2時間後に緊急の手術を受け、3日間生死の間をさまよいながらも、最新の技術、医療、設備、そして環境の中で生還をすることができました。その経験から、医療の大切さ、かけがえのないものであると身をもって経験し、その生還の感動の中で、私にできる恩返しを真剣に考えてきました。以来、市立病院の建設計画にも強い関心を持ってきました。そして、絶対に市立病院をなくしてはいけない、市民のためにも、小樽市の将来のためにも、この計画は一日でも早く推進すべきであると思いを強くしております。今年に入っても、地域医療を取り上げる新聞記事に、岩内町で私と同じ重傷事故で4時間後にドクターヘリで札幌に搬送されたものの、病院で亡くなったと報じられ、もう少し早く診断ができれば死に至らずに済んだ事故であり、これが地域医療の現状だと、医師のコメントが今も脳裏から離れることはありません。そうした思いは、病気や事故で病院にかかった経験のある人や家族の共通の思いでもあると思いますが、現状、国の方針に影響され追従していては、新市立病院の建設計画も進まず、本当に小樽の医療を守ることができるのか、心配しているのは私どもだけではないと思います。先般、市が示した計画は、1病棟40床を休棟し、看護師20名を減らし、人件費10億円を削減するなど、オール小樽で取り組む方針が示されましたが、職員のモチベーションが維持されるのか心配でもありますが、国はガイドラインを盾に70パーセント未満の病床の利用率の関係や医業収入の落ち込みを指摘し、今度は基本設計や建築段階など、起債申請のたびに次々とハードルを高くしてくるのではないかと思われますが、市長はこのガイドラインについてどう受け止めていますか。新市立病院計画はあらゆる角度から長い時間をかけ検討され、今日の方針が決定され、推進の努力が続けられてきたと承知しておりますが、PFI方式についても、議事録から多くの議論経過があったことを知ることができましたが、これまで私が申し上げましたとおり、国の政策や医療を取り巻く環境、情勢の変化もあり、公立病院に対する支援ビジネスや新たな業態を組み合わせた病院システムなど、環境も大きく変化しております。公立病院として国の交付金や補助金の活用を前提とし、情勢の変化を踏まえた総合的な検討をしてみる価値はあると思います。財政再建と新市立病院建設という課題をあえて混同し、議論が分散されてきたために、今、小樽市の医療や後志の拠点医療をどう守るかという視点に欠けていると思います。それは、小樽市内にはこれまで民間の大きな病院や市立病院があり、医療環境には恵まれてきたために、地域医療を大切にするという気風が育っていないからだと思います。医療を取り巻く環境は大きく変化し、大きな病院でも順調な運営がいつまでも続くという保障はありませんし、札幌市内でも大きな病院が経営に行き詰まった例は現実に起きています。既に、道内の多くの地域では医師不足が深刻化し、自治体病院の再編の動きも明らかにされております。根室市では、地域住民が病院の支援組織をつくり、利用を呼びかけたり、医師との交流会を開催するなどしております。地域医療を守るための活動は、既に全道的な広がりとなっています。そうした現実を踏まえれば、いかに厳しい条件があろうとも、計画を実現しなければならないと思います。新病院建設について、市長の決意を改めてお伺いしたいと思います。次に、コミュニティバスの運行実現について質問をいたします。少子高齢化が進む小樽市にとって、冬期間でも自由に移動する交通手段を希望する声は多く、市内の各方面から新規に路線バスの乗り入れや路線の延長を求める声は根強くあります。大都市やその周辺では公共交通機関の整備がされ、マイカーに頼らない生活が定着しておりますが、高齢化が進む多くの地域では、通院や買物などの交通の移動手段を確保するために、地域独自のコミュニティバスや乗り合いタクシーに知恵を絞っております。小樽市は市民の要望に対して、これまでどう対応し、また、全国の動向や道内での取組についてどう認識され、どのような調査研究をされてきたのか、お知らせください。私は、市内各地域の皆さんから、冬場になるとタクシーも利用できず、日常の買物や病院にも行けなくなる、お年寄りがこのような滑る坂道をバス通りまで歩いていくには大変危険だ、自家用車に乗れなくなったら小樽に住むこともできなくなる、路線バスを延長してほしい、新規路線をつくってほしいといった切実な声を聞かされました。私も交通産業に長年携わってきた者として、こうした声に心を痛めながら、何とかこうした不便を解消し、市内のどこからでも自由に買物や通院、通園や通学、通勤に利用できる公共交通手段を確保できないものかと勉強してまいりました。しかし、バスやハイヤー、タクシー、そして運輸業界は規制緩和、自由競争で企業としての体力を失い、燃料費の高騰が追い打ちをかけ、企業努力も限界に達しているものと思われ、利用者の多様なニーズにこたえるだけの余力もなくなっているのが現実だと思います。よく市民の方から、宅配便のトラックは小さな荷物1個でも自宅まで届けてくれるのに、タクシーに乗って途中でおろされるのは納得がいかないという声を聞きますが、今、市内を走っている車両のほとんどが四輪駆動車なのに対して、タクシーは法人、個人合わせても数台あるのみで、とても市内全域の要望にこたえることはできません。そうした現状から、人の移動が難しくなれば、経済活動の損失も大きく、人口の減少にもつながると思われます。他の自治体でも地域的なハンディを克服するために工夫をしております。広い地域に住民が点在しているところでは、乗り合いタクシーが多く、自治体の補助によって運行されている例が多くあります。また、学校の統廃合でスクールバスを運行している自治体も財政負担が重く、少子化の影響で継続的な運行が難しく、特定免許を申請し、乗り合いバスとしたところもありますが、運営は総じて厳しいようです。小樽市は山坂の道が大きな障害となるものの、町会単位で住民がまとまっているところが多く、定員10名から15名程度の小さなバスで運行が可能な地域が多く、限りなくタクシーの利便性と乗り合いバスの低廉性をかねて、通園、通学の安全確保や高齢者の買物や通院の利用、通勤にマイカーを使用しない環境対策など、理想的な公共交通機関としてコミュニティバスは期待されると思います。町会単位でのニーズにこたえるきめ細かな運行によって、採算面も含めて、他の都市にはない利便性にすぐれたコミュニティバスの運行が可能であると考えられます。将来、市内各地域からコミュニティバスが運行されることになれば、新たなネットワークとして小樽市の発展にも貢献できると思いますし、基本的には主体となる町会が中心となって運行経路や行き先、時間帯、回数を決定し、無駄を省くための一般利用者の呼びかけなど条件を整備し、運行会社と協議し、運賃を決定すれば、採算性も克服できるものと思います。小樽市の役割はバス事業者やハイタク事業者に理解と協力を求め、安全性の維持や地域での負担など、コミュニティバスを運行するためのルールづくりや支援とふれあいパスの利用の承認で、コミュニティバスの運行は可能だと思われますが、市長の御見解をお示しください。次に、福祉灯油についてお尋ねをいたします。市民生活にとって欠かすことのできない灯油価格が急騰し、現在、道内一部地域では早くも1リットル100円を超え、小樽市内でも年内にも1リットル100円を超えることは確実と言われております。ガソリン価格の上昇も続いており、市民生活に深刻な影響を与えております。原油価格は投機的な要素に加え、環境保全の面からも値下げの要素がないと言われ、高騰にもかかわらず世界的な需要は根強く、さらに価格上昇の懸念も続いています。市民の皆さんからも、年金生活者で毎月1万円を超える灯油代の支出増には耐えられないと悲痛な訴えもあります。サラリーマンでも、年収がこの間26万円も減収になり、年収200万円以下で働いている人が30パーセントを超える中で、すべての市民が価格上昇の直撃を受けています。対策として、福祉灯油を求める声や備蓄灯油の放出を求める声は大変多くなっています。福祉灯油は道が補助基準を緩和する方針を打ち出してから、ますます期待は大きくなっていると思われますし、本日、政府の緊急対策会議も開催されており、小樽市としても福祉灯油の実現の条件は整ったと思われますが、市長の御見解を求めます。また、備蓄灯油の放出については、国家備蓄は約70日分のほかに、石油会社などが備蓄する民間備蓄も相当量があると言われております。しかも、国家備蓄が始まって30年間、一度も放出した例がないと言われております。民間備蓄もアメリカのカトリーナ災害のときに放出した例があるのみと言われています。法的な放出条件は、輸入が停止したときという条件があり、価格高騰による市民生活の影響は対象外ということであります。今後の課題としては、市民生活への影響や経済への影響を緩和するために、弾力的な運用が可能な法改正や備蓄灯油の放出を国に要請していただきたいと思います。次に、バイオ燃料に対する取組について質問いたします。私は、さきの第3回定例会の経済常任委員会でも、石油価格の高騰の情勢を踏まえて、今後の市民生活や経済活動への大きな影響を懸念し、バイオ燃料を生産するための取組を要請いたしましたが、残念ながらいまだ廃棄食用油の回収や企業誘致など、具体的な取組が見られません。小樽市内には食品加工会社、市場、ホテルなどで大量の食用油が使われ、一般家庭でも使用されております。そして、ごみとして廃棄される食用油は相当量に達すると思われます。そう考えますと、他の都市より資源として回収することが徹底されれば、相当量の確保ができると思われます。廃棄食用油を原料とするバイオディーゼル燃料の製造は、大きなプラントも必要とせず、設備投資も安く済むことから、最近では工業高校などでも実証実験が行われ、成功例は数多く報告されています。小樽市内でも、バイオ技術では先進的な企業もあることから、技術の転用や応用は可能ではないかと思われます。まずは、小樽市が資源として企業や市民に廃棄食用油の回収を呼びかける取組が第一歩であると思います。道内でも既に多くの市町村で取組が始まっていますが、先進地の京都市や福島県いわき市では、市内の旅館、飲食店、家庭から出された廃棄食用油でバイオディーゼル燃料を生産し、昨年の実績でも、京都市では1,500キロリットル、いわき市で500キロリットルが生産され、ごみ収集車や市内の路線バスの燃料として使用されています。道内では、帯広市が早くから食用油の回収に取り組み、実験を重ね、現在は国の支援による実証プラントなども動きだし、エネルギー作物の研究とエタノール製造の技術を組み合わせ、最近の新聞報道によりますと、1リットル40円を目指して研究が進められていると言われています。また、大阪では建築廃材から高いエネルギーのエタノールの開発に大手企業とタイアップし進めてきた結果、最近、実用化のめどがついたと報じられています。山形県の新庄市、沖縄県の伊江島、宮古島など、多くの市や町がサトウキビや地元の特産品でバイオエタノールの生産がされています。最近の研究では、コストを下げるためにあらゆる廃棄物を原材料にバイオ技術を応用し、エタノールを生産する技術開発に意欲的な取組が進められています。バイオ燃料の開発は、これまで環境対策としての位置づけが重視されてきましたが、原油価格が高騰している現在は、石油税を加えても十分に経済的に見合う生産が可能と判断されています。バイオエタノール分野では、飼料価格を基本とした場合の生産価格は、昨年1月のガソリン価格との比較で、バイオ燃料は1リットル90円で、規格外の小麦を使用しても1リットル98円とされています。現在の原油価格の高騰は当面続くことは確実で、バイオ燃料の生産コストは十分に採算ラインに乗り、企業活動にも今や成長産業と言えると思います。ブラジルではサトウキビを原材料に生産されているエタノールは、1,700万キロリットルを超える輸出産業に成長しているのはあまりにも有名な話でありますが、アメリカはいまだレギュラーガソリンの価格が1リットル80円台と言われていますが、オレゴン州ではバイオ燃料精製工場の建設ラッシュが続き、経済構造にも変化が起き、雇用を生み出す原動力にもなっていると言われています。これからも廃棄食用油の回収と生産はすぐにでも小樽市で取り組むべき課題と考えますが、現状と課題についてお聞かせください。また、廃棄物を利用したバイオ技術の応用はこれから発展する分野と考えられることから、企業誘致などに積極的な取組が必要と思いますが、市長の御見解をお伺いします。以上、再質問を留保し、民主党・市民連合を代表しての質問といたします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
林下議員の御質問にお答えいたします。初めに、いわゆる地方財政健全化法についての御質問でありますけれども、まず、この法律に対する見解と今後の対処などについてでありますけれども、この法律の制定の背景には、これまでの制度の課題として、一つは財政再建団体の基準しかなく、早期是正の機能がないこと、二つ目として早期是正・再生という観点からのわかりやすい財政情報の開示や正確性を担保する手段が不十分であったこと、三つ目として普通会計を中心とした収支の指標のみで、他の会計を含めた負債等の財政状況に課題があっても対象とならないといった指摘があったと認識しております。このようなことから、財政情報の開示を徹底し、透明なルールの下に早期是正措置を導入することにより、住民のチェック機能を働かせ、財政再建を促していくことを柱とする早期是正・再生スキームが導入されたものと理解しております。次に、今後の対処でありますけれども、先週7日に早期健全化基準などが公表され、現時点で総務省から示されている内容を基に、平成18年度決算数値で試算いたしますと、連結実質赤字比率が18.1パーセントで、現時点では早期健全化基準に該当することとなり、今後は予算編成段階から、従来にも増して、企業会計などを含めた広範な角度からの収支の検討が必要と考えております。いずれにいたしましても、これまでの赤字の解消と財政の健全化を最優先課題として取り組んできておりますので、今後におきましても可能な限り早期にその目標を達成するよう、全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。次に、地方財政健全化法に基づく比率の算定上の除外項目でありますけれども、現在、把握しております内容では、各指標の算出において、一つの会計として除外されるものはありませんが、例えば連結実質赤字比率の関係では、公営企業の資金不足額の算定において、上下水道や地下鉄事業など、施設の耐用年数が長く、初期投資がかかる事業で、料金収入が平年度化するまでに発生した赤字額のうち、一定の条件に該当するものを除外することとしております。なお、詳細は今後政省令で示されることとなっております。次に、国から地方への財源の移譲と国への要望でありますが、これまでも地方税財源の充実確保の観点から、全国市長会などの地方六団体が結束して国へ要望しておりますが、今年も先月19日に平成20年度予算編成に地方側の意見を反映させるため、「地方分権改革推進全国大会」を開催し、「地方交付税の復元・増額、一般財源の確保による地域間格差の是正」「地方税源の充実強化と税制の原則を踏まえた偏在是正」など、政府へ要望を決議したところであります。私も上京の折は時間の許す限り関係省庁に立ち寄り、小樽市の厳しい財政状況を説明するとともに、北海道市長会を通じてさまざまな要望をしてきており、中には全国市長会としての重点要望事項の中に取り上げられたものもあります。いずれにいたしましても、この地方の疲弊している現状については、繰り返し国に対し伝えていかなければならないと思っており、今後とも北海道市長会や全国市長会などとも連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。次に、公立病院改革ガイドラインについてでありますけれども、総務省の公立病院改革懇談会は、去る11月12日に公立病院改革ガイドライン(案)をまとめ、総務省に提出いたしましたが、総務省としましては、年内には必要な財政支援措置を含め、ガイドラインを正式決定する予定と聞いております。公立病院は、採算面から民間病院では提供が困難な医療を地域住民に提供するなど、それぞれの地域医療確保のために重要な役割を担ってきております。しかしながら、近年の病院勤務医の不足による診療体制の縮小や診療報酬の引下げ、また、母体となる自治体の財政悪化など、大変厳しい経営環境にある中で、これからも地域住民が必要とする医療を安定的かつ継続的に提供していくためには、それぞれの地域の実情に合わせた事業のあり方を見直し、あわせて経営改善を図ることは避けて通れない課題であると考えております。このガイドラインは、公立病院改革に係るプラン策定に際しての技術的助言とされておりますので、これを尊重すべきと考えておりますが、具体的な財政支援措置が今後どのようになるのかまだ見えない中では、評価は難しいものと思っております。次に、新市立病院の新築に向けた私の決意ということでありますけれども、御承知のとおり、全国的な医師不足、偏在化が深刻化しており、地域医療を守るためにも、北海道からは自治体病院等広域化・連携構想(素案)が出されておりますけれども、市立病院の統合新築は、市立小樽病院での総合的診療機能、第二病院での高度で専門的な診療機能を統合するものであり、市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを行うためにも、市立病院は欠くことのできないものと考えております。したがって、老朽化が著しく、非効率的であることから、このまま継続していくことが困難であり、これ以上の財政負担を増やさないためにも、統合新築は必要であると考えております。そのため、一時的とはいえ、事業を中断せざるを得ないことは、私としても大変残念なことであります。今後とも患者様の視点に立った医療サービスの向上を図るとともに、入院・外来収益の改善を行い、できるだけ早い時期に業務の再開のめどを立てて、引き続き病院の統合新築に向けて努力してまいりたいと考えております。次に、路線バスの市民要望への対応でありますけれども、市民からの要望はその都度バス事業者に伝えるとともに、市といたしましても必要な要望を行い、これまでオタモイ線や最上線などの築港地区への延長、山手中通線の新設、ニセコバスの長橋5丁目への停車などが実現しているところであります。コミュニティバス等の全国の動向と道内の取組でありますけれども、コミュニティバスは平成7年、武蔵野市においてバスの便のない狭い道路の住宅地への乗り入れを行うなど、自治体が住民の足を確保するという観点から開始され、また、乗り合いタクシーは深夜や過疎地などで従来のバスなどを補う公共交通サービスとして、ともに急速に広がっております。一方、道内における取組でありますけれども、コミュニティバスは旭川市や千歳市などで、乗り合いタクシーは伊達市や帯広市において実現しており、知床では実証実験が行われるなど、導入に向けた動きは全道・全国的に広がっているものと認識しております。また、これまでの調査研究でありますけれども、今のところ市民からはコミュニティバスや乗り合いタクシーに対する要望はありませんので、導入に向けた調査研究はしておりませんが、バス事業者とは市内のバス路線の延長や新設時などの要望に当たって、これらの手法も含め議論しているところであります。次に、コミュニティバスの運行という御提言でありますけれども、お話のように通園、通学者の安全確保や高齢者の買物や通院の利便性など、さまざまな利点がありますけれども、一方でまた難しい問題も多くありますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思っております。なお、当面は市民からの要望のあるバス路線の新設や延長などの実現に向け、バス事業者に働きかけてまいりたいと考えております。次に、灯油価格の高騰とバイオ燃料の取組の御質問でありますけれども、初めにいわゆる福祉灯油についての小樽市の取組でありますが、本日開かれた政府の関係閣僚会議における緊急対策も踏まえ、さらに北海道の地域政策総合補助金の活用なども考慮しながら、その実施に向け、検討してまいりたいと考えております。次に、廃棄食用油の回収についてでありますけれども、現状としましては、ホテルやレストランなどの事業所から出る廃棄食用油については、産業廃棄物処理業者が廃棄物として回収し、異物を除去し精製した後に、重油の補助燃料としてリサイクルしている例があるほか、身近な例としましては、市内の幼稚園でも、園児の家庭から廃棄食用油を集め、市外のバイオディーゼル精製販売業者に渡し、精製後に通園バスの燃料に使用している例などがあります。また、回収の課題についてでありますけれども、効率的な収集方法、安定した収集量の確保、地域住民の協力のほか、収集したものを確実にリサイクルできる企業の確保などの課題があるものと思っております。次に、バイオ技術関連の企業誘致についてでありますが、環境の保護や国が推進している循環型社会構築などの観点から、廃棄物などの利用によるバイオ技術の応用は重要な課題であるものと認識しており、昨年施行した企業立地促進条例による優遇措置では、バイオマスなどの新エネルギー関連施設も対象の一つとして定めているところであります。このことから、今後、バイオ技術に関する情報や他都市の事例などを参考としながら、企業立地の可能性について検討してまいりたいと考えております。(「議長、16番」と呼ぶ者あり)
質問 16番 林下孤芳
細部にわたる質問は、今後の委員会で行いたいと思います。