富良野市議会 令和6年第1回定例会 2024年3月7日
(1)観光客急増による影響と持続可能な観光地政策の課題について/(2)変化する農業情勢について
2024年3月7日、富良野市議会の一般質問で、二宮利和議員が「観光客急増による影響と持続可能な観光地政策の課題について」「変化する農業情勢について」について質問し、市長 北猛俊、経済部長 川上勝義が答弁しました。
- 質問者
- 二宮利和 議員
- 答弁者
- 市長 北猛俊、経済部長 川上勝義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 二宮利和
-登壇-通告に基づいて、御質問いたします。1件目、観光客急増による影響と持続的な観光地政策の課題についてです。1点目です。新型コロナウイルス感染症が5類移行となり、富良野に来ていただく観光客は回復してきていますが、観光客数の急激な増加により、様々な不都合な課題や持続可能な観光のための課題があらわとなってきているところもあります。この件をどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。令和5年度前期では、道外からの来客数が過去最高となっています。富良野市観光客入り込み数によりますと、令和5年度上半期については、過去最高の96万6,102人の北海道外からのお客様を迎えています。そして、北海道内からも23万982人という、いままでの中でもかなり大きな数字が出てきております。特に、北海道外からのお客様の回復については顕著に表れており、外国の方の来訪者数、宿泊者数は、中国からの旅行に制限がある中でも、令和元年度に迫るような勢いで回復しています。大変喜ばしいことではありますが、急激な変化と富良野観光への投機的な資金流入などで様々な課題が市内では見受けられます。夏の観光客が集中するピークの時期には、昼食の食事場所が不足し、観光客の方が市街地を昼食を求めて歩き回るランチ難民と言われる様子も見られます。富良野らしいものを食べたかったが、混んでいて入れなくて長時間待つことになったり、コンビニのお弁当を食べるというのがいまの現実です。市内の飲食店では、昼から夕方近くまで行列ができています。これは、夏だけではなく、冬のシーズン中の夕食時間も同様なことが起こります。スキー場から市街地に来ても、飲食店に行列ができて待つことになります。これは、観光のお客様だけではなく、富良野市民にとっても、いままで気軽に外食できた場所でさえ、なかなか入れない、ゆっくりと外食をできないというような事態にもなります。そして、宿泊施設も同様に、宿泊客の急増で宿泊費の高騰が起こり、昨年の7月、8月は市内全体の宿泊施設で予約が取りにくい、そのような事態も起こっています。人手が足りずに十分にサービスが提供できないという事態もありました。公共交通機関など移動手段の不足も顕著であり、夏の時期はタクシーが不足し、また、外国のお客様には、駅や公共交通の利用が使いやすいものではなかったということで、かなり混雑した状態も見受けられました。そして、冬のシーズンも外国のお客様が、かなりの数、戻ってきていらっしゃいますが、バスの停留所に至っては、朝、夕、そして夜の時間帯で長い列ができます。ふらのスキー場と駅を結ぶバスはかなり混んでおり、地元の方が乗りにくい、そういう話もあります。そこで、このようなオーバーツーリズムに近いような現状についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。そして、2番目として、観光客が集中するピークの期間に集客数をさらに増やすための集客キャンペーンを中心に方策が組まれ、企画がされていますが、今後は、方向転換をして、集客キャンペーンという方向性ではなく、集客期間の平準化や再度来訪を促進するための観光地としてのサービス、そして、ハード面や観光資源である景観の充実を図るようなことが必要であり、そして、市民が観光振興の恩恵を実感できるような地域づくりに向けた長期的な視点で観光政策の軸足をシフトしていく、そのようなお考えがないか、そのような視点でお伺いいたします。現状、観光客の急増による課題が多い中でも、観光行政としては、観光客が集中するピークの期間にさらに集客数を増やすための集客キャンペーンを中心に方策が組まれ、企画がされています。いままでも、観光の平準化、通年観光には取り組まれていますが、近年の観光キャンペーンの軸足は集客中心となっています。しかし、現状のピーク時は既にオーバーツーリズムのような状態になっています。観光事業者であっても、いまは、ピークを引き上げるのではなく、受入れを整えて満足度を上げるべき、そういう意見は多々あります。そして、富良野に来ていただいて、富良野の食事が取れない、移動が不便で思うように過ごせない、宿泊費も高騰し、予約も取れない、富良野に来て富良野のよさを十分に満喫することなく離れていかなければならない、これは、将来に対しての大きなチャンスロスになると思われます。例えば、飲食店に行けず、コンビニでお弁当を買ってホテルで食べるというのは、継続的な観光地運営の中では大きなロスです。そして、何よりも、その様々な課題が市民の生活にはマイナスに受け止められてしまっていることも多くあります。観光に携わる方々であってもそのように感じるのです。ましてや、観光で直接、利益のない市民の皆さんの中には、直近のお客様が急激に増え、地域が変化し、それを実感し、目の前で起こっている変化への不安や今後の観光の在り方と市民生活への影響について心配されている方もたくさんいます。そして、いままでこれだけの観光が栄える一番の要因である富良野の環境や、温かく観光客を迎えてきた富良野市民が恩恵を実感でき、継続していける観光地政策が求められます。多くのお客様に認められるすばらしい田園風景、このすばらしい農地は、農家の方々や、以前、手作業で畑で働いていた女工たちが手作業で草を取り、畑を管理し、そしてすばらしい農村環境をつくってきました。スキー場は、多くのスキー関係者の方々がふらのスキー場の仕事に携わり、ワールドカップ、修学旅行、そしてスキー場を盛り上げ、いまはスキーのまちとして発展もしてきました。その皆さんたちが効果を実感でき、胸を張って富良野にお客さんが来てくれることが、自分たちの生活、そして、まちをよくすることだ、住みやすいまちづくりに貢献しているということが実感できる、そのような観光を実現してほしいと思います。ぜひ、現状に即した形で観光行政を変化させ、富良野をまた行きたい場所、そして、ほかの人にも勧められるまちにしていく方策を取ることで、多くの理解も得られると思います。このようなことから、観光行政の方向転換をして、観光行政の企画の軸足を集客キャンペーンという方向性から、集客期間の平準化、また、富良野に来ていただくための観光地としてのサービス、そして、ハード面や観光資源であるまちや農村部の景観、住みやすさの充実を図るような政策にシフトしていくお考えがないかについて、お伺いします。2件目、変化する農業情勢についてです。農業を取り巻く情勢の変化について質問いたします。水田活用の直接支払交付金の適用範囲の厳格化と、それに伴う畑地化支援事業の期限付強化で一時的には補助が得られるが、その後は条件の悪い農地で営農している農家の収入や農地の資産価値を減少させ、効率の悪い農地の放棄や離農が加速度的に進むのではないかという危機感を持つ声が聞かれます。この件についてお伺いします。農業に関して造詣の深い市長は御存じだと思われますが、御存じない方への解説も含め、少し説明をさせていただきます。水田活用の直接支払交付金とは、もともと転作奨励金であり、米の生産調整政策の下で、水田での転作作物の作付を促進、維持し、米の過剰を事前に抑制することが目的です。転作作物ごとに交付単価が設定され、作付面積に応じて支払われています。このたび、交付金の条件が厳格化され、5年間に一度も水稲の作付を行わない農地を本交付金の対象外とするようなルールの厳格化の措置が取られました。これは主に、転作している水田に、いわゆる収益性の低い作物、もしくは、収益性の高い作物であってもあまり手入れをされていない状態で作付をされている、そのようなところに交付金が助成されることを抑制して高収益の作物の作付を増やしていく、そのような目的で厳格化されます。それに対応する形で、水田を畑地化という形で期間限定的に畑地化補助金を強化して出すという制度が含まれます。畑地化支援補助金は、北海道では10アール当たり10万5,000円から17万5,000円、10ヘクタールの水田で換算すると1,000万円から1,750万円の補助金が出ます。これらにより、収益性の悪い水田、条件の悪い水田、今後、水張りの予定のない、もしくは水張りができない水田は畑地化が進んでいきます。畑地化をすることによって、畑地化支援助成金は出ますが、いままで毎年得られていた水田活用の直接支払交付金10アール当たり3万5,000円は支払われなくなり、さらに補助金がつかない畑ということで、地目変更による農地価格の減少、減額が予想されます。それらは、農家の一時収入としては増加しますが、この先、転作田に対する助成金がなくなるということを意味します。これら水田活用の直接支払交付金の適用範囲の厳格化とそれに伴う畑地化支援事業の期限付強化で一時的には補助が得られるが、その後は、条件の悪い農地で営農している農家の収入や農地の資産価値を減少させ、効率の悪い農地の放棄や、2次的な影響としてコミュニティーの維持にも影響が出ると思われます。そして、これらをきっかけにした加速度的に進む離農は、地域にも多くの課題を生むと思われます。この動きが始まり1年となりますが、現状の水田活用の直接支払交付金の厳格化、畑地化支援事業の強化が地域農業に及ぼす影響と評価、今後、離農等が進んだ場合の対策について見解をお伺いします。1、水田活用の直接支払交付金のルール厳格化、畑地化支援事業の強化が及ぼす影響と評価について、認識をお伺いします。2、今後の農業の継続に向けた対策についてお伺いします。3、生産効率や収益性が低い農地への対策についてお伺いいたします。以上で、1回目の質問といたします。
質問 8番 二宮利和
改めて、整理をさせていただきます。1点目の観光行政に関わる部分ですけれども、質問の内容です。1、今年度、夏の観光ピーク時期では、食事場所の不足や移動手段の不便などの問題が発生していますが、市は、継続可能な観光地づくりを推進していますが、観光繁忙期に発生している問題についてどのように受け止めているのか、見解をお伺いします。2、持続可能な観光地づくりへ向け、観光地政策は次の方向性であるべきと思いますが、見解を伺います。1、繁忙期に集客するよりも、閑散期を底上げして集客を平準化すべきではないか、2、観光需要を取り込み、市民生活の利便性の向上につなげるべき、交通とかレクリエーション施設なども含めてですけれども、そして、3、観光客の受入れの環境をさらに整備すべきではないか、そのような質問の内容になります。それから、もう一点、訂正があります。農業のところで訂正をさせていただきます。手続の中で、地目変更と私は申しましたが、地目変更という手続はこの中では伴わないということで、これは私の認識が違いましたので、訂正させていただきます。以上です。
答弁 市長 北猛俊
-登壇-二宮議員の御質問にお答えします。1件目の観光客の急増による影響と持続可能な観光地政策の課題についての観光繁忙期に発生している問題でありますが、本年度上期の宿泊延べ数は、新型コロナウイルス感染症の拡大前と比較すると、7月、8月の繁忙期で97%、ショルダーシーズンにおいては、6月で104%、9月で84%と順調に回復しているものと認識しております。一方、コロナ禍を経て、観光や交通業界において人材の流出があり、飲食店の廃業や従業員不足、宿泊施設での予約制限、タクシー台数の不足、飲食店の混雑などがあったものと認識しております。このような課題は、観光客の満足度の低下につながるとともに、再来訪意欲に影響することから、早急な解決が必要であると考えております。次に、持続可能な観光地域づくりに向けた誘客の平準化でありますが、本市の観光振興の指針でありますFURANOVISION 2030では、宿泊延べ数を平準化し、観光業界における雇用の安定化を図ることとしております。本市の観光の繁忙期は、花や景観を楽しむことができる7月、8月、パウダースノーの中でウインタースポーツを楽しむことができる1月、2月であり、今後も、誘客を進めるとともに、ショルダーシーズンである6月にはサイクリングイベントを、9月及び10月には沿線のワイナリーを巡るツアーを実施するなど、季節偏差をなくす取組を進めておりますので、これを継続してまいります。次に、観光需要を取り込み、市民の利便性向上につなげる取組についてでありますが、国連世界観光機関では、持続可能な観光を、訪問客、産業、環境、受入れ地域の需要に適合しつつ、現在と未来の環境、社会文化、経済への影響に十分配慮した観光であると定義しております。観光需要を取り込むことによる市民サービスの維持や生活利便性の向上だけでなく、観光振興を地域の経済波及効果や市民の暮らしやすさの実感にもつなげることは、持続可能な観光地域づくりの視点と合致しているものと理解しておりますので、今後も、住んでよし、訪れてよしの観点により観光行政の推進に努めてまいります。次に、観光客の受入れ環境整備につきましては、観光客が本市を訪れ、満足して帰路についていただくことが再来訪へとつながることから、今後も、観光事業者からの聞き取りを行い、問題点を把握した上で、ふらの観光まちづくり戦略会議において協議しながら対応してまいります。2件目の変化する農業情勢についての農業を取り巻く情勢の変化についてでありますが、水田活用の直接支払交付金の制度改正により、令和4年度から5年間に一度も米の作付を行わない農地は交付対象外とされることとなり、今後の本市農政において転換期を迎えていると感じております。また、同時に進んでおります畑地化促進事業におきましては、令和5年度の申請実績として186戸、約1,231ヘクタールが採択されているとともに、令和6年度に向けて、3月1日現在で、新たに127戸、約481ヘクタールの希望申請があったところであります。次に、今後の農業の継続に向けた対策についてでありますが、国の動向を注視しつつ、令和6年度からスタートする第4次富良野市農業及び農村基本計画に基づき、総合的な支援を展開し、水田活用と畑地化のバランスを取りながら、持続可能な農業を推進してまいります。次に、生産効率や収益性の低い農地への対策についてでありますが、中山間地域等直接支払事業により、耕作放棄地などを出さない集落への支援を継続してまいります。以上です。
再質問 8番 二宮利和
再質問させていただきます。1件目、観光についての再質問させていただきます。私は、これに当たって、幾つかの市民の方々のお話をお聞きしました。飲食店を経営されている方は、お客様へのよりよいサービスを目指して、多くのお客様を迎えるために準備しているけれども、人手不足で十分に休みも取れず、3か月に2回しか休めていない、そして、従業員を雇おうにも、人手不足と人件費の高騰によってなかなか雇えない、遠くからの従業員やアルバイトを雇うために準備をするにも中小企業ではなかなか力がない、このままだとなかなか続けていけない、また、ふらのスキー場でのチケットの待ち時間、そして混み具合、そのほかbonchi powderキャンペーンのポスターがネーティブには分かりにくい表現だったり、さらに、路線バスの時刻表に英語の表記が一切されていない、多くの方に様々なヒントをいただく、そういうふうなことで様々なお話が出ました。先ほど、具体的に様々なことを検討(74ページで訂正)されて、お客様にとっても、そして市民にとっても利便性が高い、そして、持続可能な観光地をつくるということで御答弁をいただきましたけれども、具体的にどのような検討(74ページで訂正)されて、これからどのように進めるのか、分かる範囲でお答えいただければと思います。
再質問 8番 二宮利和
先ほどの私の話の中で調査と言ってしまいましたが、正確には検討という言葉でした。おわびして訂正いたします。改めて、質問させていただきます。観光客急増による影響と持続可能な観光地政策の課題についての1項目めです。お客様が増加しているということは、そういう成果も上がっています。その中で、市長は、早急に解決すべき課題があるということも認識されておられると答弁をいただきました。その中で、ふらの観光まちづくり戦略会議で今後検討していくということでしたが、早急に検討を始めるべきだと思いますが、いかがですか。
答弁 経済部長 川上勝義(経済部長は2024年3月まで)
二宮議員の再質問にお答えいたします。まず、いまの観光の状況、議員のほうからいろいろ御指摘があったとおり、お客様が増えて非常に混雑したりという課題が出てきています。これも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大がある程度落ち着きを見せて、観光客がこれまで動けなかった反動等がありまして、海外からも多くお客様が来ています。その中で、人材不足等もいろいろありまして、受け地としての対応がなかなか難しかった、ここが正直なところではないかなというふうに思っています。今後の対策、対応ということでありますけれども、人材不足等から始まって、いろいろ要因はありますけれども、課題をいま整理して次のシーズンにつなげていくために、もう既にふらの観光協会等を中心に観光事業者に対するヒアリングを始めています。それによって、次のシーズンは何とかお客様に満足していただいて、心地よい空間といいますか、富良野で心地よく過ごしていただいて、また来ていただくような、そのような改善等を進めていきたいというふうに考えてございます。その議論の中心となるのがふらの観光まちづくり戦略会議になろうかというふうに思っています。以上でございます。
再質問 8番 二宮利和
市民の皆様から様々な声を聞きました。不安の解消について対策をされている、検討していくというお話ですが、その成果などを市民にもっと知らせていく機会があれば市民のさらなる安心につながると思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
答弁 経済部長 川上勝義(経済部長は2024年3月まで)
二宮議員の再質問にお答えいたします。いま様々な情報収集等をしておりますけれども、次のシーズンに向けて様々な施策を検討して展開していく、これを、市だけではなくてふらの観光協会あるいは観光事業者とともに手を取りながら、何とかお客様をお迎えできるような施策に反映していきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
答弁 経済部長 川上勝義(経済部長は2024年3月まで)
追加ですけれども、今後の施策として、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えてございます。以上でございます。(発言する者あり)