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上富良野町議会 令和7年第1回定例会 2025年3月5日

持続可能な上富良野農業振興に向けて

2025年3月5日、上富良野町議会の一般質問で、井村悦丈議員が「持続可能な上富良野農業振興に向けて」について質問し、町長 斉藤繁が答弁しました。

質問者
井村悦丈 議員
答弁者
町長 斉藤繁

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 井村悦丈

私からは、持続可能な上富良野農業振興に向けてということで質問させていただきます。昨年の農業は、春先の天候に恵まれ、大きな自然災害に見舞われることもなく、まずまずの結果となりました。上富良野町農業の特徴は、原野部では水稲を中心に施設園芸も盛んで、内陸性気候によって気温の日較差が大きいことから、おいしいメロンなどのほか、様々な作物が作付され、恵まれた地域である一方、盆地型地形から山間部では条件不利地などの農地も多い中、土地利用型農業であり、規模も大きく耕作され、主に小麦、甜菜、大豆、馬鈴薯などが作付されています。JAふらの営業地域内のうち、上富良野町の農業所得は下位に位置し、主要畑作物の小麦においてその要因が顕著に表れているところであります。土地利用型で1戸当たりの経営面積が増え、小麦、豆類の作付はさらに増える中、連作障害、病害虫の発生により品質低下、収量の減少が見受けられるのが現状です。そのことから主要作物の小麦の収量を少しでも底上げする手だてを講じる必要があると考えます。残念ながら、今の農法は土地を劣化させ、時間とともに作物の生産量を減少させていると言われています。そこで町長に1点お伺いいたします。― 75 ―地球温暖化に伴う影響は気象災害だけではなく、食料不足や健康リスクの増大、農業現場では高温などにより、品質・収量面で影響を受けています。2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの取組が開始されている今、農作物の品質や収量の向上、化学肥料の使用量低減などの効果が期待できる取組として、私は、農地力アップは農業の基本であることから、例えば地元畜産農家との連携を図り堆肥の施用を促すなど、次世代の担い手のための持続可能な安定生産・経営維持を目指した様々な基盤づくりを、今から時間をかけて行うことが上富良野農業の底上げになると考えますが、町長のお考えをお伺いいたします。

答弁 町長 斉藤繁

10番井村議員の農業振興についての御質問にお答えいたします。農業に対する地球温暖化の影響は、気温の上昇や気候変動により、作物の生産量や品質、農作業の適期が変化し、世界規模での食料供給に影響を及ぼす可能性があり、その影響の中でも、水資源への影響や極端な気温上昇や集中豪雨により、土壌の乾燥や侵食が進むなどの農作物生産の根幹である農地、土壌が受ける変化や影響は、非常に重要な課題と捉えております。その現状を踏まえて、国においては、昨年に改定された食料・農業・農村基本法の基本理念が見直され、食料安全保障の確保の枠組みの中で食料生産基盤の強化が示されるとともに、自然環境との調和が追加されました。また、2050年を目標に環境負荷を減らしながら、食料生産の安定に取り組むみどりの食料システム戦略を計画し、推進しております。現在進めている本町の第9次農業振興計画におきましても、国の方針と整合を図り、食の安全・安心と環境に配慮した農業に向けて、土壌や水質、気候などの自然環境への負荷を抑えながら、農業者の便益を確保するための効率的な生産活動から、地域経済の活力を支える持続可能な農業の実現に向けた各種の施策を推進することを目標に掲げております。その実現のための取組として、環境保全型農業直接支払交付金事業を活用した地球温暖化防止や生物多様性保全に効果的な営農活動として化学肥料・農薬低減や有機栽培、堆肥、緑肥利用等の取組に対する支援を実施しているところであります。議員の御質問のとおり、小麦生産において、農業所得に結びつく品質向上と収量増加のために重要な要素として、輪作体系の確立、病害虫の防除、適正な播種・施肥・収穫、土壌改良がありますが、堆肥の施用は、このうち土壌改良と施肥の二つの効果があります。また、農業生産を支える基盤となる土づくりに堆肥を活用することは、栄養吸収力、保水排水性、通気性など総合的な土壌環境を整えることにより、長期的に地力を高め、持続可能な生産を実現する上で非常に有効な方法であり、炭素貯留による温室効果ガスの抑制と、環境と調和した持続可能な循環型農業の貢献ができる取組であります。現在の畜産農家が排出する家畜排せつ物は、家畜防疫・衛生対策を講じ、適正に処理され、環境保全と併せて堆肥化による有機質肥料として農地還元が継続して行われており、畜産農家の自家消費や耕種農家による耕畜連携は、おおむね全量の利用体系が形成されていることから、土づくりを通じて双方の安定経営が図られる状況にあります。このようなことから、堆肥の主原料となる家畜排せつ物の余剰が少なく、町内における堆肥利用の拡大に関しては、流通することが厳しい状況であると認識しております。今後においては、大規模な飼育事業者等の飼育数も変動、拡大することが考えられることから、家畜排せつ物排出量の調査と併せて、供給可能な堆肥の量や耕種農家の需要量の把握に努めながら、さらなる耕畜連携事業により促進を図っていきたいと考えております。今後におきましても、これまで取組を進めている環境保全型農業直接支払交付金事業を継続する中で、現行の良質な堆肥利用と併せて土壌改善の効果が期待できる緑肥や地力増進作物など利用拡大の取組を促進することにより、後世につなげる生産基盤の整備と充実を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。

質問 10番 井村悦丈

御答弁、ただいまいただきましたけれども、町内における堆肥利用の拡大に関しては、流通することが難しい状況であると認識しているという答弁でございましたが、私も確認したところ、量的にまだまだ余裕のあるところもあり、町内畜産農家だけではなく、ほかの市町村、近隣市町村、または農協堆肥等もありますが、なかなか町外から来ると運賃がかさむということで高くなるということでございます。そのような中、運搬、配送するにも、麦稈交換農家などの、今先ほど言われたように行われている農家もあり、搬送で忙しい理由もあるとの見解でした。また、単価についても、熟度によって3段階ぐらいの段階的なクラスがあるということで、計画的に配送、規模、堆積場所を確保していただければ可能だというような返答もいただいております。麦稈― 76 ―交換されている農家以外に、まだ取組として使用されていない農家に対しての運賃助成とかは考えられたことはありますでしょうか、お伺いいたします。

答弁 町長 斉藤繁

10番井村議員の御質問にお答えしたいと思います。議員もおっしゃっていたとおり、現状では、圃場に全部行き届く量というのは、なかなか町内では量が足りていないというか、町内で発生する家畜の排せつ物については、ほぼ全て畑等、圃場に堆肥として使われていて、それが畑、圃場をカバーできていないという状況で、使いたいところに町外から持ってきて、その運賃分を補助して、持続化の農業のためということで堆肥を使ってはどうかということで、運賃の補助については、現在のところ考えていたことは、今まで私自身も考えたこともありませんし、過去においてそういうことが検討されたかというのは、少し調査が必要かと思います。あと、確かに町外から堆肥を持ってくるとコストがかかりますので、その辺は各経営体の判断にはなりますが、堆肥がいいのか、緑肥等がいいのか、その辺のことも皆さんの意向もあろうかと思いますが、現在のところは、堆肥は町内で発生している家畜の排せつ物は全部町内で処理されているということを伺っておりますので、運賃については今後いろいろ要望等を考慮をしながら、検討事項になろうかと考えております。以上です。

質問 10番 井村悦丈

運賃、助成とかそういうことに関しては、いずれにしても質問の中で、作物として小麦を挙げさせていただいたわけですが、園芸作物でも同じです。全ての作物に堆肥というのは必要であり、また循環型農業促進、推進ということで言えば、化学肥料や農薬を適切に施用しながら、排せつ物など有機資源として活用した上で、資源、環境の負荷軽減を目指すという農業体系が今求められていると思います。SDGsにもあります持続可能な開発目標の中で、先ほど言われていた水質汚染の防止や二酸化炭素の排出量の削減などが今求められている中、循環型農業が注目されていますし、図られていかなければならないと考えています。収益の拡大だけではなく、将来にわたって農作物を安全かつ安定して供給する持続可能な農業経営が求められている中、農水省でも幾つかの定義として、持続性の高い農業生産方式の導入促進に関する法律ということで、環境保全型農業の基本的な考え方を基に、堆肥を施用して土壌改善の効果を高める技術、または化学肥料の割合を減らした施肥技術、少ない農薬使用で有害な動植物を防御する技術などうたわれていますけれども、その中で我々農業者もまた一つ問題がありまして、一時堆積場所、堆肥場についても様々な要件がある中、我々農業者は皆さんの迷惑にならないよう精いっぱい対策に努めているところですが、どうしても一時堆積したとき、散布時など、周辺住民の方から臭いの問題とかがあり、7月から8月にかけて苦情があります。また、町にもあると思います。一報が入る前に、広報、防災無線を通じて御理解いただけるような配信をしていただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 町長 斉藤繁

10番井村議員の御質問にお答えしたいと思います。堆肥の施肥する時期によって、堆肥場等、そして施肥するときに、地域住民の方、苦情といいますか、それは多分農家にもいっているかと思いますが、当然役場にも来ております。なかなかこれは、住宅地が郊外に広がっていて圃場と近くなったり、または畜舎、牛舎等に近づいていって、なかなか解決、理解をしてもらうのが難しい場面もあろうかと思いますが、努めて今言ったような防災無線なんかも含めて、周辺の住民の方に事前の周知とか御理解をいただく努力というのは、皆さん方と一緒に町もしていかなければならない、していくように努力といいますか、それはしていきたいと考えております。以上です。

質問 10番 井村悦丈

特に7月から8月にかけて暖かい時期には、臭いも、朝は上昇気流、夜は下降気流ということで、町のほうに臭いが流れるということで、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。次に、答弁書にもありますが、国においてはみどりの食料システム戦略を推進させているというところでございましたが、みどりの食料システム戦略には四つほどのステージがあり、農薬の使用量50%低減、化学肥料の使用量30%低減、有機農業の取組を面積を25%まで拡大するなどと挙げられている戦略だと思います。しかしながら、有機農業というのはなかなか難しくて、人にも自然にも優しい反面、病害虫、雑草対策など困難が多く、手間がかかる一方で収量を上げるのが難しくて、土地利用型農業にとっては人員的にも経済的にも無理が生じると考えられます。みどりの戦略には、生産についても挙げられてい― 77 ―て、その中にスマート農業で言えばスマート農業の技術の導入というピンポイントの農薬散布や施肥管理が挙げられています。令和7年度の町政執行方針にも昨日うたわれていた、農業のDX化を進め、新技術に向けた取組の支援とありますが、農業者の高齢化や労働不足に対応しつつ、生産を向上させ、ICT技術の活用をしたスマート農業など、安定生産・安定経営には、やはり所得の維持が大切だと思います。答弁書に答えられました、第9次上富良野町農業振興計画においても、地域経済の活力を支える持続可能な農業の実現に向けた各種の施策を推進することを目標としてとありましたが、どれも重要な推進施策だとは思いますが、今後、実現に向け具体的に検討されている優先順位をつけるならば、推進施策はありますでしょうか、お伺いいたします。

答弁 町長 斉藤繁

10番井村議員の御質問にお答えしたいと思います。いろいろ、今、議員おっしゃっていただきました、化学肥料30%減、農薬50%減、有機の面積を全体の25%、スマート農業をするということは、非常にこのみどりの食料システム戦略の中の内容として、これを受けて我々も第9次農業振興計画に基づく実践プランは、今、作成中で、間もなくできますが、基づいて進めていきますが、議員おっしゃるとおり、こういう持続可能なものを含めて、こういう有機ですとか農薬50%削減等々やっていくと、経営にも、収量とかにも影響をするという御意見もありますが、やはり私も持続可能な農業の一番大切な部分といいますか、核の部分になるのは、議員おっしゃられるとおり所得だと思っております。なかなか各経営体の所得が上がりませんと、幾らこういうことを計画していても、なかなか推進するのは難しいと考えております。そういう意味で農業所得というのは非常に気にかけているところですが、その中で、農業所得を取りあえず優先しなければならないと考えておりますが、それを上げるために、所得を上げるためにだけではありません。加えてといいますか、同時進行的にやはり環境負荷とか、そういうことも考えながら、持続可能な農業を進めていかなければなりませんが、その中で、DX、IT、ICTを活用したものとか、優先順位は特に化学肥料とか有機ありませんが、幅広く有効なものは推進して、一歩でも二歩でもといいますか、持続可能な農業に近づけるように、そのベースは所得にあると思っておりますが、そういうものを上富良野町においても推進していくようにしていきたいと考えております。以上です。

質問 10番 井村悦丈

持続可能な農業というようなことでございます。所得向上という言葉が出ましたので、収益の向上を目指して、高収益作物を新たに手がけるような施策も上富良野町ではなされているところでございますが、どうしても支援内容は、ホップ、ラベンダー、メロン、シソというふうなことになっておりますが、高収益作物というのは、今現在ほかもあります。そういう中で、収益向上の助成はハウスに限定したものということででございますが、収益向上に関わる育苗とかのハウスとかも、収益向上に関わる作物の、ほかにいろいろ見直しされて、幅広く土地利用型に対応できるような施策もされてはどうかと考えます。答弁書の最後に挙げられています、後世につなげる生産基盤の整備と充実を図ってまいりますとありましたが、上富良野農業を持続可能な農業へと発展させ、次世代に継承し続けられる条件として、所得の確保、物価高騰の対応や環境にも配慮した生産体制の確率を目指していかなければならないと思います。次世代の担い手のための持続可能な安定生産、安定した経営を目指し、今からでも時間をかけてでもやらなければならない施策が必要であると思いますが、様々な取組が考えられますが、まず基礎となる条件整備があるかと思います。持続可能な農業への重点取組として、やはり一番大事なのは、携わる人材の確保だと思っています。先ほどの収益向上を目指す作物を手がけるにしても、人がいなければならない、後継者がいなければならないというような状況で、やはり労働環境の改善とかUターン、農家子弟が戻ってきやすい環境づくりも整備が必要だと思っていますし、我々農家もそのような取組というか心がけをしていかなければならないという中で、地域おこし協力隊、新規就農支援などが取り組まれているとは思いますが、もっと具体的な視点で何かお考えがないか、お伺いいたします。

答弁 町長 斉藤繁

10番井村議員の御質問にお答えしたいと思います。まず、高収益作物の町として、補助、助成をしています。おっしゃるとおり、ポップ、メロン等々のハウスの園芸作物中心にハウスの補助をしておりますが、土地利用型のいわゆる育苗ハウスについては、現在のところはなっていないと。議員がおっしゃるとおりなのですが、この辺も含めて高収益作物は園芸作物以外にも、玉ねぎなんかも高収益作物― 78 ―ですので、それらも含めてどうかということは、今後、皆さんとお話合いしながら、意見を聴取、聞きながら、この補助はつくっておりますので、今後、十分検討していかなければならないと考えております。持続可能な農業、このためには土地利用型にしろ、園芸にしろ、機械もそうですが、人、これは人材、特に園芸の作物、ミニトマト等になると、収穫の人手は相当必要だと思っておりますので、人材の確保、後継者も含めて、それとプラス労働力、それらを含めた人材の確保をどうするかということは、非常に人口減少、過疎化の中で非常に重要なテーマだと思っております。すぐ解決できるような妙案というのは、なかなか皆さん、この近隣でもないのかもしれませんが、地道に、特に新規就農とか、事業継承していかれる方の人材については、やはり農業そのものを魅力的なものにしていかなければならないと思っております。農業は、日本の食料安全に貢献している重要な職業、産業だとか、そういう自負とか、すばらしい景観の中で仕事できる、そういう魅力、また先ほど申し上げた所得というのも重要な要素かと思います。それらを含めて、次世代、また新たに農業をチャレンジしてみようという方に、PRといいますか、今は地域おこし協力隊を入れてやっておりますが、そういうものも含めて、潜在的な人材というのは集めていかなければ、地道に一歩一歩集めていかなければならないと考えております。以上です。

質問 10番 井村悦丈

いろいろ取組されていただきたいと思います。農家も作物の栽培だけではなく、いろいろ経営を継続されるよう、収益の安定向上や作物のコスト削減に取り組んでいくかと思います。持続可能な農業の実現に向け、関係機関と連携、補助事業の活用等、町独自の支援事業など情報発信をしていただいて、上富良野農業、農村の維持、活性化をこれからも図っていけるよう、御協力いただきたいと思います。以上です。

出典:上富良野町議会 令和7年第1回定例会 2025年3月5日 議事録 PDF(88ページ) 間違いを知らせる