深川市議会 平成31年第1回定例会 2019年3月8日
アイヌ民族の権利
2019年3月8日、深川市議会の一般質問で、楠理智子議員が「アイヌ民族の権利」について質問し、企画総務部長 吉村理明、教育部長 荒井清光が答弁しました。
- 質問者
- 楠理智子 議員
- 答弁者
- 企画総務部長 吉村理明、教育部長 荒井清光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 15番 楠理智子
東日本大震災から8年、胆振東部地震から半年が過ぎようとしています。けさのニュースで、福島原発による事故で、住民の人方は戻りつつありますが、その中で高齢者による介護を受ける要支援とか、介護を受ける人が全国平均より突出しているというニュースがありました。東日本大震災から8年を過ぎようとしていますけれども、まだまだ復興にはほど遠いのでないではないかと思いました。また、今、世界中が注目していたトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長の会談が不調に終わって合意ができなかったということが、テレビでも新聞でも大きく報道されていましたが、アメリカでは、トランプ大統領のロシア疑惑などの調査が大きく報道されていたそうです。今はゴーン前日産会長の保釈問題が大きく取り上げられておりますが、日本においては、毎月勤労統計の不適切な調査、沖縄の辺野古基地建設反対の住民投票の反対票が7割を超えたことのほうが、日本にとっては重要なのではないかと思います。安倍政権は、アメリカから武器を爆買い、言い値で買っているのではないかとの報道もありました。今こそ安倍首相は国民に向き合い、日本においては核兵器禁止条約の批准も検討すべきではないかと思いつつ、通告に従い一般質問を行います。1点目は、アイヌ民族の権利についてです。昨年は、北海道命名150年で、それにちなんだイベントなどもありましたが、北海道と命名される以前からアイヌの人たちは住んでおりました。明治以降、北海道を国有化し、和人に払い下げられ、入植が進んで今日に至っております。アイヌ民族に対しては、明治32年、北海道旧土人保護法が制定され、アイヌの土地の没収、漁業、狩猟の禁止、日本語使用の義務など、固有の文化や習慣が否定されてきました。北海道旧土人保護法は、平成9年にやっと廃止され、アイヌ文化振興法が制定されましたが、必ずしも固有の文化や権利が保障されているとは言えません。平成15年に、国連が先住民族であると採択され、20年に日本においても先住民族と決議されました。北海道に住む者として、アイヌの文化の継承だけでなく、先住民族であることを認め権利を保障し、民族共生を進めていくべきと考えますので、お伺いします。1点目は、先住民族であるアイヌ民族の権利を保障する考えについてです。アイヌ新法が閣議決定され、衆議院に提出されました。アイヌ民族を先住民族と位置づけ、差別や権利侵害を禁じる方針を盛り込んでいるということですが、サケの捕獲は文化伝承に限るなど文化振興に偏っている、権利を保障する認識が不十分という声も報道されていました。深川市にアイヌの人が住んでいる、いないにかかわらず、北海道に住む者として先住民族であるアイヌ民族の権利を保障し、共生について考えていくべきと思いますので、市の対応についてお伺いをいたします。2点目は、アイヌ民族に関する学校教育についてです。深川の地名にアイヌ語に由来している地名があることを知らない児童も多くいるのでは。アイヌの人たちが住んでいる土地へ和人と言われる人たちが、明治以降、多数入植してきましたが、そのずっと以前から狩猟し、自然とともに暮らしてきた先住民族であること、アイヌ民族であることを理由に差別されてきたことなど、アイヌ民族の歴史とアイヌ民族の権利保障と共生について、学校教育の中でも行っていくべきと考えますので、お伺いいたします。
答弁 企画総務部長 吉村理明(企画総務部長は2020年3月まで)
アイヌ民族の権利につきまして、私からは質問の1点目、先住民族であるアイヌ民族の権利を保障する考えについて、お答え申し上げます。初めに、質問にございましたいわゆるアイヌ新法案が提出されるまでの経過や背景などについてでございますが、議員も触れられておりましたけれども、アイヌ民族への政策として、平成9年にアイヌ文化振興法、正式にはアイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律、少し長い名前ですけれどもこの法律が制定されまして、その後、20年には衆参両院の本会議において、全会一致でアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議が行われております。また、その前年には国連総会で先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択されているところでございます。このように、国内外におきまして先住民族への配慮を求める気運が高まっていたことや、アイヌの人たちからは、従来の文化振興などに加えて地域振興、産業振興、観光振興といったものを含めたさまざまな課題を早急に解決するということが求められておりましたことから、今般、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案、いわゆるアイヌ新法案が本年2月15日に閣議決定されまして、現在、衆議院に送られているところでございます。この法案の目的は、アイヌの人々を先住民族としての認識を示すとともに、アイヌの人々が民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図るとされております。この法案につきましては、さまざまな議論があるということは新聞報道等で承知をしておりますけれども、今国会でしっかりと審議をしていただけるものと考えているところでございます。本市といたしましても、この法案の国会審議あるいは政府の動向などを十分注視するとともに、国の決議などにも従ってアイヌの人々の誇りが尊重されるよう、必要な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。
答弁 教育部長 荒井清光(教育部長は2019年3月まで)
私からは、質問の2点目、アイヌ民族に関する学校教育についてお答え申し上げます。現在、小学校では、3・4年生用に本市で作成しました社会科副読本ふかがわの中におきまして、アイヌの人々の暮らしについての内容を掲載しているとともに、北海道の名づけ親と言われる松浦武四郎の探検日誌から、アイヌ語の地名を含んだ当時の深川の記述などにも触れているところでございます。5年生になりますと、社会科の教科書によりまして、アイヌの人々の暮らしに加えてアイヌ民族の文化について、さらに6年生では、江戸幕府とアイヌ民族との交易を中心としたかかわりについて学習しております。また、アイヌ民族に関する学習を深めるため、総合的な学習の時間におきまして公益財団法人アイヌ民族文化財団提供の副読本を活用し、アイヌ民族の住居、食べ物、楽器などについての調べ学習を行ったり、校外学習として旭川市の川村カ子トアイヌ記念館を訪問している小学校もあるところでございます。中学校では、社会科の地理・歴史の分野におきまして、先住民族として言語や宗教などで独自性を有するアイヌ民族の文化や他地域との交易などについて、既に小学校で学習した内容を発展した内容を学び、加えて公民の分野におきましては、アイヌ民族への差別についても触れるなど、学習を深めているところでございます。また、平成32年度から順次全面実施となります新学習指導要領では、20年6月の国会におけるアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議や、26年6月の民族共生象徴空間に関する閣議決定を踏まえまして、アイヌの人々に関する指導内容の充実が図られることというふうにされておりまして、これにより、小学校におきましても北海道地域における先住民族であるアイヌの人々には、独自の伝統や文化があることに触れるようになっているところでございます。また、国においては、人権に係る課題や先住民族であることなどを踏まえ、アイヌ民族に関し、教科書発行者を対象とした教科書編集セミナーを開催するなど、学習指導要領改訂に伴うアイヌ民族に関する教育の充実に向けた取り組みも進められておりますので、これら国の動きを注視してまいりますとともに、本市で作成している社会科副読本については、新学習指導要領に伴う新たな教科書採択を踏まえた改訂を予定しておりますので、今後、立ち上げを予定しております社会科副読本編集委員会におきまして、適切な記述について検討してまいりたいと考えております。