深川市議会 平成31年第1回定例会 2019年3月6日
認知症施策
2019年3月6日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「認知症施策」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 松本雅祐
それでは、次の質問に移ります。認知症になっても変わらない暮らしができるまちづくりについてお伺いします。急速な高齢化に伴い、65歳以上の認知症の方は年々ふえ続けており、2015年の推計では約525万人でしたが、6年後の2025年には推計で700万人を突破すると見込まれております。認知症にかかる方は、今は65歳以上の7人に1人ですが、2025年には5人に1人となり、年を重ね、70代、80代になると、この割合は高くなってきます。認知症は、今や誰でも発症する可能性があり、誰もが介護者となり得ます。認知症は、一たび発症すると、社会生活を送ることが難しいとの誤解が根強くあります。しかし、今は早期発見や新薬の開発により、症状の進行をおくらせることが可能となり、発症後も社会で活躍する人が少なくないと言われております。社会参加が進めば、家族の負担軽減や医療・介護費の抑制につながります。ですから、認知症施策の推進は極めて重要であります。国は、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定し、認知症対策を加速化し、認知症の方の意思が尊重され、自分らしく暮らせる社会を目指すとしています。現在、認知症の施策として、認知症が疑われる方を支援するため、医師や看護師らが自宅を訪ね、早期発見、診断につなげるための認知症初期集中支援チームを全国の市町村に設置し、認知症の当事者やその家族が集まって、お互いに悩みを語り合ったり、情報交換する認知症カフェも全国で約5,800カ所までふえているそうです。また、地域や職場で認知症の人やその家族を見守り助ける認知症サポーターは1,000万人を突破しているそうです。サポーターには、「認知症の人を応援します」との意思表示のオレンジリングが渡されるそうです。これからの認知症の施策の推進に当たって大事なことは、認知症と診断されても、その方が尊厳を持って生きることができる社会の実現を目指し、当事者の意思を大切にし、家族にも寄り添っていく姿勢で臨むことが重要であります。私たち公明党は昨年、「100万人訪問・調査」運動を行い、アンケートを実施しました。深川市でも行いました。そのうち、介護の項目では、自分に介護が必要になったときの心配事として、経済的不安が29.1%、自分が認知症になったときが26.8%に上り、認知症対策の重要性が明らかになり、多くの方が不安を抱いていると実感しました。ですから、認知症対策を進めることは、市民の不安と向き合い、それに応えていくことになるのです。お伺いします。1点目、本市の認知症高齢者の傾向や今後の推移についてお聞かせください。また、具体的な取り組みや予防対策、相談体制についてお聞かせください。2点目、誰もが認知症になってからも自信を持って暮らせるよう、当事者の視点からの施策を推進することも重要な取り組みであります。本市は、認知症施策の推進に当たって、認知症の当事者から意見や要望を聴取して、施策に反映しているのかお聞かせください。3点目、全国で100万人を突破した認知症サポーターですが、具体的にどのような活動をされているのか、役割が明確でないとの指摘もありますが、本市の認知症サポーターの役割と課題についてお聞かせください。4点目、若年性認知症は、65歳未満で発症するため、働き盛りの世代がかかり、高齢者以上に家庭や職場への影響は大きいと考えます。周囲の理解や雇用の継続など、就労や経済面などの問題もあります。本市の取り組みについてお聞かせください。5点目、世界保健機関(WHO)などが9月21日を「世界アルツハイマーデー」としております。認知症の方が安心して暮らしやすいまちづくりを構築するため、周りでできることもたくさんあると思います。本市も9月21日を「認知症の日」と定め、市民の意識啓発を行ってはいかがでしょうか。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
認知症施策についての5点の質問に順次お答えいたします。1点目の本市の認知症高齢者の傾向や今後の推移についてという点でありますが、平成26年度に、これは議員も言われましたけれども、厚生労働省が発表しました全国の認知症高齢者の推計によりますと、32年の65歳以上の人の認知症有病率、認知症を持っている人の割合という意味かと思いますが、これが17.2%とされており、これを本市に当てはめますと、31年2月1日現在の65歳以上の高齢者人口は8,511人でありますので、この率を掛けますと約1,464人の方が認知症高齢者と推計されるところであります。また、平成29年度、本市において要介護認定を受けておられる方の数は1,612人でありますが、このうち認知機能の低下があると言われております日常生活自立度がランクⅡ以上の方は1,087人となっておりますので、介護認定を受けている方の約67.4%の方に認知機能の低下が見られる状況ということになるわけであります。平成24年と29年の住民基本台帳の性別・年齢別のデータをもとにコーホート変化率法、コーホート分析ですね、これにより推計いたしました32年の本市の人口は、残念ながら1万9,996人、そして65歳以上の方は8,379人ということで、高齢者人口の割合は総人口の41.9%になるとされております。そして、少し先ですが、平成37年には、人口は1万7,778人、そして65歳以上の人は7,792人で、高齢者人口の割合は総人口の43.8%になっておりまして、認知症有病率は若干上昇して19.0%と予測されておりますので、これを本市に当てはめますと、約1,480人の方が認知症高齢者と推計されることになります。次に、認知症施策の具体的な取り組み、予防対策、相談体制につきましては、第八次深川市高齢者福祉計画、そして第七次深川市介護保険事業計画に基づきまして、国が策定しました認知症施策推進総合戦略、これは議員も言われた新オレンジプランでありますが、これに沿って認知症予防事業といたしましては、デ・アイにおけます教室活動や地域の介護予防ふれあいサロン等に保健師が出向きまして、認知症予防のための食事や運動についての講話を行い、認知症予防の推進を図っているところであります。また、相談体制につきましては、総合窓口はデ・アイにあります地域包括支援センターでありまして、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する地域包括支援センターの職員4人を認知症地域支援推進員として配置いたしまして、認知症の方ができる限り住みなれた環境で暮らし続けることができるように、地域の実情に応じて、医療機関、介護サービス事業所や関係機関につなぐ連携への支援及び認知症の人とその家族を支援する相談業務に取り組んでいるところでございます。また、認知症初期集中支援チームの活動として、複数の専門職が家庭訪問し、認知症の専門医による助言を踏まえて、受診や介護保険サービス利用につなげる等の初期の支援を行い、自立生活のサポートに取り組んでいるところでございます。また、認知症カフェにつきましては、月1回、コープさっぽろふかがわ店のコミュニティルームにおいて、認知症の人やその家族が気軽に集い、専門家による相談を受けられる場として、深川市認知症ケア研究会が運営する認知症カフェの活動を支援しております。今後、高齢化が進む中で増加することが見込まれます認知症の方に適切に対応するため、認知症の心身の状態や生活環境等に合わせて、適切なサービスが提供できるよう関係機関と連携を密にしまして、支援の体制強化を図るとともに、地域での見守り体制を強化していきたいと考えているところであります。2点目に、認知症の人の意見や要望を取り入れた施策への反映についてでありますが、厚生労働省の認知症施策推進総合戦略で掲げられております施策の柱に、認知症の人やその家族の視点を重視した施策の推進ということが掲げられております。本市においては、認知症の人やその家族と接するマネジャーや保健師、介護従事者らを通じて、意見や要望を取り入れて、認知症予防、早期発見のため、介護予防事業などの必要な支援を行っているところであります。さらに、認知症ケア研究会と連携して、認知症の人やその家族が集う場として、平成29年度から、これは今ほども申し上げましたが、認知症カフェを設置しており、現在は認知症の人やその家族の参加は残念ながら少数でありますが、今後もあらゆる場面で周知に努めながら、多くの方の参加を促し、その中で認知症の人の生活の困り事、不安などニーズを把握し、生きがい支援や認知症施策の企画・立案に生かして、認知症の人やその家族の視点を重視した取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。次に、3点目の認知症サポーターの役割と課題についてもお尋ねがありましたが、認知症サポーターの養成は、認知症に対する市民の理解を深めるため、職場や学校、地域の集まりなどで認知症に関する学習会を開催して、地域における認知症の人の理解者・支援者になっていただくものでありまして、本市では平成31年1月末現在で3,374人の受講者数に上っているところでございます。しかし、平成29年度までは、こうした認知症サポーターに具体的な役割というものを設けておりませんで、個々の活動に、いってみれば任せられていたわけでありますが、平成30年度からは受講を終えた認知症サポーターに対し、復習を兼ねたフォローアップ研修を開催して、地域の認知症に関する活動に協力する担い手の一層の育成に努めているところでありまして、先ほど来申し上げている認知症カフェでのボランティア活動にもこうしたサポーターに取り組んでいただいているところでございます。引き続きボランティア等に協力する担い手の育成をしていくことと、学習会の開催を商店経営者や企業など幅広く取り組むことが本市の課題と考えているところでございます。4点目の若年性認知症の方々への本市の取り組みについてお尋ねがございましたが、若年性認知症は、脳血管性認知症というタイプとアルツハイマー型認知症というタイプの二つが圧倒的に多く見られる症例でありまして、その他の患者数は少数でありますが、中には、事故などで脳に損傷を受けたことによって、頭部外傷後遺症という形での認知症も見られるということでございます。そこで、現在、本市においては、介護保険における第2号被保険者であります65歳未満の方で、特定疾病で認知症での介護認定を受けておられる在宅の若年性認知症の方はおられません。今のところゼロということでございます。しかし、仮にこうした若年性の認知症の場合は、他の疾患と認識して、若いですから、別の病気かと見られて受診がおくれたりする、気がついても抱え込んでしまうといった問題が当然考えられます。そしてまた、若年性の若い方は、働いていらっしゃる方も中には大勢もしかしたらおられるわけで、そういう方については、雇用の継続が大変大事なことになってまいります。雇用をしっかり確保していく中で、認知症へ対応していくといったことが重要ということになりますので、本市としましては、認知症に対する市民全体の理解を深めていただく、理解していただいて、それを前提にそうした認知症に悩む若い方についても、安心してこのまちで暮らしていただけるように十分な普及啓発、そして必要な対応に努めていきたいと考えているところであります。最後に、5点目の「認知症の日」の制定ということについてでありますが、これは議員も言われましたように、1994年、国際アルツハイマー病協会が世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定しまして、日本でも「公益社団法人認知症の人と家族の会」がこの日を中心に9月を「世界アルツハイマー月間」と定めまして、さまざまな取り組みを行う中で、ポスターやリーフレットを作成して、認知症への理解を呼びかけておりまして、本市においても「介護者と共に歩む会」と連携して、認知症への理解の呼びかけや相談窓口の周知を行っております。そういうことで、議員は「認知症の日」を制定して、そして家族や職場で話し合いをするといったことについて発言されましたけれども、そういった日を設けるということは、認知症を深く理解する上では意義あることかと思いますが、まずは認知症の諸施策を通じまして、認知症になっても安心して暮らしていける地域づくりを推進することが大事かと思いますので、議員の提言については受けとめて、当面、認知症施策の推進に力を注いでまいりたいと考えております。