深川市議会 平成24年第3回定例会 2012年9月5日
農業者戸別所得補償制度
2012年9月5日、深川市議会の一般質問で、松沢一昭議員が「農業者戸別所得補償制度」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 松沢一昭 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 松沢一昭
早いもので、第2回定例会から3カ月余りたちました。この深川も、この間、大風や集中豪雨などの災害もなく、豊作の期待の持てる収穫期を迎えようとしています。今、刈り入れ真っ盛りのソバについても、反当2俵半といった高収量の声が聞かれますし、基幹となるお米についても、2年続きの豊作が予想されるところであります。高温障害による米質の低下がなければよいがと思うくらい暑い毎日が続いています。以下、通告に従って一般質問を行います。1番目は、農業者戸別所得補償制度についてであります。これまでも、農業の基本政策がたびたび変えられてまいりましたが、この政策は、民主党のマニフェストに基づいて本格実施されて今年で2年目となります。政権がかわらなくとも、これまでもほぼ3年に1度は農業政策が変わってきたのに、今度の所得補償は民主党の目玉政策だっただけに、3年で終わりの声も聞かれます。土地改良事業予算の後退が当初大きく問題になったとはいえ、今の農業予算の中では、条件不利地への配分と所得補償合わせて8,000億円というのは、地域の農業収入を支える大きな柱になっているのは、紛れもない事実だと言えるでしょう。この安定的な制度化のためには、法律として整備されるのが不可欠でありますけれども、8月末の新聞記事によると、流動化する政局の中で見通しが立たないという状況にあるようです。今後の法制化へ向けた各種団体の動きは、TPPの反対運動とともに非常に重要だと考えますけれども、これらの動向及び山下市長の考えについてまず伺います。次に、この制度の大きな問題点について、国内第2位の生産地となっているこの深川のソバの取引を例にとって伺います。今、ソバの数量払い単価は1俵1万5,200円となっています。仮に反収2俵だと3万400円となり、先に支払われていた2万円との差額1万400円が追加払いされ、この分が所得の補償となります。しかし、価格の下支え制度がないために、さらには国内何社かの製粉会社が流通を仕切っているために、ソバの取引価格は、最も価格がよいと言われている8月収穫物でも5,000円以下になってしまっていると言われています。大きな税金、約6,500億円と言われる予算をつぎ込んでの所得補償政策であるだけに、当初は、もっと一息つけるのではないだろうかと思っていた農家よりも、流通を取り仕切っている製粉業者がその恩恵にあずかっているのではないでしょうか。もちろん、こうして深川市議会で議論してすぐに解決策が見つかるという問題ではございませんが、そばという食べ物が一般的な庶民の食品であるだけに、現在の取引実態に対して割り切れないという農家の人たちの声をたびたび耳にするものですから、あえてここでの質問に取り上げました。価格の下支え制度なしには、この問題は解決がつかないように思うのですが、深川市の実態把握を含め、市長の見解をお尋ねします。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
農業者戸別所得補償制度についてお答え申し上げます。戸別所得補償制度は、簡単に申しますと、販売価格と生産費が違っているというか、恒常的に販売価格が生産費を下回るような農作物を対象にして、その差額を政府が公的に交付することを通じて、農業経営の安定と国内生産力の確保を図り、もって食料自給率の向上、あわせて農業の多面的機能を維持することを目的として、平成23年度から本格的に実施されている制度でございます。そこで、1点目の法制化を含めた今後の見通しについてでありますが、議員も言われましたように、現在のところ、農業者戸別所得補償制度というものは、制度をきちんと裏づける法的根拠がございません。極端に言うと、単なる予算措置で、毎年毎年予算書に載っている、それを根拠に支出が行われているという性格の事業でございますので、財政事情の変化の影響を受けやすい、そういう懸念のある脆弱な制度のままとなっているということから、全国の農業者・農業団体がこぞって、これを恒久的な制度とするために法制化が必要であると主張し、国等に強く要請を行ってきているところでございます。本市もと言うか、私もと言っていいのかもしれませんが、同様に、北海道市長会や空知総合開発期成会の組織としての要請活動等の折に、その働きかけをこれまでも強く強く行ってきたところでございます。しかし、言われましたような、今国会はまだ終わっておりませんけれども、ここに来ての空転状況の中で、何やら当面、政府において法制化のための法案提出は見送るという情報が伝えられており、秋の臨時国会以降に先送りすると、そんな情報が流れているところでございます。大変残念に思っておりまして、市といたしましては、今後とも、国政における動向を十分注視いたしますとともに、引き続き、この種の要請をしっかり、JAなど関係団体とよく連携をとりながら、必要な働きかけを行っていく必要があると考えているところでございます。次に、ソバを例にとってのいわば買いたたきについてご指摘がございました。ソバは、平成23年度、昨年度から戸別所得補償制度の本格的な実施に伴い、その中の戦略作物として位置づけられ、水田活用の所得補償交付金、それから畑作物の所得補償交付金という形で交付がなされているところでございまして、これまでよりも手厚い支援措置が講じられている状況にあります。ただその一方で、市場で取引されるソバの価格については、JAきたそらちに確認いたしましたところ、1俵当たりの値段で平成21年度は約1万1,200円、そして22年度は約1万3,700円と1万円を超える値段をつけていたものでございますが、戸別所得補償制度が導入されました23年度にあっては、1俵当たりの価格が8,600円と随分一気に下落している状況にありまして、さらに今年度の新ソバの価格については、1俵5,000円から5,500円の予想と聞いているところでございます。このように、価格が下落している要因としましては、戸別所得補償制度の導入に伴いまして、全国的にソバの作付面積が拡大した、生産量が増大しているということの影響もあろうかと思いますけれども、ソバは全国的に、省力型の作物として大変重要な作物でございます。本市においても、この先、労働力の不足が見込まれる中で、やはりソバはなくてはならない重要な作物であると認識いたしておりますので、今、下落傾向にあります価格の動向など、今後しっかり見きわめまして、地域にとっても重要な作物であるソバの維持、生産の確保という面で、JAきたそらちなどとよく連携いたしまして、生産の継続あるいは農家経営の安定が十分図られますように、市としても政府関係者に対して必要な施策要望をしっかり行っていくように、検討してまいりたいと思っているところでございます。