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南幌町議会 令和4年第1回定例会 2022年3月8日

新規就農者の受け入れについて

2022年3月8日、南幌町議会の一般質問で、石川康弘議員が「新規就農者の受け入れについて」質問し、町長が答弁しました。

質問者
石川康弘 議員
答弁者
町長

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 石川

今回、私は町長に1問質問いたします。新規就農者の受け入れについて。本町の基幹産業である農業は、水稲を中心に畑作経営も拡大しており、1戸あたりの平均面積は30ヘクタールを超え、道内有数の耕作面積を有しています。しかしその反面、農家戸数は年々減少しており、令和3年度の農家戸数は160戸、農家人口は691人であります。このままだと、あと10年後には100戸ほどになるのではないかともいわれており、今後いかにして農家戸数を維持していくか、JAをはじめ町内の農家もとても心配している状況であります。本町での新規就農者は、親元就農と農業生産法人に就職する形で毎年誕生してはいますが、それでも離農者数を補うほどでの数ではありません。新規参入を希望する就農者に対しては特に何も行っていないのが現状だと思います。それは、農地を求める既存の農業者が多いため、新規の方に紹介するほどの農地がないのが一番の理由なのですが、例えば、農業生産法人や大規模農家から土地を借りて就農するような機会は作れないものでありましょうか。町と農協等が新規参入就農者を求める体制がなければ、就農する機会が生まれないのではないかと思います。本町は住宅地だけでなく農業をしようとする人にも魅力ある土地柄であるだけに、受け入れ体制の設置が必要ではないでしょうか。今後、国の政策次第で農地売買の流れが変わる可能性もあり、離農する人が増えるなどその時になって慌てることがないように、今から新規就農者の受け入れ体制を整えておく必要があるのではないかと思いますが、お考えを伺います。

答弁 町長

新規就農者の受け入れについての御質問にお答えします。親元就農をはじめ新規就農者を確保することは、持続可能な農業を推進する上で大変重要であると考えることから、新規就農支援招致サポート事業や新規就農支援住宅の設置などのほか、本年度から新たに、担い手対策奨励事業を実施します。本町においては、農業生産法人や大規模農家の経営規模拡大の志向が強く、新規参入希望者が農地を求めにくい現状です。新規参入者が農業経営をしていくためには、認定新規就農者として認定を受けるほか、農地の確保、技術や経営能力、資金の確保等が必要となります。町内において、先進的な事例もあることから、担い手育成総合支援協議会を中心に、農業生産法人での雇用就農や研修の紹介を行うとともに、農業者に対し、新規就農希望者の研修の受け入れや、農地の確保などのアンケート調査を行い、新規就農者の確保に向けた取組を進めてまいります。

質問 石川

今回この質問をするために、栗山町の取り組みを聞いてきました。そこでちょっと栗山町についてお話ししたいと思います。栗山町には町、農協、農業委員会、改良区、普及センターなどで組織する栗山町農業振興公社があり、新規就農者の受け入れから農業研修、そして就農への支援を行っており、今までに独身3人、夫婦15組の33名の人たちが入植されているそうです。栗山町では、毎年全国で行われる新・農業人フェアやマイナビ就農フェストなどのイベントに、年十数回出向いて面談したり、農地を担当する農業委員との懇談、面談会、農業体験会を随時開催するなどして、積極的に新規就農者受け入れの推進を行っています。就農希望者は、まず公社において面接を受け、農業に対する意欲を確認されます。そして、研修期間は公社が管理している住宅、7棟12戸を利用することもでき、短期農業体験者には家財道具がそろった専用宿泊施設もあるということです。研修先農家は本人が学びたい作物を栽培する農家にできるだけ沿えるようあっせんしてあげ、特に指導農業士などの資格の有無にはこだわっていないということです。2年間の農業研修の間は、地域おこし協力隊事業を活用した支援や国の次世代人材投資事業資金(準備型)という支援制度などでサポートしているそうです。また、地域になじんでいけるか研修先農家との人間関係、地域農家からの信頼度を研修期間の中で公社が確認していきます。そして研修を修了し、農地を取得し、就農するにあたっては、農業委員会に5年間の農業計画を提出し、農業委員が現場を視察、審査するようになっているそうです。新規就農者のほとんどは、施設、露地などの野菜づくりを希望しており、平均2から3ヘクタールほどの面積規模で営農を行っています。出荷先は、独自で売りたいとする人が多いようですが、農協の出荷については独禁法の絡みもあり縛りはありませんが、5割の方が農協だそうです。年齢は30代から40代、出身地は道内をはじめ、関東、関西、九州など全国から来ており、元農水省職員や国立大学卒業など高学歴の人もいるそうです。公社では、毎年一般農家に向け意向調査をしたり、農業委員が仲介し情報を仕入れて農家の動向をおさえているそうです。このように、栗山町では農業者の減少をおえるため、いろんなサポート体制を組んでおり、全国から優秀な人材を集めていることから見ても大いに見習うべきではないかと思います。確かに、中山間地という地形や古くから野菜農家が多いという環境が南幌町とは違うところはありますが、本町としても本町なりのやり方で取り組むことができるのではないでしょうか。このような取り組みは、栗山町だけでなく、ほかにもたくさんあります。隣の石狩管内にある道央農協では、公益財団法人として農業振興公社を設置して、公社所有の農地1,006ヘクタールの圃場で、1年間基礎的知識の習得と栽培トレーニングを行い、2から3年目には地域の農家の圃場で一緒に作業しながら学び、実践経験を積み上げ、地域の人との信頼関係を構築する研修を行っているそうです。また、当別町では、花卉栽培農家を主体とした新規就農者を募っています。そして、第三者継承希望農家募集と掲げ、地域の農業を守りたいと。長年培った技術を次世代につなげたい。もう使わない農機具があるので活用してほしいといった農家と新規就農希望者をつなぐ事業を行っているそうです。本町にも町の特産品を生産する人やこだわり栽培を行い、全国的な活動をする人などいますが、その人の代だけで終わらせるのではなく、後継ぎはいないがこの作物を後世につないでいってほしいと本人が希望するならば、その橋渡しとして、当別町のように第三者就農制度を利用して新規就農者を募り、育て、受け継がせてはいかがと思うのです。そして、地域おこし協力隊の制度を活用し、就農者の研修期間の生活や就労に向けてバックアップしてあげるのはいかがでしょうか。地域おこし協力隊は、地域ブランドや地場産品の開発、地域おこしの支援だけでなく、農林水産業への従事、住民支援などを行いながら、その地域への定住、定着を図ろうとする総務省が決めた制度です。この制度を活用することで、就農希望者の支援や農業者の確保につなげるうえで大いに役立てるのではないかと思います。第三者就農だけでなく、研修を受けた新規就農者へあっせんする農地については、町内にある農業法人や大規模農家から例えば30アールとか50アールほどでも借り受け、就農の機会をつくり、軌道に乗れば徐々に拡大していく手助けをしてもいいかと思います。新規で農業を行うにも、資材や農機具など最低限の準備は必要ですから、その手助けを農業法人や大規模農家の人たちからの支援があるならば可能ではないかと思います。そういったことも含めて、本町でも町や農協、農業委員会、普及センター、農業法人会などが手を組んで取り組むことができないものか、改めてお伺いいたします。

答弁 町長

まず、現在の離農戸数、また新規就農者、経営規模の状況について、ちょっとお答えをしたいと思います。直近5年間での離農戸数は15戸で、新規就農者は、農業生産法人を含め18名就農がされております。毎年、3、4名がUターンなどで親元就農や農業生産法人への雇用就農しており、全国的に後継者・担い手不足が叫ばれる中では、現時点では比較的確保されているほうではないかなというふうに思ってございます。農業経営者の年齢も39歳以下の方が全体の14%で、その割合は以前よりは上昇傾向にございます。また、経営規模につきましては、個人、法人あわせますと、議員言われたとおり31町で大規模化が顕著でございますが、生産者並びに関係者の御努力によりまして、耕作放棄地については現在発生していない状況にございます。加えて、経営規模につきましては、2年前の農業振興ビジョンの策定時に行ったアンケート調査でございますけれども、現状維持または規模拡大の志向は個人経営で76%、法人では100%というような状況でございます。町の今までの相談といいますか、そういうケースでございますけれども、就農相談でございますが、年に2件程度の就農相談がございます。やはり、施設栽培や有機栽培などを目指すケースが大半でございます。札幌などの町外からの通い型の就農を目指す方も多くございます。その中で、まずは実体験としまして、法人などへの就農研修を進めておりますけれども、なかなかそこまで行きつかないのが現状でございます。やはり、自身の思いと実際の農業の現実に差が出てくるのかなというように感じてございます。先ほど議員の言われました第三者就農制度、これは否定するものでもございません。地域おこし協力隊につきましては、以前JAさんとも協議をしたことがございまして、また、このたびの第6期総合計画後期基本計画の中でもずいぶん庁内で検討をしました。いずれにいたしましても、野菜などの施設栽培であっても、やはりその生活レベルを維持するための農業所得を確保するためには、生産機具や労力、営農技術など高いハードルがあるものと思います。しかし現在、町内でもそういうことにチャレンジされている新規就農者の方もおられます。非常に頑張っておられると思います。町のほうとしましては、まずはそのような新規参入者に対しまして、実際にそのような農地が存在するのか、または出し手がいるのか、または研修の受け入れなどが可能なのか、その辺のアンケート調査を進めてまいりたいと考えております。

質問 石川

御答弁いただき、ありがとうございました。いろいろ調査はしていただいているということは御理解を察する次第であります。ただ、いかんせん、今はまだ良くても、さっきも言いましたように、これから先どういうふうな形になるかわからないということで、そういうことも危惧しながら今から体制を整備すべきではないかというふうなことでお話をさせているところでございます。本町の今の160戸の農家のほとんどは、米、麦、大豆をはじめとした政府管掌作物を栽培していて、一見安定しているかに見えますけれども、ころころ変わる国の農業政策に毎年振り回されているのも現状であります。ならば、有機栽培や蔬菜、花卉などの高収益作物に取り組んでみてはというふうに思うんですけども、経営面積が広すぎることや米麦中心の土地利用型経営のため、なかなか集約型農業に切り替えるというには踏み込むことができない、そういった人が多いのが現状であります。これでもし、国の政策が大幅に見直されて補助金や交付金が削減されたとしたならば、経営が成り立たなくなる、離農する人が増えるということも十分心配するところであるわけです。先ほどもおっしゃっていましたけども、蔬菜や花卉など高収益作物、確かに面積も然りでしょうけれども、集約型作物はさほどそんなに面積も要さない、その中で、高収益をあげて十分やっている人も多くいるわけですし、そういったことから考えても十分考えあわせるべきではないかなというふうに思います。農業法人に就職して、そこから独り立ちする方法というのもありますけども、今の法律の中では妨げとなるものがあると聞きます。それらの法律改正に向け国に働きかけてほしいところでありますけれども、特区制度を使って本町独自の新規就農制度を行ってもいかがかなという思いもあります。とにかく豊かな自然と景色、都会や空港にも近いというこのアクセス、そして大消費地に近いという、これがやはりこの町に対しての農業者にとっても同じような魅力として感じているところです。先ほど紹介した栗山町や当別町だけでなくて、トマト農家を求めている平取町やメロン農家の富良野市、スイカ農家の北竜町、また南幌と似たような農業環境の新篠津村だって新規参入就農者を求めて情報発信しているんですから、もっと本町も力を入れていくべきではないかと思います。いずれにしても、新規就農者問題は町だけではなくて、関係機関が一緒になって取り組むべき問題であると思います。既に農協ともいろいろ検討されているということでしたけれども、本当に将来のことを考える中で、これから先、本当に100戸足らずの農家だけでこの農業地帯をおさめていくつもりなのか、再度お考えをお伺いしたいと思います。大規模農家だけではなくて、小規模農家と混在した中での南幌の農業、農村地帯というのが理想的なものではないかと思うだけに、改めてお伺いいたします。

答弁 町長

石川議員の再々質問にお答えします。農家戸数のお話がありましたけれども、現在のこの規模拡大志向につきましては、私は当面の間は続くものと考えております。したがって、対象農地はなかなか出てきにくいのかなというように思います。議員言われたように、本町の農業は、今まで水稲を中心とした輪作体系の確立によりまして持続的に発展し、特に本年は経営の安定化が図られていると思います。その多くが土地利用型でございまして、後継者は親元就農やUターンなどにより経営継承するケースが大半でございます。そのことが全てではございませんが、結果、生産基盤の確保、また経営の安定化に大きく影響することによりまして、土地改良事業なども円滑に進んでいるのではないかなと思っております。本町で新規就農を考えた場合、議員言われるように水稲につきましては農地や生産基盤の確保などから非常に厳しい現状であるかと思います。多様な農業が理想でございますけども、そのような背景もあって、過去から本町ではなかなか新規就農が増えてこないのが実態であろうかなと思います。先ほども申し上げましたけども、しかし、町内でチャレンジされている新規就農者もおられますので、その可能性を確認するためにも、まずはそのアンケート調査を行ってまいりたいと思っておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。

出典:南幌町議会 令和4年第1回定例会 2022年3月8日 議事録 PDF(28ページ) 間違いを知らせる