みんなの議会

富良野市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月15日

(1)農業、農村整備事業の実施に向けた、地域の合意形成に関する支援について/(2)優良農地の確保と、耕作状況の現状について

2020年9月15日、富良野市議会の一般質問で、宇治則幸議員が「農業、農村整備事業の実施に向けた、地域の合意形成に関する支援について」「優良農地の確保と、耕作状況の現状について」について質問し、市長 北猛俊、農業委員会会長 及川栄樹、経済部長 川上勝義、農業委員会事務局長 井口聡が答弁しました。

質問者
宇治則幸 議員
答弁者
市長 北猛俊、農業委員会会長 及川栄樹、経済部長 川上勝義、農業委員会事務局長 井口聡

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 3番 宇治則幸

-登壇-通告に従い、順次、質問させていただきます。市の基幹産業である農業と観光は、いま、新型コロナウイルスの世界的・全国的感染拡大により、観光においては、宿泊、飲食、イベント、アウトドア、運輸等、観光関連事業者への影響は甚大で、長期化が予想され、観光を中心とした経済の回復には時間がかかることが予想されています。一方、農業においても、経済活動の減速化、生活様式の変化を受け、外食の減少、家庭での調理など、食のあり方にも変化が見られています。農畜産物、またその加工品等において、販売に苦労されている品目も出ています。本市の基幹産業である農業にも、多くの問題点を抱えているところです。西暦2000年には1,000戸を確保していた販売農家は、減少を続け、いまでは600戸を切っている現状です。多様な担い手の育成、確保は急務な問題であり、新規参入者の受け入れは進めていますが、高齢化、後継者不足には追いつかず、経営規模の拡大に伴う法人化、雇用従事者あるいは労働力の確保対策は、農家戸数の減少に追いつかない現状ではないかと理解するところです。本市の耕地面積は約1万ヘクタールで、うち、販売農家による経営耕地面積は約8,000ヘクタール余りで、農家1戸当たりの経営耕地面積は、平均では2000年の9.3ヘクタール余りから14ヘクタール以上となり、規模拡大は進んでいる計算となっています。富良野農業は、転作の進んだ水田作、畑作、野菜生産、ハウスによる高収益作物への取り組み、ワインブドウや果樹類の作付、さらには、酪農畜産農家による自給飼料確保のための農地利用と多様であり、実際の経営規模は、小面積・集約型の家族経営から法人を含む大規模経営までさまざまな経営体が混在しているところです。その農地も、所有地が点在する場合が多く、決して効率的耕作、経営とはなっていない面も抱えています。富良野は盆地であり、平たん地は決して多くはなく、中山間地と呼ばれる傾斜地での耕地利用も多く、一方で、近年の気象は、集中的な豪雨、長雨に悩まされることも多くなることを経験しております。耕地の流失や排水不良による被害が多く見受けられる現状です。その対応として、各地でさまざまな土地改良、基盤整備事業が進められてきたところです。そこで、大きく2点伺います。1点目に、基盤整備事業を行うことによる成果をどう評価されているか、また、特に、国営事業、道営事業による大規模事業実施への計画、準備期間のあり方について、あるいは、今後の事業予定の地域についてお伺いします。2点目に、効率的経営、スマート農業等への取り組みの推進のためにも、速やかな事業実施が求められていると考えますが、地域の合意形成を図る上での市の協力についてお伺いいたします。次に、質問にしたほうがよいかな…2件目の優良農地の確保と耕作状況の現状について伺います。さきに述べたように、富良野では多様な農産物が生産されてきています。それは、多くの先人による土地改良の取り組み、あるいは、栽培技術の向上、機械化等、生産性向上への継続した取り組みによるところが大きいと理解するところです。そこで、生産性が高い優良農地の確保、維持について、また、多種多様な農業形態、農作物、酪農畜産物生産に向けた土地利用の方向についてお伺いします。さらに、耕作状況の現状について、農業者の高齢化、担い手不足はますます深刻化し、全ての農地を効率的に耕作していくのは難しい面が多いことも事実であると考えます。長期間にわたり耕作されていない、あるいは、荒廃してきている農地が見受けられることも実態です。その現状をどう把握されているか、また、荒廃農地等の解消対策、発生予防についてお伺いいたします。以上、1回目の質問とさせていただきます。

答弁 市長 北猛俊

-登壇-宇治議員の御質問にお答えします。1件目の農業農村整備事業の実施に向けた地域の合意形成に関する支援についてでありますが、昭和24年に土地改良法が制定されて以降、本市においても、国営、道営を初め、多くの農業基盤整備事業が行われてきております。この基盤整備により、農業生産の基礎となる土地や用排水路など水利条件の整備、開発を行うことにより、農業構造が改善され、基幹産業である本市の農業が発展してまいりました。現在、道営事業で7地区、国営事業では今年度で完了となる2地区で事業実施しておりますが、今後は、道営事業で西達布、麓郷、布礼別など、国営事業では鳥沼宇文地区、富良野山部地区などを順次計画し、優良農地の維持、改善を行う予定となっております。それぞれの事業実施は、地域整備方向検討調査や地区調査を経て地区採択となりますが、地域は、北海道開発局などの助言のもと、事業実施に関する合意形成を行い、事業計画をまとめていくことになり、市の役割は地域の合意形成に向けた事業内容の説明や助言などの側面的支援を行っております。また、富良野山部地区の整備事業におきましては、事業推進のための総合窓口の設置が求められていることから、協議を進めているところでもあります。今後の基盤整備事業におきましては、今後の農家数や労働力の減少などに対応するため、自動走行農機の導入に向けた農地の大区画化を検討するなど、関係機関と連携し、計画的な実施に努めてまいります。以上です。

答弁 農業委員会会長 及川栄樹

-登壇-宇治議員の御質問にお答えいたします。2件目の優良農地の確保と耕作状況の現状についての1点目、優良農地の確保と富良野らしい土地利用の促進についてお答えいたします。優良農地については、第3次富良野市農業及び農村基本計画において、作業効率が高く、生産性の高い農地として維持管理をし、流動化に当たっては、効率的利用が可能となるように面的にまとまった形で引き継ぐことが重要になると方向づけられており、農業委員会においても、農地法及び農業振興地域の整備に関する法律、または、農業経営基盤強化促進法に基づいた効率的な土地利用を推進し、富良野市農業委員会農地移動適正化あっせん事業実施要領に基づき、優良農地の確保、維持に努めているところです。今後も、法律に基づいた土地利用規制のもと、優良農地を確保、維持していく考えでございます。2点目の耕作放棄の現状とその解消対策でありますが、農業委員会は、富良野市農地パトロール実施要領により、一般社団法人北海道農業会議及び北海道との緊密な連携、調整を図りながら農地パトロールを行っているところです。これは、農地法第30条の利用状況調査として毎年実施をし、遊休農地及び遊休農地のおそれのある農地の把握に努めているところであります。各地区の担当農業委員による農地パトロール終了後は、農地パトロール推進会議を開催し、市域全体における現状と課題を整理するとともに、農地所有者に対して指導を行い、また、必要に応じて、農地法第32条及び第33条に基づく農地所有者等への利用意向調査を実施し、その結果、所有権移転や賃貸借権の設定などを行う意思がある農地所有者等に対しては、農地移動適正化あっせん事業により農業委員会委員が調整を行い、また、農地中間管理事業を利用する意思がある農地所有者等については、農地法第35条に基づき、農地中間管理機構へ通知をし、農地中間管理権の取得に関する協議の勧告などの措置を進めます。今後においても、遊休農地の発生防止に向け取り組んでまいります。以上でございます。

質問 3番 宇治則幸

1件目に、農業農村整備事業への行政からの協力というか、そういう質問を私はしたところでございます。一つには、国営事業、道営事業には税金がたくさん投入されるということで、非常に時間がかかると。当然、規模も大きく大変な事業ですから、計画期間あるいは準備期間に非常に時間が費やされるということで、なかなかスピーディーではないなと。そういうことをこの場で言っても直接は関係ないかもしれませんけれども、そこに対して、先ほどのお話では、当然、私は受益者ですから、受益者が集まり、そして、改良区なり農協なり、そういうところといろいろ調整をしながら、そして、開発局等々とやっておりますけれども、市の協力については、いつも私のところの事業でも同席されていることが多いのですけれども、説明、助言に行政は当たるということで、当然のこととは思うのですが、そこにスピード感を持たせるような助言等をいただけたらありがたいなと思いますが、どの程度まで行政は説明、助言に当たられることが可能とお考えでしょうか。

答弁 経済部長 川上勝義(経済部長は2024年3月まで)

宇治議員の御質問にお答えいたします。基盤整備事業に関する行政のかかわりというところであると思いますけれども、あくまでもこの基盤整備事業につきましては、地域が主体というふうになってございます。農業者の発意によってこの事業がスタートして、地域での事業の取りまとめ等をやっていくものであります。そこで、市の役割としましては、合意形成に向けた事業内容の説明ですとか、あるいは、内容検討のアドバイスですとか、そういうところについて、足を運んで地域の方々に御説明させていただいているところでございます。スピード感の部分でありますけれども、さまざまな理由があると思います。地域によっても課題は違うと思います。そのあたりは、もちろん地域の方々が中心となってやることでありますが、市としても、何とか少しでもスピード感が出るように助言等をさせていただければというふうに思っております。以上でございます。

質問 3番 宇治則幸

大ざっぱな質問となってしまいましたけれども、先ほどの私の質問の枕のほうにも入れたように、農家戸数が減っているとか、面的には農地は持っているけれども、決して使いやすい状況ではない。そういう中で、先ほど言われたように、富良野農業も第3次に向かっておりますので新しい方向が出てきているのですけれども、それをいかに進めていくかは、やはり、僕ら地域の受益者自身がまとまらなければならないですけれども、残念ながら、農家戸数が減ってきて、意思の疎通がしやすくなったかなというと、逆に、例えば、自分の面を守りたいとか、そういうことにちょっと偏るようなところもあります。行政の役割として、直接ではないかもしれませんけれども、富良野農業の将来性、ビジョン、そういうことを一緒に考えながら、期成会づくりとか、そういうスピーディーな後押しが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

答弁 経済部長 川上勝義(経済部長は2024年3月まで)

宇治議員の御質問にお答えいたします。先ほども答弁させていただきましたけれども、地域によってさまざまな現状があるというふうに思っております。農家戸数にも差があるでしょうし、また、農家の皆さんの思い描くビジョン、そういうものもあるでしょうし、どのような作物をつくっているかとか、地域の課題についてはまた違いもあるというふうに思いますので、そのあたりは、地域の方々の話がスムーズに進むように、行政としても一緒に会議に参加をさせていただいて御助言等をさせていただければと思います。以上でございます。

質問 3番 宇治則幸

では、もう一件のほうの優良農地の確保、維持についてです。簡単に生産性の高い優良農地と言いましても、それはいまのお話と同じで、使っている人がこれでよければいいと思えば、ある意味、生産性が高い、あるいは優良農地である、そういうことになるかと思います。しかし、富良野においては、いろいろな形の農業をそれぞれの農家の方が選択してつくってきております。その中で、先ほどの基盤整備事業等で進めていただきたい面もある。それは、面的なまとめ、そういうことも必要だという理解は私にもあります。優良農地をしっかり確保しながら、そして、生産性が高く効率のいい面をつくることが、大きくは基盤整備事業になるかと思います。その中で、農業委員会は、当然、農地法等の法律の中でしっかり調整されていると思いますけれども、今後の土地利用に向かっての方向、富良野らしさという言葉は非常に漠然としているという聞き取りでしたけれども、富良野には多様な農業のスタイルがあって、それをどのように調整していったら農地が確保、維持できるとお考えでしょうか。

再質問 3番 宇治則幸

いまのことについて再質問させていただきます。生産性の高い優良農地を確保、維持していくために、農畜産物をしっかりつくっていくために、面的まとめ等も必要かと思います。面でまとめていく規模拡大というのが時世の流れです。そんな中で、農業委員会は、農地の流動化についてどのようにお考えでしょうか。できるでしょうか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

宇治議員の質問にお答えいたします。農業委員会としましては、いずれの場合でも面的に集積をしていくという考えは当然持っております。しかし、事情によっては、遠くの土地、離れた土地を買うということも当然出てくる状況にあります。農地法の第3条などでは、そういう形で行われることがあります。ただ、基盤強化促進法でやるあっせんについては、なるべく面的に集積をする、1カ所に集めるというような方向で行っております。以上です。

再質問 3番 宇治則幸

優良農地は、私たちも使いやすいように面的にまとめていただきたいと思っております。しかし一方で、通告のときには耕作放棄地という言葉を使ったのですけれども、私は、今回、言葉は極力変えようと思いまして、長期間耕作されていない農地、あるいは、荒廃しかけている農地という言葉に置きかえさせていただいております。これは、実際に市内を走っていますと見受けられます。既に条例等で開発行為のために、そういう方向に持っていくという土地もございますが、いま、そういう荒廃が進んでいるような土地をパトロールされていると聞きました。実質的なものがあれば、なおさらありがたいのですけれども、どのように現状を把握されているでしょうか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

宇治議員の質問にお答えいたします。荒廃農地といいますか、耕作放棄をされているような農地については、昨年の農地パトロールの実績で言いますと、耕作を継続して指導したのが2カ所、意向調査を行っているのが3カ所、経過観察をしているのが1カ所、非農地と考えているところが4カ所ありました。非農地としたところにつきましては、昨年12月の委員会の総会において議決し、非農地証明ということで通知をしております。以上です。

再質問 3番 宇治則幸

農地パトロールは、年に1回でしょうか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

はい、年に1回でございます。

再質問 3番 宇治則幸

広い富良野ですから、多分、農業者のほうから事前にこういうものがあるという情報があって、それを農業委員会全体で農地パトロールに当たって考えるということではないかと思います。いまも件数等をお聞きしましたけれども、荒廃地の具体的な解消対策とか発生予防について、考えられていることはございますか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

発生予防につきましては、毎年の農地パトロールにおいて見つけた部分、荒廃農地になりそうな部分について指導を行ったり、意向調査をかけているところでございます。また、農地パトロールのときに、第3条やあっせんで移動した土地の履行状況も一緒に調査していますので、それも発生予防につながっているというふうに考えております。以上です。

再質問 3番 宇治則幸

先ほども言ったのですけれども、歩いていて、残念ながら、これは非常に耕作が難しいなという農地が見受けられるというのが私個人の実感です。最初に説明があったように、残念ながら、非農地化、これは所有者がわかっていて、なおかつ、地域等で見ても、あそこの土地を残しておいて周りに悪い影響がある、あるいは、土地改良なんかでもあそこを組み入れることは非常に困難ではないかとか、そういう場面では、多分、非農地化を進めることにはならないでしょうけれども、そういう判定、あるいは判断することも多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

宇治議員の御質問にお答えいたします。農地パトロールをやった段階で、例えば傾斜地だとか非常に傾斜がきつい土地等については、生産性は多分、もう上がらないというふうに判断します。その所有者に対しても、今後どういう形をとるのがいいのか、例えば、層厚調整を行い、平らにして畑として使いたいという方もいれば、当然、労働力的にもう無理だという方もいますので、そういう場合については非農地化というふうに考えております。ただ、農業委員会は、非農地化となった段階でも、まずは全員でその場所を見に行って、農業委員の目で確認してから総会にかけて行っているところでございます。以上です。

再質問 3番 宇治則幸

農業委員会さんは、大変御苦労さまです。法律に基づいてやれることが第何条でとか、そういうことは僕ら農業者だったらわかるのですけれども、一般の方にはわかりづらい面も多いかと思います。私は、優良農地に限らず、しっかり農地を守り、景観を守りたい、そういうことですので、農業委員会さんだけではなく、行政としっかり連動して、そして、農業委員さんはもともと地域から出しているのですけれども、そういう考えを地域にも伝えていただける、行政にもアプローチする、地域にもアプローチするような農業委員会であってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 農業委員会事務局長 井口聡(農業委員会事務局長は2020年9月まで)

宇治議員の御質問にお答えします。そのような形で進めていきたいというふうに考えております。以上です。

出典:富良野市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月15日 議事録 PDF(26ページ) 間違いを知らせる