深川市議会 平成24年第3回定例会 2012年9月4日
生活保護の実態と問題点
2012年9月4日、深川市議会の一般質問で、田中裕章議員が「生活保護の実態と問題点」について質問し、市長 山下貴史、市民福祉部長 瀬川慎が答弁しました。
- 質問者
- 田中裕章 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史、市民福祉部長 瀬川慎
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 田中裕章
ことしの夏はロンドンオリンピックで日本中が盛り上がりました。先月12日に閉会し、17日間の熱戦に幕を閉じました。日本のメダル獲得数は、金が7、銀が14、銅が17個の計38個で、2004年のアテネ大会の37個を上回り過去最多となり、金メダルの数は目標としていた17個を下回ったものの、大健闘だったのではと思うものであります。選手の帰国後、銀座で凱旋パレードが行われ、沿道には徹夜組も含め約50万人が詰めかけ、オリンピックを沸かせた選手たちに声援を送っておりました。日の丸を背負って、競技だけではなくプレッシャーとも戦った全ての選手たちに敬意を表するものであります。しかし、熱戦が繰り広げられているオリンピック開催中にもかかわらず、韓国の李明博大統領が日本の領土である竹島に上陸したというニュースが入ってきました。そもそも竹島は、日本政府が1905年に正式に領有を宣言し、島根県に属すると閣議決定されております。当時の大韓帝国から反論はありませんでした。この竹島上陸は、日本政府が7月に発刊した防衛白書に竹島の領有権を強く主張したことに対しての反発、ロシアのメドベージェフ首相が北方領土を訪問した事に刺激を受けた、また年末に任期を迎える李明博大統領の支持率が下がっており、国内の保守層の歓心を買うための政治判断ではないかと言われております。我が国は、このことを強く非難するとともに、韓国が竹島の不法占拠を一刻も早く停止することを強く求めることが必要であり、また我が国政府は、断固たる決意と毅然とした姿勢で韓国政府に対ししかるべき対応をとり、我が国が一丸となって竹島問題について効果的な政策を立案、実施するべきだと思うものであります。さらに、8月14日、李明博大統領は、天皇陛下の韓国ご訪問について極めて不適切な発言を行っており、友好国とされる国家のトップが天皇陛下に対して行う発言としては極めて非礼な発言であり、決して容認できないものであります。さて、日本の野田首相の対応は、竹島、尖閣諸島について会見を開きました。政府の役割は、平和を守り、国民の安全を維持して、国土を守ることを冷静に行うこと、土地だけなら小さい国が、6,800を超える離島のおかげで日本は海洋国家として君臨していること、そのためこの離島の重要性を明言し、党の垣根を越えて実行していくと宣言し、離島の安定的保全管理、周辺海域の法律を含めて警備体制の強化、正当性を対外的に発信し、国際的に領土領海を守ること、そして竹島の歴史を述べ、明確に歴史的にも国際的にも日本の領土と明言するだけでなく、尖閣諸島、北方領土も日本の領土と宣言しました。また、竹島の領有権を求め国際司法裁判所に付託するよう韓国側に求める口上書を提出しましたが、提訴の要請を韓国政府が断固として拒否したため、日本が単独行動に出る意思を明かしましたが、韓国政府はこれに先立ち、韓国の呼称である独島は紛争地域ではないとして日本の共同提訴の提案を一蹴し、その確固たる領土守護の立場も表明したことが伝えられております。今回のロンドンオリンピックの男子サッカーの日韓戦で、韓国選手が竹島について、独島は我々の領土と書かれたボードを掲げ世界中から批判が上がったり、韓国の芸能人が世界中でロビー活動を繰り広げておりますが、そこまでして領有権のアピールをするのであれば、堂々と司法の場に出てきて決着をつけていただきたいと思うものであります。少々長くなりましたが、通告に従いまして一般質問に入ります。あらかじめ申し上げておきますが、2番、当市の業務委託先での食品の取り扱いについて、また3番の空き家対策と中心商店街の景観対策についての(1)番、それと4番の当市のいじめの実態と予防対策について、これは先ほど北畑議員から質問がありました。また違う機会にお聞かせいただきたいと思います。それでは質問に入ります。初めに、生活保護の実態と問題点についてお伺いいたします。生活保護制度は、昭和25年に生活困窮者のセーフティーネットとして制度化されて以来、長きにわたり抜本的な制度の見直しがされていないため、60年余りが経過しており、近年の社会・経済情勢の変化に対応できなくなったと言われ、高齢者の経済的自立や稼働能力がある若年層の受給者に対する就労支援策、不正受給に対する取り締まり等々の課題について、国に対し多くの自治体から制度の改善を求める要望が提出されております。こうしたことから、厚生労働省は、昨年5月から生活保護制度に関する国と地方の協議を実務者会合を含め10回にわたって開催し、昨年12月に中間取りまとめが発表されたところであります。中間取りまとめでは、制度の基本的な考え方は変えないとした上で、生活保護に至らないための仕組みや脱却につながる仕組みの拡充、高齢者の経済的自立の促進につながる施策を講じていきながら、各自治体の体制整備や負担軽減を図る方策について検討を進めていくなどが示されておりますが、まず深川市の生活保護制度に対する課題認識とその実態について伺っておきます。さて、全国的に見ると、リーマンショック以降、生活保護受給世帯数は急速に増加しており、厚生労働省によれば、昨年9月現在で150万2,302世帯、207万人と過去最高になっており、支給額については、2009年度以降3兆円を超える状況が続いております。受給世帯の中でも、特に急増しているのは高齢者世帯及び稼働能力があると見られているその他世帯となっておりますが、深川市においては緩やかに上昇傾向にあります。平成20年度と比べ、24年4月では20世帯ほど増加いたしております。その他世帯とは、高齢者、母子、障がい者、傷病者のいずれにも該当しない世帯を指し、現下の厳しい経済・雇用情勢の中で失業した人や収入を減らした人などが多く、その意味では景気の回復やそれに伴う雇用の安定こそが求められるところであります。先行きの見えない経済状況にあって、自治体としても就労による自立支援策を今まで以上に促進する必要があると考えます。最近の生活困窮状況の複雑化、多様化もあって、自立就労に至るケースは非常に少ないのが実情です。他市では、平成22年からNPO団体と連携して、就労支援対象者に安定した地域生活支援、就労のための日常生活習慣支援に加え、就労のための技能訓練や教育支援等をサポートすることによって、前年の就労実績を大幅に向上させた事例もあると聞いております。以上のように、とりわけその他世帯については、直接就労につながるような自立支援の取り組みを積極的に採用していくべきだと考えるものであります。就労支援に対する、その取り組み姿勢についてお聞かせください。次に、生活保護費の適正な支給の徹底についてお伺いします。生活保護受給者の増加に伴い、貧困ビジネスや生活保護の不正受給がふえていると言われております。ある自治体では、生活保護費返還請求に関する訴えが提出されましたが、対象者が支払いに応じたため提出が撤回されたとお聞きいたしております。仮に、こうしたケースが氷山の一角だとするならば、生活困窮者に対して自立を助長することを目的としている生活保護制度の根幹を揺るがしかねない事態であり、深川市としても、このような事例が起きないためにも徹底を図るとともに、改めて受給の適正性を精査すべきだと考えます。札幌市では、意図的に隠蔽して生活保護を虚偽申請し、昨年9月からことし6月にかけて生活保護費約140万円を市からだまし取ったとする事件や、最近では、徳島県のある市で、議会議員の母親が生活保護の受給をしており、みずからの意思で議員辞職されたという事例もあります。当市の中では、生活保護の申請に公的立場である者が付き添い、申請を通りやすくしているのではないかという声や、高齢者の方はいまだに生活保護を受給することをよく思わず、少ない年金でやりくりする中、本人の意思とは関係なく生活保護受給を促している者がいるなど、そういった声も市民の中から聞こえてきております。いずれにしても、基準に達しない方の受給は認められないものでありますが、市民から疑われるような行動は慎むべきであり、さまざまな事件が報道される中、生活保護受給申請がしにくくなるような事態は避けるべきだと考えますし、大変危惧するものであります。生活保護申請の手順と、生活保護の適正な支給についての見解と、予防対策について伺います。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
田中裕章議員から、ただいま4点の質問がございましたが、そのうち総論的にお尋ねがあった1点目の、当市の生活保護の実態あるいは課題についてという部分について、私からお答え申し上げたいと思います。初めに、深川市の生活保護の実態についてでございますが、生活保護を受給しておられる世帯数、それからその被保護者数の推移について申し上げますと、議員も言われましたが、平成20年4月現在の数字で、対象となっている世帯数は319世帯で、被保護者数は407人でございましたが、これが4年後のことし4月現在では、対象となっている世帯数が345世帯で、人数にいたしますと453人となっておりまして、この4年間で、対象となっている被保護者数で見ると46人の増ということで、若干増加いたしております。ただ、去年の4月現在の数字が、世帯数が344世帯、被保護者数が451人という数字でございましたので、この1年間で比較すると、ほぼ横ばい傾向ということが言えるかと思います。ちなみに、保護率、人口1,000人当たり何人の方が被保護者となっているかという、いわゆるパーミルの数字で見てまいりますと、本市の場合、平成20年4月が16.6パーミル、昨年、23年4月が19.2パーミルと大分上がっております。そして、ことし4月は、さらに若干上がって19.6パーミルでございますので、市の総人口が減少しているといったことも影響してございますが、この保護率は上昇してきているという現状かと思います。ちなみに、全道平均のパーミルを申し上げておきますと、全国で一番高いのは大阪ですが、その大阪に次いで高いのは北海道で、29.0パーミルという数字でございますので、それと比較しますと、本市のパーミルは10ポイント近く低いわけでございます。しかし、全国平均の保護率は15.2パーミルということですので、全国平均よりは我が市は高い保護率になっているところでございます。次に、生活保護制度の課題認識についてでございますが、我が国全体では、昨年7月以降、ご承知のように、生活保護受給者は毎月、過去最高を更新し続けております。国が公表している直近のデータはことし3月でございますが、このときの数字は、被保護者数が210万人を突破しております。生活保護世帯の中でも、特に失業などにより生活困窮に陥った、そういう要因により受給している世帯が増加しているということが一つございます。また、扶助費の中で医療扶助が、この生活保護費の約半分を占めるに至っている。これもやはり特徴的な問題点として指摘されているところでございます。そうしたことから、現在、政府はこの生活保護制度の見直し、それから生活困窮者対策の検討が行われていると承知いたしておりまして、これらについてことし秋を目途に総合的な取りまとめがなされる、そのように承知いたしているところでございます。本市における被保護者数は、今ほど申し上げましたとおり、近年、横ばいないし若干上昇傾向ということでございまして、全国的な状況と同様に、生活保護費に占める医療費扶助の割合が非常に高くて、生活保護費全体の6割を超えております。また、近年の経済状況などから就労意欲や就労能力が一定程度ありながらも、就労によって生活を維持することができない生活困窮世帯が増加傾向にあるといったあたりが本市における生活保護の課題であると認識いたしておりまして、これらに対する取り組みが必要であると認識いたしております。課題の一つである医療扶助が増加していることへの対策としては、本定例会冒頭、議決いただきました補正予算の中に盛り込まれておりました生活保護費の経費増分、これを用いて医療扶助相談指導員を1人、新規に配置いたしまして、いわゆる被保護者に関しましても、例えば後発医薬品の使用促進を図るとともに、医療や健康相談に対する指導、支援を通じて、医療扶助の適正化を図るということを進めてまいりたいと考えております。また、就労能力が一定程度ありながらも就労につながらない、そのため経済的な自立が難しい被保護者の方につきましては、既に平成22年8月から本市は配置しておりますけれども、就労支援員とケースワーカーが連携して、被保護者の就労促進に対応するという取り組みを進めますほかに、国のハローワークが実施する就労支援施策を活用しながら就労相談や就労支援の強化を図ってまいりたいと考えております。これらが課題に対する対応についての考え方ということで、総論的に申し上げさせていただきました。以下、具体的な残余の質問は、担当部長から答弁させていただきます。
答弁 市民福祉部長 瀬川慎(市民福祉部長は2013年3月まで)
生活保護の実態と問題点についての2点目から4点目まで、私からお答えさせていただきたいと思います。初めに、2点目の生活保護受給者の就労支援についてでありますが、ただいま山下市長の答弁にもありましたとおり、本市においては平成22年8月から就労支援員を1人配置いたしまして、就労意欲と就労能力が一定程度あるものの、それに対してサポートが必要と思われる被保護者を対象といたしまして、就労支援に係る相談、支援の強化に力を注いでいるところでありまして、第2回市議会定例会の鶴岡議員の質問への答弁にもありましたとおり、徐々にその効果があらわれつつあると。平成23年度の実績で言えば、対象者45人に対して12人が就労し、保護費を変更あるいは廃止したという実績となっています。また、平成23年度からは、国の施策ということで、ハローワークと市町村が連携いたしまして、そしてより効果的、効率的な就労支援を行おうとする福祉から就労支援事業なるものが進んでおりまして、引き続きこの事業にも取り組みながら、就労を希望されている被保護者が1人でも多く就労に結びつくことができるように、私ども、一体となって被保護者の就労支援に努力していきたいと考えております。それから、質問の中にありましたNPO団体と連携しながら生活あるいは就労のための取り組みを行うことにつきましては、これまた第2回市議会定例会の鶴岡議員の質問にもお答えさせていただきましたとおり、今後、十分に研究して取り進めてまいりたいと考えております。それから、3点目の申請から決定までの手続、手順についてでありますが、生活保護の申請があった場合には、この保護の決定を行うために、生活保護法等に基づきまして各種調査を行うことになっております。その一部を申し上げますと、生活状況等を把握するための実地調査、家庭訪問等がこれに当たります。それから預貯金、保険、不動産等の資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、年金等の社会保障給付、就労収入等の調査、そして就労の可能性の調査、こういった各種調査の結果をもとに、申請のあった世帯が最低生活水準に達しておらず、真に保護が必要かどうかの要否を、担当課長、それから査察指導員、ケースワーカー4人の計6人で構成するケース検討会議に諮り、この会議で判定した後、書面をもって申請者に対して保護の開始または却下の決定を通知するという手順で現在動いております。それから次に、4点目の不正受給予防対策についてでありますが、生活保護行政における不正受給防止というものは、生活保護に対する国民の信頼を得るためにも国民的な課題であると認識しておりまして、この未然防止のために法に基づく基本中の基本の対応をしっかりと果たしていくことが重要だと認識しております。しからば、その基本中の基本の対応とは何かと申しますと、まさに今、3点目の答弁で申し上げました申請から決定までの手続において各調査を手抜かりなく行うこと。そして、ケース検討会議で、その要否を厳格かつ適切に行っていくこと。加えて、保護が決定された後においては、被保護者にあっては市が適切に関与する中で、生活保護法に規定される責務をきちんと果たせるよう努めていただく。また、その支給決定を行った市としましては、ケースワーカーによる家庭訪問を決定後ももちろん定期的に行う。さらには、決定後の収入調査もしっかり行っていく。こういったことなどを通して、不正受給が起こらないように、引き続きしっかりと全員でもってこの対策に努めてまいりたいと考えております。