深川市議会 平成30年第3回定例会 2018年9月7日
国民健康保険事業の医療費の適正化
2018年9月7日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「国民健康保険事業の医療費の適正化」について質問し、市民福祉部長 安田浩人が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市民福祉部長 安田浩人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 松本雅祐
それでは2点目、国民健康保険事業の医療費の適正化についてお伺いします。平成30年度は、診療報酬・介護保険の同時改定や次の医療計画の開始、そして、国民健康保険の財政運営が都道府県に移管するなど、大きな制度改革が重なりました。そのうち国民健康保険料につきましては、財政運営を移管した北海道から、所得水準などをもとに各市町村に保険料の目安が示されました。同じ所得であれば、どこに住んでいても同じ保険料になるように計画されておりますが、本年6月18日に発表された保険料は、各市町村で増額したところ、据え置いたところ、減額したところと分かれる対応となりました。本市におきましては、据え置きでありました。国民健康保険制度は、国民皆保険の最後のとりでと言われており、75歳未満の事業主や非正規雇用労働者、無職の方が加入する公的医療保険で、加入している被保険者にとって、保険料は生活していく上で重要な問題であります。日本全体でも高齢化が進み、医療費がふえ、また医療技術の進化などにより、毎年1兆円ずつ医療費がふえていると言われており、各自治体では国民健康保険事業の医療費適正化に向けた取り組みを進めています。その中で注目されているのが広島県呉市の医療費適正化に向けた取り組みであります。呉市におかれましては、7月の豪雨災害により、多くのとうとい人命が奪われ、多大な被害を受けられました。お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々に謹んでお見舞いを申し上げます。呉市は人口約24万人で、65歳以上の人口比率が広島県平均より高く、当然、医療費も膨れ上がっていて、平成20年の1人当たりの年間医療費は約60万円で、全国平均よりも4割も高く、そういった背景もあり、医療費適正化へ本格的に取り組みを開始されました。取り組みは、国民健康保険加入者のレセプトデータを活用し、医療費等を分析してジェネリック医薬品の使用促進、レセプト点検の効率化、保健事業の推進などを実施したそうであります。ジェネリック医薬品の使用促進では、生活習慣病で長期にわたって服用しなければならない医薬品について、切りかえ可能なジェネリック医薬品の情報やジェネリック医薬品に切りかえた場合の医療費削減額を通知するなどし、平成27年度ではありますが、市全体で2億円余りの医療費削減効果が得られたそうであります。また、レセプトを分析した結果、患者が多かった生活習慣病の糖尿病、高血圧症、脂質異常症や、1人当たりの医療費が高額の人工透析について重点的に事業を展開しています。点検の効率化では、月15回以上受診している頻回受診者や同じ病気で月に三つ以上の医療機関を受診している重複受診者、そして併用禁止の薬を服用している可能性があるなどに該当する市民に保健師や看護師が訪問して、医療機関での過度の受診を抑制することにも効果が発揮されています。平成23年度を見ますと、重複受診者の場合、1人当たりの診療費削減額は最大で61万円、月15回以上の通院患者全体では年間2,294万円の診療費が削減されたそうであります。糖尿病性腎症が重篤化し、人工透析に移行すると、1人当たりの年間医療費は400万円とも500万円とも言われており、加えて時間的な拘束や心身的、社会的な制限が発生し、患者やその家族の生活そのものを変えてしまいます。そのため人工透析導入前段階にある患者に対し、テキスト教材の配付や食事指導など、専門的な訓練を受けた看護師による面接指導、電話指導を行い、重症化対策を行っているそうであります。呉市と深川市の人口は違いますが、このように医療費適正化に向け、レセプトを活用したデータヘルスの取り組みは非常に効果があると思います。本市は昨年、国保被保険者の健康推進を図るとともに、医療費の適正化や国保財政の安定化を目指し、効果的な保健事業に取り組むことを基本方針とした第3期特定健診等実施計画並びに第2期データヘルス計画を策定しました。そこでお伺いします。1点目、本市の国民健康保険事業における医療費の適正化の取り組みと課題についてお聞かせください。2点目、レセプトや健康情報等を活用したデータヘルスの推進を行うことはとても効率的であります。本市におきましても保健事業を行っておりますが、どのような取り組みをしているのか、また実際、どのような成果が上がっているのか、お聞かせください。3点目、本市は、今回、国保税の改定では据え置くことにしました。ただ、今後、国保税が値上げされると、市民生活の圧迫を引き起こしかねません。現在、本市の国保に加入している方は5,392人で、深川市民の25.8%に当たり、最近、加入者は減ってきております。しかし、加入者1人当たりの医療費は45万4,903円とふえております。ですから、医療費の適正化は重要な課題であります。この医療費の適正化が推進されると、深川市の国保会計にどのような影響があるのか、お聞かせください。
答弁 市民福祉部長 安田浩人(市民福祉部長は2021年3月まで)
国民健康保険事業の医療費の適正化について、3点の質問をいただきましたので、順次お答えいたします。最初に質問の1点目、本市の医療費の適正化の取り組みと課題についてでありますが、本市の国保事業におきましては、被保険者数は、市全体の人口減に伴い減少しておりますが、被保険者に占める中高年者及び高齢者の割合が多いことから、被保険者1人当たりの医療費は横ばいもしくは年々高くなってきている状況であります。このことは、今年度からの国保都道府県単位化に伴う北海道や各市町村の国保財政の根幹をなす医療費の部分の割り勘分であります納付金算定や、この納付金を賄うための各市町村の国保税収に大きな影響を及ぼしてくるといった背景がありますことから、医療費抑制のための医療費適正化の取り組みがとても重要であると認識しております。そこで、本市の医療費適正化の取り組み内容といたしましては、一つ目として、本市は疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加傾向にありますことから、本年度から平成35年度までの6年間を1期としました第3期特定健康診査等実施計画に基づき、特定健診の受診率の向上に向けた保健指導を通じて生活習慣病の発生を予防するとともに、重症化を予防する取り組みも実施することとしております。また、質問にありました広島県呉市の取り組みと同様にレセプトデータの分析を行い、医療機関受診勧奨や保健指導に活用するデータヘルス計画に基づく重症化予防事業を実施しております。二つ目としまして、今年度から人工透析への移行や重篤な合併症の発症など、医療費の増大リスクが高い糖尿病について、重点的に医療機関への受診勧奨や生活改善のフォローアップに取り組む糖尿病性腎症重症化予防事業を実施する予定です。三つ目としまして、処方された医薬品をジェネリック医薬品に変更した場合の自己負担額及び薬剤費の軽減額を個別にはがきで通知することにより、被保険者の医療費に対する認識を向上させますとともに、ジェネリック医薬品の普及浸透を図る取り組みを行っております。四つ目としまして、医療機関等への重複受診者及び頻回受診者に対し、保健師の個別訪問による健康相談等を行い、適切な受診につなげていく取り組みを行っております。これは医療費の適正化に向けまして、若い世代における特定健診受診率の向上とジェネリック医薬品の使用率における国の目標値である80%以上とするための利用促進が課題となってくるものと考えております。次に質問の2点目、医療費適正化の取り組みの成果についてでありますが、医療費の削減として、数値的な成果がすぐにあらわれることにはなりませんけれども、ここ数年、人工透析患者が20人弱で推移しており、徐々にではありますが減少傾向になっていますこと、さらにジェネリック医薬品の利用割合におきましても、50%台後半ですけれども若干ふえてきている状況にあります。次に質問の3点目、適正化の推進による国保会計に対する影響についてであります。平成30年度から国保都道府県単位化という都道府県が国保財政運営の責任主体となり、各市町村とともに保険者となる大きな制度改革が行われておりますけれども、適正化による医療費の削減は、国保事業の総体の経費が減少し、保険料の値上げを抑止する効果があるものと考えております。また、この制度改革により、医療費の適正化に向けた取り組みに対する支援策の一つとしまして、保険者努力支援制度が創設され、国が都道府県や市町村で実施する適正化に向けたさまざまな取り組みを点数化し、その点数に応じて交付金がそれぞれ交付されることになっております。この交付金は、都道府県においては単位化により支払われる医療費の市町村割り勘分の納付金算定に充当することができますし、市町村においては、医療費適正化への取り組みに要する経費に充当することができる貴重な歳入財源となり、さらなる適正化事業の実施につながりますことから、都道府県や市町村の国保会計の健全化に寄与できるものと考えております。