清里町議会 平成25年第6回定例会 2013年9月18日
農業振興について
2013年9月18日、清里町議会の一般質問で、前中康男議員が「農業振興について」質問し、町長 櫛引政明が答弁しました。
- 質問者
- 前中康男 議員
- 答弁者
- 町長 櫛引政明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 前中康男
それでは、通告に従いまして、清里町農業振興について、ご質問させていただきます。清里町は農業・林業等の第一次産業を基幹産業として成り立ち、今年9月1日に開基115年開町70周年記念式典を開催しました。1世紀以上にわたり、理想とする農村づくりのために、未墾の原生林を切り倒し、開拓精神を礎に今日の清里町を創り上げてきた先人のご労苦に、心より敬意を申し上げます。さて、農業を取り巻く環境は常に目まぐるしく変わるものです。明治から平成にかけて、食料の安定確保を基本に、幾度も国の施策の中で進んでまいりました。私の知る限り、明治時代、地租改正により個人の土地の所有を認め、その後、第二次世界大戦後の1952年に農地法が制定され、そして1999年に食料農業農村基本法が制定されております。また、2009年には改正農地法が制定されました。封建的な地主制度から開放し、日本国民の食料の安定供給へと制度変更され、食料の増産から生産調整へと様変わりしました。そして、国内自給率を高めるつもりだったのが、未だに40%前後と低迷しているのが現状であります。我が町も畑作3品であるじゃがいも、ビート、小麦を主体に、長いも、玉ねぎ、豆類、そして酪農、肉牛経営が行われているところでございます。常に輪作体系を基本に、きめ細やかなほ場管理を実践しながら、今日に至っております。また、農産物価格の政策においても、消費者への家計の安定と農家所得の確保と安定から、時代の中で何度も移り変わってきました。生産物価格安定制度から、そして現在、農家戸別所得補償制度へと転換し、食料の安定供給や多面的役割としての農業を基本に、今後も経営が継続できる価格政策へと転換しているところでございます。さて、ここにきて、国が平成23年11月に、野田前首相がAPECで正式にTPP交渉参加へ向けた関係国への協議入りを表明し、その後、政権交代後の平成25年2月に、聖域なき関税撤廃が前提でないことが、日米首脳会談で安倍総理とオバマ大統領との間で共同声明として発表され、ついに3月15日、TPP協定交渉への参加表明がなされました。その後、7月にマレーシア、そして8月にブルネイと、交渉会合に日本が参加しております。日本の将来の形を大きく変えるこの協定に、世論は賛成・反対と完全に二分されております。これらを踏まえて、町長は清里町が農林業を基本にまちづくりを実践している中で、地域経済に及ぼす影響をどのように考えておられるのか。また、TPPについての町長の率直なご意見をお伺いいたします。次に、2点目です。農業振興計画について伺います。平成22年~平成26年度の清里町農業振興計画が示されているわけですが、既に残すところ約1年半となっております。この間にたび重なる政権交代や、価格支持政策の変更、そして、先ほど質問で提起したTPP問題はまだ関与せず、この振興計画は策定されたとも考えられますが、まずはこの計画の進捗状況をお伺いいたします。以上、農業振興についてのご答弁、よろしくお願いいたします。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
前中議員のご質問にお答えをいたします。ただ今、ご質問をいただきました農業振興の、1点目のTPPが与える地域経済への影響についてでございます。TPP交渉につきましては、日本政府はマレーシアにおいて開催がされました、第18回のTPP交渉の会合に7月23日から正式に参加をし、本格的な交渉がスタートをしたところでありますが、具体的には8月22日、ブルネイで開催がされました、第19回TPP交渉会議において、参加国との間において各分野での協議が始まったというところでございます。今後は、9月18日から21日にかけまして、アメリカ・ワシントンでの首席交渉官の会合、そして続いて、10月7日~8日にインドネシアのバリで行われます、APEC首脳会議におきまして、TPP首脳会合が予定をされておりますし、10月のインドネシア・バリでの大筋合意によって、年内に協定を作り上げると、そうした予定でこの交渉が進められるというふうに報道がされてございます。しかしながら、3カ国での各分野の枠組み、また、交渉内容など詳細の情報につきましては、マル秘扱いということでございまして、都道府県はもとより、市町村などの地方自治体、そして各業界団体へも具体的な情報の開示がされていない状況にあります。我々にとっても、テレビや新聞などでその情報を知るというような状況であります。こうしたことから、TPPが与える地域経済の影響につきましては、交渉の内容、また情報が推測の域を出ないものでありますので、あくまでも現在、わかり得る情報に基づく推計といたしまして、極めて不確かなものとならざるを得ませんので、ここにご理解をいただいた上で申し上げたいと思います。日本政府が去る3月15日に発表いたしました、TPPの政府統一試算の資料によりますと、農林水産物生産額は3兆円が減少するとされております。試算対象品目は、関税率10%以上で、国内生産額10億円以上の農作物で19品目、林水産物で14品目が取り上げられております。また、本町における主要産物についての生産減少率の試算によりますと、小麦で99%、大麦で79%、小豆で71%、砂糖は100%、でんぷん原料についても100%、牛乳乳製品で45%、牛肉で68%、林産物については、合板を対象に6%となっているところでありまして、この試算どおりに仮に進むことになれば、本町の農林産業は壊滅的な打撃を受けるということが予測されている次第でございます。さらに、申し上げました影響以外に、サービス、投資、知的財産、金融サービス、電子商取引、電気通信、国有企業の規律など、さまざまな分野が交渉の対象となっておりまして、これらの影響についても注視していかなければならないものと考えているところでございます。こうしたことから、予想される事態にどのような対策を講じていくべきかについては、国や北海道の動向を十分に見定めながら、関係機関・団体との連携を密にし、本町の生き残りをかけ、農業そして産業振興対策に、万全を期してまいる所存でありますので、ご理解を賜りたいと存じます。次に、ご質問の2点目の、清里町農業振興計画の進捗状況についてであります。現在の農業振興計画につきましては、議員からもありましたように、平成22年~26年の5カ年間の計画となってございます。総合計画にも掲げております3つの基本方針を具現化するための、具体的な振興計画でございます。まず、1つ目の基本方針にあります、安定・安全・安心な農業生産体制の確立につきましては、主要施策4項目において、21項目の施策・事業を掲げているところでございます。そして、2つ目の基本方針にあります、魅力ある農業経営の確立と担い手の育成につきましては、主要政策3項目において、15項目の施策・事業を取り上げてございます。さらに、3つ目の基本方針であります、環境や景観と調和した農業農村づくりにおきましては、主要政策2項目におきまして、7項目の施策・事業を掲げているところでございまして、これら43項目の施策・事業につきましては、いわゆるアクションプラン「行動計画」に基づき、町、農業委員会、農業改良普及センター、農協農業者の役割を明確にしながら、主体となる各関係機関・団体におきまして、それぞれ取り組みを進めているところでもございますその中の町の単独事業といたしましては、農業振興事業におきまして、緑肥堆肥等の導入における土づくり、シストセンチュウ対策としての抵抗性品種導入の支援、肉用牛改良や病害虫防除、良質乳生産体制への支援、新規作物生産体制の確立、農産物加工品開発、起業化育成など、年間1,700万円の予算での計上を推進しているところでございます。計画全体の進捗状況につきましては、43項目中39項目につきましては当初計画どおりに推進をさせていただいているところでありますが、コントラクターの組織化、または経営支援組織の育成及び活用、農業関係組織における女性登用の促進、新規就農受入体制の確立、農作業人材バンクの設立、これら4項目が未だ未着手となっている状況にあります。つきましては、就業人口や農家戸数が減少し、規模拡大が進む中、農業経営のゆとりや豊かさが求められておりますので、これら4項目につきましては、各関係機関等と連携を密にしながら、引き続き実施に向けた取り組みを進めてまいる所存でありますが、本計画の期間が残すところ1年半となってきておりますので、明年度に策定を進めてまいります次期計画への課題としての取り扱いも考慮した中で進めてまいる所存でございますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上、申し上げ、1回目の答弁とさせていただきます。
質問 1番 前中康男
今、当町におけるTPPの農産物の減少率ということで、金額ベースの話は今、説明がなかったわけなのですが、それについて、大変難しい部分はあろうかと思いますが、実際、農家の壊滅的なダメージ、それはもうぬぐえないものがございます。しかし、それ以上にまた関連する産業にもダメージがあるという町長の答弁がありますが、やはり、この地域のコミュニティーが壊滅する、そのことをやはり行政の首長である中で、強いメッセージを発してほしい。そしてもう1つ、金額的なものがどうなんだというのがなかなか難しいとは思いますが、管内のオホーツク振興局のホームページの中では、ある程度の関連の部分と言いますか、影響額の金額は出ているのですが、その辺どのように捉えているのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
ただ今のご質問であります、地域経済における清里町自体の影響額についてでございますが、関連の部分で申し上げますが、これも新聞紙上で知り得る状況という中でと、ご理解をいただきたいと思いますが、道内における農業所得については、659億円が減額になるだろうということで、北海道においては試算がされているところでございまして、それとほぼ経営形態としては、全体的な経営形態としては、逆に清里町の作付している、俗に言う重要5品目の中に全てが含まれるというようなことからいけば、道が示した額以上の影響額が清里には出てくるだろうと。それは比率的な部分でありますが、その年ごとの作付と価格によって、農業全体の粗収入は変わってまいりますから、必ずしもこの場で何ぼということには相成らないかと思いますが、一般的には清里町の農業粗収入は全体では90数億円と言われておりまして、間もなく100億のところに手がかかるという状況でありますから、それに対して先ほどの生産物の減収分をトータルで引き合いをいたしますと、約7割5分近く落ちていくということになりますので、推計からいきますと100億と仮にした場合に、70億内外の影響が出てくるだろうということであります。基本的には本町の基幹産業であります農業で、それだけの額が落ち込むということになれば、先ほど申し上げました、他産業への影響は莫大な額になってくるだろうと思いますし、農業のみならず、いろんなサービス部門とか営業部門とか、影響が極めて大きく出てくると思っておりますので、それらの部分をトータル的に考えると、本当にこの清里町そのものが壊滅しかねない、そんな状況に相成ってくるのではないかという認識を持っているところでございます。また、強いメッセージということでありますが、我が町単独でのメッセージというのは、いろんな部分での会合を通じながらやってきた部分もありますが、全体といたしましては、オホーツク圏活性化期成会、市町村の場合はですが、オホーツク圏活性化期成会の中で、これらのTPP反対総決起集会という形が、今までも数度にわたって、網走や北見で開催をされておりますので、そういう中において、行政も議会も農業団体も、農業者そのものも含めた集会が行われているところでございます。基本的には申し上げましたように、ものすごい影響がこのままではあるだろうと考えていることでありまして、我が町を持続させるために、いろんな面からの情報の収集と、また、対応について、今後も引き続き、各関係機関とも十分に連携を取りながら、対応してまいりたいと考えている次第でございます。
質問 1番 前中康男
直接的な影響の明細な金額等は、ちょっと説明の中ではなかったわけなのですが、確かに推測の域の話ではなかなか難しいかもしれません。ただ、現場における組合員個々の中では、やはり、本当に藁にもすがるような気持ちで、どうなんだというのを、つぶさに新聞紙上、あるいはテレビで伺っていると思います。ところが、どうも道新の世論調査によると、TPPに対する反対の世論のパーセンテージがだんだん下がってきているというのも、何となく一連の中で感じるものがあります。でも、その中でやはり、どうも地方自治体の首長が声を高らかにというのが、どうもなかなか見えてこないなと。関係機関であるJAなりは、精力的に各場面ごとで活動しているわけですが、今、町長がおっしゃった7月22日でしたか、オホーツク期成会あるいはJA管内組合長会が実行母体となりまして、「TPPから地域・暮らし いのちを守るオホーツク総決起集会」が開催され、2千人近くの参加があり、北見市内をデモ行進しました。私たち議員各位も同じようにデモに参加したわけですが、今、TPPにおける交渉のタイムスケジュールの中で、10月にはインドネシアのバリですが、大筋で合意するという日本政府の目標が掲げられている中なのですが、改めて、このような近隣首長並びにオホーツク期成会の中で、反対行動の何かを検討するものがあるのかどうか、改めて質問いたします。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
TPPの交渉に対する、地域としての反対行動でございますが、今、議員からもありましたように、この7月22日には北見市において、オホーツク圏活性化期成会、それから管内の農協、漁協、商工会、また建設業協会、その他各界からの参加をいただいた中で、「地域・暮らし・いのちを守るオホーツク総決起集会」いうことで開催がされておりまして、広くデモ行進等を通じながら抗議活動をアピールをしたところでございます。また、その他にオホーツク圏活性化期成会といたしまして、今年度の行動計画の中に、このTPP総決起反対に対する行動というものが取り上げられてございます。具体的にはこれからまたそうした状況を見ながら、管内的なTPPの交渉反対の動きが改めて出てくるのかなと思っておりますが、そういう活性化期成会の中での状況を確認をしながら、我々としても行動をしていきたいと思っております。また、全体を通じながらですが、オホーツク圏活性化期成会で夏季要望というのを毎年、夏場の中央要請でありますが、その中には各項目と全体、この地域にまつわる要請活動を管内挙げて、各省庁、北海道に対しても行っているわけでございまして、これらの中におきましても、重点項目として、TPP交渉反対という部分が明確に載ってございまして、総務班の総括班において、それらの行動も併せて展開をされているということでございます。今後、いずれにしても行政云々だけでの取り組みではなくて、この地域全体としての声を中央に届けるということが、これから本当に大事になってくるのではないかと、理解をしているところでございます。
質問 1番 前中康男
やはり、このオホーツク管内の地域一丸としての声を1つにまとめる。これは非常に大切なことだと思うんですね。たまたまタイムリーに今日の新聞紙上にも出ていましたが、十勝圏の町村会の会長さんが、東京に出向きながら、TPPの反対シンポジウムに対して、かなり強いメッセージで十勝農業の壊滅を訴えていたと。じゃあ、このオホーツク管内はどうなんだと。畑作もそれなりの全道ベースでウエイトがある。酪農も遠紋地区はやはり酪農だと。そして、他に類を見ないような水産の盛んなオホーツク圏の中で、どうもやはり、一枚岩に近隣自治体がなっていないんじゃないのか。そこはやはり、もう少し強いメッセージの中で、今後展開されるであろう10月の交渉に向けて、管内の意思統一の中でそういう機運が出れば、また改めて、そういう形の運動もやぶさかではないのかなと思うのですが、それについて、もう少し説明と言うか、町長の気持ちを伺いたいと思います。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
十勝の交渉の経過についてもお話をいただいたところでありますが、私も気持ちとしては全く同じでありまして、基本的に基幹産業とする農林水産地帯では、本当にこれがそのまま現状の形で推移するということになれば、壊滅的な状況に陥るだろうという認識は、これはもう明らかであります。そうした中におきまして、管内的にも先ほど申し上げましたように、それぞれ地域の意思を中央に届けるというようなことで各集会等、また要請活動等を展開しているところでありますが、10月には、先ほど申し上げました、大筋合意に向けた作業として、今進められているということが明らかになってきておりますので、これらに向けて、現状のままでの合意はあり得ないというような立場で、この管内の首長の集まりであります町村会、そしてまた、さらに議長を含めた中での活性化期成会という中で、全産業を網羅した、そういうような対応を今後とも取っていける、そういうような部分において、総会または会合の中で、私からも要請を申し上げたいと思う次第でございます。いずれにしても政府の段階でも、この2月に、早い段階だったのですが、需要5品目、そして、守り抜くべき国益という部分で6項目が明らかに示されているわけですから、これは自民党内とは言いながら、政府・与党の中の対応でありますので、国会決議に当たると我々は理解しております。その中ではっきりと6項目の国益というものが示されております。それをきっちりと守ってもらうというのが、我々にとっても直接交渉に入るわけにはならないわけですから、代表となるそういう皆さん方に訴えながら、決して後ろ向きにならないように、取り組みを進めてもらえるように、精力的に頑張っていきたいと思っております。以上、申し上げ、答弁といたします。
質問 1番 前中康男
十分理解しました。その中で今、6品目、センシティビティの中の守るべき農産物ということを、やはりきっちりと守り抜くという姿勢を貫いてほしいと思います。また、もう1つお聞きしたいのは、今、北海道で、道としてですけれども、なかなか秘密裏での交渉段階ということで、情報がなかなか入ってこないという状況になっています。北海道として現地に出向いて、そういう情報収集活動がなされているのかどうか、わかる範囲でよろしいのですが、もしわかればお聞かせ願いたいと思います。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
ただ今の北海道における道庁の動きの関係でありますが、現時点では我々のところにはそうした情報は一切入ってきておりません。国際交渉の中ですから、必ず農業分野とか、そういう中では担当の職員は、直接参加できませんが、いろんな形で情報収集には行っているとは理解をしておりますが、具体的な部分での情報としては、こちらの方にはまだ入ってきていないという状況にあります。
質問 1番 前中康男
そういう状況の中ですが、北海道と連携を取りながら、また、オホーツク振興局ですけれどもそういう情報収集、そしてやはり、JAとの連携を密にするということを、今まで以上に一層連携を強めて進んでいただきたいと思います。次に、2点目の、清里町農業振興計画に対する再質問に移らせていただきます。さまざまな課題において、これからの清里農業のあるべき姿を示しているわけですが、答弁の中に43項目の中、未だに未着手の部分と言うか、まだ履行されていない部分が4つほどあるという、町長の答弁がありました。私の思いの中にも、やはりコントラ事業の育成と活用、そしてもう1つ、農作業の人材バンクと言いますか、そういう形を今後模索する時が、もう目の前に迫っているのではないかと思っている1人でございます。その中で、やはりなかなか関係機関であるJAとの協議が本当に難しいものがありまして、どういう形をこの町で醸成するか、これは本当に端的にすぐ検討して、次年度にはできるというものではないと思っております。やはり、ある程度の期間の中で検討するような形で、未達成の部分を達成できるような仕組みあるいは組織等を、もし可能であれば検討してはどうかなと思うのですが、それについて町長の遺憾ないご意見をお願いします。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
農業振興計画中におけるそれぞれの項目の進捗状況は、先ほど申し上げたとおりでございますが、中でも今、議員の方からもありました、コントラクターの組織化だとか、人材バンクの設立だとか、こういう部分について、まだまだ取り組みが足りないという部分がございます。基本的には清里町農業は、1戸当たりの耕地面積、所有面積が本当に全道1、2になってきておりますから、かなり他の市町村から見ても、大規模な農業経営ということになってきておりまして、1戸当たりの戸別農業においても、農作業に従事する方々が減少傾向にありますので、大変な状況になってきていると理解をしているところでありまして、このまま家内・家族労働だけでいけば、本当にこれだけの面積を果たしていつまでも維持していくことができるのか、また併せて、農家戸数についても、未だに減少傾向にあるということでございますから、減少した部分を既存の農家の皆さんが規模拡大をされながら、徐々に戸数の減と、規模拡大が進んでいるというような状況でございます。こうした状況を踏まえて見た時には、やはりコントラクターなり、新規就農作業というようなものを、これからもしっかりと打ち出していかなければ、戸別の農業体系の中では吸収できなくなってきていると認識をしているところでございまして、具体的な部分は一朝一夕には進みませんが、農協や関係機関とも十分協議しながら、特に法人化への進め方だとか、コントラクターへの作業の割り振りだとか、これは大きな目で見れば雇用対策にもつながっていくと理解をいたしている次第でありますので、そういう面も含めて、十分に今後検討を加えていく項目であると。先ほども言いましたが、もう1年半しかございませんので、そうなれば、次の計画にもしっかりと引き継ぎながら対応していきたいと考えているところでございますので、ご理解を賜りたいと存じます。
質問 1番 前中康男
やはり農家にも、規模拡大とともに、二極化の傾向が出てきていると思うんですね。家族経営の経営規模面積、そして、片やもう50ヘクタールあるいは70ヘクタール、完全に大規模な畑作農家との二極化です。ただ、全てが全て、大きな大規模農家になるのかというのは、私自身ちょっと疑心暗鬼な部分もあります。可能であれば労働力の手腕、労働の分配、ある部分を他の業種と言うか、他の部分に委託する、そういう形が可能であれば、畑作の大規模面積も可能かなと思っております。これは酪農の世界ではワークシェアリングと言いまして、搾乳に特化する形、そして生産された飼料作物はコントラ等に全て委託する、あるいは生まれた子牛は子牛専門の部門がある農場が全て委託に対して対価を払って運営する。そういう形で規模拡大がなされている現状があります。同じように、当町はやはり、畑作の中ではもう全道一、日本一と言って間違いないと思うのですが、町長の説明にもありましたが、かなり規模拡大が進んでいる実態があります。ここに、今年の1月なのですが、農林業センサスを用いた北海道農業農村の動向予測という資料がありまして、その中に、本当に僕は目を疑ったのですが、農家人口の就労割合、あるいは農家戸数の減少、そして1戸当たりの耕地面積の推移、それをある程度、センサスの中で未来予測をしている表と言うか、データがあります。これは公の北海道立総合研究機構農業研究本部ですか、その中央農業試験場で出されているデータなのですが、今日の一般質問の中でも出ていましたように、人口減少に歯止めがかからない。かれこれ10年で、300人近く減ったと。それでもう4,400人を切って、これから清里町も3,000人台に突入するであろうという憶測もあるのですが、今ここに、本当にびっくりするようなデータがありまして、農家戸数でお示ししますと、2010年・222戸、あくまでもこれはデータなんですけども、実際はちょっと経営形態等がありまして若干のずれはあるかと思いますが、2015年には186。そして10年後の2025年、この時の清里町の農家戸数が141戸ってなっているんですね。これはデータなのですが、あくまでもそれだけの減少率。ちなみに3町の中で斜里、小清水もデータが出ているのですが、2010年で斜里町で282戸、小清水であれば363戸。それが2025年、斜里で言えば207戸、小清水は289戸。いずれにしろ減少の傾向はたどるのですが、一番問題なのは、その減少率が一番高いところなんです。2010年と2025年の比で比べると、約4割、37%。これはデータですから、データ処理の手法で近似値でプラスマイナスの許容範囲でパーセンテージを見たとしても、ここまで減るのかなと私自身、目を疑ったんですけども、なぜこういう形になるかというのを見る中で、生産年齢人口というのもきっちり調べているんですね。壮年齢層30~54歳、一番働き盛りですね。そして高年齢層55歳~64歳。その中でやはり一番問題なのは、壮年齢生産年齢人口が極端に清里の場合は落ち込むのです。データ上の話なんですけども、そういう部分が10年後の中でシミュレーションされている。やはりもうこれは正直、待ったなしの状態じゃないのかなと思うのです。その辺について、これは人口統計学ですから、一概にどうだとは言えませんが、いかに農家戸数を減らさない施策を講ずるか。行政としてできるものは何か。そこら辺、町長が頭の中で描くものは何か。私自身は冒頭述べました、コントラだとか、あるいはこれはJAでも考えておられると思いますが、複数戸法人を立ち上げるという、そういう手法も考えても良いかなと思います。その他に、農作業の作業の人材バンクと言うか、労働バンクと言うのも考えても良いかなと思うのですが、その辺も絡めて、町長が今、頭の中で思い描く、大変難しいでしょうけれども、思いをお聞かせ願います。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
ただ今、議員の方より、清里町における農家戸数、また、規模等の今後の予測推計をお聞かせをいただいたところでございます。現実的には、もう少し穏やかな動きになるんだろうなとは思っておりますが、実態としては、後継者はいるけれども、配偶者がおられないとか、後継者が全くおられないとか、そういう方々もまだまだたくさん現実はおります。そういう人方がある一定の年齢に達した段階で、多分そういう推計の中で今後10数年の間に、先ほどの話でいきますと、約40戸ぐらい戸数が減少するということでありますから、数字的には単純にそこだけいくと、それに近いものになってくるのかなとは思っております。ただ、そうなると、まず40ヘクタール近い農家の40戸の方々が、仮にリタイアされていくということになると、莫大な農地の流動化が起きるということで、流動化が起きると言うよりも、残っている農家の方に、それが取得をされて活用されていくということになりますから、さらに今の約40ヘクタール近いと言われている1戸当たりが、50ヘクタールにも60ヘクタールにもなっていくだろうと。そうなれば、戸別経営としての限界がどこにあるのか、私どもは限界がどこかは明らかにはわかりませんが、ただ、ものすごくきつくなるだろうと。先ほども言いましたように、家内・家族労働だけではもうやり切れないということになってくるのだろうと思います。そこで、私が思いますのは、1つにはやはり解決索としては、分業型という農業のやり方を、コントラクター等を導入しながらやらなければならない時期が、もうすぐ目の前まできているのだろうと思いますし、また、雇用の関係も就業者をやはりある一定の、家内労働力だけでは足りないとなれば、就業者をきちっと雇っていくということの必要性が出てまいりますから、そうなれば、やっぱり法人化をしながら、きっちりと会社方式と言いますか、そういう経営方式の中で雇用を生み出していくと。将来、雇用をされた方々が農業主にならないまでも、部長なり専務にと、そういう形の中で、その経営の中にしっかりと根付いていく、そういうような体制が必要になってくるだろうと思いますし、また、清里町の場合は今の形態でいきますと、夏場だけの作業がメインになっていますから、これをやっぱり雇用と言う場面から考えると、年間を通したそういう農業経営、つまりは6次化を入れながら、そういう方向性も探らなければならないと思うところでありますし、また、全部の人が大規模経営になれるわけではありませんから、大規模経営を追求されるやり方と、それからもう1つは、二極化と先ほども議員の方からありましたように、高収益作物やいろんな部分の収入の道を探りながら、新しい農業の形を求めていくと、こういうこともこれからは極めて大事になってくるだろうと考えているところでございます。そうした意味におきまして、次の農業振興計画、それとまた、農協が策定をいたしております農業基本計画がございますので、これは年度が1年ずれるところがありますが、そこら辺はしっかりと連携を取りながら、町と農協を中心としながら、関係機関一丸となって、そこら辺の模索を続けていかなければならないし、もうやらなければ間に合わないところまできているのかなと、そんな気持ちでもおりますので、今後とも、これについてはしっかりと連携を取りながら進めてまいりたいと考えるところでございます。以上であります。
質問 1番 前中康男
当町も農業振興計画策定にこれから着手するであろうと思いますし、また、JAも第9次の5カ年計画を同様に、同じ年度で策定すると聞いております。そういう部分では、やはりある程度のすり合わせと言いますか、ある程度共有認識に立った中で、計画を遂行する形で執り進めていただきたいと思う1人であります。もう1つ、その中でどうしても私自身、普段考えていることがありまして、やはりこれからの我が町の農業の将来像を語る上で、次の世代、5年、10年後の若い世代の我が町における若い人たちを同じテーブルの中で検討する。これは、業種間を超えた中で、本当に農業が当町の核であるならば、関係する機関あるいは組織、あるいは若い女性、そういう中でのアイディアをまちづくりの中で活用する。それが、ひいては6次化産業の新たな息吹と言いますか、そういう芽になる可能性もあると、私自身は考えます。そういった1つの取り組みのワーキングチームと言いますか、そういうものをどうでしょうね、やはり考えても良いんじゃないのかなと。何でもかんでも組織を作ったらそれで良いよというわけじゃないんですけども、そういうことも1つの選択肢として考える。そして今、出てきた問題点、労働力不足あるいはコントラあるいは法人格の設立と、本当に多種多様にわたっていろんな問題が山積しているわけですが、その部分をやはり丁寧に時間をかけて検討していただきたいと思います。ちょっと長くなりますが、当町の歴史で見ても、畑作農業も115年なのですが、大きな制度の国の施策の中で、やはり僕自身も学校に上がる前だったのですが、父が昭和37年に第1次構造改善事業でトラクターに乗って、それで畑をおこした時代を私自身も見ています。その後、昭和42年、水田地帯によくあったカントリー、それを畑作版ということで小麦のカントリー、これは全国でも最初に手掛けたということで、私自身も記憶しております。そして、53年から長い間かけて、平成18年までの間、畑総事業ということで畑の基盤整備あるいは草地事業、そして緑ダム、そしてやはり多目的水栓、そして1戸1栓、全て大規模一辺倒という言葉はちょっときついですが、そういう形の機械化農業を我が町は歩んできた歴史を理解して、やはりその次のステップをどうするんだというのは、本当に今のコマーシャルじゃないですけど、いつやるのって言ったら、今でしょってことなんですよ。そこに向かって町長がリーダシップをとるなり、そういう形付けをきっちりと構築していただきたいと思いますので、その辺、町長もう一度、答弁のほどよろしくお願いします。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
先ほどの質問の中で、1点訂正をさせていただきたいと思いますが、農業振興計画と農協が策定いたしております清里町農業の総合4カ年計画ですが、今までは1年ずれがあったのですが、前回合併の時の絡みがございまして、ちょうど最終年が平成26年と、足並みが合っているということで、先ほど1年ずれがありますと申し上げたのを訂正させていただきたいと思います。そんなことで、農協の策定した4カ年計画、それから町の策定した農業振興計画の5カ年計画、ちょうど最終年が平成26年と同じ年になっておりますので、この次の計画については、26年度中に策定をし、27年からまたスタートをかけていくと、こういうような計画になってこようかと思っております。そうした中におきまして、それぞれまだ未着手になっている課題等もございますし、これから清里町の先ほどの推計値を基にしながら、どのような形態で清里町の農業を守っていくというような部分も含めて、いよいよ作業に入っていきたいと思っております。従来の農業振興計画の策定については、各関係機関のそれぞれの担当職員が素案を作りながら、代表者会議等で決定をいただくと、そういうような流れできておりましたが、ただ今ご質問にありましたように、若い世代、各階層からもいろんな意見を聞きながら、次の時代に向けたステップとしての計画を策定すべきでないかということでありますので、ここら辺についても、関係機関と連携を取りながら、女性のご意見や若い世代の皆さん方の意見を聞きながら、確実に次の世代へつないでいける、そういう計画としての策定をこれから進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。本当に清里町は、農業構造改善、昭和37年の基本法の発足以来、それを忠実に守ってきた結果、規模拡大は全国一になるような規模拡大に到達しましたが、そうなった時点でまた違う、今、議論をいただいているような新たな課題が生じてきておりますので、こうした課題を一つ一つ克服するためにも、振興計画を明らかにしながら、前向きに取り組んでまいる所存でございますので、ご理解をいただきたいと思います。以上、申し上げて、答弁といたします。
質問 1番 前中康男
ありがとうございます。本当に次の時代に移り変わる入り口に立ったということで、同じようにスピードを持った中で検討してほしいと思っています。最後の質問になりますが、そういう中で、やはり次年度の予算編成の中で、農業振興費を計上しているわけですが、その中で、いろんな部分、農業法人の育成あるいはそういう部分に対しての検討、勉強あるいはそういうセミナーの参加等々で、いろんな場面があると思います。また、その他6次化産業に向けての取り組み等々、やはり組合員の中で今まで以上に機運が出るかもしれません。そういった中で、次年度に向けての予算編成の中で、増額する考えがあるのかどうか、その辺も合わせて最後の質問にさせていただきます。
答弁 町長 櫛引政明(町長は2023年3月まで)
基幹産業であります農業の振興対策は、極めて重要な課題と捉えておりますし、また、先ほど来ありますように、現状の清里町の農業はちょうど曲がり角にきているのだろうと思っております。法人化の問題もそうですし、また、コントラクターの問題、新規就農の問題と、数多くの課題を抱えて、次の時代へ歩み出そうといたしております。特に、その中でもTPPの交渉の結果いかんによっては、大きく形態が変わっていくだろうと考えているところでありますが、何と言っても清里町の基幹産業は農林業でございます。ここの部分が崩れるようであれば、先ほども申し上げましたように、我が町そのものが存亡をかけなければならないと理解をしているところでありますので、具体的な部分については別といたしましても、そういうような気持ちで産業振興を図ってまいりたいと考えている所存でございます。今後とも、いろんな面におきまして、ご指導、ご示唆をいただければ幸いかと思っているところでございます。以上、申し上げて、答弁といたします。
質問 1番 前中康男
ありがとうございました。