深川市議会 平成25年第4回定例会 2013年12月5日
農業後継者対策
2013年12月5日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「農業後継者対策」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 辻本智
12月に入り、冬至が近づくにつれ、日も大分短くなってまいりました。本年1年、食料を育て、人々の空腹を満たし、地域経済にいくばくかの貨幣をもたらした深川の豊かな大地は、今は雪の下であります。土壌の専門家による学説によりますと、土の生成速度というのは、1センチにつき大体200年から300年を要するということであります。そこから考えますと、深川の肥沃な田畑は、その表土、いわゆる食物が根を張る作土層、それが仮に15センチだとしても、そこには3,000年以上の歳月をかけ、名もなき生き物たちが後世の私たちに残してくれた宝物、そう言うことができるのではないでしょうか。仮に、この一帯が石狩川の沖積土だとしても、日本という国土が生んだ貴重な財産に変わりはありません。私ども農業者は、どんな場合にあっても足元の土の中に思いを寄せるものであります。それでは、通告に沿って一般質問を行います。まず初めに、農業分野における後継者対策です。本市の基幹産業である農業分野の課題については、本定例会でもさまざまな形で論議されております。午前中にはTPP交渉をめぐる動きについて質問がありました。また、ここに来て、政府が米の需給調整のあり方を抜本的に見直すことを表明した、そのことについて山下市長が、個人的見解と断りながらも、その問題点、見通し等を的確に話されていたと私は受けとめました。北海道のような専業農家主体の地域経済にとって、このことは大きな不安をもたらすものとなっております。前政権下のもとで進められてきた岩盤対策としての戸別所得補償制度は、法制化まではいきませんでしたが、私としては、この所得補償により、農業者が複数年を見通した形の中でみずからの経営計画を持てるようになったと評価しておりました。実際に近所でも若い後継者の顔がふえてきたなと感じていたやさきであります。そうした一連の状況を踏まえた中で、まず初めに農業後継者対策について質問いたします。1点目は、農業後継者の就農状況の推移と今後の見通しをお聞きします。2点目として、本年3月の予算審査特別委員会の質疑では、新規就農者確保対策事業として、たしかこの春から新規に就農される1人の方への支援を予定していると伺っております。そこで、本年度から本格的に農業に参入された方の本年作付けした作物等、就農状況をお聞きしたいと思います。また、国の青年就農給付金事業の交付状況もお示しください。3点目として、来年度以降の課題ですが、現在は新規就農時における支援措置として、一つには、深川市単独の就農支援制度、これは平成15年度から始まっております。また、昨年度から開始された農水省の青年就農給付金事業、その両方が用意されております。このように、行政、また国の公的な支援制度が複数用意されているということは、初期投資に多額の費用が伴う、特に農外からの新規参入者にとって大変歓迎されており、今後においても、農業を開始しようとする方々の後押しをする重要な施策であると評価するわけであります。しかし一方で、国の青年就農給付金事業にはさまざまな給付条件がつけられており、例えば給付対象者の年間所得、これは農業外も含めるわけですから、深川市からの支援金もそこに当然入ると思います。その年間所得が250万円を超えると国のほうの給付が支給停止となる、そういった縛りがあります。そうしますと、市単独での支援目的が、初期投資における経営負担を少しでも軽減するという当初の目的とは相反して、その当事者にとっては、年間所得の上限を気にしながら一生懸命営農する、そういった矛盾を抱え込む事態をもたらしている状況にもあるのではないでしょうか。農業は、言うまでもなく自然相手の仕事です。計画上予期せぬ出費が生じることもありますし、仮にその就農された方が家族やお子さんをお持ちであれば、年度当初に手当てする資金には多少の余裕を持ちたいと願うわけであります。事実、私の知り合いの新規参入された方は、みずからの営農をやりながらも、その合間を縫って、声がかかれば近所の農家の手伝いにも出ていきますし、この冬は土木の現場に働きに出ております。こうした現状を鑑みますと、市の確保対策事業が要綱の中で規定しているところの就農したその年に申請を受け付ける、あるいは現金を支給する、そういった仕組み、これは先ほども申し上げましたが、国の就農給付金事業が始まる以前に本市として独自に創設したものですが、こうした運用方法をもう少し弾力的にするなどの見直しをすることが必要ではないでしょうか。深川市の来年度予算編成に当たって、これら支援のあり方を、その就農者本人が置かれた状況、営農計画から複数の給付条件を選べるというような形で、該当する方にとって活用しやすく、実際の営農を軌道に乗せることに資する、そういった工夫というのが求められていると考えますが、所管の考えをお聞かせください。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
農業後継者対策についてお答え申し上げます。1点目の農業後継者就農状況の推移と来年度以降の見通しという点でありますが、JAきたそらちの資料によりますと、農業後継者の就農数は、ここ10年の状況で見ますと、年平均して大体8人程度で推移してきております。平成22年に戸別所得補償制度が導入され、なくなるわけでありますが、その戸別所得補償制度導入以降も、年によって若干就農者数にばらつきはありますが、この間もほぼ同じような数で推移してきておりますことに鑑みますと、この先、米政策の見直しによってどうなるか不透明さは残りますけれども、ほぼ同じ水準でこの先も推移するのではないかなと考えております。2点目に、新規就農者確保対策事業と青年就農給付金事業の交付状況についてお尋ねがありました。深川市の新規就農者確保対策事業といいますのは、農外から新たに就農される方に対して、一定の要件のもと、就農直後の経営の不安定な時期に、市が就農支援金ということで200万円を交付するという事業でございます。本年度は、施設花卉農家として営農を開始された方1人に交付を行ったところでありますが、ご本人は地域に溶け込む努力をされておりますし、おおむね順調に営農を続けておられると伺っているところであります。また一方、青年就農給付金事業でありますが、これは平成24年度から開始された国の事業でありまして、これも一定の要件のもと、年間、個人に対しては150万円、夫婦の場合は225万円が、最長5年間交付されるという事業であります。本市におきましては、平成25年度は、昨年からの継続で受けておられる果樹農家の方1人、それと、今ほど申し上げました市の交付金の対象者となりました方、施設花卉農家、この人は夫婦でございますので、1組と言うべきなのかもしませんが、去年から引き続き受けている人1人と、それから今年度から夫婦で頑張っておられる1組に対して、国の青年就農給付金が交付されているという状況でございます。それから3点目に、市の新規就農者確保対策事業の見直しについてご提言がございました。ご指摘のように、市は現在、独自の取り組みとして、1回限り、1年限りでありますが、就農支援資金として200万円を交付しております。一方で、繰り返しになりますが、国は最長5年の就農給付金、しかし国の青年就農給付金を受けるに当たりましては、今、議員も的確に指摘されましたが、所得制限というのがございます。受け取った青年就農給付金150万円は除いた上で、それ以外の所得が250万円を超えますと翌年度の給付金が停止されると、そういう仕組みになっております。他方で、市から交付いたしましたお金200万円でございますが、その200万円は所得の中に算入されてしまいますので、200万円丸々所得になります。そうすると50万円しかすき間がなくなる。50万円以上所得があると翌年度国の給付金を受けられない。議員のご指摘のとおりでございます。そんな可能性があります。これはしかし、就農直後の経営が不安定な時期に何とか頑張って営農を続けてもらおうという趣旨で、国の給付金もそうだし、市の資金も交付をするものでございますので、可能であれば両方受けられるように運用を改善すべきであるだろうと思っておりますので、本市において具体のケースが出てきた場合には的確に対処できるように、例えば、200万円を一括払いにしていますが、これを年賦払いというような形にして、年々の所得を下げる手もあるだろうし、いろいろ運用の幅はあるだろうと思っておりますので、そういうケースが出てきた場合は適切に対応してまいりたいと思っております。