深川市議会 令和2年第2回定例会 2020年6月9日
高齢者のフレイル予防
2020年6月9日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「高齢者のフレイル予防」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 松本雅祐
それでは、2点目、人生100年時代を迎えるに当たり、フレイル予防の大切さについてお伺いします。日本では急速に高齢化が進んでおります。一方で、人生100年時代と最近よく耳にします。日本の総人口に占める65歳以上の割合が世界1位となっており、平均寿命で男性が81.25歳、女性が87.32歳まで延びており、過去最高を更新しております。しかし、自立して生活できる健康寿命も延びてはいるものの、要介護等が必要になるその差が、男性で約9年、女性で約12年開いている状態であります。2019年度の高齢者白書によりますと、高齢者のうち要支援・要介護と認定された人の割合は、65歳から74歳で4.3%に対しまして、75歳以上になりますと一気に32.1%と約7倍にふえ、健康寿命が短くなっております。この差をどれだけ狭められるか、日本社会全体の大きな課題となっております。そのため、厚生労働省は、本年度から健康状態で長生きする健康寿命の延伸につなげるため、75歳以上の高齢者を対象にフレイル健診を実施することにしました。フレイルとは、加齢に伴い筋力や心身の活力が衰え、介護が必要となる一歩手前の人のことを指します。現在65歳以上の高齢者の約2割がフレイルとの調査結果もあると言われております。年を重ねると、運動不足により、筋肉が減少し、体力が弱る。そうなると社会との接点が少なくなり、それが一層の運動量の低下を招くという悪循環に陥りやすくなります。そして、体を動かさないと空腹になりにくいので、食事の量が減って、低栄養状態になるリスクもあり、フレイルが進んでしまいます。私は昨年、厚生文教常任委員会の行政視察で、地域包括ケアシステムの発症の地であります尾道市御調町の公立みつぎ総合病院を訪れ、地域包括ケアシステムについて学んでまいりました。その中で、御調町では昭和49年、寝たきりゼロ作戦を立ち上げ、介護予防に取り組み、要支援の方が要介護状態になることを防ぐため、自分の健康は自分で守るという意識と日常生活での実践を進め、フレイル予防の運動機能向上、栄養改善、口腔機能向上などの健康づくりセミナーを開催し、健康づくりに重点を置いて、さまざまな機会に健康教育や福祉についての啓発活動を行い、多くの住民が参加し、健康に対する意識が高揚しているそうであります。健康寿命を延伸させるため、栄養、運動、社会参加の三つがフレイル予防には欠かせないと言われております。そこで、お伺いします。1点目、今ほど紹介しました御調町ではこの三つの事業を実施して、対象者である軽度の要介護高齢者の方々に、介護予防に効果があることが実証されました。また、口腔ケア指導では、8割以上の方に改善が見られ、筋肉トレーニングでは、参加者の平均が80歳でほとんどが後期高齢者でありますが、歩行能力や柔軟性、バランス力の向上に効果が見られたそうであります。フレイルは、早い時期にその兆候を見つけ、適切な治療や予防に取り組むことにより、健康な状態に戻すことができると言われております。今回、新型コロナウイルス感染拡大のため、高齢者の方も外出自粛が長期化したので、家に閉じこもりがちになる日々が続き、心身活力が衰えて、フレイル状態が進んだのではないかと心配いたします。本市のフレイル予防の取り組みとその効果についてお聞かせください。2点目、介護が必要になる前にフレイル状態になる高齢者が多いことを考えれば、フレイルに特化した健診の実施は、健康寿命を延ばす上で大きな意義があると思います。本年度よりフレイルに特化したフレイル健診が実施されますが、健診の内容とその対象者への周知についてお聞かせください。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
高齢者のフレイル予防について、2点の質問がありましたので、それぞれお答えいたします。1点目のフレイル予防の取り組みと効果についてという点であります。近年、高齢者は健康な状態から要介護状態になるまでにフレイルという中間段階、フレイルというのは虚弱状態と訳されているようでありますが、フレイルという中間的な段階を経ていると考えられるようになってきております。フレイルの概念については、本市では平成30年度から介護予防教室やサロン、そしてシルバークラブ等の地域の健康教育の場や広報誌、それから全戸配布しております健康カレンダー等で市民の皆様に周知しているところであります。また、フレイル予防の取り組みといたしまして、介護予防事業と一体的に実施している運動、栄養、口腔に関する事業や、これらの内容を総合的に展開する事業も実施しているところであります。また、フレイル予防の一つであります高齢者の社会参加につきましては、市としては住民が自ら運営するふれあいサロンへの開催経費の一部負担、あるいはそこへの講師派遣などの支援活動も行ってきております。これら事業の成果、効果という点でありますが、深川市として統計等は取っておりませんので、これを数値でお示しすることはできませんが、例えば運動の教室に参加される方には、その最終日に成果を検証するため、移動能力、バランス等を確認するための体力測定やアンケートを実施しておりまして、それによれば令和元年度の参加者29人については、六、七割が状態を維持、改善されている結果が出ておりますし、また身体の痛みの軽減や歩ける距離が長くなった等の感想も、アンケートによりお聞きしているところであります。また、これらのフレイル予防教室修了者の中には、自主的にグループを立ち上げ、活動されている方々もいらっしゃるなど、フレイル予防に対する効果や予防への意識が少しずつ浸透し始めているところであります。なお、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止による外出の自粛要請を受けまして、自宅で過ごすことが多くなったということで、閉じこもりによる筋力の低下など、フレイル状態となる高齢者の増加が懸念される中、市では介護予防事業の休止期間中、自宅で過ごされている事業参加者に対して、介護予防事業で使用している体操のDVDと解説書を参加者宅へ郵送いたしましたほか、ふれあいサロンも中止しておりましたため、1市4町で共同して作成しましたライスパワー体操のDVDをサロンの代表者を通じて配布するなど、フレイル予防に向けた支援を行ってきているところであります。2点目、フレイル健診についてでありますが、これまでの後期高齢者健康診査では、40歳から74歳までの方を対象とした特定健診の項目に準じまして、メタボリックシンドローム対策に着目した質問項目でこれまではあったわけでありますが、そのためフレイルなどの高齢者の特性を把握するには不十分でございました。そこで、令和2年度からフレイルなど高齢者の特性を踏まえて、健康状態を総合的に把握するため、心身の健康状態を初め、口腔機能、認知機能、社会参加の状況など、15項目の新たな質問で構成されます「後期高齢者の質問票」というものが国から示されたところでありまして、これによって、受診勧奨や保健指導等の対象者の抽出を容易とするなどの効果も期待されるほか、高齢者自身も健康問題を把握することが可能となりますことから、本市においても新たな質問票を導入して、実施しているところでございます。さらに、健診対象者への周知につきましては、後期高齢者健康診査同様、ホームページ、広報誌などの活用や、保健師が各教室などに参加の際に、フレイル予防とあわせて健診の声かけをし、さらにはかかりつけ医がいなく、これまで未健診だった方にも興味を持っていただけるよう、名称を「フレイル健診」とするなどいたしまして、多くの方に周知を図り、市民の健康寿命の延伸に向けて、フレイル予防に向けた取り組みを進めていきたいと考えているところであります。