広尾町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月4日
本町農業の将来に向けたビジョンの設定と農業振興計画の策定、継続的な支援の強化について
2025年9月4日、広尾町議会の一般質問で、大庭克彦議員が「本町農業の将来に向けたビジョンの設定と農業振興計画の策定、継続的な支援の強化について」質問し、町長 田中が答弁しました。
- 質問者
- 大庭克彦 議員
- 答弁者
- 町長 田中
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 3番 大庭克彦
それでは、さきに通告しておりました本町農業の将来に向けたビジョンの設定と農業振興計画の策定、継続的な支援の強化について町長にお伺いをいたします。まず、先月中旬から今月にかけて、道北、道南地域において、記録的な降雨による多大な被害が発生しました。特に道北の幌延町や天塩町、豊富町などでは、牛舎や牧草地の浸水、牧草の流失、行方不明牛の発生など、大変な被害を受けられたことに対しまして、この場をお借りしまして心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。さて、本町の重要な基幹産業である農業は、新型コロナウイルスの発生に端を発した乳製品等の消費量減少による需給緩和のために、令和4年度から令和5年度にかけて生乳生産の減産を余儀なくされ、同時に家畜販売価格が下落し、加えてロシアによるウクライナ侵攻や中東での武力紛争などによる不安定な世界情勢、円安基調で推移する為替相場の影響により、飼料をはじめとするあらゆる生産資材価格が高騰し、新型コロナウイルス発生前の令和元年度と比較して、JAひろおの農業収支会計システムである組合員勘定における農業所得は激減しており、令和4年度から令和6年度までの3年間の単年度減少額を合計すると約26億円超というふうになっており、現在も非常に厳しい経営を強いられている状況であります。また、生乳生産の減産に向けた乳牛の淘汰による飼養牛の減少や、配合飼料の給与量削減による牛体コンディションの不調など、生産基盤を大きく毀損させる結果となり、現在は毀損した生産基盤の回復に向けて、生産者及びJAひろおが一丸となって懸命に取り組んでいるところであります。さらには、かねてからの課題であった農業経営者の高齢化や後継者不在、労働力不足も一層顕在化してきており、打撃を受けた財務基盤の立て直しに加え、町内で蔓延しているヨーネ病対策など、次世代に引き継ぐ魅力ある農業を確立するために対処すべき問題が山積しており、農業者の将来に対する不安が増大している状況にあります。このような現状を踏まえ、本町としても農業者が安心して意欲と希望を持って生産活動に取り組み、本町の基幹産業の一つである農業を魅力ある産業として持続的に発展させ、次世代につなげていくためには、農業者及びJAをはじめ関係機関とも十分議論を重ねた上で、本町が目指す広尾町農業の将来像を明確にし、より具体的な取組内容を明記した農業振興計画を策定して、計画的かつ継続的に支援を強化していく必要があると考え、次の点について町長にお伺いをいたします。まず、1点目は、現在の本町農業の現状と課題に対する町長の認識について、改めてお伺いをいたします。2点目は、現在見直しが行われている「広尾町まちづくり推進総合計画」における農業振興政策と関係する個別計画及び国が定める「食料・農業・農村基本計画」、北海道が定める「北海道農業・農村振興推進計画」との整合性、JAひろおが策定している「広尾町農業振興計画」との関連性についてお伺いをいたします。最後、3点目でありますけれども、本町農業の将来ビジョンの設定と本町の農業振興に向けた具体的な取組内容を記した農業振興計画の策定、これに基づく計画的・継続的な支援の強化について町長のお考えをお伺いいたします。以上、答弁いただきますよう、よろしくお願いをいたします。
答弁 町長 田中
それでは、大庭議員のご質問にお答えいたします。本町農業の将来に向けたビジョンの設定及び農業振興計画の策定と継続的な支援の強化についてであります。1点目でありますが、本町の基幹産業であります農業においては、生乳生産の減産や家畜販売価格の下落、原油価格・物価上昇による農畜産経営に必要な生産資材価格の高騰などにより、非常に厳しい経営が強いられている状況にあることは認識をしております。また、多くの農場で発生しております法定家畜伝染病である「ヨーネ病」により、乳牛等が感染牛として殺処分され、収入源である家畜を失うことで被る直接的な損失は莫大なものとなっております。発生農場での清浄化に向けた取組は長期化しており、畜舎等の消毒作業などに要する時間や労力などで、身体的、精神的な負担も極めて大きいものとなっていることは認識をしております。さらに、本町の農家人口や農家戸数は年々減少傾向にあり、将来の担い手確保・育成は喫緊の課題であります。農畜産経営を取り巻く様々な要因が、このような悪循環をもたらしているものと認識をしているところであります。2点目でありますが、現在、見直し中の「広尾町まちづくり推進総合計画」につきましては、本町の最上位計画に位置づけられている総合的な計画であります。農業の振興のために後期5年間で重点的に取り組むものといたしましては、家畜伝染病対策や有害鳥獣対策、多様な新規就農を支援する体制の構築などを掲げて見直しを進めております。また、令和7年3月作成の「地域計画」や更新作業中の「農業振興地域整備計画」では、農業における将来の在り方や地域ごとの課題解決、持続可能な農業の実現を目指しており、農地の集約化、担い手不足の解消や育成、生産性向上などを進める上で、国や道、農協が定める計画の指針と地域の計画を一体とすることで、整合性・関連性が保たれるものと考えております。今後におきましても、地域住民や農業関係者との話合いを重ね、既存の計画を活用しながら、毎年、状況に応じ見直しをしてまいります。3点目の関係であります。広尾町農業振興計画の策定につきましては、現時点ではかなり難しい状況ではありますが、農業の将来ビジョンなどを関係機関と共有し、様々な課題に取り組みながら、農業者が安心して将来につなげていけるよう、今後も継続して支援を進めてまいりたいと考えております。以上、答弁とさせていただきます。
質問 3番 大庭克彦
それでは、まず1問目の町長の認識をお伺いしたわけでありますけれども、常日頃、挨拶の中でも町長のほうはそのようなご挨拶をいただいて、改めて非常に厳しい状況であるということを再度ご認識をいただきたくて、ご質問させていただきました。また、昨日の定例会においては、暑熱対策あるいは家畜対策に予算措置をしていただいて、私のほうからも感謝を申し上げたいというふうに思います。2番目の現在見直し中の広尾町まちづくり推進総合計画の関係で、再質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず再質問の前に、この計画の策定時には、それまでは行政計画だったものを公共計画として、あらゆる団体と懇談会を重ね、意見を取りながらこの計画がつくられたということで、僕は策定されたときには関わってはいないのですけれども、冊子のほうにはそういうふうに書かれていました。かねてから町内の産業の振興については、農業もそうですけれども、産業団体あるいはそこの農業者、漁業者の話を十分聞いた上で、こういった計画をつくっていくべきだなというふうには思っていたところでありまして、この冊子を見ますと、策定のときには全ての産業団体と懇談会をして意見を聴取して、この計画を策定されていると。先ほど言った「行政計画から「公共計画」へ」とわざわざ大きく書いて町民にアピールしているということでありますので、今回後期の見直しに当たって、例えば町内の産業団体とこのような意見交換とか、そういったものが行われているのかどうなのか、まずお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 町長 田中
今回の見直しの部分については、当初、最初の計画の策定時には、今、大庭議員がおっしゃったようにいろんな団体と協議を重ねてつくったというところであります。今回の後期の見直しに当たっては、昨日も議論になりましたけれども、5年間で重点的にやるもの、それから継続的にやっていくものというふうにありましたけれども、それが終わったのか継続的にやっていくのか、あるいは重点的にやっていくのかという部分については、それぞれ担当課のほうで、例えば農協であれば農協のほうと協議をしながら進めているというふうに認識をしておりますけれども、今回の部分については、そういった団体との意見交換等は行っていないということです。
質問 3番 大庭克彦
その件については、分かりました。それでは、先ほどの答弁の中で、後期5年間で重点的に取り組むものとして、家畜伝染病対策あるいは有害鳥獣対策、多様な新規就農を支援する体制の構築などという項目が挙げられておりました。国の計画との整合性ということでご質問をさせていただきましたが、昨年、四半世紀ぶり、25年ぶりに改正された、これは農業の憲法とも言える食料・農業・農村基本法あるいは本年4月に制定をされた食料・農業・農村基本計画、これらの基本政策として盛り込まれている農業の持続的な発展、このために効率かつ安定的な農業経営の実現、家族経営とともに農業法人の経営基盤の強化、先進的な技術等を活用した生産性の向上、いわゆるICT等を活用したスマート農業の推進ということでございますが、これと併せてコントラクター組織などの農作業受託事業者の活動促進などが、改めて今回この法律や計画の中に規定をされ、北海道としても、これらを踏襲して積極的に進めていくというふうになっているところであります。今回の農業振興計画の関係で、全道各地の市町村の振興計画について調べさせていただいたところ、ほぼほぼほとんどの町村の計画の中には、これらの項目が踏襲されていたということでありますけれども、昨日もちょっとご質問させていただいたのですけれども、前期の対策の中には、このICTの導入とか、農村環境の維持に向けての家族経営を支援する内容だとか、そういったものが入っていたのですけれども、後期については継続的な事業のほうにいっているということで、国の方針というか、この法律、計画の中での基本的な政策の中からは、少しずれているのではないかなというふうに思っているところであります。また、本町のまちづくり推進計画の中で、重点的に取り進める事項に記載されていなく、継続的なものの中に入っているものでありますけれども、農業所得の安定的な拡大、農業生産基盤の強化、先ほど申し上げたようにAIやICTなどを活用した経営の効率化、これについては、先ほど本町農業の現状を申し上げましたけれども、将来の次世代につなげる、もうかる農業、ゆとりのある農業、これらを実現して魅力ある産業として引き継いでいくためには非常に重要で必要不可欠な取組であり、今後5年間に取り組むべき重要事項ではないかというふうに認識をしているところでありますが、これらの国、道の計画及び施策等の整合性も併せて、町長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
答弁 町長 田中
今、議員のほうから農業に関して様々な施策の部分、国の計画あるいは道の計画との整合性の問題がありました。広尾町のまちづくりを進めていく上での最上位計画ということでありますから、当然そういったことも含めて、この計画の中に入れていくべきだというふうには考えております。この計画を策定していく段階で、前段でもご質問ありました農業団体等との協議ですとか話合いという部分が、今回の部分については後期の見直しというところであったものですから、そういった手続がされていない中で、この計画の策定という、後期の見直しというところであります。ただ、今回のこの策定に当たっても、ご承知のとおり、各産業団体からのご推薦をいただいて、それぞれまちづくり計画の中には、委員には農業関係の方々も入っていただいているわけでありまして、そういったことも含めて協議をした中で、今回まちづくり計画を策定しているわけであります。今、議員のおっしゃられた部分につきましては、昨日の質問の中でもありましたけれども、修正が可能なものもあると思いますので、その辺については、今後、農協とも協議をしていきながら、よりよいまちづくり計画になるように進めていきたいというふうに思っています。
質問 3番 大庭克彦
次に、今年策定した地域計画についてお伺いをしたいというふうに思います。今、町長のご答弁にもあったような、同じような内容なのですけれども、現在、広尾農協では、令和8年度から5年間の第12次農業振興計画、これを検討、策定中であります。地域における農業振興計画の実効性を高めるために、これは北海道、全国だと思いますが、JAグループとして、この基本法に次に位置づける地域計画、これとの整合性を取るようにということで、全JAに言われております。この前提としては、策定された地域計画というものが、国で言っている農業者とかJAとか行政が共通の認識の下に協議検討をして策定された、共有された計画であるというのが前提であるので、JAの立てる農業振興計画も、これらを踏襲して、これらに基づいた取組をということにはなっているのですけれども、先ほど申し上げたように、国が定めた策定期日もあり、なかなか十分な協議が、これは広尾ばかりではないと思いますけれども、なされていないという現状があります。しかしながら、今、本町農業の現状を勘案した場合、農業の将来の在り方や地域の事情に応じた取組事項や取組方針などについて、少し地域計画を見させていただきましたが、修正しなければならないなという点もあることから、改めてこの経営内容の周知、協議も含めて、先ほど町長もご答弁にもありましたように、農協と十分な協議をこれからでも持っていただければなというふうに思っているところであります。また、まちづくり計画の関係につきましても、計画は計画として、これからの取組内容と予算の措置というか、それに係る5年間の予算の算出もこれからされるわけでありますので、また、農協のほうも振興計画を、今、立てておりまして、おおむね11月ぐらいには原案を出して、組合員、生産者に示せるようなスケジュールになっておりますので、昨日、議員協議会の中で、このまち計のスケジュールをお聞きしたところ、ぎりぎり間に合うタイミングかなというふうに思っております。また、昨日もお伺いしましたけれども、数値で挙げられている生乳生産量とか新規就農者の数とか農協のほうでもアンケートを取っておりまして、せっかく同じ時期につくる計画であれば、そういった数値目標もきちっと合わせて進んでいったほうが、より実効性があるなというふうに考えるところでありますので、これらについて簡単に町長のお考えをお伺いしたいと思います。
答弁 町長 田中
今、簡単にはお話ししましたけれども、ただ、農協が今策定をしている農業振興計画という中身と町の計画とにずれがあると、これは同じ方向を向いていく中で、やはりまちづくりをしていく中ではちょっと問題があるというふうに考えておりますので、今後の進め方にちょっと、いろいろあるとは思いますけれども、今お話のあったように、間に合うのであれば、そういう計画を、修正もやぶさかではありませんので、きちっと原課と、町の農林課とそれから農協サイドのほうで話合いをしながら、よりよい方向でできるような形の計画を進めていきたいというふうに考えております。
質問 3番 大庭克彦
その件については、よろしくお願いしたいというふうに思います。それでは、最後の再質問になります。将来に向けたビジョンと広尾町の農業振興計画について質問をさせていただきます。答弁では、現段階ではかなり難しいとのことであります。他の市町村の農業振興計画と将来ビジョンは、農業者とJA、関係機関、行政がお互いに意見を出して協議を重ねて策定したものとなっており、計画を策定している各市町村の農業者に対して、これは町長の挨拶という形で1ページ目にあるのですが、非常に強いメッセージ性が感じられる。今回のご提案をさせていただいた経過も、やはり町として具体的にこういった農業振興に取り組んでいくのだというところを農業者あるいは関係団体にきちっと示す点では、すごくいいものだなというふうに思ったところであります。将来に向けた農業振興の確かな指針として、農業者及びJAなどの関係機関に非常に伝わっているというふうに思っているところであります。答弁にもありましたように、人員の体制だとか様々な要因で今すぐの着手というのはかなり難しいということでございますけれども、こういった厳しい農業情勢だからこそ、農業者が安心して意欲と希望を持って生産活動ができるような広尾町の農業のビジョンというのは、絶対に必要だというふうに思っております。また、本町の農業振興に向けた具体的な取組内容を示したまち計を最上位計画として、その下に農業部門の最上位計画として、全ての事項、土地、人等々の取組を網羅した広尾町農業振興計画の策定というものは、やはり将来に向けては必要だというふうに思っております。また、あわせて、この計画に基づく計画的かつ継続的な支援の強化が、本町の農業が持続的に発展することによって、本町経済を支え、町民のためのまちづくりにも寄与するものというふうに考えております。あわせて、今、本日は農業に的を当ててご質問をさせていただいておりますけれども、農業ばかりではないので、産業全般にわたって、やはり産業が衰退していくとまちづくりもなく、本当にこの5年間については農業もそうですけれども、非常に重要な5年間だというふうに思っております。大げさな言い方かもしれないのですけれども、5年後、この広尾町が広尾町として存続していけるかどうかを占う5年間でもあると、農業についても、そういうふうに危機感を持って考えているところでありますので、ぜひ今後、前向きに検討していただきたいというふうに思っておりますけれども、これについて最後に町長のお考えをお伺いして、終わりとさせていただきたいと思います。お願いします。
答弁 町長 田中
今日は農業の関係につきまして様々なご意見等も伺いまして、前段私が一次答弁の中で申し上げました農業の厳しい現状、これについては再三いろんな場面で、挨拶等でもあれですけれども、話をさせていただいております。実際にそういうことでありますので、認識をしているところであります。ただ、組合長も含めて懇談をしていく中で、やっぱり言葉だけで言うのではなくてそれを実現というか行動に移していくことが重要だというところで、ただ、現状が厳しい状況を認識しているだけでは何も解決しないわけでありますから、そのこと、今、大庭議員が言ったように、農業だけではなくて広尾町の経済を支えているのは全ての第一次産業も含めてあるわけでありますので、そういったところ、様々なそういう関係団体と今後も対話を重ねながら進めていくこと、そしてできれば農業の将来ビジョンの部分については、大変重要なことだというふうに認識をしておりますので、現時点ですぐに取り組むことは難しいとは考えておりますけれども、今後、研究をさせていただきたいというふうに考えております。また、今後についても、広尾町の農業について、ただいまも申し上げましたけれども、関係機関、農協とも情報共有をしながら、そしてやっぱり担当である農林課、それから農協の担当部署ともコミュニケーションを取りながら、距離が離れておりますので、その分頻繁に連絡を取り合いながら、これからもいろんな課題について継続的に取り組んでいきたいというふうに考えております。どうぞご理解をいただきますようにお願い申し上げます。
質問 3番 大庭克彦
それでは、今、町長の答弁にもありましたように、農業をはじめ各産業団体とのこれからの対話重視をして取り組んでいただきたいということをお願いしまして、本日の一般質問を終了させていただきます。