深川市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月17日
ヤングケアラーの実態把握と支援
2022年6月17日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「ヤングケアラーの実態把握と支援」について質問し、市民福祉部長 三浦浩二、教育部長 荒井幸治が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市民福祉部長 三浦浩二、教育部長 荒井幸治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 松本雅祐
次の質問に移らせていただきます。2点目、ヤングケアラーの支援についてお伺いします。近年、社会が抱える重要課題の一つとして、関心を集めている問題がヤングケアラーであります。ヤングケアラーとは、大人が担うような家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供たちの総称であります。具体例として、障がいや病気のある家族の代わりに買物や料理などの家事を行い、幼い兄弟の世話、家族の入浴やトイレの介助を行うことであります。ケアに携わることで、家族の絆づくりなどプラスの面がある一方で、お手伝いの域を超えた過度な負担が学業や健康、友人関係、将来の進路にも影響を及ぼすと指摘されております。私は、昨年の第2回定例会で、家族の介護と世話をするヤングケアラーの実態と支援について一般質問させていただきました。そのとき参考にしたのが2020年度、国が初めて実施したヤングケアラーの実態調査結果で、中学生の約17人に1人、高校生の約24人に1人がヤングケアラーであり、私たちの暮らしの身近にいることを紹介し、また周囲の目には思いやりがある子供として映る場合もあり、掌握できないケースがあることも紹介しました。そして、本年1月、国により今度は小学校6年生を対象に実態調査が初めて行われ、4月に結果が公表されました。小学校6年生の約15人に1人に当たる6.5%が「世話をする家族がいる」と回答しており、家族の内訳は兄弟が71%と最も多く、続いて母親が続きました。平日1日の世話に費やす時間でありますが、1時間から2時間未満が27.4%と最多で、7時間以上費やすという子供も7.1%に上っておりました。そして、世話をする家族がいる児童は、いない児童よりも欠席や遅刻、早退をすると答えた割合が高く、健康や学業への影響が強く懸念されることも判明しました。やはり私たちの身近に存在し、把握し切れない状況も分かりました。こうした実情について、ヤングケアラー研究の国内の第一人者として知られる大阪歯科大学の濱島淑惠教授は「ヤングケアラーの半数が周りの大人に相談したことがないという事実があり、苦しさを誰かに打ち明けられないまま、かけがえのない時間と夢を奪われる。これほど理不尽なことはない」と言われております。ヤングケアラーの問題では、子供たちが将来のことも考えられなくなるような過度なケアは、家族思いという言葉では済まされないと私は思います。国は、ヤングケアラーの早期発見、把握、言葉の認知度向上などに向けた支援を行うとし、本年より3年間を集中取組期間と定めております。そこで、お伺いします。1点目、昨年、中高生を対象にした実態調査では、8割以上が「ヤングケアラーという言葉を聞いたことがない」と回答しており、ヤングケアラーの認知度の向上が急がれます。また、市民の認知度も低いということを昨年の一般質問で行い、本市も認知度の重要性を認識されておりました。4月の小学校6年生の実態調査を踏まえ、本市のヤングケアラーの啓発とヤングケアラーの実態状況についてお聞かせください。2点目、ヤングケアラーの課題の一つは、幼い頃からそうした状況、環境に置かれた子供が多く、ヤングケアラーだと認識できない状況の中で、子供たちが自らが相談したり、助けを求めたりできないケースもあると思います。先ほど紹介した小学校6年生の調査の自由記述欄には「助けてほしい」、「いつでも頼っていい人が欲しい」と切実な声がつづられておりました。ヤングケアラーの対応は、一つの所管だけでは断片的になる懸念があり、制度のはざまにある複合的な問題であるので、関わる所管の職員研修などを行うなどして、行政としての支援に取り組んでいかなくてはいけません。本市のヤングケアラーの取組についてお聞かせください。3点目、ヤングケアラーの把握は急務であり、本市として実態調査を行うことを望みます。その際の把握方法として、現在児童生徒に1人1台端末のタブレットが整備されております。私は、その端末を活用して、世話をしている家族はいるのか、またどのような支援が欲しいのかなど、記入する項目を載せて調査してはいかがでしょうか。本市の実態調査の調査方法や時期についてお聞かせください。4点目、家族のために献身するヤングケアラーの子供たちの行動は尊く、それ自体は否定すべきものではありません。ただ、それが原因で自分たちの将来に夢が持てず、苦しむようなことがあってはなりません。子供たち一人一人が思い描く人生を歩めるよう寄り添う支援が必要であり、そのためにも早期発見が求められます。本市の早期発見と寄り添う支援の体制についてお聞きかせください。
答弁 市民福祉部長 三浦浩二(市民福祉部長は2023年3月まで)
ヤングケアラーの実態把握と支援についての質問のうち、私からは1点目、2点目、それと4点目について、学校における取組以外の質問にお答えしたいと思います。質問の1点目、ヤングケアラーの啓発と実態のうち、啓発についてお答えいたします。初めに、ヤングケアラーに対する市民への認知度について申し上げますと、国が令和3年5月に厚生労働省と文部科学省が連携して設置いたしましたヤングケアラーの支援に向けたプロジェクトチームの報告書の中で、社会的認知度の向上が記載されておりまして、その内容を一部紹介いたしますと、ヤングケアラーは、その名称や概念自体の社会的認知度が低いことから、周囲の大人がヤングケアラーについて理解を深め、家庭において子供が担っている家事や家族のケアの負担に気づくなど、ヤングケアラーの社会的認知度を向上させることが重要であると報告されております。本市といたしましては、現在のところ啓発に関して具体的な取組は行ってきておりませんでしたので、今後におきましては、社会的認知度の向上のための啓発などについて、関係機関と連携して推進してまいりたいと考えております。質問の2点目、ヤングケアラーに対する市の取組、それと4点目の早期発見に寄り添う支援の体制につきましては、一括でお答えさせていただきます。ヤングケアラーにつきましては、家庭内のデリケートな問題であること、また本人や家族に自覚がないなどといった理由などから、支援が必要であっても表面化しにくいと言われておりまして、ヤングケアラーを早期に発見した上で支援につなげるためには、福祉・介護・医療・教育といった様々な分野が連携して対応することが重要であると認識しているところでございます。本市におきましては、健康・子ども課に設置いたします家庭児童相談室において、児童虐待やDVなどの相談のほか、ヤングケアラーを含めまして児童の各種相談にも対応しており、相談内容によりましては、関係部署や関係機関によるケース会議などを開催するなど、関係機関と連携して支援を行っているところでございまして、これまでにヤングケアラーに関する相談はございませんけれども、現在はこの相談室においても対応ができるということでございます。ただし、ヤングケアラーの相談には十分な知識が必要と認識しておりますので、国はヤングケアラー支援体制強化事業として、研修事業などを設け、自治体への財政支援を盛り込んでおりますし、北海道においては本年6月14日からヤングケアラーの専門相談窓口を江別市に開設したと承知しておりますので、これらを参考にしながら、本市の整備体制に努めてまいりたいと考えているところでございます。
答弁 教育部長 荒井幸治(教育部長は2023年3月まで)
ヤングケアラーにつきまして、私からは小中学校での状況についてお答えさせていただきます。最初に1点目の啓発と実態について、2点目の取組について及び4点目の早期発見と支援の体制につきましては、関連がございますので一括してお答えさせていただきます。まず、啓発につきましては、教職員への周知が十分に行われていなかったことを踏まえ、昨年7月に教職員がヤングケアラーの概念を適切に認識することが重要であることや、国のヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームの報告内容を校内で周知すること及び対応については、従来の生徒指導と同様に学校全体で対応する体制づくりを指示します、ヤングケアラーへの対応についてを学校に通知するとともに、校長会におきましては、この通知内容の説明を行い、早期発見及び支援の体制を構築したところでございます。さらに、学校から教育委員会に個別案件の報告があった場合には、教育委員会に配置しておりますスクールソーシャルワーカーを中心に関係機関と連携するなどの対応について、各学校と確認したところでございます。また、今年度に入りまして、北海道教育委員会から教職員用の研修資料やヤングケアラー支援における参考事例集といったものを作成した旨の通知がございましたので、各学校に周知を行っております。なお、教職員以外の児童生徒及び保護者に向けた周知につきましては、今後の国や北海道教育委員会からの通知に基づき行っていくこととしております。続きまして、ヤングケアラーの実態でございますが、各学校におきまして、教職員に対する周知を進めておりますけれども、現在までのところ市内小中学校からはヤングケアラーと思われる児童生徒に関する報告はないところでございます。次に、3点目の実態調査についてでございますが、小中学生に対する市独自の調査を現在実施する予定はございませんが、北海道におきまして、道内公立小学校の5年生と6年生の児童及び全ての学校を対象としましたウェブによる実態調査を今年の6月中旬から7月頃に実施予定である旨の通知があったところでございます。今後、国や北海道の調査結果及び対応を注視するとともに、ヤングケアラーと思われる児童生徒を把握した場合には、関係機関と連携・協力しまして、必要な支援につながるよう努めてまいりたいと考えております。