深川市議会 令和3年第1回定例会 2021年3月8日
農業行政と農業政策
2021年3月8日、深川市議会の一般質問で、近沢弘幸議員が「農業行政と農業政策」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 近沢弘幸 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 近沢弘幸
東日本大震災からこの11日で10年目を迎えます。月日が流れるのは早いものですが、2月13日夜、宮城県、福島県が最大震度6強の激しい揺れに見舞われました。10年前の大震災を忘れるなと言っているようにも思い、改めて甚大な被害により、家も家族も地域も失い、復興はある程度進んでいるとはいえ、まだまだ道半ばだと思います。多くの大切な命が失われ、いまだ2,300余名の方が行方不明となっており、心より御冥福をお祈り申し上げます。昨年1月16日に初めて日本国内で新型コロナウイルス感染症の陽性患者が確認されてから、1年以上経過しました。2月中旬、医療従事者よりワクチン接種が始まりましたが、変異株が国内でも発見され、新型コロナウイルス感染症の収束がいつになるか予想がつかない状況です。一日も早く正常な生活を送れるようになり、現在、人と物の自由な往来が制限される中、昨年開催予定で1年延長となった東京オリンピック・パラリンピックが、4か月後には安全が確保され、開催されることを期待いたします。また、このようなときだからこそ、人と人のつながりが必要となるところではありますが、一方、ICTを活用したデジタル化、リモート化がますます進んでいくと思われます。この流れに取り残されることなく、事業推進が必要ではないでしょうか。それでは、通告に従い一般質問を行います。1番、農業行政と農業政策について。昨年12月21日の野上農林水産大臣の談話において、令和3年米の需要に応じた生産・販売に向けてが発表され「米の需給と価格安定に向けた需要に応じた生産への取組は、まさに正念場を迎えている。」と表明しました。人口減少などで米の消費の減退が続く中、令和3年産について、野上農林水産大臣は「需要減少に見合った作付面積の削減が進まず、さらに新型コロナウイルスの影響による消費減退も加わり、在庫の過剰に直面している。」と指摘。「需給と価格の安定を図るには、令和3年産では主食用米36万トンの作付転換が必要であり、面積では過去最大規模の6.7万ヘクタールの転換が必要となっている。」と危機感を表明されました。平成29年産までは、各都道府県に生産数量目標が配分されておりましたが、30年産からは生産の目安が国から示されています。しかし、過剰作付する県が数県あり、全国一律割合の減産は難しい状況にあり、不公平感は否めませんが、日本一の米産地を目指すためには、米政策に一喜一憂することなく、施策の有効活用により所得を確保し、持続可能な農業を実践することが大切です。年明けより、JAきたそらちでは組合員を対象に、令和3年の営農計画書の取りまとめを進めていますが、昨年からの農業施策の変更と本年予定している作付面積の動向及び単年度の収支見通しがどのような状況になるか、心配されております。また、新しく令和3年産から米の需要対策の転作支援策、水田リノベーション事業等、様々な事業が3年産米の需給均衡に向けて新規に始まると仄聞しておりますが、どのような事業であるのか。また、本市における生産者の取組予想はどのように見通しているのか。本市の基幹産業の農業は、JAきたそらち主体で市等が補助金を出した、深川マイナリー穀類乾燥調製貯蔵施設、広域小麦・大豆乾燥調製施設、精米施設が整備されたことで、収穫作業後の乾燥調製等、均一な品質の製品とロットの拡大等により、ブランド力を高め、安定販売に寄与しております。山下市長の市政方針の中では、農業について消費拡大対策、農業労働力確保、スマート農業を通じた省力化技術導入に向けた取組を推進しますと述べられております。まさに新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、農家の高齢化と担い手不足の中、生命産業の農業は農畜産物の生産だけでなく、環境の保全など多岐にわたり貢献されており、国の安全保障は国民への食料を安定的に生産供給できることが重要であります。その観点から長期的な展望と、本年の農業が実りある年であることを念願しております。そこで、5点について市の考えをお伺いします。1点目、令和3年の水稲作付予定面積と転作予定面積について。2点目、国の転作支援策とその取組の考え方について。3点目、本年の農業経済の見通しについて。4点目、農業労働力確保について。5点目、スマート農業を通じた省力化技術導入について、お伺いします。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
農業行政と農業政策について、5点の質問をいただきましたので、順次お答えいたしたいと存じます。まず、1点目の本年の水稲作付予定面積と転作予定面積についてのお尋ねでありますが、JAきたそらちに作付予定面積を確認しましたところ、本年2月末時点で、水稲全体では、昨年産から72ヘクタール増の5,333ヘクタール、このうち主食用は昨年産から57ヘクタール増の5,009ヘクタールの作付見込みということでございます。また、転作につきましては、全体で昨年産から35ヘクタール減の2,701ヘクタールの見込みとなっておりまして、そのうち増減の多い主な作物を申し上げますと、小麦が113ヘクタール増の657ヘクタール、大豆が16ヘクタール増の438ヘクタール、ソバが141ヘクタール減の1,281ヘクタールと伺っているところであります。次に、2点目の国の転作支援策とその取組の考え方についてというお尋ねでありますが、国においては、人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響等により、米の消費が減退する中で、令和3年産米の需給に応じた生産・販売に向け、様々な転作支援策を示しておりまして、本年度の3次補正予算と令和3年度の当初予算案では、3,400億円に及ぶ大規模な予算計上をしているところであります。その内容について少し申し上げますと、本年度の3次補正予算では、一つ目には、主食用米を作付せずに、新市場開拓用米、加工用米、あるいは麦・大豆や高収益作物に転作して低コスト生産等に取り組む場合に、10アール当たり4万円を支給するといった内容の新市場開拓に向けた水田リノベーション事業、二つ目に、主食用米から需要に応じた麦・大豆への作付転換を行いまして、湿害対策や土壌診断に基づく土づくりなどの営農技術を導入した場合に、取り組んだ内容に応じて10アール当たり別途1万5,000円以内で定額支援される水田麦・大豆産地生産性向上事業が実施されることになっております。また、令和3年度当初予算案では、水田を活用して、麦・大豆、飼料用米、加工用米等の作物を生産する農業者を支援する水田活用の直接支払交付金が拡充され、新たに都道府県が独自に転作支援策を講じた場合、前年からの転作拡大面積に応じて、国が10アール当たり5,000円を上限に上乗せ助成を行う、都道府県連携型助成が新設されるとともに、高収益作物による畑地化の取組を支援する水田農業高収益化推進助成や、主食用米を減少させ、高収益作物の面積が前年より拡大した場合に交付される高収益作物等拡大加算について、交付単価が前年度より増額となりまして充実が図られるといった見直しが行われる内容になってでございます。そこで、本市の転作支援策への取組に対する考え方でありますが、現状、道内全体における令和3年の主食用米の作付面積は、北海道が示した生産の目安を下回る状況にありまして、本市やJAきたそらちにおきましては、北海道米の需要に応じた生産に取り組むことを前提に、生産の目安を基本とした主食用米の作付確保を目指しているところでございます。そのような中で、転作について、今回いろいろと対策が示されましたが、その中には、主食用米から小麦・大豆等への作付転換、水田の畑地化などに加えて、麦・大豆などの販売契約の締結などを要件としている事業内容のものもあることから、なかなか取組が難しい事業もあると認識しているところであります。本市としては、水稲生産の方向性を踏まえつつ、JAきたそらちともよく連携しながら、活用できる国の事業等についてはしっかり活用し、生産者の経営安定につながるように、とにかくベストを尽くしてまいりたいと考えております。次に、3点目の今年の農家経済の見通しについてのお尋ねであります。新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、昨年は米の民間在庫の増大、あるいは、ソバ・肉牛の販売価格下落など、本市の主要農産物にも影響が生じたところでございますが、その中で、昨年においては、本市において地方創生臨時交付金を活用したソバ・肉牛の販売手数料等に対する支援措置や、市内における地元農産品の消費拡大イベントを実施しましたほか、JAきたそらちにおいては、国の事業を活用して、取引先と連携する中でラーメン店での米の販売、あるいはコンビニ等でのそばの販売など、生産者への経済的な影響を最小限に抑えるための各種支援や取組を実施されたところであります。本市といたしましては、今年につきましても、JAきたそらちをはじめとした農業団体と連携しまして、国費等の活用も視野に入れながら、販売拡大など、新型コロナウイルス感染症の影響緩和に向けた取組を引き続き推進してまいりたいと考えております。次に、4点目の農業労働力の確保についてのお尋ねでありますが、高齢化や後継者不足により離農が進んでおりまして、担い手が離農跡地を引き受けるといったことで、一戸当たりの経営面積が拡大する中、本市農業の持続的な展開を図る上で、農業労働力の確保は極めて重要な課題となってきていると意識しております。こうした中、本市においては、平成30年度からJAきたそらちと連携し、市内の障がい者就労支援事業所の協力を得まして、いわゆる農福連携の取組を推進しており、また、JAきたそらちにおいては、農業人材バンクの取組を通じて、日々雇用の求職者とそれを求める農業者のマッチングを図るなどの取組を推進しているところであります。今後におきましても、本市としては、JAきたそらちとよく連携しながら、これらの取組の拡充を図るとともに、労働力不足の解消に向けた、より一層の取組を推進してまいりたいと考えております。最後に、5点目のスマート農業を通じた省力化技術の導入についてのお尋ねであります。市内におけるスマート農業の取組につきましては、平成28年以降、把握しております範囲で申し上げますと、直進キープ機能付田植機など、スマート農業機械が99台導入されていると理解しております。また、JAきたそらちが主体となって、昨年8月にJAきたそらち管内の生産者等で構成する、スマート農業技術研究会が設立されまして、先進地の調査研究や地域で必要なICT技術の協議などの取組が、この研究会において行われているところでございます。しかしながら、農業生産現場へのスマート農業機械の普及台数につきましてはまだまだ少なく、依然として人手に頼る作業や、機械操作など熟練者でなければできない作業が多い現状にあります。このため、今後におきましても、本市としては、国費事業等を活用するなどして、スマート農業機械のさらなる地域への実装化に向けた取組を強力に推進してまいりたいと考えているところでございます。