南幌町議会 令和3年第2回定例会 2021年6月16日
高齢者補聴器購入費助成について
2021年6月16日、南幌町議会の一般質問で、熊木惠子議員が「高齢者補聴器購入費助成について」質問し、町長、保健福祉課長が答弁しました。
- 質問者
- 熊木惠子 議員
- 答弁者
- 町長、保健福祉課長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 熊木
町長に2問伺います。1問目 高齢者補聴器購入費助成について。2017年に開かれた国際アルツハイマー病会議で、ランセット国際委員会が「認知症の35%は予防可能な9つの原因により起こると考えられる。その中で難聴(9%)が最大の危険因子である」と発表しました。団塊の世代が後期高齢者となる2025年、認知症の人は予備軍と合わせて1,400万人になると言われています。難聴による聞こえの低下がなぜ認知症に関係するかは未解明となっていますが、人間は誰でも加齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなり、70歳以上の半数に難聴があるとされています。言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、日常生活の中で意思疎通がうまくいかなくなったり、社会参加をためらったりする実態があると思います。コミュニケーションにも支障が出て社会的に孤立することで、認知症のリスクが高まります。難聴になったら、なるべく早い補聴器の使用が聞こえの改善にとって大切です。しかし、補聴器は15万円から30万円と高価で、年金生活の高齢者には手が届かず、諦めている間に難聴が悪化する状態が見られるのではないでしょうか。そこで、補聴器購入の公的補助が必要ではないかと思います。現在、補聴器購入の公的補助は障害者手帳を持つ重度の難聴者に限られています。東京都23区では、補聴器助成制度が15区で制定済みで、高齢者の聞こえの支援が広がっています。静岡県長泉町では2013年、全国的に早い時期から補聴器助成制度をスタートさせています。その取り組みは、役場の窓口業務の中で、お年寄りが耳が聞こえにくく会話の中に入っていけない、社会参加に支障があるなど、孤立するケースや認知症の危険もあったため町担当課で起案し制度化したそうです。65歳以上で聴力レベルが50デシベル以上70デシベル未満の人が対象で、助成額は購入金額の2分の1以内、所得制限なし、上限3万円とされ多くの町民に喜ばれています。また健康診断に聴力検査を取り入れ、難聴者の実態をつかみ、対象者の幅を広げるなど現行制度の拡充も行われているそうです。本町でも高齢化率が高くなってきていることから、第8期介護保険事業計画、高齢者福祉計画に謳われている、住み慣れたまちで健康を維持しながら最期まで安心して暮らしたいという思いに沿えるよう、高齢者補聴器助成制度を創設する必要があると思いますが町長の考えを伺います。
答弁 町長
高齢者補聴器購入費助成についての御質問にお答えします。難聴は高齢者の多くが直面する課題であり、国においては、難聴と認知症に関する臨床研究を実施するなど、認知症発症のリスク要因としても注目されているところです。本町の補聴器購入の補助については、障害者総合支援法に定める補装具として、聴覚障がいの身体障害者手帳の交付を受けている方及び難病患者の方を対象とした国の補助制度により対応しています。御質問の高齢者の補聴器購入に対する助成制度については、国において、「認知症施策推進大綱」により、認知症の予防と共生を主眼においた施策を推進していることから、国の公的補助として制度化されることが望ましいと考えており、今後、国や道、他市町村の動向を注視してまいります。また、高齢者の難聴は、大部分が加齢性難聴であり、動脈硬化などの生活習慣病予防が難聴の予防にもつながるとされていることから、引き続き高齢者の保健事業と介護予防の一体的な取り組みを進めてまいります。
再質問 熊木
再質問します。今、町長の答弁の中で、国の公的補助として制度化されることが望ましいということで、今後国や道、他市町村の動向を注視していくということでした。今すぐこの質問をして、すぐその制度化というのは難しいと私も考えます。しかし高齢者の置かれている実態というのは先ほども述べたように、町の第8期計画の中にあるように、やはり最後まで元気にこの町で年を重ねて過ごしていくということは皆さんも望んでいることですし、御本人が一番望んでいることだと思います。その思いに沿っていくということが必要ではないかなと考えます。そもそもその補聴器助成制度、先ほど町長の答弁もありましたけれども、国の制度として、障害者総合支援法に基づいて補装具費支給制度があります。この制度が先ほど言われたように、障害者手帳を交付される、聴力が70デシベル以上の重度、高度に限っているということで、軽度、中等度の難聴者は対象外となっています。私もいろいろと調べたんですけれども、2019年の第2回定例会で「加齢性難聴者への補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」というのが全会一致で採択され、すぐ国会に送られました。意見書があちこちから届いていても、すぐその制度になっていかないことにはやっぱり大きな問題があると思いますし、そうこうしているうちに難聴がどんどん進んでいって手遅れになるということにもつながっていくかと思います。欧米に比べて日本の補聴器の使用率が低いということはいろんなデータからも示されています。価格も欧米に比べてかなり高額であるということで、いろいろ高齢者を取り巻く健康に関する問題で、歯の治療だとか目の治療だとかそういうものにも比べても補聴器は格段に高いということが実態にあって、なかなか手が届かないというのが実態かと思います。聴力70デシベルというのは、両耳でいうと40センチ以上離れると、その会話が理解し得ないということだそうです。40センチの範囲でしか会話が理解できないということで、相当の重度、高度の難聴ということであり、今の国の制度はそういう方だけに限定して支給制度があるということで、かなりこれは遅れているなと思います。世界保健機構(WHO)は、41デシベルから補聴器を付けることを推奨しています。41デシベルというのは、時々人の言うことがちょっと聞き取れない、人の声には音域がありますから聞き取れないというレベルであり、基本的には聞こえるけれどもかなり聞き取りづらくなっているというのが41デシベルということだそうです。こうしたことを述べていきますと、やはりいろいろ近隣の状況とか国の動向を見ながら注視していくということなんですけれども、高齢化率がどんどん上がっていくという中で、やはり近隣に先駆けてこういうようなモデルとなるようなものを本町が実践していくということが大事ではないかなと思います。全国各地で取り組まれている制度で、先ほど静岡県長泉町の実例を紹介いたしました。そこでは割と早い時期、2013年からスタートさせていて、住民の運動とか何かそういうことではなくて、役場の窓口業務の中で、お年寄りの社会参加に支障があるという声を真剣に担当課で検討して自分たちで起案をして制度化したというのはすごい画期的だと思うんですよね。その辺について、町長はどういう感想をお持ちか、それをまず1点伺いたいと思います。また、本町の保健福祉課の取り組みは課の職員の大変な努力もあって、コロナ以前は視察も多数になっていると聞いております。今回のコロナワクチン対応でも住民の目線に立って独自の取り組みをされていることは大変大きく評価できます。こうした日常の取り組みの中で、窓口業務や高齢者の難聴に関しての相談件数や対応をどのようにされているのか1点伺います。先進地事例を先ほど紹介しましたけれども、東京都の15区の中で既にやっていて、先日の新聞には、千代田区が2020年4月から、助成額が2万5千円だったものを5万円に倍増して、助成人数が大幅にふえているということです。この千代田区でも2012年4月から制度としてスタートしています。やはり住民の声を聞き、使いやすいように何度も制度の内容を更新しているということで、そこの区の場合は対象を高齢の難聴者だけでなく聴力レベルが片耳40デシベル以上で、聴覚障害の身体障害者手帳を持っていない区民が対象となっています。このように進んでいるところはどんどん拡充させながら健康に管理して、それで高齢者を、また高齢者だけではなくてその難聴の方を守っていくというような制度をやっているので、ぜひ最初の答弁の中では他のところを注視していくということだったんですけれども、ぜひ考えるきっかけになってほしいなと思うので、先ほどの2点の質問にお答えをお願いしたいと思います。
答弁 町長
それでは、先ほどただいま御質問ありました相談体制のことにつきましては担当課長からお答えをし、その後、私から答弁させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
答弁 保健福祉課長
相談のことについてお答えいたします。障害者自立支援法に基づきまして、手帳を持っている方は現在15名でございます。その中で制度に基づいた補聴器の購入は、令和元年度については修理が2件、購入が3件ございました。昨年、令和2年につきましては1件でございました。日常の保健師等のかかわりの中で相談を受けた機会は今のところございません。ただ、高齢者と接する機会に声かけをしまして、認知症等のかかわりがあることですとか、あと健康教育で周知を行っていけるものと思っております。御本人向けには、やはり難聴と認知機能の低下に関連づけた内容で、健康教育や保健師との個別のかかわりの中で対話を中心に状況をお聞きすることが可能かと思われます。また介護されている御家族に対しましては、高齢者の難聴に対する日常生活での工夫などについて情報提供ができれば良いのではないかというふうに考えております。私からは以上です。
答弁 町長
高齢者の難聴の方は認知症の発症リスクが高いと言われておりますけども、補聴器を早期に使用することで老年性難聴の進行を遅らせることができるかについては、根拠となる研究成果はまだないようでございます。しかし、議員が言われるとおり、耳が遠い方は社会参加をためらうことやコミュニケーション不足に陥ることに懸念があることも事実でございます。全国的には、議員言われますように東京都が進んでおります。道内では北見市、池田町、赤井川村の3自治体で取り組まれております。静岡県長泉町でございますけれども、人口規模は4万人弱でございますけれども高齢化率は22%で、昭和58年から交付税不交付団体ということで、本町とは状況的に異なる部分があろうかと思いますけれども、先進的に取り組まれていると感じております。購入費の助成でございますけども、これらの全国的な実態や、これからさらに向かうであろう超高齢化社会を踏まえた場合、購入費の助成につきましては、国の補助制度として行われるべきと私は考えてございます。なお、全国市長会におきましても国の制度化について同様に要望しているという状況でございます。また、議員言われました本議会におきましても令和元年度の第2回定例会におきまして意見書を採択されておりますので、国の補助制度として創設するべきものと考えております。
再々質問 熊木
再々質問を行います。ただいま町長とそれから保健福祉課長に御答弁いただきました。高齢者の生活実態の把握というところで、いろいろ取り組まれてお話をしていただきました。それで1点伺いたいんですけれども、健康診断の中に聴力検査を入れるというところを先進地で取り組んでいて、そこでわかるというか、独居、一人暮らしの方は自分が難聴なのかどうかも、会話もあまりないのでわからないという状況とかも生まれる中で、やはり聴力検査が大事だというところで取り入れているということがあります。その辺をどう考えているのか、ちょっとそれ1点伺います。それから、高齢者の外出を促進するという意味で、いろいろ今はコミュニティの茶話会とかいろんなものを取り組まれていて、このコロナ禍の中でなかなかいろんなことができないでいる実態もあろうかと思うんですけれども、本年から始まるデマンド交通、そういうものもやっぱり積極的に活用しながら外出の機会をどんどんつくっていく、そういうことが必要になってくるかと思いますので、その辺は保健福祉課のいろんな施策の中に載せられていると思いますけれども、改めて今後さらに進めていくことで何かお考えがあれば伺いたいと思います。それから、先ほど町長も、国の制度として制度化ができるように望んでいるということで、全国市長会のほうからも要望が上がっているということでしたけれども、やはりそれを望みつつも、次の計画の時にやはり近隣に先駆けてこういうことを取り入れるということをぜひ検討してほしいなと思うんですけども、それを伺います。
答弁 町長
最初に健診の関係につきまして担当課長より説明をし、その後、私からの御回答させていただきます。
答弁 保健福祉課長
現在の特定健診、40歳から74歳につきましてはメタボリック・シンドロームを重点的に実施されております。また、70歳以上の後期高齢者の検診では、チェックリストの導入によりまして、フレイルといって、加齢とともに運転機能や認知機能が低下するものを早期に発見するための内容となっております。耳の聞こえの内容につきましては導入していない状況にあります。国の研究におきましても、加齢性の難聴は徐々に進行するため御本人が自覚されていない場合が多いということで、こういった健診に導入することがいいのではないかというような内容も検討されているようです。ただ、この研究の内容を見ますと、主に健診については内科医師が判定をするわけですけれども、聴力につきましては耳鼻咽喉科との連携も必要になってくるということもありまして、様々な面で体制整備が必要になるというふうに謳っております。私どものほうも耳鼻科との連携が必要になるというふうに感じております。結論から申しますと、今後こういった聴覚検査が導入することを私どもも期待をしているという段階にございます。
答弁 町長
それでは私のほうからでございますけども、まず、第8期の介護保険の事業計画策定にかかりますアンケート調査では、耳が聞こえないなどの理由で外出を控えているということで御回答された方もいらっしゃいます。それらを踏まえまして、第9期においてはそれらの検討もする必要があろうかと思います。それと、高齢者の外出支援につきましては、いろんな事業をしておりますので様々な部分で通じることがあろうかと思います。その外出支援がさらに進みますよう、そちらのほうは、事業計画やほかの事業とも考え合わせながら進めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますようお願い申し上げます。