深川市議会 平成26年第4回定例会 2014年12月2日
農業所得の見込みと所得確保対策
2014年12月2日、深川市議会の一般質問で、鶴岡恵司議員が「農業所得の見込みと所得確保対策」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 鶴岡恵司 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 鶴岡恵司
早いもので今年も師走に入り、残すところ一月足らずとなりました。今年は、天候も2月以降、降雪、降雨が7月末まで極端に少なく、農作業も播種、耕起、田植えと順調に進み、畑作物のソバ、豆類の播種作業も順調であったと思います。7月末からは雨の日、曇天の日が比較的多くなり、高温、低温の日が数日置きに繰り返す。ここ数年は極端に天候が偏る傾向ですが、今年の春から7月までの降水量は特異なものでありました。こうした中で農作物の収穫を終え、結果を見るとき、例年とは違うものがあり、干ばつ、高温、低温という変化に生育のバランスがとれず、収量、品質が十分でなかったものもあり、自然環境とのかかわりの難しさを強く感じさせられた年であります。ことしの出来事で印象に残っているものとして、3月の納内小学校の卒業式に、昨年、一昨年は予算審査特別委員会と重なり欠席でしたので、議員になって初めて出席させていただきましたが、卒業生が卒業証書を受け取る前に、両親を初めとする家族への感謝の気持ち、将来の目標などをステージで発表してから卒業証書を校長先生から受け取る流れでありました。両親の後を継いで農業をやりたい、地域に貢献できる仕事につきたいと、自分の将来の目標を大きな声で堂々と発表していました。子供たちがいつまでも目標を持ち、前進してほしい。また、そうした子供たちの目標を実現できる社会をしっかりとつくる責任を強く感じたところでありました。また、懸案でありました市立納内診療所の常勤医を迎えることができ、10月は準備もあり、週2日の診療でありましたが、11月からは、土日休日を除く週5日の診療になり、診察日、時間の予約もできるようになり、地域住民には大変好評であります。診療所の一患者として、理事者を初めとする所管の皆さん、議員各位、また昨年4月より、地域医療の重要性に鑑みて医師を派遣していただいたアンリー・デュナン会第一病院の方々に心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。それでは、通告に従い一般質問を行います。初めに、農業所得の見込みと所得確保対策についてであります。この10月30日に公表された平成26年産米の作況指数では、全国が101、北海道が107、深川市を含む北空知も107であり、収量では4年連続で平年作を上回る豊作年でありました。しかし、今年産米は例年と異なる傾向があり、農家の皆さんは困惑しているところであります。今年は、もみ数が総じて多いことや、8月以降の天候が低温や日照不足傾向であったことから登熟にばらつきが見られ、青未熟粒、青未熟粒を除く未熟粒、これは米が白く濁る心白粒などでありますが、これの混入が多く、例年ですと青死米等の大部分が粒径の細い粒で、1.95ミリメートルの網にかけると抜けるものが、今年産は粒径が太く網上に残り、整粒歩合が2等格の60%台のものが多く、1等米に格上げするために色彩選別機にかけ、10%ほど整粒以外の被害粒を除くことになり、製品にならない規格外米、くず米が平年の2倍以上の15%を超え、当然製品歩どまりが悪くなっています。一方で、価格は平成25年産の持ち越し在庫が200万トンを超えるなど需給緩和状況にあり、26年産米の価格は前年産より1俵当たり2,000円以上の大幅な下落で、JAの26年産の生産者への年内仮渡金は、営農計画時の価格を下回る状況であります。畑作物で作付が多い小麦、ソバも干ばつ、天候不順により大幅な減収になったことから、米が4年連続の豊作という状況の中にあって、農家収入に結びつかない残念な実態であります。また、年が明けますと平成27年度の営農計画を作成し営農に臨むわけですが、需給状況が改善され、米の価格上昇につながるような国の対策が明確に示されず、価格の底が見えない状況にありますし、長期的には30年度からの生産調整、経営所得安定対策の廃止があり、大変厳しい不安な状況での営農計画の作成になると思われます。平成23年からの豊作、価格安定、戸別所得補償交付金により農家所得が安定し、やっと担い手として農家子弟の後継者が農業に従事するようになってきたところであり、基幹作物である米の価格低迷は、生産農家にとっては大きな課題となり、所得の確保、安定に向けた経営努力が一層必要であります。農家は、まず良質な農産物を安定的に生産することが基本でありますが、水稲と生産調整による転作田での青果、花卉、小麦、ソバ、大豆等の作物との複合経営であることから、経営全体で農業所得の安定に向けた取り組みが重要となります。農家が生産した農産物を一層の販売推進、また農産物に付加価値をつけ、農家手取りを安定向上に結びつける工夫も重要であります。現在、市内で既に取り組みのある深川産農産物を使用しての食品加工品の商業化へ向けての支援、また以前にも、米も、米で売る時代から御飯として売る時代に変わるとも言われ、無菌米飯の加工工場を誘致してはとの提案を一般質問でさせていただきましたが、先日の新聞報道で、山下市長、早崎組合長の首都圏でのトップセールスの中で、訪れたスーパーで無菌米飯の販売が伸びているとのスーパー関係者の話が載っていましたが、深川産米での取り組み、工場誘致の可能性を協議、検討すべきと改めて強く思うところであります。また、その他の農産物の加工にも幅広く可能性を追求する必要があると考えます。また、作付面積の30%ほどになる転作田からの収入、所得の増加を検討する声を耳にするようになりました。米をつくるための転作から、転作田より一層の収入、所得を上げる工夫であります。一般質問でもたびたび触れていますように、経営面積の拡大、担い手不足、労働力不足から、青果、花卉への取り組みは限られることから、小麦、ソバ、豆類からの増収であります。畑作作物は連作により収量、品質が低下することから、田畑転換、畑作物の輪作が有効となりますが、田畑転換は圃場条件により限られた水田しか取り組めず、多くの場合、畑作物の輪作であり、連作のソバから小麦への輪作等を検討しているとのことであります。ただ、課題となるのが麦へのソバの混入であり、麦へのソバ混入を手当てできる農産センターの施設整備が前提となります。昨年の第4回定例会で、農産センターの施設整備に対する深川市の姿勢について取り上げ、山下市長から、「今後の地域農業の維持発展を考える上で、必要不可欠な施設整備であると受けとめております」とのことであり、施設整備に対する市の支援については、「JAきたそらちがカバーする北竜町、雨竜町、幌加内町とも支援についての考え方を調整していく必要がある。そして、市の財政事情といったことにも十分考慮に入れた上で、施設整備に対する支援を考えなければならないと思っており、的確に、丁寧に、しかし慎重に検討してまいりたいと考えております。」との答弁でありました。JAきたそらちは、平成27年度の事業採択に向け事業申請をしていると仄聞しているところであります。そこで1点目に、今年度の農業収入の見込みについてです。農産物価格については、米に関して、また平成26年度営農計画作成時の価格を基準にお伺いします。また、今年産米は製品歩どまりが例年より低いことから、国は収入減少影響緩和対策での収量換算に考慮するとのことでありますが、今年産の収入減少影響緩和対策の見通しについてもあわせてお伺いします。2点目に、次年度以降の農業収支の見込みについてであります。既にJAでは、次年度の営農計画設定に向け、各農産物単価も検討されていると思いますし、あわせて交付金、助成金等の農政の動きもお伺いします。3点目に、農産物の販売推進、加工についてであります。トップセールスの状況と米の無菌米飯への考え方、工場誘致についてもあわせてお伺いします。4点目に、農産センター施設整備に対する支援についてであります。国の事業採択が前提となると考えますが、深川市の支援につき、市長の見解をお伺いします。あわせて、JAきたそらちの取り組みでありますので、関係する3町との協議経過もお伺いします。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
ただいまの農業所得の見込みと所得確保対策について、4点にわたり質問がありましたので、順次お答え申し上げます。まず、1点目の今年度の農業収入の見込みということについてでございますが、本市の基幹作物であります米について、ことし1月の営農計画作成時点で用いられました価格などと現在時点の米の集荷・販売状況などとを比較いたしますと、販売単価において、計画策定時では1俵当たり1万1,500円とされていたものが、平成26年産米の仮渡金については、ご承知のように1俵当たり1万円ということで1,500円の差が生じております。また、ことしの収量は豊作でございました昨年並みではあるものの、議員のご指摘にもありましたように、いわゆる青死米などの主食用とはならないはじかれる米が平年より多目に発生しておりまして、さらに言えば、こうしたくず米の価格についても、今年度は前年度までより大きく下落しているということでございまして、米の販売額全体としましては、昨年が総額で76億円ほどであったわけでありますが、平成26年では53億円程度と見込まれていると、差し引き約23億円ほど減少する見込みであると、そのようにJAきたそらちから伺っているところであります。また、質問の平成26年産米に係る収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策に係る見通しでありますが、この対策は、収入減少による農業経営への影響を緩和するため、米、麦、大豆等の当年産の販売収入の合計が標準的な収入を下回った場合に、その差額の9割を保険のような手法で補填するという制度であります。平成26年産米においては、農林水産省が発表した作況107ということになっておりますが、その反収の中にいわゆる主食用とはならない青死米の混入割合が、平年の水準を大きく超えて混入している、そういう地域があるということから、ナラシ対策の発動基準を一定程度緩和して、地域の青死米の発生状況により、収入額の算定において用いる単価について調整を加えるということで、国と都道府県が協議して、平年の水準を超えて発生した青死米等の数量をいわゆる反収から差し引く、そういうことができるような方針にしていこうということのようでありまして、現在、北海道において国と協議を進めるために必要な調査をまさに行っていると、そういう状況であると承知いたしております。このことがもくろみどおりに実現された場合は、それによって相当程度増収となる部分が出てくるものと期待しているところであります。次に、2点目の次年度以降の農業収入の見込みということについてでありますが、営農計画における米の販売単価につきましては、平成26年産までは、品種あるいは品位を問わず、一律に単価設定がなされていたということでございますが、27年産からは品種別あるいは品位別に単価設定が行われる、そういう方針であるということ。さらに、そうした区別されて設定される販売単価は、平均的に前年度までより下がる、そういうことになるとJAきたそらちから伺っておりますので、その影響額が幾らかということについては、農作物の作付動向が現時点ではまだ決まっていないこともあって、具体的に何かお示しをするということはできませんけれども、いずれにしても平成27年産については、26年より厳しい収支状況になるということはほぼ確実だろうと、そのように見込んでいるところであります。また、次年度における、これは議員からもお尋ねがありましたが、国の交付金等についての制度変更などの動きについて、これは現在何も聞いておりませんが、今後そのような話が出てくる場合は、国や道の動きを十分注視しながら、本市としても適切な対応に努めてまいりたいと考えているところであります。次、3点目、農産物の販売促進、加工についてでありますが、まず農産物の販売促進の取り組みにつきましては、これまでも深川産米等の販売促進に向けて、道内外の取引先への働きかけなど積極的に取り組みを進めてきたところでございまして、これらの取り組みによりまして、例えば平成24年11月からは、札幌市を初めとする道内のアークスグループの店舗において深川産米の販売が行われるようになっておりますほか、首都圏の大手スーパーでは、25年産米から「北海道深川市産」と大きく書かれたパッケージにより深川米が販売されるようになっておりまして、売れ行きも良好であると伺っているところでもございます。市といたしましては、引き続きこうした努力をJAきたそらちと連携、連帯しまして、継続推進してまいりたいと考えております。次に、農産物の加工の取り組みにつきましては、これまでもご承知のように、例えばJA女性部などの関係の皆さんによって、深川農産物の生産、加工から販売までを含めた取り組みが熱心に行われてきております。また、近年は市内で生産されたリンゴやブドウを原料とした深川ワインあるいはシードルの製造や、黒米を活用したさまざまな商品の開発、販売といったところにまで拡大されてきております。また、前段申し上げた首都圏の大手スーパーの話でありますが、そこで近いうちに、深川産米を原料とした無菌包装米飯、これを卸が製造業者に製造委託をして、でき上がった製品をスーパーの店頭に置いて販売をするといった計画があるといったことを伺ってきております。ともあれ、農産物の販売促進あるいは加工の取り組みというものは、やはり農業所得の向上、そして地域の活性化を図るために極めて重要な取り組みと認識をしておりますので、今後ともJAきたそらちや、また地元企業、関係団体などと一層連携を強化しながら、積極的にその推進に当たってまいりたいと考えております。なお、議員が質問の中で触れられました無菌米飯の工場誘致ということにつきましては、これはもう当然、可能であればぜひ取り組みたいと考えておりますので、市といたしましては、今後ともJAきたそらち、あるいはホクレンなど関係団体と密接に連携をとりつつ、幅広く企業関連情報の収集に努めるなどしまして、何とかそれが仮に実現するなら、そういった実現につながる方法について検討、研究をしてまいりたいと考えているところでございます。最後に、4点目の農産センターの施設整備に対する支援についてでありますが、小麦、大豆などの土地利用型作物は、転作や、また畑作による複合経営を行う上で地域の農業を支える重要な基幹作物であるといったことや、現状においてそういった小麦、大豆等に係る既存の共同利用施設、これが老朽化してきていること、さらには既存の施設における調整機能等において、実需者が求めるような品質や出荷形態に十分応えることが難しい施設の現状にあるといったことなどを勘案して、JAきたそらちでは、平成27年度に広域小麦・大豆乾燥調製貯蔵施設の建設を計画しておられて、国の強い農業づくり交付金の採択を受けるべく、現在、北海道等と協議を行っているところでございまして、本市に対しましても、この施設整備につきまして、25年11月7日と本年9月27日の2度にわたりまして、JAから正式に本市に対して支援の要望があったところであります。本市といたしましては、以前にもこの議会で答弁しておりますが、この施設整備は、今後の地域農業の維持発展を考える上で必要不可欠なものであると、そのように受けとめておりまして、またさらに言えば、施設整備に要する経費負担は、農家の経営を大きく圧迫する要因になり得るといったことから、その負担軽減に資する見地から、これは国の強い農業づくり交付金の事業採択ということが当然の大前提でありますが、それが決定した後におきましては、速やかに当該施設整備が実現されるように、補助残に対する支援を考えてまいりたいと思っているところでございます。さらにまた、この施設は、議員のご指摘のとおり広域施設でありますことから、現在、深川市といたしましても関係があります雨竜町、北竜町、そして幌加内町と連携して、今申し上げたような支援を実施すべく、そのための合意形成に向けて所要の協議を現在行っているところでありますので、その旨ご理解いただきたいと思います。