広尾町議会 平成30年第2回定例会 2018年6月8日
国民健康保険の構造問題の解決に向けた見解と対策について
2018年6月8日、広尾町議会の一般質問で、旗手恵子議員が「国民健康保険の構造問題の解決に向けた見解と対策について」質問し、町長 村瀨が答弁しました。
- 質問者
- 旗手恵子 議員
- 答弁者
- 町長 村瀨
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は質問の本文をもとに当サイトで付けたものです
質問 11番 旗手恵子
私は、国民健康保険の構造問題の解決に向けて、町長の見解と対策について質問いたします。国保の都道府県化がスタートしました。これまで国民健康保険は各市町村が単独で運営してきましたが、今年度から市町村と都道府県が共同で運営する制度となりました。新制度に変わっても国保税の額を決め、集めるのは市町村の仕事です。一方で、国保の財政は都道府県が管理するようになりました。北海道は、各市町村の国保税の算定式や集め方、医療給付の水準について指導し、意見を言う権限が与えられました。政府がこのような仕組みを導入した最大の狙いは、多くの自治体が一般会計から国保会計への公費の繰り入れを行っている、この法定外繰り入れの解消と医療費の抑制、給付費の抑制にあると思いますが、町長はどのようにお考えでしょうか。国保の都道府県化は2014年ころから検討されてきましたが、国保の構造問題の解決なしに進められないという意見が全国知事会など地方団体から強く主張されました。何よりも国保税が協会けんぽや組合健保の保険料に比べて異常に高過ぎるという問題です。国保税の高騰を招いた大きな要因は、加入世帯の貧困化、高齢化と国の予算削減にあるのではないでしょうか。厚労省保険局の国民健康保険実態調査報告の各年度版で調べると、国保税がスタートした1960年代、国保加入世帯の4割は農林水産業、3割は自営業でしたが、今では年金生活者などの無職が4割、非正規労働者などの被用者が3割で、合わせて8割近くを占めるようになっています。厚労省保険局の国民健康保険事業年報、実態調査報告で調べると、1990年代前半には270万円を超えていた国保加入世帯の平均所得は、今や138万8,000円にまで落ち込んでいるといいます。その一方で、1984年、国保への国庫負担を総医療費の45%から給付費の50%に大幅に削減し、その後、加入世帯の所得実態が激変する中でも国の責任を後退させ続けてきました。加入世帯の貧困化、高齢化と国の予算抑制の中、国保の1人当たりの保険料は、1990年代の6万円台が2016年には9万4,000円を超える状態となっています。本町での国保世帯主の職業別世帯構成の割合、保険料、加入世帯の平均所得の推移はどうなっていますか。高齢者など社会的弱者の医療制度となっている国保の保険料負担が被用者保険よりも高い、これこそ地方団体が一致して解決を求めている国保の構造問題ではないでしょうか。全国自治会などの地方団体は、国保制度改革の協議の中で国保の構造問題の解決策として、保険税をせめて協会けんぽの保険料並みに引き下げるため、1つには1兆円の公費負担を行うこと、2つ目には子育て世帯の国保税を高騰させる要因である均等割を見直すこと、3つ目には子どもの医療費無料化を行う自治体に対する国庫負担減額のペナルティをやめることを要求してきました。こうした要求や世論の高まり等もあり、厚労省は自治体による子どもの医療費無料化へのペナルティについて、今年度から未就学児に対する措置に限って国庫負担の減額をやめることにしました。さらに厚労省は、新制度の初年度である2018年、今年度は、急激な住民負担増とならないよう自治体に配慮を求める発信を連打するようになったといいます。「2017年9月6日の説明会で厚労省は、市町村の法定外繰り入れについて維持を含めた検討を各自治体の担当者に指示するに至った」と国保新聞17年9月20日号に報道されています。すなわち厚労省は、18年度は激変緩和、6年かけて改革を実行、すなわち国保運営方針の第1期が終わる23年度末までには法定外繰り入れの解消などの赤字削減を実施し、保険料の平準化、給付の適正化を進めるよう指示しているといいます。それに対し本町は、一般会計からの繰り入れを5年で解消するといいます。本当にできるのでしょうか。住民負担を招くだけ、住民を苦しめるだけになるのではないでしょうか。それよりも町独自の負担減免、軽減を考えるべきではないでしょうか。例えば、仙台市では、国保料の均等割部分について18歳未満を3割軽減したといいます。単純計算で世帯平均1万円の値下げとなるといいます。埼玉県ふじみ野市は、県内で初めて第3子以降の国保税の均等割を全額免除、1人当たり最大3万6,000円減額になるといいます。激変緩和や法定外繰り入れの維持で当面の引き上げは回避できたとしても、高齢化による給付費の増大など、将来を見据えた解決の模索が必要と考えます。昨年7月、全国知事会は、国宛てに要望書を提出したといいます。1つには国保への定率国庫負担の引き上げ、2つ目には子ども医療費無料化の国の制度の創設、3つ目には子どもの均等割の軽減、4つ目には障がい者、障がい児、ひとり親家庭などを含む自治体の医療費無料化の取り組みに対するペナルティの全面中止を要望しているといいます。私も大賛成です。国保の構造問題を解決する本当の改革を真剣に考えることが必要ではないでしょうか。その意味で国・道への働きかけが必要と思いますが、町長の見解を求めます。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
旗手議員の質問にお答えをいたします。国民健康保険の構造問題の解決に向けての質問であります。まず、1点目の制度改変の狙いについてであります。平成30年4月より国保の都道府県化がスタートいたしました。国保制度につきましては、増大する医療費、少子高齢化による現役世代の負担増、年齢が高く医療費水準が高いなどの構造的な課題等を解決するため、北海道が国保の運営に中心的な役割を担うことになったものであります。今後とも医療費が増加すると考えられ、北海道という大きな器で市町村が抱える医療費増加リスクを全道で分散させていくものであります。2点目の職業別世帯構成割合と保険税、加入世帯の平均所得の推移についてであります。国保制度は、農林水産業及び自営業を中心とする制度として創設されましたが、本町におきましても制度発足以降、産業構造の変化に伴い農林水産業、自営業の構成割合が減少する一方、被用者・無職世帯が増加している傾向にあります。また、その中で国保加入世帯平均所得は昭和59年が180万9,000円、平成16年が119万3,000円、平成29年が166万2,000円となっているところであります。次、3点目の住民負担についてであります。本町におきましては、国保の被保険者の負担を低く抑えるため、長年、一般会計から法定外繰り入れを行ってまいりました。平成19年度から平成28年度まで総額で約4億5,500万円、1年平均で約4,550万円の赤字繰り入れとなりますが、本町の厳しい財政状況を鑑み、所得の低い世帯に配慮しながら、5年間で赤字繰り入れを解消し、削減をしていくものであります。次、4点目の町独自の負担軽減についてであります。本町の厳しい財政状況から、独自の負担軽減については非常に難しいと考えております。北海道、北海道市長会、北海道町村会、北海道国民健康保険連合会におきまして、国庫負担の財源確保について要請を行った経緯があるところであります。財源等の確保、拡充が被保険者の負担軽減につながるものと考えているところであります。5番目の国・道への働きかけについてでありますが、引き続き財源等の拡充につきまして、関係機関と一体となって要請していくことが重要と考えております。以上、答弁とさせていただきます。
質問 11番 旗手恵子
国保のことについては、とにかく町も財政が大変だからということでさまざまこれまでも議論されてきているところなのですけれども、今、1次質問で言いましたように、国保の負担が非常に重いと。かつて農林水産・自営業の人が圧倒的に多かったわけですけれども、この間、無職の人ですとか被用者の人が圧倒的に多くなってきていると。現役の方は、それぞれの健康保険に入っていますけれども、退職したら国保に入るわけですよね。高齢になればなるほど病気をする、そういう確率も大きくなってくると。そういうことで、やはりそういう中で健康保険の財政を支えていくということになったときには、国の補助金というのが圧倒的になければ、頭からもう運営できていかないというのが国保だと思うのです。ところが、国の負担すべきお金をどんどん減らして、それを保険税と、あと町のやりくりで何とかしなさいということは、これ全く保険として成り立つ仕組みにはなっていないのではないかと思うのです。そこでいろいろ苦労をして一般会計の繰り入れという方法もとりながらこれを運営してきたのに、そこを削っていくと、さらに保険料が高くならざるを得ないのではないかと思うのですが、その点については、町長、どのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
議員おっしゃったとおり、やはり国がしっかりとした財源を用意しないと、この国民皆保険制度、消滅をしてしまうのではないかというふうに思っているところであります。その関係で北海道をはじめ、北海道町村会、市長会などなど、国の財源確保に向けて毎年要望しているところであります。その結果、国のほうとしても財源確保に向けて一定程度の理解も示しているところであります。しかしながら、今回こういった制度改正になったところであります。本町におきましても、議員おっしゃったとおり住民生活を守る上で平成12年から国保の税率の改正はしていないわけであります。そうやって住民生活を今日まで守ってきたところであります。ほかの町村を見ると、その都度その都度、国保会計の状況に応じて住民に負担を求めてきたところがあるのですけれども、本町は大変厳しい生活状況を守るというところのそういった政策で来たわけでありますけれども、やはりそこも、そういうことをやり続けてきた結果、去年取り組んできた行政・財政改革、そこに結びついてしまったというところもあるわけであります。財政状況が厳しいという言葉一つで説明しているわけでありますけれども、やはりそういったことをきちっと、財政運営に責任を持つ者としてそこのところは住民にしっかりとした協力を求めなければ、なかなか町財政、町の行政運営も立ち行かないのではないかというふうに思っているところであります。これまで議会に、制度設計の中でいろいろな方式を選ぶことができるのですけれども、本町としては低所得者、それから単身の高齢者の方々が値上げにならないように、むしろ本町の場合はマイナスになるところがあるわけでありますから、そういった配慮もこの制度の改正の中ではしているところでありますので、ご理解をいただければと思っております。
質問 11番 旗手恵子
町としてできるだけの配慮をしているということなのですけれども、一般会計からの繰り入れも6年間でというふうに国は言っていますが、広尾はそれを1年短くして5年でやり上げるのだと言っていますよね。ですけれども、そのことがどれだけ大変なことかということは国もわかっているのですよ。ですから、先ほど国保新聞の中で紹介しましたように、6年とは言っているけれども、そこにこだわることなくそれぞれの事情も考慮してやるべきだというふうに、要するに6年で解消しなさいというところにブレーキをかけて、それぞれの自治体でよく加入者のことを考えて検討しなさいというふうに説明されているのではないかと思うのです。だけれども、広尾町は、それを5年でやるということは、それだけ負担を大きくかぶせるということにつながっていくのではないかなと思うのですが、そういう心配はされていないのでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
方針として6年間でと出されて広尾が5年というところであります。この5年というところは、行政改革をやり切る年度で5年とさせていただきました。議員おっしゃったように1年早まれば、それだけ負担が多くなるという、これは現実でありますけれども、何としてもやっぱり行革でこの財政危機、乗り切らなければならないということでございます。何もしなければ基金が平成36年で2億5,000万円ぐらいまで落ちる。それをさらに次の年は予算が組めないという状況、これを何としてもやっぱり回避させなければならないというところで住民の皆様方に料金の改定、制度の見直しなどお願いをしたところであります。特にこの国保の問題についても、12年から値上げをしてこなかったという、やっぱりそういったところの背景もあって住民の方にお願いをしているところであります。その結果、2億5,000万円が17億円、18億円まで残る結果になりましたけれども、さらにその先どうなるのだとさらに見通しを立てたときに、シミュレーションでありますけれども、さらに減り続けるという、あと4、5年は減るのではないかというところも出てきているところであります。さらには、シミュレーションに想定していない臨時的なことも突発的に起こってくるわけでありまして、そういったことを鑑みますと、やはりしっかりとした行政改革を着実にやらなければならないというふうに思っているところであります。国保についても、議員おっしゃったとおり、そのとおりだというふうに思っております。基本的なやっぱり解決は、国がしっかり補助金を出さなければ解決にならないところでありまして、今後も北海道町村会をはじめ、関係団体としっかり連携をとりながら要望活動を強めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
質問 11番 旗手恵子
予算の質疑のときだったと思うのですけれども、国保の構造的な仕組みの中で町独自の負担軽減ということで考えたときに、均等割ですよね、ほかの健康保険にはない、子どもの数によって保険料が高くなるという、ここの部分を、今、軽減をする自治体も出てきているのです。国保の負担が余りにも重たいということで何とかそこを改善できないかと、全国知事会なんかも国に対してはそういう要求をしているのですが、自治体ごとに、そこを軽減することの事例も出ているということで、予算の中で取り上げたときに、そのことは検討してみますということだったのですけれども、その後の検討というのは進んでいるのでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
今おっしゃったように、均等割、第3子以降無料化している事例も手元にスクラップしたやつあるのですが、現実的にそうやって住民負担を軽減させている自治体があるわけであります。本当にそういった意味では、自治体自治体でそれぞれ事情が違うわけでありますから、住民負担を許さないという精神については大賛成でありまして、できれば本当に、国がやらなければ自治体がやってでもという、そういったことは十二分に理解をするのですが、いかんせん私たちの本町にあって、いろいろなほかの行政バランスもありますし、そういったことを鑑みて今この第3子以降の免除については検討いたしましたけれども、踏み切れない状況にあるところであります。
質問 11番 旗手恵子
町も大変だけれども、納める人たちも本当に大変なのだというところをやっぱりしっかり受けとめていかないとならないと思うのです。議会報告会の中でも、そういう話が出されました。第5次行革でいろいろ住民負担が増えたと、そのことを全部否定するわけではないけれども、そのことによって影響を受ける人たちがたくさんいると、その低所得で苦しむ人たちのことを議会は真剣に考えているのかと、余りにもすいすいと通ってしまうのではないかということも指摘されました。やっぱり私もそうだと思うのです。町の財政も大変だけれども、そういう構造的なかかわりから国保の負担というのは本当に大変なわけですから、そこをどうやったら軽減できるかということで、町としてできる努力は、やっぱり第3子目を全部減額するということもあるだろうけれども、そのうちの何%を軽減するとか、そういう方法もできないのかということを私は真剣に考えるべきではないかなと思うのです。と同時に、そもそも国保がこんなに大変になったのは、国庫負担を大幅に減らした国に最大の原因があるわけですから、そこをきちんともとに戻しなさいと、国は応分の負担をするべきだということで、やっぱり声を大にして言っていかないとだめだと思うのですよ。その二本立てでやって、初めて町民は、町も大変な中でこうやって努力してくれているのだなということが理解されてくるのではないかなというふうに思うのです。そういう意味で、これまでもやっているとは思いますけれども、国や道に対しても、町長としてもきちんと物を言っていくと。それとあわせて、町として最大限ここまでならできるのではないかという検討をもっと丁寧にやっていくべきではないかなと思いますが、町長、どうですか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
議員おっしゃったとおり、これからも引き続き、強力に国に向けて要請活動をしっかり行ってまいりたいというふうに思っております。後段、町として何ができるのだと、もっと具体的に検討をということでございます。いろんな事例等を参考にしながら、それぞれ研究課題にさせていただければというふうに思っております。