深川市議会 平成26年第1回定例会 2014年3月6日
農政の転換
2014年3月6日、深川市議会の一般質問で、松沢一昭議員が「農政の転換」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 松沢一昭 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 松沢一昭
2014年の第1回定例会に当たって、通告に基づいて一般質問を行います。消費税の4月から8%への引き上げが決められ、秘密保護法が決められました。年金の引き下げと相まって、私たち庶民の暮らしは、わけても高齢者の暮らしは厳しくなってきています。さて、1点目、2点目は農業であります。昨日の辻本議員の質問と一部重なりますが、政策論議が中心であり、一部割愛ということにはなりませんので、当初の通告に従って質問いたします。さて、農業・農村のまち深川市にとって、今回、妥結にはならなかったとは言いながら、TPP交渉の行方は楽観を許さない状況が続いていくということだろうと思われます。そういう中で、今農林水産省から出されている新たな農業・農村政策は、ここ二、三年の豊作と農業の少し上向きかけた所得の上昇に冷水を浴びせ、ひいては深川市の税収が減少していくのではないだろうかという心配がされる、そういう内容なのではないでしょうか。経済界や、とりわけ大手マスコミがもてはやしているアベノミクスと言われる経済政策や株価対策ではありますけれども、アベノミクスの農業版とも言える新たな農業・農村政策の内容を見ていくとき、農業や農村に対しては冷たい政策にしか見えてこないのであります。以下、具体的な質問をいたします。まず、直接支払交付金でありますけれども、これが平成26年からいきなり半額の10アール当たり7,500円になることが打ち出されました。この影響額は、深川市でどのくらいの金額になるのでしょう。さらに、5年後には全部取りやめるといいます。今1万5,000円の支払いが行われていますから、5年後には、この倍額の影響があることになります。この金額もお示しください。次に、畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタの部分について伺います。12月の第4回定例会でも、ここの部分の金額についてでない部分はお尋ねしましたけれども、これも全体が見直しされる中で、特に深川市では作付の多いソバについては、10アール当たり2万円から1万3,000円に下げられるとともに、規格外品については対象外だとか、認定農業者、集落営農を対象に実施するとなっています。この辺の影響はどうなるのでしょうか。次に、収入減少緩和対策、いわゆるナラシについて伺います。これは、過去5年間の平均価格より値下がりした農産物の価格差の9割を補填するという制度で、米、麦、大豆、てん菜、でん粉原料バレイショなどが対象となっております。今のところ、ここ数年、価格の減少が発生していないようですが、国産米のだぶつきを言われている状況です。この制度も、やはり制度の後退になるのではないかと危惧するのですけれども、どうでしょうか。次に、これら一連の農政変更とともに、減反や米の生産調整から国が手を引いて、農家や農業団体が責任を負っていくという点や、その調整弁をえさ米や米粉用米によって行っていくということも打ち出されました。これら一連の政策転換も、深川の農業の展望を打ち砕いていくことになりはしないでしょうか。ただでさえどんどん減少していく後継者や、その貴重な農業後継者さえも離農を余儀なくされているというニュースが先日飛び込んでまいりました。そこへ、直接支払交付金の2017年からの廃止など各種補助金が半減されようとしています。しかも、えさ米への転換というのは、ようやく生産量を貯留できるところまで整備された深川マイナリーをいっぱいにしないで、遊ばせることになりはしないでしょうか。さきの民主党政権によって所得補償政策が打ち出され、少しは明るい表情が見え始めてきた農業後継者の間に、今、戸惑いの表情が出てきています。私は、今回、安倍政権が出してきたこの一連の農業政策は、TPPともども、ノーの声を大きく上げて押し戻していく以外に、深川市の農業も、そしてまちも守っていく道はないものと考えるものであります。山下市長の考えをお聞かせください。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
ただいまの農政の転換に関する4点の質問に順次お答え申し上げたいと思います。まず最初、1点目に、米の直接支払交付金、それから米価変動補填交付金というのもありますが、これらの変更に伴う深川市への影響についてというお尋ねがありました。議員も言われましたように、現行制度では、生産調整目標に従って米生産を行いました米の販売農家に対しまして、水田10アール当たり1万5,000円の直接支払交付金が支給されておりましたが、平成26年度、つまりこの4月以降からは、その金額が半減されて7,500円に削減される。それから5年後の30年度からは、これを全廃するということが決められた。それから、もう一つの米価変動補填交付金という制度もありましたが、これはもう半減とかの措置なしで、平成26年度、つまりことしから廃止するということが決まったわけでございます。そこで、米の直接支払交付金の減額に伴う本市に及ぶ影響額について申し上げますと、平成25年度は531戸の農家に対しまして、全体で約8億6,000万円の交付金があったということでありますので、単純に計算いたしますと、平成25年度に比べて今年度26年度から5年間、29年までの各年は半分になるとして市全体で約4億円の減収、それから30年度以降は全廃ということになりますと、農業者は8億円強の減収ということになるものと考えております。なおまた、米価変動補填交付金につきましては、これは制度創設以来、各年の米の価格変動が少なかった、小さかったということもあり、標準的な販売価格、決められた販売価格を下回らなかったということから、現在までに交付実績はゼロでありますので、これは比較の対象はないということになります。2点目に、畑作物に対する直接支払交付金の、同じように市内農家に対する交付額がどう変わるのかというお尋ねについてでありますが、これは対象者、つまりナラシの交付金の対象者、それから単価の見直しというのが行われるということになっておりまして、その見直しの概略を申し上げますと、まず交付金を受け取る資格のある対象者については、現行制度では全ての販売農家、それから集落営農を行っているところ、これが対象となっておりましたが、平成27年度からは、来々年度からはこれがちょっと狭まりまして、認定農業者、それから集落営農のほかに、農業経営を新たに始めようとする者で、道が認定した認定農業者は対象になる。これまでは、要するに販売農家ひっくるめてよかったのですが、絞り込みがかかるということになりました。それからまた、交付金の単価につきましても、これはソバについて大変厳しい見直しが行われております。ソバについての営農継続支払いということで、これまでは10アール当たり2万円、ソバを作付けると交付されておりましたものが、今年産、平成26年からはその額が1万3,000円になると、7,000円減少になるということでございます。また、数量払いにおきましても、平成27年度産からは、ソバの規格外品が交付対象から外されるということになっておりまして、金額の面でも、対象の面でも絞り込みがかかるがゆえに、厳しい見直しということになったわけでございます。ともあれ、畑作物全体の交付金の額でございますが、これは平成24年度に深川市全体に交付された金額が10億4,200万円であります。今後の交付見込額、どのような影響を受けるかということにつきましては、当然のこと対象作物の作付面積あるいは収量がどのようになるかといったことなどとも関連しますので、具体的な数値をここでお示しすることはできませんけれども、繰り返しになりますが、交付金の対象者が絞り込まれた、それから特にソバについては交付金単価が下がったということなどを勘案しますと、いずれにしても畑作物に係る直接支払交付金の市内農家への支払い総額については、これはやはり減少するものと、そのように見ているところでございます。それから3点目、収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策と言っているものの市内農家への交付状況についてでありますが、この制度によって、平成24年度に市内農家6戸に対して総額で20万7,956円が交付されたという実績がありますが、これがこれまでの実績の全てでありますので、非常にそこについての発動は少なかったということでありますが、この対策は一定の要件を満たす農業者が対象となっておりまして、収入が減少した場合の農業経営への影響をやはり緩和するという目的を持って設けられている制度でありまして、これまではいわゆる認定農業者、それから集落営農のうちで一定の規模以上の、要するに大きくやっている経営というものが対象ということになっていたわけでありますが、今回の見直しから、これは平成27年度以降ということになりますが、規模要件がなくなりました。つまり誰でもいいと、要するに入りたいという人は参加できる制度ということになりまして、もちろん認定で就農者というふうに新たに入ってくる人も、要は掛金を払えば誰でもいいですよと、こういうふうな制度になったということでございます。そして、対象は広がりましたけれども、この制度の中で、結局一定の要件を満たした場合、減収補填のお金がおりますが、その補填金額でありますとか、要するに自分が掛金を掛けなければ対象になりません。その掛金の拠出割合などについては、これまでの制度と同じ仕組みがとられているところでございます。そんな内容になっているということをご紹介して、3点目のお答えにしたいと思います。最後の4点目、今回の政府の方針転換について、今後どういうふうにしていくと考えているのかというお尋ねでありました。そこで、今回の経営所得対策あるいは生産調整制度の見直しにおいて、長年、需給調整の機能を果たしてきた生産数量目標配分システムとでも言うべきもの、これを平成30年度からということにはなっておりますが、廃止を決めてしまったということはやはり相当大きなことだと思っておりますし、先ほどるる申し上げたように、米に対する直接支払交付金が半減されてしまった、それから5年後には全廃になる。要するに、そういう生産調整システムをやめて、民間というか、当事者同士で調整していくシステムに切りかえるということと、それに向けてまず半分にし、その先はゼロにするということで直接交付金をなくしてしまったといった非常に大きな制度変更があったわけでありますが、これらが、残念ながら今回は事前に現場レベルでの十分な議論がないままに結論が出された、唐突に制度変更が行われた、そういう感が否めないところでございまして、やはりこれはこれまで生産調整に協力してきた多くの水田農家に不安を与える、生産現場に混乱を生じさせる、そういうおそれがあるばかりでなく、これによって、米価そのものの下落につながってしまう可能性も大いにあるだろう、そんなことを懸念しているところでございます。また、くどいようですけれども、農家の所得ということを考えましても、直接交付金は減る、しかし一方で、日本型直接支払制度の創設というのがありますので、一定程度、減少についての相殺効果は働くのかもしれませんけれども、トータルでは、やはり農家に入ってくる直接交付金は減少することは間違いないわけでありますので、これらもろもろを考え合わせますと、今回の農政転換は、やはり本市など農業を基幹産業とする地域の経済、また産業に大きな影響を及ぼすおそれがあると、そのように認識しているところでございます。そこで、市といたしましては、JAなど農業関連団体と十分な連携を密にしまして、地域の農業者が将来にわたって安心して農業経営が続けられるように、必要に応じて関係施策の充実強化、場合によっては今回の農政転換の再度の見直しといったことなどについて、北海道市長会あるいは空知総合開発期成会などを通じて国や道に要請を行うなど、今後、営農実態、状況を十分確認しつつ、地域を守るために適時適切な対応に努めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
再質問 16番 松沢一昭
再質問ではありませんが、一言だけ述べさせてもらいたいと思います。TPPについても、山下市長と同じ土俵というか、同じような考えで論議をしてきたという思いがありますし、今度の問題についても、そういう点では、一緒にこれから運動を構築していけるのではないかと思います。そういう点で、共闘できるところはしっかり共闘して、深川の農業を守っていくために、これからも力を合わせていきたいと思います。