深川市議会 令和3年第4回定例会 2021年12月8日
ケアラーに対する支援
2021年12月8日、深川市議会の一般質問で、大前昭代議員が「ケアラーに対する支援」について質問し、教育部長 荒井幸治、市民福祉部長 伊藤美恵子が答弁しました。
- 質問者
- 大前昭代 議員
- 答弁者
- 教育部長 荒井幸治、市民福祉部長 伊藤美恵子
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 大前昭代
それでは、早速通告に従い一般質問させていただきます。最初に、ケアラーに対する支援について伺います。在宅介護を選ぶ理由として挙げられるのが、住み慣れた自宅や地域社会の中で生活したいからであり、家族や身内の理解が得られたり、独り暮らしでも日常生活に支障がなければ、在宅介護を選ぶケースが多いようです。また、在宅介護でも、訪問介護サービスやデイサービスなど、要介護の状態に合わせて自由に介護サービスを選べることも理由の一つでしょう。でも、介護は終わりの見えないことが多いため、期間が長くなればなるほど、精神的にも肉体的にも家族や身内の負担が大きくなることが懸念されます。できれば自宅で介護したいと思っても、在宅介護の大変さは、経験のない者には分かりませんし、覚悟して在宅介護を始めたとしても、現実は想像を超えてしまうことも多いはずです。人生100年時代と呼ばれ、平均寿命は年々延びてきているものの、健康寿命は横ばい続き、超高齢化社会も待ったなしの状態です。人生100年時代をどう生きるか。例えば45歳で70歳の親の介護を始めたとします。親が100歳まで生きたと仮定すると、自身も75歳になっており、子供から孫まで親子3代にわたって介護が必要になるかもしれません。また、老老介護や介護疲れによる事故も増加しています。在宅介護経験者が実感した苦労の調査では、複数回答ではありましたが、5割以上となった回答は、精神的な負担が74.3%、時間的な負担が62.5%、肉体的な負担が53.3%という結果もありました。中でも懸念されているのが、本年第2回定例会で太田議員や松本議員も取り上げておられましたヤングケアラーに対しての支援策です。ヤングケアラーとは、一般的に親や祖父母の介護を担当する若者を示す言葉ですが、2020年12月から2021年1月にかけて、公立の中学校1,000校と全日制の高校350校を抽出して、2年生にインターネットでアンケートを実施しました。およそ1万3,000人から回答を得た結果、世話をしている家族がいるという生徒の割合は、中学生が5.7%でおよそ17人に1人、全日制の高校生が4.1%でおよそ24人に1人でした。高齢者や共働き世帯が増加したことにより、私が昔学生だった頃よりも、介護の問題は身近になってきており、まさに時代は変わったと実感させられます。中学生や高校生などの学生にとって、家族を介護しながら学業と両立するのは簡単なことではないはずです。介護に時間が割かれることで、宿題や勉強の時間が取れない、睡眠時間を確保できない、友達と遊ぶ時間がないなどの問題があり、勉強時間を十分に確保できないことで、進路を変更せざるを得なかったり、進学すらできない、または介護と学業の両立による精神的な負担と肉体的な負担が重なることで、体調を崩してしまうヤングケアラーもいるでしょう。既に社会に出ているヤングケアラーの中には、介護費用や食事代、日用品代などを負担して、経済的に困窮している人もいるというテレビの特集番組を見たことがあります。また、その番組の中で、周りに相談しにくいのもヤングケアラーの問題点だと言っていました。友達にも相談できない、親族や自治体からの協力が得られず、誰にも相談できずに抱え込んでしまう人も少なくないそうです。ヤングケアラーが行っている世話の内容は、食事の準備や洗濯などの家事、兄弟の保育園への送迎、祖父母の介護や見守りなど、多岐にわたるとありました。世話にかけている時間は、平日1日の平均で中学生が4時間、高校生が3.8時間でしたが、中には7時間以上と答えた生徒もいたそうです。ヤングケアラーは、本人にその自覚がなかったり、家族の問題を知られたくないと思ったりしていることが少なくなく、国もまずはヤングケアラーをいち早く見つけ、支援につなげることが重要と考えているようです。ここで質問の1点目です。ヤングケアラー、ケアラーともに深川市も例外ではないと思うのですが、市内の小中学校におけるヤングケアラーの把握状況と学校での対応を伺います。2点目、在宅介護への支援策として、早期の現状把握、話を聞く相談支援、介護サービスの提供などが考えられると思いますが、深川市の現状を伺います。3点目、深川市の在宅介護への対策、支援策の課題と展望を伺います。
答弁 教育部長 荒井幸治(教育部長は2023年3月まで)
ケアラーに対する支援について質問いただきましたが、私からは1点目の市内小中学校におけるヤングケアラーの把握状況と学校での対応についてお答えいたします。初めに、ヤングケアラーの把握状況につきましては、北海道が今年7月から8月にかけて、札幌市を除く公立中学校の2年生及び公立高校の2年生を対象に、ヤングケアラー支援に係る実態調査を実施しております。公表された結果によりますと、調査の対象者は約5万人で、そのうち22%に当たる1万1,231人から回答がありまして、中学2年生の回答では、ヤングケアラーの内容を知っていると回答したのは9.6%、自分が世話をしている家族の有無について「いる」と回答したのが3.9%、自分が世話をしている家族の続柄については「兄弟」が72.6%、学校生活への影響等では「自分の自由になる時間がない」が19%、「特に影響がない」が54%などとなっておりまして、ヤングケアラーに関する周知が不足していることや、一定程度ヤングケアラーが存在することが確認されております。しかし、この調査では、市町村ごとの結果については公表されておりませんので、深川市内の状況については把握できていないものでございます。次に、市内の小中学校での対応につきましては、今年7月の校長会におきまして、教職員がヤングケアラーの概念を適切に認識することが重要であるとともに、早期発見・把握及び支援につなげる体制が必要であることを各学校に通知し、校内周知及び体制整備と併せ、日常の生活状況などからヤングケアラーの状況にあると思われる児童生徒の把握に努めるとともに、該当者が発生した場合には、教育委員会に報告することを指示しております。教育委員会におきましては、該当者が発生した場合には、個々の状況に応じて、関係機関とのケース会議を開催することを確認しておりますが、市内の小中学校からはヤングケアラーに関する報告がございませんので、現在のところ該当者はいないのではないかと考えております。
答弁 市民福祉部長 伊藤美恵子(市民福祉部長は2022年3月まで)
私からは質問の2点目と3点目についてお答え申し上げます。2点目の深川市の在宅介護に対する支援の現状についてであります。高齢者など在宅で介護保険のサービスを利用する方に対しましては、ケアマネジャーが一人一人に必ず担当となり、御本人の状況や介護者の状況など、御家庭に出向いて相談を行い、サービス利用計画の作成、定期的なモニタリングを行いながら、必要なサービスを調整しております。また、相談の中で介護者の思いを傾聴し、日々の介護で身体的・精神的負担を感じ、介護疲れに陥らないように、通いのサービスやショートステイなど介護者が休養できるようサービスを組み込むなど、状況に応じてサービスを調整し、御本人とその家族が望む生活を長く続けられるように支援しております。このほか、介護認定を受けてはいても、介護保険のサービスを利用せずに在宅介護されている方には、保健師やケアマネジャーなどが訪問や電話相談で現状確認するなど対応を行っており、孤立した介護とならないよう支援しているところであります。次に、3点目の在宅介護への対策、支援策の課題と今後の展望についてであります。支援が必要な方を早期に把握するために、介護に関した相談窓口について、健康カレンダーやホームページ、健康教室など様々な場面で、高齢者支援課や地域包括支援センターについて周知しているところであり、また民生委員など地域の関係機関の方に心配な方の連絡をいただけるよう協力をお願いしているところでもあります。しかし、相談することもできず、自分たちだけで抱え込んでいる方々や、サービス未利用のまま暮らしている方で把握できていない方がいると考えられますので、心配な方を早期に把握できるよう、相談の体制づくりをするとともに、毎年行っている高齢者実態調査や関係機関からの情報収集などにより、対象者の把握の強化、地域に暮らす人々が互いに協力し合える地域づくりを進めることが必要と考えております。さらに、在宅介護は高齢者のみの問題ではなく、障がい者や障がい児、疾病やけがなど、置かれている状況や年齢は様々であります。このため、関係する介護、障がい福祉、医療、教育、児童福祉といった様々な分野が、ケアされる人、ケアする人を支えるために、今後一体となって支援していくことが必要となります。現在、北海道では、全てのケアラーとその家族などが孤立することなく、健康で心豊かな生活を営み、将来にわたり自分らしく夢や希望を持って暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とした北海道ケアラー支援条例の策定に取り組んでおり、パブリックコメントが実施されています。本市といたしましても、今後策定される条例に基づいたケアラーへの支援策の推進に、関係する各分野が連携して取り組むことが必要と考えております。