深川市議会 平成30年第1回定例会 2018年3月5日
農業政策と深川市農業
2018年3月5日、深川市議会の一般質問で、鶴岡恵司議員が「農業政策と深川市農業」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 鶴岡恵司 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 13番 鶴岡恵司
この冬は、最近では記憶にないほど、この時期としては積雪が多く農作業がおくれるのではと今から心配であります。公政クラブでは、平成29年度政務活動費を利用し、2回の行政視察を実施しました。ここで、主な視察、調査内容について紹介したいと思います。1回目は、10月9日から12日までの4日間、三重県、和歌山県で実施し、三重県志摩市では、IJU(移住)ターン促進のための奨学金返済補助事業についてと、地域とのつながりによる県立高校の魅力向上について、三重県伊賀市では、庁舎建てかえ及び公共施設最適化計画について、和歌山県橋本市では、移住定住について、それぞれ調査させていただきました。また、道の駅伊勢志摩、道の駅いが及びJAなどが運営する直売所にそれぞれ視察を行ったところであります。2回目は、2月7日から9日までの3日間、東京を拠点として、衆議院議員会館において要請を行い、平成30年度農林水産予算の概要説明を農林水産省の担当職員から受けました。また、千葉県千葉市で、農政センターにて新規就農希望者研修事業について調査し、千葉市内にある道の駅及びJA直売所を視察させていただきました。東京の千代田区有楽町にある全国のふるさと納税の支援事業を実施している「ふるさとチョイス」では、全国の市町村におけるふるさと納税の取り組み、広報イベントの開催状況について調査し、さらに、同じ有楽町の東京交通会館に事務所を置く認定NPO法人ふるさと回帰支援センターにて、移住に関するふるさと回帰支援センターの現状について調査をさせていただきました。その中で、深川市の移住コンシェルジュは、実際に深川市に移住された方がついておられ、非常に的確に熱心に対応し、移住に係る情報も細かく移住希望者に深川市の情報を、丁寧にわかりやすく伝えていただき、深川市のPRにも役立てているとのことでありました。これら調査した中身については、折に触れ、今回もそうでありますが、一般質問等で取り上げていきたいと思うところであります。それでは、通告に従い一般質問を行います。初めに、1番目の農業政策と深川市農業について伺います。今国会で、平成30年度の予算審議が行われています。農業を基幹とする深川市にとって、また農業者にとって、その内容が重要であります。深川市の基幹作物であります米に関しては、平成30年産から国主導の生産調整が廃止され、米の直接支払い交付金も廃止となり、また31年から始まる収入保険制度に向けての準備等、大きな農業政策の転換であります。現状では、米の需給環境が整い価格が安定している中、生産調整が廃止され、今後、米の需給が安定した状態で推移するのか、米の直接支払交付金の廃止に伴う収入減少を補う生産者への手当があるのか、農業保健法に基づき平成31年から始まる収入保険制度は、品目にとらわれずに農業経営者ごとの収入全体を見て、総合的に対応し得る収入保険制度を実施するとあるが、農業者が安心して持続的に営農に取り組める制度となるのか、不安の多いところであります。そのような思いを胸に秘めつつ、公政クラブは、東京へ出向き調査させていただき、その中で、平成30年度農林水産予算の概要につき、農林水産省の担当職員から説明を受け、意見交換の機会もいただいたところであります。そうした中から4点につき、ここで質問させていただきます。1点目は、農地中間管理機構の事業についてであります。今後10年間で担い手への農地集積を全国レベルで現状の5割から8割へ加速化するための事業運営を行い、農地の出し手に対する協力金の交付等を支援する事業であり、今の農業政策の重要な柱であります。平成27年の第4回定例会でも農地中間管理事業について質問し、市長答弁の中では、「賃貸による方法で担い手に集積・集約化を進め、農業の改革と生産コストの削減を実現していく事業でありますが、これは本来、本州の農業実態を踏まえて創設された制度という面があり、既に本市においては担い手への集積率が9割となっていること。また、本市における農地権利移動については、賃貸ではなく売買が主であること、さらに農地の受け手と出し手双方から、それぞれ農地賃借料の1.08%の手数料を毎年、農地中間管理機構が徴収することになり、本市においては、取り組みづらい事業という側面がある」と答弁しています。現状においても、深川市の中では、農地中間管理機構の事業での農地権利移動は少ないと仄聞しています。ただ、国の農地政策の柱は、農地中間管理機構の事業であります。担い手への農地集積が進んでいるのは深川市だけではなく、全道的なものと伺っています。そうした北海道の実情に合った制度変更を北海道レベルで国に要請すべきと考えます。そこでお伺いします。まず、平成27年以降の本市での農地中間管理事業での農地権利移動の状況について、さらに北海道の実情に合った制度変更に向けた対応について所感をお伺いします。次に、2点目の農業基盤整備促進事業等の受益者負担の軽減について伺います。農家戸数の減少、担い手不足が続き、戸当たりの経営面積がふえ続ける中、農地の大区画化、汎用化や水路のパイプライン化等の基盤整備事業を実施し、農作業の効率化、良質農産物の安定生産に向けた取り組みは必要不可欠な事業であります。国の農業農村整備事業予算は、既に決定している平成29年度補正予算と、今審議されている30年度当初予算を合わせると、従前の予算規模に戻るとのことであります。しかしながら、予算が確保されたとしても土木資材費、建築機械に係る経費、人件費が高騰しており、現場では従前のように事業が進んでいないのが現状であります。また、事業費の高騰は、受益者負担金に大きな影響があり、農業基盤整備促進事業の定額の補助については、事業費の増額分が全額、受益者負担金に課せられることになります。例えば暗渠排水事業では、平成25年度の事業費は10アール当たり約17万円で、29年度の事業費は10アール当たり26万3,000円になり、同事業に対しての補助金は、25年度で10アール当たり15万円、29年度は15万円に加え、農地再生の取り組みにより1万円増額となり、合わせて16万円であります。受益者負担金は、平成25年度で10アール当たり約2万円、29年度は約10万3,000円と5倍になっています。10アール当たり10万円を超える負担金は、その年の農産物収入に匹敵する額であり、極めて大きな負担になります。道営事業にあっても12.5%の負担率は変わっていませんので、事業費がふえた分、負担増になっています。農業基盤整備促進事業等の受益者負担金の軽減に向けた国への働きかけを強く望むところでありますので、所感をお伺いします。次に、3点目の深川市の平成30年産主食用米作付見込み及び水田活用の直接支払交付金について伺います。今年から、さきに触れましたとおり、国、行政主導の主食用米の生産数量配分をやめたところであります。既に深川市においても平成30年産主食用米の作付見込みがおおよそ固まっていると思います。そこで、平成30年産主食用米の配分と申しますか、目安がどのように協議され、深川市に示され、作付面積を取りまとめたのか。そうした中、現時点で深川市の30年産主食用米の生産がどの程度見込めるのか、また前年と比較するとどのようになるのかお伺いします。また、水田活用の直接支払交付金について、平成29年度当初予算額では当年度分の産地交付金を100%支払うことができない状況でありましたが、平成29年度補正予算で50億円措置され、年度末までには100%あるいは100%に近い支払いが見込めるとの情報もありますが、実際の支払いがどの程度見込めるのかお伺いします。また、水田活用の直接支払交付金の平成30年度予算の見込みでは、150億円程度増額されていますが、それによって30年度産地交付金の支払いが100%見込めるのかお伺いします。次に、4点目のGAP(農業生産工程管理)への取り組みについて伺います。GAPの活用については、昨年の第2回定例会で松本議員が一般質問で取り上げておられ、現在の深川市での状況、今後の取り進めについての答弁がありました。今回、ここでGAPについて質問するのは、2月27日の日本農業新聞1面に、環境支払い要件見直し、GAP研修義務化、農林水産省認証取得は求めずとの記事がありました。農林水産省の平成30年度予算の概要にもその要件が記載されており、農業新聞の見出しどおりでありました。いずれにしても、GAPへの取り組みが国の交付要件となったのは初めてであり、今後、他の補助金、交付金等の要件になる可能性も考えられることから、何点かお伺いします。深川市での取り組みとなれば、指導者、指導機関を含め周到な準備が必要となりますし、もちろん市内農業者のGAP取り組みに対する理解、協力も必要となります。JAきたそらちを初め、JAグループの取り組みに向けた協議、検討は進んでいるのか、まずお伺いします。また、国際水準の農業生産工程管理GAPとされていますが、国際的に統一されたものなのか、GAPの取り組みにより農産物の輸出が容易なものになるのか疑問に思っています。一つの農産物を輸出するには、国によって、また同じ国でもルートによって扱いが違っているのが現状だと思います。国際水準の農業生産工程管理GAPは、国際的に見て全て通用するものなのかお伺いします。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
農業政策と深川市農業についてのお尋ねに順次お答えいたします。まず1点目の、農地中間管理機構の事業についてのお尋ねであります。この農地中間管理事業につきましては、議員も触れられましたが、今後10年間で、担い手の農地利用を全国ベースで全農地の現状5割から8割にするということを目標として、賃貸による方法で、担い手に集積・集約化するということを目的に、平成26年度から始まった事業であります。本事業を活用した本市における農地の権利移動の状況につきましては、本市における離農や経営縮小した跡地の集積、そして法人化の取り組みということに関連いたしまして、平成27年度は受け手13戸に対して494.9ヘクタール、28年度は受け手8戸に対して65.2ヘクタールの貸し付けが行われているという実績でございますが、29年度におきましては、これまでのところ農地の貸し付けは行われていないという状況でございます。議員ご指摘のとおり、北海道における担い手への農地の集積率が、既に平成29年3月末現在で全道ベース90%、そして本市では98%となっております。また、農地の権利移動については、北海道は伝統的に売買割合が非常に高いといったことなど、こうした中間管理機構の事業が、本市や北海道の実情に合っていない面があるというのは、まさに事実であろうかと思っております。本事業につきましては、既にこういったことを踏まえ、北海道において、これまでも北海道の実態に合った中間管理機構事業の制度になるように、その充実について国に対して要望が行われてきていると承知いたしております。本市といたしましても、離農する担い手から地域の農地の受け手となる担い手への農地の集積・集約化、それから農地売買等事業による利用権の設定といったことなどが円滑に行われるように、ぜひ農地中間管理機構を活用した事業の充実について、適宜、国や北海道に要請をしてまいりたいと考えているところでございます。2点目、農業基盤整備促進事業等の受益者負担の軽減についてのお尋ねであります。ご指摘の農業基盤整備促進事業は、農地の区画が狭小、排水不良であったり、あるいは農業用排水の不足といったことなど、地域が有する課題の解決に向けて、水田の区画拡大でありますとか用排水整備などの基盤整備を行って農地の生産効率の向上を図るという事業でございます。国の補助金等を利用いたしまして、都道府県、市町村または土地改良区等が実施主体となって行う事業で、主には団体、土地改良区などが行うことが多いのかと思っておりますが、その事業の受益者となります農業生産者あるいは所有者である受益者にも、要綱あるいは要領で定められた負担が求められるという制度でございます。近年、議員も言われましたが、労務単価の上昇、それから資材費の高騰によりまして、基盤整備の事業費が増加しております。そのため受益者の負担も増加しているという現状にあると承知いたしております。そのことから、今後、本市といたしましても、農業者の受益者負担分が軽減されるように、国あるいは北海道に対して、機会を捉えましてそういった現場の実情等を伝えてまいりたいと考えているところでございます。3点目の深川市の平成30年度産主食用米の作付見込み、それから水田活用の直接支払交付金についてのお尋ねでございます。まず、平成30年産以降の主食用米の作付につきましては、ご承知のように、行政による生産目標数量の配分ということが廃止されましたことから、今後、北海道では独自の生産の目安というものを設定して、それを地域ごとに提示するということとなってございます。具体的には、平成30年産の主食用米の生産の目安につきましては、まず一つには、農業団体及び集荷団体から報告されます30年産米の生産販売計画における主食用米の販売計画数量を押さえる。2番目に、平成30年から31年までの国における主食用米の需給見通しの数字。3番目、平成28年から29年までの都道府県別のお米の需要実績の数字。そして4番目として、各地域協議会から報告される平成30年産の主食用米の作付意向面積、この四つの情報を総合的に勘案しまして、全道の生産の目安というものを面積換算で示すということでございます。平成30年産については9万9,015ヘクタールが生産の目安となる面積に設定されたと承知いたしております。また、各地域の生産の目安につきましては、平成29年産の作付実績を基本に、全道の生産の目安及び各地域協議会における30年産の作付意向を踏まえて算定が行われまして、本市については、5,254.6ヘクタールの面積が目安として提示されたところでございます。本市の現段階における生産者の皆さんの本年産主食用米の作付意向というものも、この目安と同程度となっておりますので、大体そういうことで推移いたしますと、前年の作付面積約5,219ヘクタールと比べますと平成30年産は若干増加するものと見込まれているところでございます。次に、水田活用の直接支払交付金についてであります。本交付金につきましては、ご承知のように、麦、大豆、それから飼料用米などの戦略作物助成、それから二毛作助成、耕畜連携助成といった面積当たりで交付される助成金と、ご指摘のあった産地交付金から成っておりまして、平成29年度の産地交付金につきましては、27年度実績の配分額の8割相当をまず当初に配分し、残り2割相当分については、面積当たり助成の取り組み状況によって減額されて配分されるということになっておりましたが、結果的に29年度においては、27年度と比べまして約95%の交付金となったところでございます。その後、この95%の交付金に加えまして、平成29年度の国の補正予算において約50億円が予算措置されたところでありまして、この補正予算措置で29年産の米粉用のお米、ホールクロップサイレージに用いる稲等の生産拡大による交付対象面積の増加に伴って、所要額がふえたことを踏まえ、水田における作物生産について、新たに生産性向上に資する技術の導入目標を拡大する計画を策定した産地の取り組みを、増加した予算金額の中で産地交付金ということで支援をするということとされました。その結果、本市においては、現在、地域協議会が主体となって、今申し上げた事業に取り組むため手続を進めているところでございます。地域協議会が、これまで配分を受けた産地交付金に、今回の取り組みによる追加の交付金を加えますと、結果的には、平成27年度対比で100%を超える交付が受けられる見込みとなっているとお聞きいたしているところでございます。なお、平成30年度の水田活用の直接支払交付金の予算については、前年度に比して154億円ふえて3,304億円が計上されております。このうち、産地交付金分につきましては、前年度の予算から約42億円ふえて1,057億円が計上されておりますが、その配分は平成29年度当初と同様の配分方法だとお聞きしておりますので、30年度の配分額が明らかになるのは、ことしの秋ごろになるものと見ているところでございます。次に最後の4点目、GAP、農業生産工程管理への取り組みについてのお尋ねであります。現在、市内においてはJAきたそらちが主体となりまして、米や麦、大豆、ソバにおいて、JAきたそらちやホクレンが定めました点検項目を実施するという簡易な形でのGAPに取り組んでいるところでございますが、よく言われるグローバルGAPですとかJGAPなど、より高度なGAPの実践ということには、まだ至っていないわけでございます。JAきたそらちでは、北海道が主催する研修会へ職員が参加するなどしまして研究を重ねながら、現在、これからのGAPに関連する推進方策について検討しているところであると伺っております。こうした状況から、本市の新年度予算におきまして、GAPの実践に向けた生産者の理解の促進、それから地域指導者の育成に対する取り組みなどを支援するための所要の予算を計上させてもらっているところでありますので、より高度なGAPの実践に向けた環境整備を行いながら、しっかりJAきたそらちと連携し推進を図ってまいりたいと考えております。なお、最後にお尋ねがあった国際水準のGAPについてでございますが、これについてはグローバルな食品事業者が加入をする、TCGFという組織があるようであります。この組織の下部組織であります食品安全部会、これもGFSIと呼んでいるようでありますが、このGFSIが認める水準のGAP、これが国際水準のGAPに該当するものと言われております。また、日本国内で使われているものとしては、先ほど言ったグローバルGAPでありますとか、ASIAGAPというのがありまして、これがそれに当たるものになります。しかしながら、特定の国際水準のGAPの認証を受けたからといって、議員も言われましたように、必ずしも自動的に国際的に全ての取引に通用するといったものでは毛頭ないと承知いたしておりますので、この認証取得ということについては、取引先の動向、意向を十分踏まえた上で、取得するのかしないのかということになります。それまでは国際水準のGAPの認証をいつでも取得できるような体制を整え、GAPの実践にいつでも取り組めるように準備を進めておくといったことが現実的な対応であろうというふうに考えております。繰り返しになりますが、本市も来年度から、市の予算を計上しまして、JAと協力をして乗りおくれることがないように、しっかり対応を進めてまいりたいと考えております。